(短編小説)
遊戯
- 拳銃 (222)
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
遊戯の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最晩年の作品集。「小説現代」に集中連載された「遊戯」他の短編は連作という形態をとっているようだが、連作全体のタイトルが「遊戯」だったのかは知らない。ただ、ここには長篇として構想されたような大きな野心は感じられない。 第1作の「遊戯」は、読後、なぜか藤野一友の作品を想いだした。藤野はダリの影響を受けた画家だが、彼の絵の人物は裸身であることが多い。それも奇怪な想像力によって“遊戯”を強いられているのだ。 ネット・ゲームからはじまるので、新たな“孤独の広場”を発見した新機軸かな、と思っていたらそれだけで終わりはしなかった。もちろん、それは重要な伏線にはなっている。映画「パリ・テキサス」や、珍しくビートルズの曲が流れ、それがEleanor Rigbyだったりもする。ネットで知り合った二十歳の娘と三十一の男。彼女が指摘した拳銃によるのと刃物によるのとでは殺傷の意味が違うという話から男が決心したこととは…というミステリ(謎解き)。 「帰路」には、朝川みのりだけが登場する。本間透は出ない。彼女の溌剌とした伸びやかな性格がはち切れんばかりだ。しかし、藤原が用意した境遇はやはり訳ありだった。彼女の父は警察官。今度再婚しようとしている。再婚相手に会った“みのり”はしかし、好印象をもつ。一方、離婚した母は一人住まいを追い出されそうになっていた。 「侵入」は、本間とみのりの両者が出てくる。彼らが対面するのはまだ2回目だ。2人は世間的には単なる知り合いであり、実際には本間のひみつを共有する関係ではあるが、まだ特定の関係にはない。 「陽光」のタイトルは、マンションの建設現場での撮影中に射してくる“陽光”のことでもあるだろう。雨後なので危険回避のため5階での撮影は中止しようとの意見にみのりが異を唱える。それで、とび職の武田というベテランをアドバイザーにつけて強行されるのだが、みのりの意気に感じた武田の男気とやさしさが今回のメーン。 「回流」は、未完に終わった連作の最終話。一等不可解な“自転車の男”への推理が整理してある。ここから膨らませられることは色々あるのかもしれないが、言えることは、この男が本間の過去の亡霊だろうということだ。それ以外に、男の登場する意味はない。 しかし、本間にはすでに“みのり”という実り多き未来が訪れている。問題はない。そういうところまで書かれている本作に何の不満があろう。後は、恐怖との対峙が描かれるのみなのだ。その力技が晩年の藤原には喪われていたのかもしれない。あるいは躊躇いがあったのか。 最後の短編「オルゴール」の道具立ては秀逸である。<小型トースターほどの重量と大きさを持つ木製のオルゴール>が過去と現在を結ぶ。この国有数の資産家・夏目重隆(65)と倒産会社社長・日比野修司(41)とかつてそれぞれの伴侶であった祥子とを結ぶ<ゼンマイ仕掛けの手品>として機能する。 しかし、ここでも幼女とその母が物語のためとはいえ抹殺される。そして、そのことが二人の哀愁にまみれた男の影を造形する。彼の早逝を惜しむ声は多いが―このまま行けば彼とて駄作を書いていたのかもしれない、とも思える腐臭を嗅げないこともないワンパターンだ。だから、藤原が「がん発症始末」で書いた<生きのびた場合には、できるだけファンキーなジジイになりたい>といった、その“ファンキーなジジイ”への転生をはかろうとした骸としてこの作品集はあるのかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作は未完です。評価が高かったので購入しましたが作者のファン以外は手を出さないほうがいいでしょう。ミステリーでありながら作者急逝のため出題編のみで物語自体は完結していないからです。 ネットゲームを通じて若い女と三十路の男が知り合い展開していきますが、起承転結の承くらいで話がぶつ切られているので非常に評価に困ります。面白いともつまらないとも言えない段階で話が終わってしまいました。巻末の短編も特に心に引っかかるものがなく、評価は☆1.5。 作者の遺作ということで完全にファンへ向けて刊行されたものなんでしょう。正直ファンでもない私からすると「未完成だと知っていたら買わなかった」この一言に尽きます。ミステリーは事前調査なしで購入していましたがある程度は下調べも必要だなと思わされました。 文章は少し硬め。あと「本作は未完です」の一文は最初に書いてほしかった。最後にこの一文で締め括られた時の脱力感と時間を無駄にした感覚はすさまじかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
未完の作のため途中で終了。よって読後感は未定。祖語の展開が気がかり。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
藤原伊織という作家ではなく、藤原伊織という人を、心から好きになってしまいました。最後の作品です。最高です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本は藤原伊織ファンとしては納得ですが知らずに読めば???記念に大切にします。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 20件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|