ホワイト・シャドウ
- ノワール (113)
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“南部から来たレイモンド・チャンドラー”と評される、アラバマ出身のエース・アトキンスによるクライム・ノワール。 舞台は1955年のフロリダ州タンパ、イボー・シティ。シチリア・マフィアやキューバ・マフィアが暗躍する街で、かつてフロリダ・マフィアのボスで、今は引退して新聞記者たちを相手に酒を飲みながら昔話をするのを生きがいにしているような老人、“ホワイト・シャドウ”の異名を持つチャーリー・ウォールが殺害されるという実際にあった未解決事件をもとに、ストーリーは展開してゆく。 タンパ市警のドッジ刑事らは、腐敗する警察組織の中にあって、しかも情緒不安定な妻を抱えて果敢に事件解明に奔走する。また≪ザ・タンパ・デイリー・タイムズ≫の記者ターナーも独自の調査で真相を追う。 しかし事件は収束するどころか、次々に不審な殺人事件が起こり、混沌としてゆく。さまざまな人々が登場し、彼ら彼女らの利害や思惑や思いが複雑に絡み合うこの一連の事件は果たして解決するのだろうか。 事件が起こった時代は私が生まれる以前のことであるが、ターナーによる一人称多視点で綴られる文章からは、さすがに事実をもとにしただけあって、1955年当時のかの地の混沌が痛いほど伝わってくる。違法賭博ボリータや闘鶏に興ずる人々の熱気、アメリカの傀儡政権下にありカストロによる革命前夜のキューバの影響、ギャングの暗躍と贈賄、そして実際にバーや賭博場での街の喧騒が聞こえてくるようであり、葉巻やタバコの煙が目にしみるようだ。 本書は、アトキンスが現実の迷宮入り事件に大胆な解釈を加えて、まさにこの時代を切り取って描きあげた、“謎解き”や“ハードボイルド”を超えた、“ノワール”である。 | ||||
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