夜明けのメイジー
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原作のシリーズは10作目まで刊行されているらしいが、 邦訳は本書のみ。素晴らしい小説なのに、実に惜しい。 他のレヴューに僅かしか触れられていないことを述べる。 それは、この作品の主人公が下層階級出身であることだ。 馬車を引いて野菜を売る商人の娘として生まれた主人公は、 聡明さと幸運(勤め先の開明的レディの引き立て)により 大学教育を受け、(従軍看護師を経て)私立探偵として開業する。 一見どうということもないようにも見えるが、 もし舞台が19世紀イギリスであったなら、およそ現実味がなかったに違いない。 本作の時代背景となっている社会変化の一端を、主人公のかつての奉公人仲間で 軍需工場に勤めるイーニッドはこう語る。 「そしてこの戦争で何もかも変わりつつあるわ。気がついた? 戦時中でもあたしみたいなのが高い賃金をもらえるようになったんだから。 裕福な連中も変わらざるをえなくなる、そうじゃない?」 つまり本作は、史上初めての「総力戦」によって女性の「立身出世」が可能になったことを 巧みに示してもいるのである。 しかし、階級社会が揺らぎつつあるということは、下層階級の者にとっても 単純によいことばかりというわけではない。おなじみの故郷喪失はここにも現れる。 主人公と父親との情愛深いやりとりは、本書でもっともハートウォーミングな部分であるが、 父は娘が自分の住む世界とは違う場所へ行こうとしていることに不安を隠しきれない。 「フランキーも疲れていた。メイジーのことを心配するのに疲れ、娘がいまより上の地位の人たちの 社会に入っていき、もどってこないのではないかと心配するのに疲れていた。 自分が娘にふさわしいほど立派でないと感じるのにも疲れていた」(190) 評者としては、ミステリとしてよりも、20世紀初頭のイギリス社会を描く作品として、 そして主人公とその周りの人々との暖かい関係を繊細に描く小説として、多くの人に薦めたい。 | ||||
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第一次世界大戦を背景に繰り広げられるノスタルジック感溢れるミステリ ページの半分以上は主人公である下層階級生まれのメイジーが多くの優しい人に囲まれ成長して いく様に充てられ、当時の雰囲気を味わうのを楽しめたがやや長くも感じられた 上記の理由から事件にはあまりページが使われていないが、犯人の動機が中々興味深く、そして悲しい 設定を上手く利用した動機だろう 世界中でこの作品と同じような悲しみが生まれていると思うと、何だか複雑な心境になる ややだれる所もあるが、中々いい作品 | ||||
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表紙とタイトルは、古風なロマンスものかコージーコーナーミステリーを連想させます。 読んでみると、戦争がもたらす心身の傷をテーマにした、重みのある作品でした。 とはいっても、ヒロインの成長物語という側面もあり、暗く重苦しい作品ではありません。 彼女の探偵技法は、女性ならではの感性を使った独特のもので、なかなか興味深いです。 | ||||
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舞台は20世紀前半のロンドン。探偵事務所を開いた主人公の女性の前に現れた初仕事の依頼主は中年男性。妻の素行を探って欲しいという。ごくありきたりの探偵物かと思いきや、物語は戦争の影と運命に翻弄されていくなかで、自らの家族と愛する人を想う気持ちが読む人の胸に迫ります。ミステリーファンだけでなく、時代を越えて心うったえるものがあります。お薦めです。 | ||||
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この本を最初に手に取ったのはアガサ賞・マカヴィティ賞のダブル受賞という文句を見たからで、面白いミステリーなのかな?くらいの期待を持って読みました。しかし、本編のコアとも思える戦争の悲惨さ、戦争によって受けた心の傷や別れなどの詳細な文章に引き込まれました。そしてメイドだったメイジーの人生を変える出来事!!周囲の興味深く心優しい人達の助けを得て、どのようにしてメイジーが私立探偵となったのか?!など一気に読み終えてしまいました。既に続きの二作目が発表されているとか。待ち遠しいです☆ | ||||
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