言語都市
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まあ海外のSF大体こんなんだけど。主義主張だけで引っ張るもんね、他に何もないから。 | ||||
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直喩は陳述できるが、隠喩になるとプロセスがストップするというのは、発想は面白いけれど、ちょっと掘り下げが足らない気がする。。。 単に、修辞学上の問題ではなく、精神構造上の問題ならば、教育で統語論上の問題として解決できるかどうか、大いに疑問。 言語構造そのものは、二つの口で同時に発話可能にもかかわらず、二段階のネスティングまでを許容する人類の言語と同じというのもつまらない。 アエリカ人世界の設定が大変すばらしいので、言語学的な考察と飛躍が全く不十分ないのが大変に残念。 彼は常々、言語学者でもあるトールキンの「指輪」を鋭く批判しているので、言語をテーマにするファンタジーならこう書くんだ!! と言いたかったのかも。 トールキンのテーマは、どちらかというと比較言語学だが、異星人の言語には類型論のアプローチを使った「地球人の言語」とは違う構造を設定しなければ面白くない。その点、修辞学と構文論に縮退してしまっている設定やおちが残念。 でも、話としては面白いし、小説の技法としては申し分ない。 それと、書籍の形態だが、この縦長のハヤカワミステリーシリーズは心理的に読みにくい。 普通の大きさのハードカバーにしてほしかった。 | ||||
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「都市と都市」が面白かったのと、この作者には珍しく異星を舞台にした物語だったので、かなり期待して読み始めましたが、話にヤマがないまま、いつの間にか終わってしましました。 地球人の言語と、異星人のコミュニケーション方に横たわる大きな差異をめぐる考察やドラマには興味深いものがありましたが、何とも言えず理解しにくい物語でした。娯楽小説というよりは文学作品に近いもののような気がします。 | ||||
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舞台は惑星アリエカにある人類の入植地エンバシータウン。現生種である異星人には口が二つあり、その二つから同時に発せられる音声によって言語活動がおこなわれている。当然のごとく、単一の口しか有さない人類との間では通常のコミュニケーションは成立しない。そこで人類は「大使」という存在を作った。二人一組の人間が同時にアリエカのゲンゴを語ることで意思疎通を図るのだ。このゲンゴの崩壊と変性を描く物語…。 作者チャイナ・ミエヴィルは『都市と都市』で、隣接しあう二つの都市国家の国民同士が互いを見て見ぬふりをするという奇妙な掟の中に生きる様を提示してみせました。それが視覚上の幻惑世界であるとしたら、今回は聴覚の面で奇妙奇天烈な異界を紡いだといえます。 さらにいえば、アリエカ人はウソをつくことが出来ないという性格をもっています。現実に存在しないものを描写することができないために、わざわざ指し示すことができる存在となることを人類に要求する…と、こう書いたところでそれが何を意味するのかはここでは説明しきれませんが、ともかく、この物語の語り手である女性アヴィスも少女時代に「食事のために作られたがしばらく食事には使われていなかった古い部屋であたえられたものを食べた苦しみのうちにある人間の少女」という「直喩」となった人物です。 読者を煙に巻くような風景を地平の果てまで精密に描写するミエヴィルの相続力の際限のなさに、眩暈(めまい)がして仕方ありません。 物語の後半は、惑星上の酸鼻を極める内戦へと突入していきます。その原因は言語にあります。この展開は伊藤計劃『虐殺器官』を髣髴とさせます。 アリエカ人とはアメリカ人の寓意なのか。通常宇宙(マンヒマル)や恒常宇宙(イマー)、そしてブレーメンから着任した大使など、ドイツ語が頻出するのはナチスや国家の分裂の謂(いい)なのか。 そういうことをあれこれ想像しつつ頁を繰るのですが、おそらく『都市と都市』同様、ミエヴィルはこの小説をアレゴリーとして読むことを頑なに拒むのでしょう。 奇怪なアリエカ人の世界を目にすることで、私たち人類が言葉とどう対峙しているかを多少なりとも意識的かつ主体的に見つめる便(よすが)にする。 私個人は、そんな風にこの小説を読みました。 *残念ながら早川書房の書籍にしては誤植が目立ちました。 48頁下段3行目「とてつもないスキルと時間を要するもある」→「〜要するものもある」 120頁下段10行目「カル/ヴィンにすばやく質問ぶつけたら」→「〜質問をぶつけたら」 467頁上段2行目「野生化したりものも」→「野生化したりするものも」 私が手にしたのは初版本ですが、増刷の際は修正されることを期待します。 | ||||
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舞台は惑星アリエカにある人類の入植地エンバシータウン。現生種である異星人には口が二つあり、その二つから同時に発せられる音声によって言語活動がおこなわれている。当然のごとく、単一の口しか有さない人類との間では通常のコミュニケーションは成立しない。そこで人類は「大使」という存在を作った。二人一組の人間が同時にアリエカのゲンゴを語ることで意思疎通を図るのだ。このゲンゴの崩壊と変性を描く物語…。 作者チャイナ・ミエヴィルは『都市と都市』で、隣接しあう二つの都市国家の国民同士が互いを見て見ぬふりをするという奇妙な掟の中に生きる様を提示してみせました。それが視覚上の幻惑世界であるとしたら、今回は聴覚の面で奇妙奇天烈な異界を紡いだといえます。 さらにいえば、アリエカ人はウソをつくことが出来ないという性格をもっています。現実に存在しないものを描写することができないために、わざわざ指し示すことができる存在となることを人類に要求する…と、こう書いたところでそれが何を意味するのかはここでは説明しきれませんが、ともかく、この物語の語り手である女性アヴィスも少女時代に「食事のために作られたがしばらく食事には使われていなかった古い部屋であたえられたものを食べた苦しみのうちにある人間の少女」という「直喩」となった人物です。 読者を煙に巻くような風景を地平の果てまで精密に描写するミエヴィルの相続力の際限のなさに、眩暈(めまい)がして仕方ありません。 物語の後半は、惑星上の酸鼻を極める内戦へと突入していきます。その原因は言語にあります。この展開は伊藤計劃『虐殺器官』を髣髴とさせます。 アリエカ人とはアメリカ人の寓意なのか。通常宇宙(マンヒマル)や恒常宇宙(イマー)、そしてブレーメンから着任した大使など、ドイツ語が頻出するのはナチスや国家の分裂の謂(いい)なのか。 そういうことをあれこれ想像しつつ頁を繰るのですが、おそらく『都市と都市』同様、ミエヴィルはこの小説をアレゴリーとして読むことを頑なに拒むのでしょう。 奇怪なアリエカ人の世界を目にすることで、私たち人類が言葉とどう対峙しているかを多少なりとも意識的かつ主体的に見つめる便(よすが)にする。 私個人は、そんな風にこの小説を読みました。 *残念ながら早川書房の書籍にしては誤植が目立ちました。 48頁下段3行目「とてつもないスキルと時間を要するもある」→「〜要するものもある」 120頁下段10行目「カル/ヴィンにすばやく質問ぶつけたら」→「〜質問をぶつけたら」 467頁上段2行目「野生化したりものも」→「野生化したりするものも」 私が手にしたのは初版本ですが、増刷の際は修正されることを期待します。 | ||||
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