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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
評判
言語都市の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
言語都市の総合評価:
8.20/10点 レビュー 10件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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作者チャイナ・ミエヴィルは『都市と都市』で、隣接しあう二つの都市国家の国民同士が互いを見て見ぬふりをするという奇妙な掟の中に生きる様を提示してみせました。それが視覚上の幻惑世界であるとしたら、今回は聴覚の面で奇妙奇天烈な異界を紡いだといえます。
さらにいえば、アリエカ人はウソをつくことが出来ないという性格をもっています。現実に存在しないものを描写することができないために、わざわざ指し示すことができる存在となることを人類に要求する…と、こう書いたところでそれが何を意味するのかはここでは説明しきれませんが、ともかく、この物語の語り手である女性アヴィスも少女時代に「食事のために作られたがしばらく食事には使われていなかった古い部屋であたえられたものを食べた苦しみのうちにある人間の少女」という「直喩」となった人物です。
読者を煙に巻くような風景を地平の果てまで精密に描写するミエヴィルの想像力の際限のなさに、眩暈(めまい)がして仕方ありません。
物語の後半は、惑星上の酸鼻を極める内戦へと突入していきます。その原因は言語にあります。この展開は伊藤計劃『虐殺器官』を髣髴とさせます。
アリエカ人とはアメリカ人の寓意なのか。通常宇宙(マンヒマル)や恒常宇宙(イマー)、そしてブレーメンから着任した大使など、ドイツ語が頻出するのはナチスや国家の分裂の謂(いい)なのか。
そういうことをあれこれ想像しつつ頁を繰るのですが、おそらく『都市と都市』同様、ミエヴィルはこの小説をアレゴリーとして読むことを頑なに拒むのでしょう。
奇怪なアリエカ人の世界を目にすることで、私たち人類が言葉とどう対峙しているかを多少なりとも意識的かつ主体的に見つめる便(よすが)にする。
私個人は、そんな風にこの小説を読みました。
*残念ながら早川書房の書籍にしては誤植が目立ちました。
48頁下段3行目「とてつもないスキルと時間を要するもある」→「〜要するものもある」
120頁下段10行目「カル/ヴィンにすばやく質問ぶつけたら」→「〜質問をぶつけたら」
467頁上段2行目「野生化したりものも」→「野生化したりするものも」
私が手にしたのは初版本ですが、増刷の際は修正されることを期待します。