神様のパズル
- 日記体小説 (1)
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「人間に宇宙を作ることはできるか」という壮大な謎を解き明かさんとするSFミステリー。 しかし舞台は極めて小さく、ゼミでの議論だけで話が進む。言うなれば京極堂シリーズの妖怪談義パートだけで話が完結しているようなもので…まぁミステリーではこの手の話は「学習会もの」として京極以前からあったわけだけど、本作の議論の複雑怪奇っぷりはやはり京極めいていると言えるだろう。 そしてそれはつまり、めっちゃ面白いということである。謎解きのための議論、そしてキャラが面白ければ、事件もストーリーもいらないのだ。 そういう点では、ハヤカワSFではなく角川SFだなぁと。小松左京賞はなくしてはならない賞だった… さらに宇宙創生の謎を解くということは、TOE…いわゆる統一理論を解くことと同義で、そこに至るまでの議論では物理の専門用語がポンポン出てくる。主人公は一応落第ギリギリの無知な学生という設定ではあるが、それでも良いとこの大学の理系学部に受かる程度の知識はあるので、相対性理論、特殊相対論、素粒子論、量子論辺りの概要くらいは掴んでいないとついていけない可能性はある。 作者オリジナルの「光子場仮説」は、出発点こそあまり受け入れられなかったが、スピンの力技で全てを説明しようとするのは、暗黒神話みたいな諸星大二郎イズムを感じて興奮した。 ただ、「質量理論」は本質は超ひも理論と同じじゃないかと思った。20年前の紐理論がどういうフェーズだったのかはわからないけど。 しかしだからこそ、本作が実写映画化されたことが本当に驚き。その謎の答えは、ひとえに穂瑞沙羅華のキャラ故だろう。 小説の映像化に一番必要なのは、映像映えする展開や大衆的な物語よりも何より、キャラ立ちした美女(美男)というわけだ。 最後の沙羅華には、これはズルいと言わざる得ない笑 しかし、ここまでキャラ変しちゃって続編はどうするんだろうか…? ところで、宇宙創生を個人のPCでシミュレートするために、エロサイトを解説して世界中のPCのメモリを使うという手法は、完全に漫画村のマイニングと同じで……20年前にこのアイデアを出した作者のSF脳は凄い。 | ||||
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卒業するためには、ゼミの単位を取らないと危うい。鳩村教授のポイントを稼ぐために、綿貫基一は16歳の天才少女穂瑞沙羅華を訪ねることになる。そして、彼女と組んで「無から宇宙を創り出すことができる」という課題に取り組み、ディベートに臨むことになる。さらには、一人暮らしのおばあさんの田んぼも手伝う羽目に。やれやれ、好きな女性の尻を追うばかりで手は出せないし、頼まれたらいやだと言えないし、気の小さいへなちょこなのである。物理学を専攻していながら、そこらのアマチュアと変わりのない知識量だしね。「無という無限のエネルギーを持ったものから宇宙は生まれた」ということは雑誌「ニュートン」などで読んで知っていたが、沙羅華はそれを自分の手で成し遂げようとするのだ。綿貫は何とか彼女の助けになろうと奮闘する。 二人の議論を読んでいるとなかなか面白いのだが、何故そうなのかということになると物理学では答えることはできないだろうなあ。沙羅華がいう”彼”とは、神のことなのだろうが、宇宙や人間の存在の意味など答えてくれるのか。沙羅華は結局そういうことを求めていたのだ。それは彼女自身の生い立ちと関係があった。 へなちょこの綿貫も一見生意気な沙羅華も私にとっては好感が持てる。いいやつらだと思う。 | ||||
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主人公は、綿貫基一。大学4年生。 彼は、ゼミの教授から不登校の天才児である 穂瑞沙羅華をゼミに参加させるように依頼を受ける。 最終的に穂瑞はゼミに参加し、 「宇宙を作ることはできるのか?」という 難題に綿貫と共に臨むこととなる。 果たして、宇宙を作ることはできるのか・・。 私的には、内容としては青春ラプソディー。 綿貫と穂瑞の掛け合いは、面白かった。 出てくる物理学や数学などの理論は 理解できない部分もあったが、 興味を惹かれるところもあった。 穂瑞がこれまで、色々と辛い思いをしてきたことは 十分に理解できるが、農業に勤しむ老婆の事を馬鹿にしたり 自分勝手な行動をとることについては、閉口してしまった。 | ||||
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あらすじからみてどう着陸するのかを楽しみに読んだ。 主人公→終始、頭悪いんでワカリマセン状態 天才ヒロイン→(一応作中でも頭のよさと精神の未発達がつっこまれてるけど)不安定すぎ そのほかの登場人物も特別何もなく見所がない。 母親→精子提供者と結婚 精子提供者→実はずっと見守ってましたオチ 宗教にはまっていたゼミ生→なんの説明もなく宗教を抜け進学 主人公が思いを寄せていたゼミ生→助手と付き合っていたが別れて別の相手とデキ婚。 ヒロインが思いを寄せていた助手→特に何もない ちゃらいゼミ生→普通に就職 ヒロインは結局大学をやめて高校に入りなおして普通の子供に戻ります、みたいなことになってるし。 なんかこうものすごく遠回りして歩き回ってもとの場所に戻ってきたような話。 | ||||
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たかが小説に。 深遠な、哲学的な、崇高な、なんて大げさな。というくらい驚きました。 ニーチェも、キルケゴールも恐らくたどり着かなかったところへ、アイン シュタインも恐らく描けなかったところへ。 その名も神様のパズル。 私があまりに単純なので、きっと物理屋さんから見ると、甘い理論に ごまかされてしまって、驚いているだけなのだと思います。 でも、驚きました。 天才の名は穂瑞さん。16歳の天才少女。ヒッグス粒子の発見に貢献 するであろう加速器むげん。その基礎理論を打ち出した穂瑞さんは、 日本に現在存在しない飛び級ですでに名門私立大学物理学科4年生。 主人公の名は綿引君。卒業から、卒論から、ゼミから、すべてに ギリギリの彼に課された課題は、彼女の家を訪ねること。そして日記を つけること。 同じゼミに所属する二人と、須藤、保積、佐倉などのメンバーとの テーマはなんと宇宙は人間が作れるか。 宇宙が発生するその瞬間。その原理。迫る穂瑞に、ヘイスティングスの ごとき綿引こと綿さん。 何の因果か二人が始めた田んぼのバイト。 ばあちゃんの言葉と、穂瑞の言葉。 シンクロしながら、しかし、確実に近づいてはいけない、解いてはいけない パズルに近づいていく。 ビッグバンを起こしたその暁には。 前半の物理の講義は、楽しかったです。その関係の本をよく読むのですが、 所詮高校古典物理しか知らないので。 E=mc2、光速不変から、ひも理論。 シミュレーション。人類は滅亡する。それは恐らく自滅である。近づいては いけない神の領域、神様のパズル。 「カエルも、そこから動かなければ海が大きいとは知らなかろう。」 ばあちゃんの言葉が私には、徐々に伝わるお寺の鐘みたいに余韻を残し ました。 100点x2. こんな傑作を最初に出しちゃうと、後が辛いですよねえ。 2006年の文庫化だそうですが、その後ヒッグス粒子の存在でノーベル賞が 皮肉にも国際チームが受賞し、光子よりも速い粒子の存在について、実験が 重ねられ、今頃になってこの本読んで。 もっと早く巡り合えばよかった。 物理が嫌いな人はちょっとつらいと思いますが、お勧めします。 | ||||
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