メシアの処方箋
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内容的には機本伸司先生の他の作品同様、一つのテーマに沿ってそこの問題を現実的に突き詰めていく感じ。 非常に面白く物語の中に知らず知らずに引き込まれしまう。 キャラクターもまったくブレない。しかし本来は長所であるそこが、本作品ではマイナスに働いている。 人間味がないようで、実はある……っていうのがこの作者さんの武器だと思っていたのだが、本作は逆、人間味があるようで、実はない。 特にヒロイン。ちょっと可哀想じゃないだろうか? 『あんまり一貫させ過ぎるのは良くない。少しはブレることも必要』だというのを感じさせてくれる仕上がりだった。 他の作品と違い感情移入ができなかったので、その分☆を減らしておきました。 | ||||
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ヒマラヤを舞台にした作品かと思いきや主人公があっさり日本に帰ってしまうという 何だか肩透かしな始まり方をするが、話は面白い なにせ過去のDNAから作り出される異形の子供がメインなのだから、誰でも興味が惹かれることだろう ただ難点も多い 特に資金面の工夫はハチャメチャだ。 あれなら仲間の一人がアラブ王の息子とかのほうが納得がいった そしてヒロイン的な女性の性格も難点しかないのが困りものだ 沙羅華程度にどこか愛せる要素が欲しかった まあ作者のファンなら買って損はないだろう作品 | ||||
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機本伸司さんの作品はこれで6作目だと思います。 ムーアの法則まっしぐら!・・・の時代を駆け抜けてきた一員として私は、コンピュータについて思うところが多くあります。 これまで、私の人生や生活スタイルに影響を与えてきた多くの発見や科学的快挙の数々には、明らかにコンピュータの関与があります。もしコンピュータがなかったなら世界中が100年前のままだったかもしれません。チューリングにせよバベッジにせよ、その発明物のその後の偉業は数えきれません。今現在、あらゆる製品・サービス・農業だって医療だって何だって、コンピュータが介在しているのですから。 そんな時代ですから、小説だって、ただ喜怒哀楽を上手に描写して読者を感動させる文学だけではピースが少しだけ足りないと言わざるを得ません。そこのところの日本SF分野担当を、機本伸司さんは文学業界で見事に補ってくれています。 機本さんの小説にはたくさんの科学用語が登場します。できるだけ平易に書かれているので助かりますが、私は興味こそあれ学が足りないので、Wikipedia等を参考にしながら読み進めています。しかしこの努力が苦痛じゃないんです。Wikipediaで新しい知識を得て見聞を広め、機本さんの科学的先見による物語を読み進める。これが私の触れてきた文学に足りなかったピースを心地良く満たしてくれるんです。私に無かった科学的アプローチというものを注入してくれる作風なんですね。 機本さんの扱うサイエンスドラマは、基本的に極近未来が舞台です。 物語の初期設定はともかく、一度舞台が整えば、登場人物たちは知恵と技術を振り絞って解決していきます。 「こんなことがもうすぐ可能な世界なんだなぁ」と感心しきり。 作中で発生する問題の中には現存の技術で解決するものもあれば、お金さえあれば実現するようなダイナミズムあふれるやり方もいっぱい出てきます。もちろん人間くさいところもある。 設定や解決法が身近だからこそ、自分の生きる現世と容易に照らし合わせてワクワクする楽しみがある。これが機本SFの真骨頂だと思います。 メシアの処方箋は、機本伸司さんの作品の中ではバイオテクノロジーに寄ったもので、少し難解でしたが、やはりテーマの深大さが半端なく面白かったです。 | ||||
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前作「神様のパズル」では量子力学、素粒子学など作者のバックボーンである理論物理学でテーマでしたが、今回は分子生物学。ヒトの全ゲノム情報が解析されたのが丁度2004頃だったと思いますので、タイムリーだったのでしょう。未知なる存在から託された暗号の解読、科学者であればだれでも知りたいという欲望にかられしまう。そして、そのとき倫理という問題はスルーされる。社会倫理というのはかわっていく物ですし、いくらでも跡づけされますから、万難を排して謎解きに挑むロータスの行動はよくわかります。事実、遺伝子操作技術の進歩から、デザイナーズ・チャイルドの作成は可能な段階にあります。(ゲノムレベルで作り替えることはできませんが、複数の遺伝子を置き換えることは可能)しかし、正体もわからない遺伝子を組み込んだ人間を作るというのはさすがに狂気の沙汰ですね。「ローズマリーの赤ちゃん」を思い出しました。体の中にクリーチャーを取り込んで、正気でいられる女性という存在に畏怖を感じます。ただ、作り出したクリーチャーに救済や癒しを求める気持ちは理解できず後半のドタバタは滑稽でしたが、SFエンタメ作品としてよくできた良作だと思います。 | ||||
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DNAだとかヒトゲノムだとか遺伝子操作やらも、SFのネタとしてはすでにやり尽くされて手垢がつきまくった感がありますが、そのテーマを扱った国内作品のなかでは、久々の佳作といえるのではないでしょうか。 ヒマラヤの氷河湖から浮かび上がった「方舟」から発見された大量の蓮華模様の木簡。それを巡っての謎解きはやがて「救世主」を生み出す危険な実験へと…。 序盤の流れから世界を股にかける冒険小説かと思いきや、途中からはやけにドメスティックなシチュエーションでの展開でやや尻すぼみな感もありますが、リアリティと荒唐無稽さのバランスはよく、文体も平易でこの手の小説にありがちな専門用語の羅列・理論一辺倒の記載にウンザリさせられることもないので、本格SFとしてだけではなく、エンターテインメントとしても楽しめるいい小説だと思います。 また、この手の主題ではどうしても宗教や倫理の問題に触れざるを得ないのですが、これについては議論してもキリが無い部分ですので、作者はある程度から先はもうストーリー展開優先でお話を進めていく手法をとっているようです。そこに不満の方もいらっしゃるでしょうが、まあこれは読者が各自考えてくれということでしょう。 それなりのページ数と読み応えがある本なので、時間のあるときにじっくりと読んで楽しむのがいいでしょうね。 | ||||
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