鴨川ホルモー
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あらすじ
このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祇園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり。(「BOOK」データベースより)
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評判
鴨川ホルモーの評価:
6.00/10点 レビュー 2件。 B ランク
鴨川ホルモーの総合評価:
8.13/10点 レビュー 234件。
感想一覧
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の人たちだけの”共通言語と風俗・慣習”ではなく、大人になっても人によっては懐かしさを覚え
る”青春の一コマ”劇になろう。
本小説は、今さら言うまでもなく、京都の学生の都市伝説(≒実際に直接聞きそうな、当世風学
生版都市伝説に加えて、京都の街特有の歴史的”怨霊と鬱屈した市民感情”;すなわち観光客が知
らない被差別意識など)の表現例など、いくらでも創作のし甲斐はあろう。実際学生たちの間で、
京都出身であろうとなかろう(他府県の出身者であろう)と、少し京都に住んで(=下宿で)も、
あるいは(自宅から)通ってでも、その歴史に詳しくなれば、それ(=都市伝説)の一つや二つ
は見聞きもし、または思いつくかも知れない。
本書は、四神(青龍・東=吉田神社、白虎・西=北野天満宮、朱雀・南=伏見稲荷、玄武・北=
上賀茂神社;歴史的に正しいのか否かは知らぬ。正しくても、正しくなくてもどっちでもよい))
にそれぞれ京都大、立命館大、竜谷大、京都産業大を当てはめ、架空のゲーム(それぞれ学生が
「鬼」を従えての殴り合い・バトル)をする「サークル」物語に、現代風の恋愛事情を重ねたフ
ィクションである。
著者がどんな学生時代を送ったのか否か、おそらく”そこそこ以上に勉強もし、しかしその専門
をストレートまたは完全に生かし切る道(=例えば司法試験合格への勉強)までは取らず(?)、
他所(と言って大阪府出身らしいから、自宅から通ったのか、下宿生活なのか知らないが、お
そらく下宿生活であろう(?))から京都で学生生活を過ごすうち、京都の都市伝説を聞き、
自らも学習を加えて構想を磨き、「陰陽師」と結びつけた創作物にされたのだろう(30歳ごろ
のデビュー作のようだから、卒業後10年近くを京都で過ごされたのか否か(?))、抱腹絶倒
(とまでは言えないが、東の北杜夫に匹敵)するようなユーモア小説である。面白い!
+++
京都にはこの種の小説がとくに多いのかも知れない。似たような小説には、浅田次郎の『活動
寫眞の女』(=東大入試がなかった年(確かに聞いたことがある)の京都学生生活の話)、森
見登美彦の『太陽の塔』(本書の著者同様、実際に京大生)、谷崎潤一郎の『細雪』風・綿矢
りさの『手のひらの京(みやこ)』、伊集院静の『志賀越みち』(「志賀道」とは隣の滋賀県
大津市との間道(通称”山中越え”のこと)。内容は東京出身の”僕”と京都老舗のボンボン息子
との京都学生生活)などがある。
日本語が堪能な留学生でのち教師の、京都生活の異文化体験『鴨川ランナー』(グレゴリー・
ケズナジャット著。(著者は日本語ができるのに、京都にいる人間は住民も日本人観光客も、
”下手な”英語で話しかけてきて困る...という話だった))、同じく観光客の知らない、華やか
ばかりではまったくない、かなり鬱屈した被差別・閉塞感の漂う小説『京都』(黒川創著)な
どもある(ようだ)。
(「ようだ」と言うのは、一部わたしには現在未読の小説が若干あるからである。綿矢りさも
この手の”鬱屈小説”に分類されよう。)
虚心坦懐に難しいことを考えず、”拘らない”人にはお勧めの小説(ばかり)である。