あやめ 鰈 ひかがみ

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長編
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あらすじ

2008年10月15日 あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫)

冥界への入り口に咲くというあやめの名を持つスナックで同級生との再会を待ち望む男。酒宴のために仕入れた鰈を詰めたアイスボックスを抱えたまま地下鉄から降りることのできない男。横たわる妹のひかがみに触れた手が噛み千切られる妄念に陶然となる男。妖しく絡み合う三つの物語。木山捷平文学賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

評判

あやめ 鰈 ひかがみの評価:

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あやめ 鰈 ひかがみの総合評価:

9.33/10点 レビュー 9件。

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No.9
(3pt)

ハクこそすべてだ!?

短篇3作「あやめ」「鰈」「ひかがみ」である。それぞれの主人公である下町男3人が、歳の瀬のうらぶれた街で交叉する。会おう、いずれの主人公へも旧知からの久方の電話、そこからの道程は苦いものであった。埋もれていた影が現れ立ったのだ。

賽の河原に咲く「あやめ」、縞模様をまとう花芯は生殖器か長虫の舌か、引っ越しを重ねてきた主人公の現実と夢まぼろしとを織り込む仄かな影。水底に潜む獰猛な「鰈」、饐えた4尾を抱えて地下鉄に乗れば、やさぐれた主人公を包み込むどすぐろい影。蛇しか残っていない零落の鳥獣店、店主の主人公をさいなむ、細かな歯の生えた「ひかがみ」の甘やかな影。

心も肉体も衰えた今ここの我が身にも、かつてあそこで悪鬼であった我が身にも、この先いつかどこかの我が身にも、影がつきまとっているのだ。隠れていた影が出現したときには、食べられてしまえばいい、飲み込まれてしまえばいい。そう気づいたとき、主人公には安堵がひたひたと沁みてゆく。
あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫)より
4062761815
No.8
(3pt)

ハクこそすべてだ!?

短篇3作「あやめ」「鰈」「ひかがみ」である。それぞれの主人公である下町男3人が、歳の瀬のうらぶれた街で交叉する。会おう、いずれの主人公へも旧知からの久方の電話、そこからの道程は苦いものであった。埋もれていた影が現れ立ったのだ。

賽の河原に咲く「あやめ」、縞模様をまとう花芯は生殖器か長虫の舌か、引っ越しを重ねてきた主人公の現実と夢まぼろしとを織り込む仄かな影。水底に潜む獰猛な「鰈」、饐えた4尾を抱えて地下鉄に乗れば、やさぐれた主人公を包み込むどすぐろい影。蛇しか残っていない零落の鳥獣店、店主の主人公をさいなむ、細かな歯の生えた「ひかがみ」の甘やかな影。

心も肉体も衰えた今ここの我が身にも、かつてあそこで悪鬼であった我が身にも、この先いつかどこかの我が身にも、影がつきまとっているのだ。隠れていた影が出現したときには、食べられてしまえばいい、飲み込まれてしまえばいい。そう気づいたとき、主人公には安堵がひたひたと沁みてゆく。
あやめ 鰈 ひかがみ Amazon書評・レビュー: あやめ 鰈 ひかがみより
4062122057
No.7
(5pt)

もう中毒です

『もののたはむれ』『半島』と読み、さらに次が読みたくなって本書を買いました。
わたしが読んだなかでは一番完成度が高い気がしました。

書き手の精神の高揚のままに任せているようでいて、その裏には緻密な計算があるのだと感じました。

そしてなにより、「におい」が充満しているところに、
匂い(臭い)フェチとしては、すこぶる満足しました。

饐えたようなにおい、
(何日も履き続けた靴下のにおい、何日もアイスボックスに入れたままの鰈のにおい)
なんて、
昭和を象徴する死語のようですが、
わたしが愛おしく思って読んできた小説には、
いつも
臭いや匂いや、湿度や温度が
なまなましくあったな、、、と思いました。

久々に、中毒になるくらい好きな作家に出会えました。
あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫)より
4062761815
No.6
(5pt)

もう中毒です

『もののたはむれ』『半島』と読み、さらに次が読みたくなって本書を買いました。
わたしが読んだなかでは一番完成度が高い気がしました。

書き手の精神の高揚のままに任せているようでいて、その裏には緻密な計算があるのだと感じました。

そしてなにより、「におい」が充満しているところに、
匂い(臭い)フェチとしては、すこぶる満足しました。

饐えたようなにおい、
(何日も履き続けた靴下のにおい、何日もアイスボックスに入れたままの鰈のにおい)
なんて、
昭和を象徴する死語のようですが、
わたしが愛おしく思って読んできた小説には、
いつも
臭いや匂いや、湿度や温度が
なまなましくあったな、、、と思いました。

久々に、中毒になるくらい好きな作家に出会えました。
あやめ 鰈 ひかがみ Amazon書評・レビュー: あやめ 鰈 ひかがみより
4062122057
No.5
(5pt)

出口のない世界

文章は平明で分かりやすく主人公たちの心情がよく伝わってきました。でも内面の指向性が強く、死との隣り合わせで出口のないやるせなさが心に重かったです。
あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫)より
4062761815

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