北ア山荘失踪事件
- 山荘 (115)
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たまたま、JRに乗る前に店頭に積まれているのを見かけ、車内で時間つぶしに読みました。 40年前に出版された雑誌の文庫版化です。 私も、登山を趣味とし、過去に、氏の「密閉山脈」を読んだことがるので、小説の題名に惹かれ躊躇なく購入しました。序章は、中部山岳の最奥に位置するM岳(三俣蓮華岳??)の北面の谷間での男女の語らいから始まります。 M岳山荘の娘、幸子と登山客で医学生の竹下の会話が北アルプスの峰々を背景に、時間の移ろいとともに、かくも美しく描写されていきます。 「遠い槍ヶ岳の尖鋒は、まだ華やかな夕日に染まっているのに尾根の間の青くかげりやすい谷あいは、速やか濃い藍色の中へ沈められていく。」 やがて、成長した二人に縁談が持ち上がる。男は社会的に将来を保障する良縁を選択して、女に別れを告げに山荘にやって来たあとに、神隠しににでもあったように突然行方不明となる。 幸子は結婚し、夫から家庭内暴力を受けるようになるが、その夫は滑落死する。その後、彼女は重症の腹部腫瘍で衰弱し、治療のための下山直前に突然行方不明になる。 そして、翌夏に、M岳の北面の雪渓に凍結した男女の遺体が偶然発見される。文末の解説文、「破恋の果てにもう一つの神隠しとなって姿を消す幸子の凄絶な思いは、北アルプスの美しい峰々に解けて神話的でもあり、胸をつかれる。」も、哀愁的でロマンチィシズムをかきたてます。 しかし、この小説の転帰で、一つの疑問が生じました。それは、幸子が、いつ、どこで竹下を危めたかです。この点に整合性がないと、かなり曖昧で引き締まりのないサスペンス小説ということになります。 文中に、「正作や幸子をはじめ、山荘の従業員が、たしかにに竹下が長野県側向かって下山して行くのを見送っているのだ。」という箇所がります。ということは、幸子が下山中の竹下を追いかけて、まともに対峙しながら後頭部を打撲し、なんの足跡も残さず女手ひとつで遺体をM岳のカールに運んで雪洞を掘って隠したことになります。たとえ、雪渓に沿って下山道がついていたとしても不思議です。時間的空間的な推移が混乱しているように思えます。 この点が解消されない限り、星3つです。 | ||||
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