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十兵衛 さんのレビュー一覧

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.93pt

レビュー数14

全14件 1~14 1/1ページ

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No.14: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

久しぶりの国名シリーズ

久しぶりの国名シリーズですね。待っていた人も多いと思います。今回の舞台は神戸。「鍵のかかった男」では大阪、「狩人の悪夢」では京都でしたから順当な順番ですねー、兵庫県警組が好きな自分としても嬉しかったです。兵庫県警組は、京都や大阪の警察よりも火村に頼りきり、って感じじゃなくて自分らで仕事してる感があって好きなんですよね。今回もきちんと仕事してくれました。
 ネタバレにならない程度の内容としては、神戸の異国情緒がすごかったですねー、そして旅情ミステリ、二時間サスペンス感があったなぁって感じですね。また、何と言ってもこの小説に通じるキーワードは「前世」でしたね。「君の名は」で有名になった「前々前世」ですね。インドのアウガスティアの葉という伝承をもとに、予言通りに人が死ぬ。この欧米の黄金期のミステリーのテンプレみたいな、懐かしさ溢れる序章から始まりました。予言、前世、これをどう解釈するか、ややもすればファンタジーによってしまう。読者もどこへ物語が終着を迎えるか困惑する。しかし、最後は現実でストンと落とす。これが火村シリーズだなぁって思わされました。

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インド倶楽部の謎 (講談社文庫)
有栖川有栖インド倶楽部の謎 についてのレビュー
No.13:
(7pt)

煙幕が効いている

この作品ではやっぱりアレに目を奪われ過ぎて読者の推理をミスリードさせる上手い状況ができていて、言われたら分かりやすい伏線もあるし、普通の犯人当てなのになぁ…ってなる。まあ、だが、比較的謎解きは簡単で自分も含めて当てられた人は多いんじゃないか。初心者向けの謎解きとも言えるかな。読みやすいしミステリ初心者の人にこそおすすめしたい。

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屍人荘の殺人
今村昌弘屍人荘の殺人 についてのレビュー
No.12:
(8pt)

折れた竜骨の感想

特殊な設定(ファンタジー)をうまく活かしている本格もの
ファンタジーとしても本格としても読める傑作
折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)
米澤穂信折れた竜骨 についてのレビュー
No.11: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

演劇のようなミステリ

まず、舞台設定が秀逸で面白くその上で話がどんどん軽妙に進んでいく。このあたりは流石だなぁっておもった。そして、どんでん返しもスッと現れる感じ。ただ少し謎も舞台も軽すぎるきらいはある。面白いけどさらっとした感じを受けてパズルとしては良いけど…って感じもある。

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仮面山荘殺人事件 新装版 (講談社文庫)
東野圭吾仮面山荘殺人事件 についてのレビュー
No.10: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

色んな味がある傑作連作集

舞台は香港警察、名探偵と呼ばれるクワン上級警視を物語のキーパーソンとしつつ過去に遡る中編の連作です。社会派警察小説の要素と本格ものとが調和され、更にはスリル溢れるサスペンスなどの要素も混じっています。日本では水と油のような扱いとなっていた社会派と本格ですが融和も出来てすばらしいものが生まれるということを外国から知らされました!
またクワンやロー、ツォウといった警察官たちはそれぞれに魅力があり、また、他の登場人物たちも一癖二癖あってその上でキャラクターが輝いています。この小説を読むことで社会派と本格それぞれを食わず嫌いだった人も変わる、是非とも読んでほしいと思いました。
また、最後の「借りた時間に」は全体を通す仕掛けに騙されました。その上で第一話を読み返すとぐっとくるものがあります。香港という複雑な都市の約半世紀の歴史を感じさせられます。是非とも順番通り読んでいってください!

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13・67 上 (文春文庫 チ 12-2)
陳浩基13・67 についてのレビュー
No.9: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

古き良き新本格

あとがきでも書いてある通り「新本格への原点回帰」という感じの作品です。
綾辻先生の持つゴシック趣味と本格がちょうど良いくらいのバランスに交わっているように思います。
そして何といっても奇妙な舞台設定。よく本格ものへの批判として言われる「人間が書けていない」なんて言葉への意趣返しのように感じました。そしてそこから生まれるどんでん返しの面白さが良かったです
奇面館の殺人(上) (講談社文庫)
綾辻行人奇面館の殺人 についてのレビュー
No.8: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

最後の奇書…寄木細工のような匣

いわゆる三大奇書…「ドグラマグラ」、「黒死館殺人事件」、「虚無への供物」、この三つの持つ要素を取り入れ発展させた名作だと思います。特に黒死館の衒学的な要素が強いかもしれません。まあ、「虚無への供物」からの影響かもしれませんが。そしてアンチミステリーであること。ですが、これでは単なる二番煎じにしか過ぎません。しかし、この小説が第四の奇書と題されるに至った理由はやはり、「匣」にあります。箱根にある寄木細工、そんな風に入り組んだ匣、これを初見で読み解き、鍵を開けるのは難しいと思います。(自分もそうでした。)
更に言うならば読み解けるものなのかどうか、未だにわからない。
だけども挑む価値はある、そんな匣です。

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新装版 匣の中の失楽 (講談社文庫)
竹本健治匣の中の失楽 についてのレビュー
No.7: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

あまりに純文学的なアンチミステリ

すでに多くの人が言っている通り、この作品は推理小説史上、重要な作品であることは間違いないでしょう。本格好きにはたまらないロマン溢れる舞台設定…そして探偵役達によるそれぞれの推理の披露…これだけですばらしいものがあります、しかし、ここからが三大奇書と呼ばれる所以ですが、最後の100ページほどで驚かされると思います。それまではペダンティックな趣味など読みにくいと感じる人もいると思いますが読み進めたあとには驚きがあると思います。ただ、現在の推理小説とは違いますし、やはり驚かない…他の本でアンチミステリは知っているという方からすると物足りないかもしれません。また、この作品は作者の私小説、とまではいかないものの作者本人にも関わるものなんだなって思いました。最後の動機も純文学的な余りにも純文学なものと思います。そして作者が推理小説(と私たち)に向ける眼差しのつめたさ…

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虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)
中井英夫虚無への供物 についてのレビュー
No.6:
(9pt)

幻想的な風景

題名からして悪夢…がつくなど悪夢のような惨い死体もあります…それで最後に悪夢を見るのは誰か?という話ですが…この長いシリーズ…火村の過去が解き明かされるのだろうか?そんな風なことも思わされました。人間関係も見えず遅々として進行が進まないようにも思えますが気づいたときには全てが解けている、そういった意味で目眩を受けるある意味悪夢のような作品かもしれません。

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狩人の悪夢
有栖川有栖狩人の悪夢 についてのレビュー
No.5: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

遊芸の極み

序盤から連珠、そして、明治のジャーナリスト、作家の黒岩涙香についての話が続きます。へえっと思わされる知識が散りばめられていますが冗長に感じる人もいるかもしれません。そして、見所はなんといっても「いろは」です。この「いろは」の暗号は凄いとしか言えません…というか自力でとけた人いるのかな?と思わされました。他にも連珠の暗号、ウミガメのスープなどパズルが散りばめられています。しかし、パズル小説や読み物として楽しめると思いますが推理小説としては殺人がおまけ感が強いと言う印象。本格を読みたいって人には不満足かなって印象であり、あくまでゲーム三部作に繋がる作品なのだろうと感じました。

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涙香迷宮 (講談社文庫)
竹本健治涙香迷宮 についてのレビュー
No.4:
(10pt)

猟奇性の膜に包まれて…

この作品はなんといってもグロい描写で有名で…そんじょそこらのエログロではないでしょう。女性や中高生に薦めるには気がとがめるほどです。しかし、その膜を、空気を掻き分けた先にはとんでもない展開が待っていると言えます
この展開をするためにはあの描写はあった方がいい。決して無意味なエログロではない。そう思う作品です。

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新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)
我孫子武丸殺戮にいたる病 についてのレビュー
No.3: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

ストレートからの消える魔球

最初は普通の警察小説…「相棒」などの刑事ドラマのように展開が進む…そう思ってました。しかし、そこからのひっくり返し方はすごかった、そう思います。全体的に空気が暗い点もこの三部作の始まりにふさわしいと思いました。「アレックス」を読む前に読んでおいたほうがいいと思います。

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悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)
ピエール・ルメートル悲しみのイレーヌ についてのレビュー
No.2: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

タイトルがピッタリですね

読者への挑戦が挿入されています。あくまでもロジカルに犯人を当てることが出来ます。(とても難しいですが)

犯人当て小説の中でもかなり凝っていると思います。
前半はゆっくりですが後半に行くにつれ加速度的に読み進めてしまうと思います。

双頭の悪魔 (創元推理文庫)
有栖川有栖双頭の悪魔 についてのレビュー
No.1: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

新本格のはしり!

中学に入学して図書室の司書さんにお勧めしてもらった作品です。やはり衝撃を与える1行が凄いです。ミステリーを読んだ事無い人にもお勧めです。
十角館の殺人 (講談社文庫)
綾辻行人十角館の殺人 についてのレビュー