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十兵衛 さんのレビュー一覧
十兵衛さんのページへ書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.93pt |
レビュー数14件
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久しぶりの国名シリーズですね。待っていた人も多いと思います。今回の舞台は神戸。「鍵のかかった男」では大阪、「狩人の悪夢」では京都でしたから順当な順番ですねー、兵庫県警組が好きな自分としても嬉しかったです。兵庫県警組は、京都や大阪の警察よりも火村に頼りきり、って感じじゃなくて自分らで仕事してる感があって好きなんですよね。今回もきちんと仕事してくれました。
ネタバレにならない程度の内容としては、神戸の異国情緒がすごかったですねー、そして旅情ミステリ、二時間サスペンス感があったなぁって感じですね。また、何と言ってもこの小説に通じるキーワードは「前世」でしたね。「君の名は」で有名になった「前々前世」ですね。インドのアウガスティアの葉という伝承をもとに、予言通りに人が死ぬ。この欧米の黄金期のミステリーのテンプレみたいな、懐かしさ溢れる序章から始まりました。予言、前世、これをどう解釈するか、ややもすればファンタジーによってしまう。読者もどこへ物語が終着を迎えるか困惑する。しかし、最後は現実でストンと落とす。これが火村シリーズだなぁって思わされました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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特殊な設定(ファンタジー)をうまく活かしている本格もの
ファンタジーとしても本格としても読める傑作 |
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舞台は香港警察、名探偵と呼ばれるクワン上級警視を物語のキーパーソンとしつつ過去に遡る中編の連作です。社会派警察小説の要素と本格ものとが調和され、更にはスリル溢れるサスペンスなどの要素も混じっています。日本では水と油のような扱いとなっていた社会派と本格ですが融和も出来てすばらしいものが生まれるということを外国から知らされました!
またクワンやロー、ツォウといった警察官たちはそれぞれに魅力があり、また、他の登場人物たちも一癖二癖あってその上でキャラクターが輝いています。この小説を読むことで社会派と本格それぞれを食わず嫌いだった人も変わる、是非とも読んでほしいと思いました。 また、最後の「借りた時間に」は全体を通す仕掛けに騙されました。その上で第一話を読み返すとぐっとくるものがあります。香港という複雑な都市の約半世紀の歴史を感じさせられます。是非とも順番通り読んでいってください! ▼以下、ネタバレ感想 |
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あとがきでも書いてある通り「新本格への原点回帰」という感じの作品です。
綾辻先生の持つゴシック趣味と本格がちょうど良いくらいのバランスに交わっているように思います。 そして何といっても奇妙な舞台設定。よく本格ものへの批判として言われる「人間が書けていない」なんて言葉への意趣返しのように感じました。そしてそこから生まれるどんでん返しの面白さが良かったです |
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いわゆる三大奇書…「ドグラマグラ」、「黒死館殺人事件」、「虚無への供物」、この三つの持つ要素を取り入れ発展させた名作だと思います。特に黒死館の衒学的な要素が強いかもしれません。まあ、「虚無への供物」からの影響かもしれませんが。そしてアンチミステリーであること。ですが、これでは単なる二番煎じにしか過ぎません。しかし、この小説が第四の奇書と題されるに至った理由はやはり、「匣」にあります。箱根にある寄木細工、そんな風に入り組んだ匣、これを初見で読み解き、鍵を開けるのは難しいと思います。(自分もそうでした。)
更に言うならば読み解けるものなのかどうか、未だにわからない。 だけども挑む価値はある、そんな匣です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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すでに多くの人が言っている通り、この作品は推理小説史上、重要な作品であることは間違いないでしょう。本格好きにはたまらないロマン溢れる舞台設定…そして探偵役達によるそれぞれの推理の披露…これだけですばらしいものがあります、しかし、ここからが三大奇書と呼ばれる所以ですが、最後の100ページほどで驚かされると思います。それまではペダンティックな趣味など読みにくいと感じる人もいると思いますが読み進めたあとには驚きがあると思います。ただ、現在の推理小説とは違いますし、やはり驚かない…他の本でアンチミステリは知っているという方からすると物足りないかもしれません。また、この作品は作者の私小説、とまではいかないものの作者本人にも関わるものなんだなって思いました。最後の動機も純文学的な余りにも純文学なものと思います。そして作者が推理小説(と私たち)に向ける眼差しのつめたさ…
▼以下、ネタバレ感想 |
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序盤から連珠、そして、明治のジャーナリスト、作家の黒岩涙香についての話が続きます。へえっと思わされる知識が散りばめられていますが冗長に感じる人もいるかもしれません。そして、見所はなんといっても「いろは」です。この「いろは」の暗号は凄いとしか言えません…というか自力でとけた人いるのかな?と思わされました。他にも連珠の暗号、ウミガメのスープなどパズルが散りばめられています。しかし、パズル小説や読み物として楽しめると思いますが推理小説としては殺人がおまけ感が強いと言う印象。本格を読みたいって人には不満足かなって印象であり、あくまでゲーム三部作に繋がる作品なのだろうと感じました。
▼以下、ネタバレ感想 |
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読者への挑戦が挿入されています。あくまでもロジカルに犯人を当てることが出来ます。(とても難しいですが)
犯人当て小説の中でもかなり凝っていると思います。 前半はゆっくりですが後半に行くにつれ加速度的に読み進めてしまうと思います。 |
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中学に入学して図書室の司書さんにお勧めしてもらった作品です。やはり衝撃を与える1行が凄いです。ミステリーを読んだ事無い人にもお勧めです。
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