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AliceinAbyss さんのレビュー一覧

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レビュー数8

全8件 1~8 1/1ページ

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No.8: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

アリス・ザ・ワンダーキラー: 少女探偵殺人事件の感想

謎をこよなく愛し名探偵になりたい少女、アリスが10歳の誕生日にプレゼントされたのは、ヴァーチャルリアリティで「不思議の国のアリス」の世界を体験できるVR装置でした。そしてそこで出題される5つの謎をアリスは解き明かすことができるのか?という趣向のミステリー短編集です。
早坂氏らしい端正なロジックが素晴らしいダイイングメッセージものの第三問(“カラスと書き物机はなぜ似ているか?”の原典準拠のなぞなぞの答えも秀逸です)と、ロジックとどんでん返しが見事な第五問がとても好きです。また脱出ハウダニットの第一問もなかなか面白かったです。

ただその一方で、第五問で某キャラが「アンフェアじゃないよ」と主張する点が、個人的にはどう考えてもアンフェアなんじゃないかと。。。前述の通り、第五問自体ロジックの出来もどんでん返しの面白さも見事なもので、あそこがアンフェアでも構わない(本格ミステリとしての作品の評価が下がるものではない)んじゃないかと自分は思うわけですが、著者さんとしては、本格ミステリを指向する以上はすべてにおいてフェアであることに拘らざるを得ないんでしょうか。

▼以下、ネタバレ感想
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アリス・ザ・ワンダーキラー: 少女探偵殺人事件 (光文社文庫 は)
No.7: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

メルカトルかく語りきの感想

非常にユニークなプロットで統一された5つ短編を収録した作品集。
そしてそのプロットは麻耶氏らしくミステリに対する挑戦的なものでありながら比較的理解しやすいもので、かつ「答えのない絵本」ではそのプロットを成立させるため、これまた麻耶氏らしい非常に緻密なロジックが構築されており、本書は同氏の作風が自分に合うか判断するリトマス紙として最適ではないかと思います。

個人的ベストは、やはり挑戦的なプロットと緻密なロジックの両立が美しい「答えのない絵本」。
また初読時には引っかかりませんでしたが、再読で、実は作中作の無駄遣いという構成に面白さを感じた「九州旅行」もなかなかの佳作です。

▼以下、ネタバレ感想
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メルカトルかく語りき (講談社文庫)
麻耶雄嵩メルカトルかく語りき についてのレビュー
No.6: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ノックス・マシンの感想

本書収録の四作品のなかで、特に「論理蒸発-ノックス・マシン2」におけるセンスと発想の爆発は、すごいの一言。
ただ、この作品はミステリではなくSFを軸とする物語なので、サイト内での評価の低さも致し方ないところでしょう。
しかも本作の面白さはSF部分にあるわけでもなく、SF要素を成立させるためのミステリ的なガジェットにあるため、おそらくSFファンも評価しづらいのではないかと個人的には思います。

多分この作品を楽しめるのは、SFとミステリが重なる部分を、科学的厳密性もミステリ作法も度外視して受け入れられるタイプの読者だけかもしれません(ネタバレなしなので、どうしても抽象的な表現になります)。

▼以下、ネタバレ感想
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ノックス・マシン (角川文庫)
法月綸太郎ノックス・マシン についてのレビュー
No.5: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

真実の10メートル手前の感想

ジャーナリストの太刀洗万智が、報道されている事件の表からは見えない真実を持ち前の推理力をいかして浮かび上がらせ、その悲劇的な、残酷な、あるいは重いがゆえに滑稽な真実と向き合う姿を描いたミステリ短編集。
とはいえ本作の謎解き要素は太刀洗のキャラを印象付けるためや真実の悲劇性などを深めるための手段にすぎず比較的小粒なものが多く、本作の最大の魅力は、最後に明かされる真実によって読者にもたらされる深い余韻にあると思います。
同作者の「儚い羊たちの祝宴」に軽く謎解き要素を加味した作品集、というのが一番わかりやすいでしょうか。

個人的なベストは、表題作の「真実の10メートル手前」とラストの「綱渡りの成功例」。
特にこの2作品は内容もさることながらタイトルが秀逸で、最後にこのタイトルの意味を知ることで物語の余韻をより深く感じさせる見事な効果を生み出しています。

▼以下、ネタバレ感想
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真実の10メートル手前 (創元推理文庫)
米澤穂信真実の10メートル手前 についてのレビュー
No.4: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

涙香迷宮の感想

色んな方が同じ指摘をされていますが、殺人事件が蛇足中の蛇足。KING OF 蛇足。
もし、この殺人事件のみの筋立てであれば3~4点といったところ。

ただ。
これまた多くの方の指摘の通り、いろは48首の暗号が本当に素晴らしい。
暗号ミステリとしてだけで評価するなら10点です。
単純に暗号パズルとしての知的興奮のみならず、言葉の美しさという普段ミステリを読んでいると中々味わえない感動もおぼえます。
やはり竹本氏は「匣の中の失楽」などに見られるプロットの妙と、「狂い壁 狂い窓」に見られる言語的センスが魅力(両作は推理物としても十分面白いですが)の作家さんで、本作はその言語に関する知識とセンスが最大限に発揮された傑作だと思います。
涙香迷宮 (講談社文庫)
竹本健治涙香迷宮 についてのレビュー
No.3: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

屍人荘の殺人の感想

本作を分類すれば「特殊設定ミステリ」になると思いますが、その特殊設定があらゆるミステリ要素に繋がっているのは見事というほかありません。

▼以下、ネタバレ感想
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屍人荘の殺人
今村昌弘屍人荘の殺人 についてのレビュー
No.2: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

黒い仏の感想

賛否両論の問題作として有名な本作。
自分はラストまで読んで、大爆笑しつつその逆転の発想に大いに感嘆させられた賛成派です。

▼以下、ネタバレ感想
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黒い仏 (講談社文庫)
殊能将之黒い仏 についてのレビュー
No.1:
(8pt)

消失!の感想

見事なミスディレクション。やられました。

▼以下、ネタバレ感想
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消失! (講談社文庫)
中西智明消失! についてのレビュー