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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数78件
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美容形成外科に対しては正直いい印象がないんですよね。
作者は美容形成外科医ではないですが医師です。 医師でなくても描けるっていうか、軽くて、寧ろ医師ではない人が描いた作品に思えてしまいました。 読後も美容形成外科に対する印象は変わらなかったなぁ。 医師でなければ描けない作品を是非。 |
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この作者にとってかなり変化球な作品かと。
SFラブロマンスやらタイムトラベルやらの体をとっていますが、作者が描きたかったのは、作品内にちらっと出てくる原発の件ではないかな。 テロにより某国が滅びるのですが、こうでもしないと世界が原発廃絶へ動き始める事はないのだろうな。 |
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なんともレビューしづらい作品です。
作者初の警察小説って事らしいですが、それを割り引いたとしても、刑事が描けてない感は拭えないですね。 あんな短絡的で何でも安易に断定してしまう人物が主人公で、それが(元)刑事ですごく優秀だったってのは・・・ それにラストはいくらなんでも無理があり過ぎじゃないかと。 |
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何か色々不親切な作品だな、と思ってたらシリーズものでした。
ミステリーっぽい趣向も凝らされてるが正直弱いですね。 テーマは「家族」。 と言っても、ありがちな家族愛の話ではなくて「家族の辛いところ」を描いた作品ですね。 ある程度の年齢の方は身につまされるかも知れません。 |
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三作の中編集だが、未来三部作と言われているらしい。
構成が巧みな作家さんで、この作品もまさに「伊坂ワールド」なんだけど、3つの独立した話に後付で薄い関連を付加して繋げて1つの物語に仕上げた感じ(で正解?)。 単行本表紙にドミノが描かれてます。 何かをきっかけに、全く関係がなさそうな3つの作品が繋がっていく、伊坂さんで言うと「ラッシュライフ」なんかもそんな作品だったと思いますが、確かにその手の作品のつもりで描かれたんでしょうけど、はっきり言って、この作品は難しすぎて初読で理解するのはまず無理ですね。 そう言われてみれば、表紙のドミノ、全部倒れそうにないですけど、意図したものなのでしょうか。 |
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盃を回し飲みした8人のうち3人と犬だけが殺害されるという事件を題材にして、推理合戦と論理否定の連続。
本格ミステリランキング2017年1位。 う~ん、好きな人が多くいそうなのは理解できなくもないですけど、万人受けする作品ではないですね。 それ程ページ数のある作品ではないのですが、考えながらの読書が必須です。 読了までにえらい時間がかかりました。これは疲れますよ。 私は正直お腹いっぱいです。 |
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火村シリーズの「宿縛り」の短編集です。
ロジック一辺倒の作家さんなので、短編集だと、パズルのピースが1つまた1つっていう醍醐味が味わえないですよね。 旅行記って感じで、ミステリーとしては物足りないですし、火村&有栖のファンならば・・・って感じですかね。 江神シリーズと違って、火村シリーズが退屈に感じるのは、有栖の立ち位置、キャラが悪い気がするんですよね。 |
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中高生向けの3編のジュブナイルな作品ですが、学校生活において目立たないように身を潜めているタイプに光を当てている辺りがこの作者さんらしいところですね。
3編を少しずつリンクさせているあたりもこの作者さんらしいですかね。 ただ「身を潜める」種の中でも質の良い子達なので「いつもと違って」この作品は読後感もいいです。 ただやはり、辻村作品を読んだ、って感じにはならないですね。 |
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この作品は、秘密警察とも言われるサクラ、つまりは「公安」を描いた物語です。
慰安旅行を理由に被害届受理を先延ばしにした事で発生したストーカー殺人。 数年前に某県で起こった事件を下敷きにしているのかなと思います。 毎度骨太作品を世に送り出さいているこの作者ですが、この作品は全体的に少し浅い気がしました。 主人公は県警広報課の女性。 こういう一線から離れた部署にいる人物を主人公にするのは横山秀夫さんの警察小説によくあるパターンですが、この作品の場合、まずこのテーマでありながら、主人公が広報課の人間である必然性を感じないですね。「公安VS刑事」っていう図式はよく目にしますが、主人公が刑事ですらない、しかも女性なわけですからね。 一歩踏み込んだ描写も期待できずって感じでした。 ラストの主人公の決意に繋げるためなのかなと思ったのですが、ここは感動するところなんでしょうか? そもそもそんな決意叶うはずもないし、「死にたいの?バカなの?殺されなかっただけでもらっきーだとおもわないと。世間知らずも程々にしてよ」で個人的には「はぁ?」だったのですが・・・軽さにダメ押しでしたよ。 しかも、描かれる公安側の人間が主要登場人物に一人もいないってのは、どういう狙いだったのでしょうか。 これが、書き込みが浅いって感じる一番の理由なのではないかと。 また、途中でカルト教団が絡んでくるのですが、某事件が発生した頃、オウムと公安の関わりみたいなものが話題になっていた記憶があります。 公安を語るには欠かせないという事なんですかね。 蛇足というか、これで物語が発散しかかってラスト力技で筋だけは通したって感じましたが。 何れにせよ、これまで読んだ作者の作品の中では群を抜いてダメダメじゃなかったかな。 |
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初読でこの作品の仕掛けに気付いた人っているのだろうか。
ここまでネタバレサイトのお世話になったのは久しぶりだわ。 っていうか、指摘されている方もいらっしゃる通り「文芸+ミステリ」って事なのでしょうが、ミステリを読みたい、ミステリだと思って読み始めた私としては、これだけ解りにくいと真実を聞かされても「騙された」って気にもならないし、実際、読中何の違和感も感じていませんでした。 だいたい「あれっ?」「絶対何か勘違いさせられてるな」とか違和感を感じるものなのですが、それすらなかったですから。 なので、逆に最後の最後でとてつもない想像もしていなかった驚きを与えてくれるのだろうという期待があったのですが・・・ いくつかの視点、時間軸から構成されていて、物語の大部分を占めるのが六甲山を舞台にした中学生の淡く儚い初恋の思い出のパート。 「文芸」の部分になるのですかね。言い方は悪いかもしれませんが、これがまさに「フェイク」だったわけでしょ。 何か仕掛けがあるにしても、そこにあると思うじゃないですか。 ポイントだったのは、幾つかの視点の中の1つ。 まぁ確かに誰が視点人物だったかの明言は避けていたようですね。 そこに違和感すら持たせなかったんですから、上手いと言えば上手いのかもしれませんが。 作者が、ミステリの部分に気づかない読者がいたとしてもそれはそれでいいやって描いているのなら、それはそれで「文芸+(小さく)ミステリ」として評価も出来ると思うのですが、だったらミスリードのためだけに登場させたと思われるあの登場人物はなんだったのか。 作者は完全に「ミステリ」として、読み手を騙そうとして描いてますよね。 私にはそう読めましたので「ミステリ」として評価させていただいた上で、「こんな解りにくいのはダメだ」という感想としました。 |
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「男の贈り物」をテーマにしたハードボイルドな短編集。
日本のハードボイルドというと、暴力とセックスって印象ですが、この作品の主人公達は、無愛想だが強く優しく人間味あふれている。 いわゆる「強くなければ生き抜けない、優しくなければ生きる資格がない」ってやつである。 作者はミリオタなのだろうか。 そういう男のロマンというか拘り的なものも色々散りばめられている作品である。 そういうのが好きな方ならハマりそうだが、私の場合個人的に趣味じゃなかった。 |
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初読の作者さんでしたが、八雲の人なんですね。
リーダビリティ高くテンポもよいのですが、ご都合主義的にポンポンと話が進んでいくからそう感じてしまうんでしょうね。 ライトミステリという事ですが、私にはちょっと軽すぎたかな。 |
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幼稚園の先生の奮闘記で、この作者にしては変化球だなぁ・・・と思っていたら、渡瀬刑事登場で、結局は「らしい」作品に。
モンスターペアレントとの戦いの話で良かったと思うんですけどね。 この作者さんの作品には時々こういう作品がありますね。 主人公の先生の出自が明らかになった時点で、先の展開が読めてしまうんですよね。 そこまでの登場人物が少なくて、悪人候補が限られてますからね。 意外性やどんでん返しが売りの作者さんですから、そっち方向へ持っていくために、結局それまでの印象を思い切り捻じ曲げてしまわなければならない。 だから読後の印象もよくないですよね。 この作品なんて、結局主人公は何も救われていない気がしますが・・・ しかし、何作か読んでいると、その意外性も容易に読めてしまいます。そうなると最早意外でも何でもない。 後半のミステリ部分に主眼を置きたいのだったら、前半にもう少し根回ししておけばいいと思いますね。 レビューで書かれている人も多いですが、年少さんにあの劇は絶対できないですよ(笑) |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
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事件を追う報道の在り方に焦点を当てた作品です。
「マスコミは憎悪の対象を追い不安や不幸を拡大再生産している」 って、間違ってはいないと思うし、少し前にはよく言われていた事だけど、今だとちょっと古いかな、と思います。 今や、知識も経験もない連中が、無責任な立場で似たようなっていうか、実際中身も何もない訳だから、似非な事をいい気になってやってますよね。 マスコミよりもまずああいう連中叩いて欲しい。 テーマの割に少し軽い、っていうか、私自身が物語に入り込めて行かなかったんでしょうね。 原因は主人公ですね。こういう女性に対して拒否反応があるみたいです。 だから、里谷が舞台から消えてからは、もうグズグズでした。 ラストの御高説なんて鳥肌モノに最悪でした。 あと最後の被害者の母親の件は必要ですかね。 作者の他の作品にも似たようなのがあったと思いますが・・・ どんでん返しの空振りは、そこまでの全てを悪い印象に変えてしまいます。 |
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新堂冬樹さんの作品をよむのは初めてでした。
全編を通じて下品な表現や描写という印象を持ったのですが、他の作品でも同様なのかの判断がつきません。 新興宗教の教祖、信者、そういったものに騙される人、騙す人を、嘲笑を込めての事だとすると理解できなくもありません。 映像化したなら安物のAVになりそうな内容です。 ここで、ここまで詳細に描写する必要ありますか、と言いたくなる程のエロ描写もあります。 ですので、扱っているテーマは比較的重い内容だと思うものの全編軽い印象を受けます。 その分読みやすい、と言うことにはなりますが・・・ 物語は下巻の後半から一気に動き出します。 「誰が本当のカリスマだったのか」という事になりますが、プロットもよく練られていると思いました。 しかし、ここまでがとにかく長い。 しかも、ここまでで(というか最後まで読んでも)、何故こうも教祖に傾倒するのか、何故騙されるのか、という事は一切伝わってきません。 兎に角くどい、その割に内容が薄い。 ただただ言えるのは、登場人物全員バカって事だけです。 冗長と言わざるを得ません。 結局最後まで気持ちが入り込めなかったですね。 物語の前半を支配するバカ教祖はバカでいいとしても、もっと悪人としてしっかり描かれるべき人物がいたように思います。 そして救いようのない結末。 「バカ死すべし」って事なんですかね。 |
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花村萬月初読。
性・愛・暴力がこの作者の3大要素らしいのですが、まさにそんな感じですね。 京大卒のエリートでありながら、どこか庶民を小馬鹿にするような面があり、社会に馴染めない、しかしプライドは高いという情けない男が主人公。 その他の主な登場人物も、ほぼほぼヤクザ、時々ヤンキーと、普通じゃないいわゆるアウトローといっていい連中ばかり。 そして、タイトルからも想像できる通り、0か1、シロかクロ、生か死の選択肢しかない世界の話。 主人公がヤクザの世界に巻き込まれていき、その軟弱さが際立ってくるように見えます。 勿論、物語の中で駆逐されていくべき人間性の男ですから当然です。 で、その対極には、ヤクザの男気みたいなのがあって、しかしながらどこか深い愛を感じる事ができて・・・なんてのがパターンだと思うのですが、この作品にはなかったように思います。 登場するヤクザも、相当にズレた人ばかりで、感情移入できる登場人物がいなかったですね。 ストーリー自体も非常に陳腐です。 そして、作者自身を主人公に投影して、作者が常日頃感じている事を、主人公の口を借りて語らせているのですが、「考え」というよりも最早「思想」と言っていい感じですかね。 難し過ぎてよく分からなかったり、失笑させられたり・・・と、どこか突き抜けていて共感できる事が少ない・・・そんな感じで文庫本にして1100頁。 まぁ、圧倒的な文章力というか、描写力というか、そういうところは、否定的な気分で読んでいても感じる事ができるので、響く人にはとことん響くのでしょうね。 で、拒絶する人からは、とことん拒絶されるという・・・そんな作品だと思います。 |
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幼少期に一家惨殺され、一人生き残った少年の復讐劇と、その事件を追う余命僅かな刑事を描いた物語。
もう1つのテーマが「顔」で、事件で顔に大火傷の跡を残した少年以外にも、醜顔恐怖症に陥ったアイドル、顔に痣を持つ刑事が登場し、顔に何らかのコンプレックスを抱える人間の闇が描かれます。 「虚なる貌」という事で、仮面の下に隠し持つもう1つの顔・・・的な展開を期待出来ると思いましたし、実際しましたが、蓋を開けてみると、その期待は裏切られただけでなく、ツッコミどころ満載の作品でした。 復讐劇ならストレートでそれでよかろうに、犯人を隠蔽せんとしたあの真相は最早反則技以外のナニモノでもなく、そこまで許すと何でもアリになってしまう。 また、ラストで誰も幸せになるわけでもなく、「人間、顔ではなく性格」を思いっきり否定した感じのまま終わっており、正直首を傾げてしまった。 犯人に与えられたラストシーンも正直「寒い」し、そもそも最初の一家惨殺事件の真相を見抜けない警察などありえない。 |
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【ネタバレかも!?】
(3件の連絡あり)[?]
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講談社の「ミステリーランド」シリーズ。
団地に住む母子家庭の2家族が物語の中心。 大人から見ると、当然恵まれているとは言えない環境なのだが、子どもたちにとっては、そんな団地が自分たちの世界なのである。 そして、この世界には大人の男がほとんど登場しない。 大人の女は数多く登場するのもかかわらずだ。そしてその多くは好意的に描かれている。 唯一登場する大人の男が「子どもの王様」 王様ではあるが、自分たちの平和を乱す悪しき存在として描かれている。 子どもたちの頭の中では、我々おっさんは眼中にすらないっていうか寧ろ邪魔者でしかないのかって感じてしまったのですが・・・ そして、子どもたちが大好きな、作品内に登場する戦隊モノがワーグナーのパルジファルが元ネタ。 主人公の少年が「聖なる愚者」って事でしょうか。 「かつて子どもだったあなたと少年少女のための――」がコンセプトになっているこのシリーズ。 麻耶雄嵩の作品もそうでしたが、意外と深くて面白いですね。 |
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