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花筏 さんのレビュー一覧
花筏さんのページへ書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.64pt |
レビュー数11件
全11件 1~11 1/1ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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米澤穂信の『春季限定いちごタルト事件』 に続いて、青春ミステリー小説を読んでみました。
今回は、吹奏楽部を舞台にした短編連作作品です。 タイトルになっている『退出ゲーム』が一番楽しく読むことができました。 謎解きの面白さはもちろん、キャラクターのイメージがすぐわいてくるような展開で、映像化しても楽しめそうだな、と思いました。 後半の想像以上に重いテーマは驚きましたが、学生ゆえに自分たちでは解決できないもどかしさがとてもよく伝わります。 現実にはこんな場面に直面することはないのですが、なぜか自身の学生時代を思い出しました。 学校という枠の中で守られながら、でも外には出ていけない、そんなホロ苦さを感じることができました。 |
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シリーズ化している作品の1作目なので、この作品だけを読むと不完全燃焼のような感じがします。
やはり小山内の過去が今後のポイントとなっていくのでしょうか? 軽い切り口の文書でとても読みやすく、楽しいお話でしたが、続編を読むかどうかは迷ってしまうのはなぜでしょうか? ところどころに現れる、小山内の”執着心”が気になります。 ケーキや自転車に対する執着、小さな隙を見落とさずそこから謎を解決していく執着…。 少々不穏な雰囲気がするのは気のせいでしょうか? |
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まるで童話のようなタイトルの本。『ななつのこ』に続く、駒子シリーズの第2作目です。
連作短編のお話で、最後に全編を通した謎が明らかにされます。 一つずつのお話はとても楽しく読めたのですが、間に挟まれる謎の手紙。 いったい誰が、どんな目的で?と気になりながら読み進めて最後の真実。 正直に言うとゾッとしました。 もし現実世界でこれが起こったら?と思うと、どの立場の登場人物でもつらいです。 ちょっとした誤解や間違いで同じようなことが自分の身にも起こるかも、と思うとそれに囚われてしまい、物語に戻れなくなってしまいました。 物語にも二人がどうなったのかが描かれていません。 誤解が解けたとしても、そのために費やした年月は戻ってこない…そんなことを考えながらも、最後のノスタルジックな雰囲気に救われたような気がします。 |
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「清掃人探偵キリコ」シリーズの2作目の本になります。1作目は『天使はモップを持って』です。
1作目では出てこなかったキリコ自身の物語が最後に出てきます。このお話はおそらく1作目を読んでからの方がより楽しめるでしょう。 短編連作作品ですが、1つ目の『悪い芽』はちょっと難しかったです。 トリックというよりは人の心理を突いた感じなのですが、こんなにうまくことが進むものだろうか?と思いました。 しかし物語自体は面白く、お掃除のプロであるキリコの様子に尊敬を覚えます。 最後に『きみに会いたいと思うこと』で、キリコがどういう人物なのかが見えてきます。 そこには、完璧に見れる人でも何かを背負って生きている。普段は軽々と背負っている問題でも時には重くのしかかる。というメッセージが込められているように感じました。 人が亡くなる謎も扱っているにもかかわらず、読み終わった後には、部屋をすっきり片づけて明日も頑張ろう!と思わせる爽やかな物語でした。 |
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社内報に載せる小説を担当することになった主人公。月ごとに季節を感じる内容で味わいがあります。
しかし短編連作の作品なので、最後に驚くべき事実が出てきます。 一つずつの話にとらわれて、うっかり細かい部分を読み逃してしまったので、つじつまが分からない部分がありました。 しかし、ある部分に注目するとよくわかるので、わかりやすいトリックといえるでしょう。 月によってはミステリ要素が弱かったり、怪談要素が含まる部分もありましたが、飽きることなく楽しく読めました。 |
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日常の謎で検索をして見つけた1冊です。本の薄さから読みやすさを求めて手に取りました。
しかし、ミステリの中における「日常の謎」のジャンルとしてはやや弱いと思います。 謎が謎として明示的に定義されていませんので、物語の流れの中のエピソードになっています。 多くの人がミステリとして読むには疑問を感じるのではないかと思います。 ただ、青春小説として読むには、いろいろと考えさせられる内容です。 主人公のみずきが、自分に欠けていると感じていた感情に何らかの折り合いをつけて成長たことが良く分かります。 「人は何かを乗り越えて大きくなる」というテーマを綺麗に表現されている感じです。 あらすじを読むと、カンヌ受賞で有名になった「誰も知らない」を連想しますが、全く雰囲気の違った物語になっています。 |
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私は歴史に詳しいわけでも、歴史好きでもないのですが、
それぞれの謎の回答は、思わず「なるほど!」と思えるような説得力のあるものです。 中でも、本タイトルにもなっている「邪馬台国はどこですか?」については、私にとって驚きの新説です。 小さなころに初めて邪馬台国を習ったときから、真実はまだ分かっていない、 と言われていたのを覚えていたので、この説はすんなりと受け入れることが出来ました。 全体に隠されたトリックも驚くもので、歴史ばかりで少し飽きてしまったな、という後半の感想を覆すものでした。 |
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頭をひねるような複雑な謎は隠されていないので、自然体で読める作品です。主人公の入江駒子が気に入った絵本は、実際に「ななつのこものがたり」として出版されました。
親から子どもへ受け継がれる歌は、正しい言葉の意味がわからないものが多いなと改めて感じました。文字ではなく音で伝わることで、地方によって違った歌詞になったりと、興味深く思います。私は、「ななつのこ」は「七匹の子ども」と捕らえていたので、本書で「七歳の子ども」と言われたときに目から鱗でした。 |
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普段何気なく生活している中に潜む謎。しかしそれを目にしたときに、謎として捉えるかどうかで探偵になれるかが決まるみたいです。
きっと謎はたくさん散りばめられているけれど、この主人公のようにそこに気がつく人は少ない気がしませんか? すべてを読んだ後に、ちょっとお腹いっぱいになった気がします。 日常の謎ばかり追い続けるのも疲れてしまう、ということなのかも知れません。 とはいえ、ミステリというジャンルの中で、死体やら殺人やら、と言った単語が一切出てこないこのシリーズ。 どうしてもグロテスクな表現が苦手な私にはぴったりです。 |
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梨木香歩さんの本を読んだことがない人には、少し読みにくいと感じるかもしれません。
しかし読み進めていくうちに、物語の空気感がたまらなく好きになってくるはずです。(もちろん好みの問題があるので絶対ではないのですが) どことなく懐かしく何故か子どものころに野山をかけて遊んでいたときを思い出します。 さるすべりは近所の街路樹になっていることから良く知っていて、つるつるした幹と夏に咲かせる紅色の花が大好きなので、思わず感情移入してしまいました。 いっぺんに本を読んでしまうことがもったいなく、出てくる植物についてよく調べながら読み進めました。 何かと心を煩わすことが多く落ち着かない不安な日々を送っていましたが、この本を読んでいる間は心穏やかな時間を過ごすことができました。また心が疲れたときに手にとって読みたいと思います。 |
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