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花筏 さんのレビュー一覧

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レビュー数2

全2件 1~2 1/1ページ

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No.2: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

青春ミステリーのホロ苦さを感じる作品

米澤穂信の『春季限定いちごタルト事件』 に続いて、青春ミステリー小説を読んでみました。
今回は、吹奏楽部を舞台にした短編連作作品です。
タイトルになっている『退出ゲーム』が一番楽しく読むことができました。
謎解きの面白さはもちろん、キャラクターのイメージがすぐわいてくるような展開で、映像化しても楽しめそうだな、と思いました。
後半の想像以上に重いテーマは驚きましたが、学生ゆえに自分たちでは解決できないもどかしさがとてもよく伝わります。
現実にはこんな場面に直面することはないのですが、なぜか自身の学生時代を思い出しました。
学校という枠の中で守られながら、でも外には出ていけない、そんなホロ苦さを感じることができました。

退出ゲーム (角川文庫)
初野晴退出ゲーム についてのレビュー
No.1:
(8pt)

日常に潜む謎の短編集

普段何気なく生活している中に潜む謎。しかしそれを目にしたときに、謎として捉えるかどうかで探偵になれるかが決まるみたいです。
きっと謎はたくさん散りばめられているけれど、この主人公のようにそこに気がつく人は少ない気がしませんか?
すべてを読んだ後に、ちょっとお腹いっぱいになった気がします。
日常の謎ばかり追い続けるのも疲れてしまう、ということなのかも知れません。
とはいえ、ミステリというジャンルの中で、死体やら殺人やら、と言った単語が一切出てこないこのシリーズ。
どうしてもグロテスクな表現が苦手な私にはぴったりです。

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
北村薫空飛ぶ馬 についてのレビュー