悪と仮面のルール

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評判

悪と仮面のルールの評価:

3.57/5点 レビュー 53件。 B ランク

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平均点3.57pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全56件 41〜56 3/3ページ
No.16
(5pt)

非現実的な設定はなにをもたらしたか

奇妙な題名が印象的だ。「ルール」は「悪」にかかるのか、「悪と仮面」にかかるのか(ちなみに英訳
タイトルはEvil and the Mask)。内容から判断すれば「仮面のルール」だが、「悪のルール」とい
ってもいいのだろう。絶対的な悪を体現する個人が動かす社会は「悪のルール」にしたがって機能し
ているが、それに抵抗した代償として、主人公は「仮面のルール」に従わざるを得なくなるからだ。

「邪」の父の対決、同じ屋敷で暮らす幼馴染の少女、莫大な財産、整形後の人生。下手をすれば
中2病的誇大妄想となりかねない現実離れした設定が、主人公を拘束する「仮面のルール」の息苦し
さと相まって、物語全般にいびつな印象を与えている。『掏摸』が同じようにドストエフスキー的な
悪の問題を取り上げつつも、スマートで緊迫した筋展開を繰り広げていたのとは対照的に、本作の物
語のリズムは、主人公の生き方を反映するかのようにぎこちない。思弁的な深みも掘り下げられて
いるとは言いがたい。

本作はそれでも、幼児期の傷と歪みを抱えながら大人になりきれない青年という中村文則の他の小説
と同じテーマを取り上げながら、非現実的な装いをまとうことによって、他の作品にはあまりみられ
ない、明るい光の差しこむような答えを示すことに成功している。
悪と仮面のルール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (講談社文庫)より
4062776790
No.15
(5pt)

非現実的な設定が可能にしたものとは

奇妙な題名が印象的だ。「ルール」は悪にかかるのか、悪と仮面の双方にかかるのか(ちなみに英訳
タイトルはEvil and the Mask)。内容から判断すれば「仮面のルール」だが、「悪のルール」とい
ってもいいのだろう。絶対的な悪があるとすれば、悪を体現する個人を内包する社会は「悪のルール」
によって機能している。この「邪」に抗ってルールから逸脱した代償として、主人公は「仮面のルー
ル」に従わざるを得なくなる。

幼い主人公の「僕」と父の対決、同じ屋敷で暮らす幼馴染の少女、莫大な財産、整形。下手をすれば
中2病的誇大妄想となりかねない現実離れした設定が、主人公を拘束する「仮面のルール」の息苦し
さと相まって、物語全般にいびつな印象を与えていることは否めない。『掏摸』が同じようにドスト
エフスキー的な悪の問題を取り上げつつも、スマートで緊迫した筋展開を繰り広げていたのとは対照
的に、本作の物語のリズムはどこかしらぎこちない。また、思弁的な深みも掘り下げられているとは
言いがたい。

本作はそれでも、幼児期の傷と歪みを抱えながら大人になりきれない青年という中村文則の他の小説
と同じテーマを取り上げながら、ファンタジー的な装いをまとうことによって、明るい光の差しこむ
ような解放的な答えを提示することに成功している。
悪と仮面のルール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (講談社文庫)より
4062776790
No.14
(5pt)

非現実的な設定が可能にしたものとは

奇妙な題名が印象的だ。「ルール」は悪にかかるのか、悪と仮面の双方にかかるのか(ちなみに英訳
タイトルはEvil and the Mask)。内容から判断すれば「仮面のルール」だが、「悪のルール」とい
ってもいいのだろう。絶対的な悪があるとすれば、悪を体現する個人を内包する社会は「悪のルール」
によって機能している。この「邪」に抗ってルールから逸脱した代償として、主人公は「仮面のルー
ル」に従わざるを得なくなる。

幼い主人公の「僕」と父の対決、同じ屋敷で暮らす幼馴染の少女、莫大な財産、整形。下手をすれば
中2病的誇大妄想となりかねない現実離れした設定が、主人公を拘束する「仮面のルール」の息苦し
さと相まって、物語全般にいびつな印象を与えていることは否めない。『掏摸』が同じようにドスト
エフスキー的な悪の問題を取り上げつつも、スマートで緊迫した筋展開を繰り広げていたのとは対照
的に、本作の物語のリズムはどこかしらぎこちない。また、思弁的な深みも掘り下げられているとは
言いがたい。

本作はそれでも、幼児期の傷と歪みを抱えながら大人になりきれない青年という中村文則の他の小説
と同じテーマを取り上げながら、ファンタジー的な装いをまとうことによって、明るい光の差しこむ
ような解放的な答えを提示することに成功している。
悪と仮面のルール (100周年書き下ろし) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)より
4062163705
No.13
(4pt)

強いメッセージ性を持つ作品

中村文則の小説には一種独特の雰囲気と我々読者の心に訴えてくる強いメッセージを持っている。この作品もまた現代社会の寓話的な側面があり、読みながら様々な思いが頭の中をよぎった。

主人公・久喜文宏は父親から『邪』を植え付けられるのだが、我々が幼い頃に親から与えられた幸せな暮らしを裏返しに表現しているように感じた。中村文則は、決して『悪』を描こうとしたのではなく、与えられることの窮屈さ、親の束縛から逃れようとする人間の成長過程を逆説的に描こうとしたのではないだろうか。

最初に読んだ『掏摸』が素晴らしく、続けて『何もかも憂鬱な夜』を読み、中村文則の作家としての力量を感じた。
悪と仮面のルール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (講談社文庫)より
4062776790
No.12
(4pt)

強いメッセージ性を持つ作品

中村文則の小説には一種独特の雰囲気と我々読者の心に訴えてくる強いメッセージを持っている。この作品もまた現代社会の寓話的な側面があり、読みながら様々な思いが頭の中をよぎった。

主人公・久喜文宏は父親から『邪』を植え付けられるのだが、我々が幼い頃に親から与えられた幸せな暮らしを裏返しに表現しているように感じた。中村文則は、決して『悪』を描こうとしたのではなく、与えられることの窮屈さ、親の束縛から逃れようとする人間の成長過程を逆説的に描こうとしたのではないだろうか。

最初に読んだ『掏摸』が素晴らしく、続けて『何もかも憂鬱な夜』を読み、中村文則の作家としての力量を感じた。
悪と仮面のルール (100周年書き下ろし) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)より
4062163705
No.11
(4pt)

ちょっとどうかと思うけど・・・

ちょっとどうかと思うけど…。
このタイトルと装丁は。

表紙だけ見たら、中学生向けの作品か?って思いますよね。
どちらもあまりにもあまりにもベタで…。

本屋でも、普通の精神状態なら手に取ろうとは思わないよう
な表紙です。
(図書館で借りたので、面白くなくても時間潰しになれば…
くらいの軽い気持ちで借りました。)

でも、中味はしっかりとした筆致で、人物描写もしっかりと
できています。

ストーリーもなかなか面白いし、作者の世界観も伝わって
きます。

流れからすると、破滅的なエンディングを迎えると予想させ
ておいて、程々のハッピーエンドに仕上げているのも好感が
持てます。

タイトルと装丁でマイナス1点の、4点という評価でお願い
します。
悪と仮面のルール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (講談社文庫)より
4062776790
No.10
(4pt)

ちょっとどうかと思うけど・・・

ちょっとどうかと思うけど…。
このタイトルと装丁は。

表紙だけ見たら、中学生向けの作品か?って思いますよね。
どちらもあまりにもあまりにもベタで…。

本屋でも、普通の精神状態なら手に取ろうとは思わないよう
な表紙です。
(図書館で借りたので、面白くなくても時間潰しになれば…
くらいの軽い気持ちで借りました。)

でも、中味はしっかりとした筆致で、人物描写もしっかりと
できています。

ストーリーもなかなか面白いし、作者の世界観も伝わって
きます。

流れからすると、破滅的なエンディングを迎えると予想させ
ておいて、程々のハッピーエンドに仕上げているのも好感が
持てます。

タイトルと装丁でマイナス1点の、4点という評価でお願い
します。
悪と仮面のルール (100周年書き下ろし) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)より
4062163705
No.9
(5pt)

好きだな、このかたの存在

いやぁ、なんだろう。
すごいな。
小説家だな。

塔、あるんですね、本当に。

仮面か。
三島も被ってたな。

悪にもルールがあるのか。

確かに…

よいな。
悪と仮面のルール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (講談社文庫)より
4062776790
No.8
(5pt)

好きだな、このかたの存在

いやぁ、なんだろう。
すごいな。
小説家だな。

塔、あるんですね、本当に。

仮面か。
三島も被ってたな。

悪にもルールがあるのか。

確かに…

よいな。
悪と仮面のルール (100周年書き下ろし) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)より
4062163705
No.7
(4pt)

読後感は純愛小説

表紙の絵と相まって、なんだか漫画の原作のようだと思いながら読みました。
邪の家系、整形で別人、初恋の女性を守るための殺人。
ラストの明るさのある終わり方は好きです。
読後感は純愛物を読んだ気分。
この作者、読んだのはこれで3作目ですが、どこかクセになる暗さがあります。
でもいわゆる人間の悪意とか闇を描いた、というのとはどこか違う。
もっといや〜な暗さでこれでもかと性悪説に走る小説とは決定的にタイプが違うと思います。
例えばこの主人公、女性を心から愛せるし、人への信頼もちゃんと持ってる健全な人だと思います。
育った環境は異様ですが。
彼は一度も探偵を疑ったりしないけれど、読みながらもしかしてこの探偵、邪のスパイかも?
と疑った私の方がよっぽど主人公よりすれてるかも....。
テロリストの親戚にあたる若者も虐待を受けて育ったけど、まだまだ立ち直れる。
1番怖かったのは次兄です。とくに日本に9.11を起こさせ、北のせいにすれば平和憲法なんてすぐに吹っ飛ぶ、
というくだりがぞっとしました。こういう人が権力を持ってるのは日本に限らずありそうで。
ただ「掏摸」の方が個人的には好きです。
ところどころ辻褄合わせに気を取られてるのか、妙に文章が足踏みしてる感覚があるのが残念。
これからも期待する作家さんです。
悪と仮面のルール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (講談社文庫)より
4062776790
No.6
(4pt)

読後感は純愛小説

表紙の絵と相まって、なんだか漫画の原作のようだと思いながら読みました。
邪の家系、整形で別人、初恋の女性を守るための殺人。
ラストの明るさのある終わり方は好きです。
読後感は純愛物を読んだ気分。
この作者、読んだのはこれで3作目ですが、どこかクセになる暗さがあります。
でもいわゆる人間の悪意とか闇を描いた、というのとはどこか違う。
もっといや〜な暗さでこれでもかと性悪説に走る小説とは決定的にタイプが違うと思います。
例えばこの主人公、女性を心から愛せるし、人への信頼もちゃんと持ってる健全な人だと思います。
育った環境は異様ですが。
彼は一度も探偵を疑ったりしないけれど、読みながらもしかしてこの探偵、邪のスパイかも?
と疑った私の方がよっぽど主人公よりすれてるかも....。
テロリストの親戚にあたる若者も虐待を受けて育ったけど、まだまだ立ち直れる。
1番怖かったのは次兄です。とくに日本に9.11を起こさせ、北のせいにすれば平和憲法なんてすぐに吹っ飛ぶ、
というくだりがぞっとしました。こういう人が権力を持ってるのは日本に限らずありそうで。
ただ「掏摸」の方が個人的には好きです。
ところどころ辻褄合わせに気を取られてるのか、妙に文章が足踏みしてる感覚があるのが残念。
これからも期待する作家さんです。
悪と仮面のルール (100周年書き下ろし) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)より
4062163705
No.5
(5pt)

悪餓鬼に読んで欲しい

俺曳地康餓鬼の頃、鉄パイプの中に解した紙火薬のを詰めて、 パチンコ玉を発射する装置を作った。 完成して火薬に点火したところジュボッと火薬が燃えるだけで発射に至らない。 首を捻った末、爆竹を点火剤に使うことを思いついた。 導火線に火を付けて3秒後轟音と共にパチンコ玉が飛び出して電話帳を射抜いた。皆、こういう事はやったよね!!そんなことばっかした人に読んで欲しい本っす
悪と仮面のルール (100周年書き下ろし) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)より
4062163705
No.4
(5pt)

現在の到達点

疑いなく著者の最高傑作。ずっと読み続けてきたファンの一人として、ここまでいってくれたか、と僭越ながらも感慨深い。タイトルがちょっと野暮ったいような気がするが、本書のポイント(特に「ルール」というのが重要だろう)を要約しているといえばしているので、まあいいと思う。例の如くスーパーマイペースかつ無意識過剰な主人公が、ひとりの女性を護るためにあれこれと行動するなか、テロリズムや闇の組織と渡り合うことになる、という物語が最後までスリリングで面白いと同時に、主人公をサポートする探偵、たまたま絡むこととなった刑事、主人公の影のような存在の青年テロリスト、と、脇を固める登場人物たちが非常に魅力的である。こうしたスピンオフを期待したくなる脇役は、これまでの中村作品にはあまり出てこなかった気がする。そして、前作に登場した木崎を遥かに凌駕するヒール(たち)の悪悪とした存在感と不気味な議論が刺激的であり、と同時に、主人公がその悪に取り込まれるのを防圧してくれる「愛」、あるいは「愛」の記憶の描き方がまた素晴らしい。終盤に向かって、本書ではかつての中村作品にはほとんど皆無であった「救済」のかたちが表現されているが、これは真に優れた小説の読書からしか得られない感動をもたらしてくれることは確実である。文学が好きでよかった、と久々に思った。
悪と仮面のルール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (講談社文庫)より
4062776790
No.3
(5pt)

現在の到達点

疑いなく著者の最高傑作。ずっと読み続けてきたファンの一人として、ここまでいってくれたか、と僭越ながらも感慨深い。タイトルがちょっと野暮ったいような気がするが、本書のポイント(特に「ルール」というのが重要だろう)を要約しているといえばしているので、まあいいと思う。例の如くスーパーマイペースかつ無意識過剰な主人公が、ひとりの女性を護るためにあれこれと行動するなか、テロリズムや闇の組織と渡り合うことになる、という物語が最後までスリリングで面白いと同時に、主人公をサポートする探偵、たまたま絡むこととなった刑事、主人公の影のような存在の青年テロリスト、と、脇を固める登場人物たちが非常に魅力的である。こうしたスピンオフを期待したくなる脇役は、これまでの中村作品にはあまり出てこなかった気がする。そして、前作に登場した木崎を遥かに凌駕するヒール(たち)の悪悪とした存在感と不気味な議論が刺激的であり、と同時に、主人公がその悪に取り込まれるのを防圧してくれる「愛」、あるいは「愛」の記憶の描き方がまた素晴らしい。終盤に向かって、本書ではかつての中村作品にはほとんど皆無であった「救済」のかたちが表現されているが、これは真に優れた小説の読書からしか得られない感動をもたらしてくれることは確実である。文学が好きでよかった、と久々に思った。
悪と仮面のルール (100周年書き下ろし) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)より
4062163705
No.2
(5pt)

悪、血、そして絶ち難き想い―究極のエンターテイメント☆

本書は、『土の中の子ども』で芥川賞を受賞した著者による、

長編サスペンス小説です。

13歳のある日、

愛する女性を守るため実の父親を殺した主人公。

それから数年―

名前や顔すら変えながらも、密かにその女性を見守り続ける彼のもとに、

彼女に怪しい男が近付いてるという知らせが入る。

主人公にしつこく付きまとう刑事

大規模なテロを企む謎の組織

そして、自信の血や愛する女性への絶ちがたい複雑な想い

どのシーンも魅力的で、

夢中になって読んだのですが、なかでも印象的なのは

物語の終盤に、主人公と悪に飲み込まれ精神が崩壊した男が交わす会話です。

悪の形を真っ正面から見据えつつ、

エンターテイメント性を失わない本書

著者の作品やサスペンスが好きな方に限らず、

多くの方にオススメしたい著作です。
悪と仮面のルール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (講談社文庫)より
4062776790
No.1
(5pt)

悪、血、そして絶ち難き想い―究極のエンターテイメント☆

本書は、『土の中の子ども』で芥川賞を受賞した著者による、
長編サスペンス小説です。
13歳のある日、
愛する女性を守るため実の父親を殺した主人公。
それから数年―
名前や顔すら変えながらも、密かにその女性を見守り続ける彼のもとに、
彼女に怪しい男が近付いてるという知らせが入る。
主人公にしつこく付きまとう刑事
大規模なテロを企む謎の組織
そして、自信の血や愛する女性への絶ちがたい複雑な想い
どのシーンも魅力的で、
夢中になって読んだのですが、なかでも印象的なのは
物語の終盤に、主人公と悪に飲み込まれ精神が崩壊した男が交わす会話です。
悪の形を真っ正面から見据えつつ、
エンターテイメント性を失わない本書
著者の作品やサスペンスが好きな方に限らず、
多くの方にオススメしたい著作です。
悪と仮面のルール (100周年書き下ろし) Amazon書評・レビュー: 悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)より
4062163705