ぼくのメジャースプーン

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ぼくのメジャースプーンの評価:

4.17/5点 レビュー 139件。 B ランク

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平均点4.17pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全265件 241〜260 13/14ページ
No.25
(5pt)

覚悟

友人に勧められて読みました。
小学生の男の子の目線で描かれているので、もっと穏やかな展開を予想していました。
話はその男の子と友達の女の子を中心に進んでいきます。
最初はクラスメイト達の描写のなかで、子どもの無邪気さゆえの残酷さが描かれ、
途中からある事件をきっかけに、その犯人や、テレビ・インターネット等を通して
好き勝手言う大人たちの残酷さが描かれています。
すごく腹が立つけれど、自分も思い当たる節があって苦しくなったり、
その立場に簡単になりうるのだということを感じたりします。
男の子は自分の不思議な能力を使って犯人に罰を与えようとしますが、
どのような罰を与えるのか、ということを考える過程で、
読み手もいろいろなことを考えさせられます。
どんな罰を与えることが適切なのか?
最も苦しめられるのか?
それで被害者は救われるのか?
また男の子の立場で考えていたはずなのに、最後には彼の強い覚悟に裏切られます。
登場人物それぞれの優しさや愛情が感じられる作品です。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.24
(5pt)

覚悟

友人に勧められて読みました。
小学生の男の子の目線で描かれているので、もっと穏やかな展開を予想していました。
話はその男の子と友達の女の子を中心に進んでいきます。
最初はクラスメイト達の描写のなかで、子どもの無邪気さゆえの残酷さが描かれ、
途中からある事件をきっかけに、その犯人や、テレビ・インターネット等を通して
好き勝手言う大人たちの残酷さが描かれています。
すごく腹が立つけれど、自分も思い当たる節があって苦しくなったり、
その立場に簡単になりうるのだということを感じたりします。
男の子は自分の不思議な能力を使って犯人に罰を与えようとしますが、
どのような罰を与えるのか、ということを考える過程で、
読み手もいろいろなことを考えさせられます。
どんな罰を与えることが適切なのか?
最も苦しめられるのか?
それで被害者は救われるのか?
また男の子の立場で考えていたはずなのに、最後には彼の強い覚悟に裏切られます。
登場人物それぞれの優しさや愛情が感じられる作品です。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.23
(3pt)

話は子供が主役、中身は深め

子供の感性を感じさせられつつ、結末もなるほどでした。
一部かなり暴力的な表現があるので、あまり子供には向かないかもしれません。自分でも思わず顔を背けたくなってしまいました。
描写を含めて、現実社会でもさじ加減は難しいですよね。
評価は3.6点くらいです。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.22
(3pt)

話は子供が主役、中身は深め

子供の感性を感じさせられつつ、結末もなるほどでした。
一部かなり暴力的な表現があるので、あまり子供には向かないかもしれません。自分でも思わず顔を背けたくなってしまいました。
描写を含めて、現実社会でもさじ加減は難しいですよね。
評価は3.6点くらいです。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.21
(5pt)

健気でせつない、でも愛おしい

こどもたちは夜と遊ぶから入った辻村作品、秋山先生が登場すると知って、急いで読んだらラストは涙が止まりませんでした。ふみちゃんと僕を襲った悲しい事件。復讐とは?罪とは?罰とは?小学四年生の僕が出した答えは、確かに正解とは言えないものだったかもしれない。けれど、それを選択した僕の心情に涙が止まりませんでした。僕から語られるふみちゃんの優しさ、ふみちゃんのことが本当は大好きなのに、ある事情からそれを認めることができない僕。どちらも切なくなるくらいに愛おしかったです。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.20
(5pt)

健気でせつない、でも愛おしい

こどもたちは夜と遊ぶから入った辻村作品、秋山先生が登場すると知って、急いで読んだらラストは涙が止まりませんでした。ふみちゃんと僕を襲った悲しい事件。復讐とは?罪とは?罰とは?小学四年生の僕が出した答えは、確かに正解とは言えないものだったかもしれない。けれど、それを選択した僕の心情に涙が止まりませんでした。僕から語られるふみちゃんの優しさ、ふみちゃんのことが本当は大好きなのに、ある事情からそれを認めることができない僕。どちらも切なくなるくらいに愛おしかったです。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.19
(5pt)

ボクハミタサレル?

この人の作風がキレイすぎて若干引き気味だったところに本作は、さらに小学生が主人公と知り、まったく期待はしなかった。「大事な幼なじみが大切にしていた兎が死んだ。死んだんじゃない、殺されたんだ。単に暇つぶしをして楽しむためだけに。犯人の大学生が笑いながら退屈しのぎに奪ったのは、兎の命と幼なじみのふみちゃんの言葉と心。僕は決意する、僕が復讐するんだ、チャンスは一回・・」なははは。こりゃー無理だわ、こんな純情可憐なスイート話、読めませんって。なになに、小学生のボウヤが何をするんだって?
しかし、紹介のつたなさが、意図的ではないかと思われる程に内容はかなりシリアス。兎の惨殺シーンしかり、犯人の医学生が第一発見者であるふみちゃんを見て、「第一発見者、君?マジかよ。うっわ、萌えねぇー」と嘲笑しながら携帯で撮影するシーン、その前後のネットでのやりとり・・嫌になるくらい、この軽薄な描写がうまい。
そしてぼくには、「条件付」で相手に行為を強制する能力があることが明かされる。相手に対して心を込めて、ある行為を強制できるのだ。「・・・しなくちゃだめだよ、そうしないと・・になるよ」というように。ぼくは、その力のなんたるかを学び、医学生に対峙するための修行を始める。与えられた期間は1週間。何を条件にして何を罰にすれば、ぼくは心から満たされるのか、相手がどうなることをぼくは、望んでいるのか。
最終的にぼくが出した答えと、犯人の末路はここでは明かさない。
まだこの本を読んだことがないのであればあなたは幸せだ。読み終わった後のカタルシスを読了してしまった私は羨ましく思う。そうしてこの本の前にでも後にでも、もう一度前作、「子供たちは夜と遊ぶ」を読むと良いと思う。あえて伏せられている登場人物が誰なのか、秋先生の後悔はなんだったのか、まだお楽しみは、残っている。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.18
(5pt)

ボクハミタサレル?

この人の作風がキレイすぎて若干引き気味だったところに本作は、さらに小学生が主人公と知り、まったく期待はしなかった。「大事な幼なじみが大切にしていた兎が死んだ。死んだんじゃない、殺されたんだ。単に暇つぶしをして楽しむためだけに。犯人の大学生が笑いながら退屈しのぎに奪ったのは、兎の命と幼なじみのふみちゃんの言葉と心。僕は決意する、僕が復讐するんだ、チャンスは一回・・」なははは。こりゃー無理だわ、こんな純情可憐なスイート話、読めませんって。なになに、小学生のボウヤが何をするんだって?
しかし、紹介のつたなさが、意図的ではないかと思われる程に内容はかなりシリアス。兎の惨殺シーンしかり、犯人の医学生が第一発見者であるふみちゃんを見て、「第一発見者、君?マジかよ。うっわ、萌えねぇー」と嘲笑しながら携帯で撮影するシーン、その前後のネットでのやりとり・・嫌になるくらい、この軽薄な描写がうまい。
そしてぼくには、「条件付」で相手に行為を強制する能力があることが明かされる。相手に対して心を込めて、ある行為を強制できるのだ。「・・・しなくちゃだめだよ、そうしないと・・になるよ」というように。ぼくは、その力のなんたるかを学び、医学生に対峙するための修行を始める。与えられた期間は1週間。何を条件にして何を罰にすれば、ぼくは心から満たされるのか、相手がどうなることをぼくは、望んでいるのか。
最終的にぼくが出した答えと、犯人の末路はここでは明かさない。
まだこの本を読んだことがないのであればあなたは幸せだ。読み終わった後のカタルシスを読了してしまった私は羨ましく思う。そうしてこの本の前にでも後にでも、もう一度前作、「子供たちは夜と遊ぶ」を読むと良いと思う。あえて伏せられている登場人物が誰なのか、秋先生の後悔はなんだったのか、まだお楽しみは、残っている。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.17
(5pt)

これが感性が若い作家さんの感性か....

内容は他の方のレヴューのとおりです。
少年とマスターのような教授とのやりとりが中心の小説なのですが
・反省しない犯罪者に対していかに罰を加えるか?
・どの程度の犯罪にどの程度の罰が適切か?
など、裁判員制度も始まったことだし、他人事ではないと思いました。
とはいえ、もちろんエンターテイメントとしても十分楽しめます。
久しぶりに泣ける本です。星6つ。
(以下読まれた方でないとわからないと思います。すいません)
少女が少年が自分のことを「友達って言ってくれた」と大喜びするシーン
少年が加害者に会いに教室に入るシーン
最後に、少女が少年のもとへ向かうシーン
感動ものです。
・・・こうしてみると僕は少年よりむしろ少女に感情移入していたのかな?・・・
一点だけ?なとこ。
こんな賢い小学生がいるのか〜?(いるんだろうな、やっぱし)
わが子と比べ別の意味で泣けてきました(微苦笑)
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.16
(5pt)

罪とは。罰とは。

初めて読んだ辻村作品がこの『メジャースプーン』だったことを感謝します。
これは10歳の男の子に語らせているだけであって、誰でもが考えなくてはいけない「罪」と「罰」の物語。
その中に少しクラスメイトより大人になってしまった10歳の少女の心境、そしてこれからの10代の苦悩を予感させる物語。
秋先生によって説明される罪と罰。
これは大人である私にも答えが出ない深い問題です。そして子供だから出来る大胆な行動。
思わず12歳の娘、17歳の息子にもこの本を勧めてしまいました。
この作品が他の辻村作品とリンクしているのがわかって、他の作品も読みましたが、この『メジャースプーン』を超えているとは思えませんでした。
でもリンクは面白くて好き。伊坂氏のようにさりげなさがないから、どちらかというとリンクというより連続作品という感じかな。
秋先生の今後の活躍を期待しつつ、でもこの辺でもっと違うタイプの本になって欲しいな...。
10代の解説ももうそろそろ終わりでもいいかも。新たな飛躍を期待しています。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.15
(5pt)

復讐とは何か?愛とは何か?について熟考した。

不思議な力をもった小学生が同級生のふみちゃんに降り掛かった突然の悪意に復讐を考える物語。
復讐すべきか、否か?
するとすればどんな方法で?
それでふみちゃんは満足するのか?
答えの無い問題を考え続ける小学生の出した答えには涙がでた。
それにしてもこの作者、解説にも書いてあったが、「わずか10歳の登場人物に当たり前のようで容易な事ではない」事を自然にやってのけるから凄い。
■読んで欲しい人
・小さい子供が居る人
・小学校で教師をしている人
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.14
(5pt)

主人公の最後の言葉への予感がストーリーを引っ張っていきます

多くの方が書いておられるように”罪と罰”がテーマのお話です。愉快犯に対する罰を与えることが出来る”僕”が最後に選ぶであろう”罰”の言葉については比較的早い段階で予想はついてしまいます。ただ、そうした暗い(?)予想を抱きながらだと、長いと言われている7日間をドキドキしながら読むことができ、あっという間に読み終えました。作者にはストーリーテラーとしての巧さを感じます。しかし、巧さだけでなく、現代的な犯罪に対する、そして決して反省することのない犯人に対する罰というテーマに対して、子供の真摯な視点から描いている本作は、テーマに対する作者の真剣な姿勢をも感じられて、非常に良かったです。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.13
(4pt)

スプーン

真摯だと思った。 先生との話にあった罰が延々に続く例えは、先がながそうな7日の先生との延々の話だった、僕にとって。 ただそこは小4の僕の葛藤でもあって、許せる。 感情とか理性だとか、久々にこーいうことを考えながら二人を見まもってた。メジャースプーンで掬わない選択、良くはないけど覚悟は握りしめてた手に強く、感じた。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.12
(2pt)

起承転結の承転が少しインパクトが弱いような

読売新聞の読書紹介の記事で読んでおもしろそうだなと購入しましたが出だしはいいが途中は非常に退屈に感じました。ただ若い作家だけあって現在世の中の世相を取り入れられていると思います。
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.11
(5pt)

現代の罪と罰とは?

不思議な力を持った男の子と,事件に巻き込まれてPSTDになった仲良しの女の子を取り巻くファンタジー,
という仕立てになっているが,扱われているテーマは現代的な愉快犯への「罪と罰」である.
自分で反省するはずのない犯罪者に何を持って償わせるのがふさわしいのか?
難しい命題を少年らしい視点から描いていて,みずみずしい純粋さ,
ナイーブさが伝わってくる.
単純な感動というだけでない,なつかしさや忘れていたひたむきさを呼び起こされるような読後感.
こういう小説に出会うことはなかなかない.
これを,少年と年長者の単なる禅問答にしてしまったら
退屈極まりない小説になっていただろうが,
「不思議な力」の謎解きとして進めるところに,
ストーリーテラーとしてのうまさを感じる.
さりげなく張られた伏線も最終章で見事にまとめられていて,
ジュブナイル的な予定調和だけでないハッピーエンドを作り上げている.
筆者の作品は「冷たい校舎〜」,「凍りのくじら」と読んできたが,
小説の構成力が急速に成長していてびっくりした.
文句なしの傑作.
ぼくのメジャースプーン (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)より
4062763303
No.10
(5pt)

人に何かを考えてもらいたいとき、小説はどのように組み立てたらいいのか

「罪に対してふさわしい罰とは何か考えなさい。そうしないと、あなたはこのお話の謎が解けない」
この本は、小野不由美の「十二国記」と同様、物語を通して読者に何かを考えさせることを強く問うような性格を持っています。そしてその物語の枠組みとして、作者は入れ子状にテーマを設定しました。
小説が何を賭金として、読者と契約を結ぶのか、そのことを自覚的に意識しながら、この小説は書かれています。そのため彼女の他の作品(特に『校舎』と『くじら』)と同様メタ小説的な性格が強くなっています。
また『子どもたちは』から引き続いて登場する秋山先生が「教育学部」の先生であるという設定は、前作以上に効果をあげ、きわめて教育学部的な問題提起がなされています。
その分、この小説では物語のラストで現実感覚をひっくり返すというどんでん返し的な意味でのミステリー性は薄まり、ファンサービス的な味付け程度に抑えられていますが、ある意味全編が、前作『子どもたちは』)で残された謎の種明かし的な要素もあるので、本格ミステリーファンにはそれで勘弁して欲しいということなのかもしれません。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.9
(5pt)

子どもは〜の後日談

辻村先生の描く登場人物はほとんどが前向きで優しいので、暗い話でも温かく感じながら読めるので好きです。この作品も大袈裟ではない小さなどんでん返しが詰まっていてワクワクしながら読めました。子どもたちは〜の秋先生の行動の種明かしがあったのはうれしい驚きでした。ずっと気になっていて消化不良だったので。なので「子どもたちは夜遊ぶ」を読んだ後に読むことをオススメします。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.8
(5pt)

子ども書くの、うますぎ。

 辻村先生は子ども書くのうますぎです。ほとんどの作品に子どもが出てきますが、どれもほんとうまい。
 
 私のお気に入りの作品は『冷たい校舎の時は止まる』と『子どもたちは夜と遊ぶ』なんですけど、辻村先生の作品を最初に読むならこの作品がいいかもしれません。というのも、私が好きな2作品は2冊に分かれてて長いので(長さを感じさせない面白さですが)、これは1冊ですから手に取りやすいんじゃないでしょうか。
 とはいえ、内容は濃いですよ。
 小学生の目線からストーリーが進むので読みやすいし、小学生だった自分を時々思い出してふと懐かしくなります。これも辻村作品の特徴ですね。
 主人公に不思議な力の使い方や特質を教えてくれる秋先生がまたいい味出してます。すごく厳しい言葉をさらっと言ったりして、どきっとさせられるんだけど、それが真髄をついているようでぐっときてしまいます。
 うさぎが死んでしまうところは小説の中だというのにとても悲しかったです。ふみちゃんがバカにされたり、からかわれたりするのにも、こちらまで苛立ちました。書かれているのは単なる文章なのに、本当に怒っていることではないのに、そんなことを冷静に考えている余裕なんかいつの間にかなくなっているんですよね。
 面白くない小説はいつまでも読者を物語世界に引き込んでくれないものです。面白い小説はまったく逆。すぐに読者を引き入れて、現実世界になかなか帰してくれない。
 似たような世界観、似たような人物、似たようなテーマを扱っているにもかかわらず、毎回見事に違う味がする。
 新刊を買ってしまいたくなるのはそのせいでしょう。
 
 ともあれ、まだ味わっていない幸運な方はぜひ!!
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.7
(4pt)

一人称だから描ける細かな心理描写

著者の四作目にあたり、前作『凍りのくじら』同様SF(少し不思議)な物語。
著者は講談社のメフィスト賞を受賞してデビューした期待の若手女流作家である。
デビュー作と二作目はホラー小説にカテゴライズされる作品で、一人称で物語を描き場面によって視点(語り手)が変わるザッピングの手法を使っている。
細かな心理描写が上手な著者だからこそ生きてくる手法であるが、視点がコロコロ変わるために読み難く深く物語りに入り込めないという人もいて好き嫌いが分かれる書き方である。
しかし、三作目とこの四作目『ぼくのメジャースプーン』はエピローグを除き全編を通して主人公の視点から物語が語られる。
それによりより深く主人公の心の動きが読者に伝わり、主人公との同化がしやすくて話しにのめり込んでしまう力がある。
個人的に三作目・四作目の辻村深月ならではのSF(少し不思議)な話の方がデビュー作のホラーよりも味わい深くて好きです。
話の伏線の配置やヒントのほのめかしも上手で作家としての実力は若手でトップクラスでしょう。
まずは読んでみてください。損はしないはずです。
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783
No.6
(5pt)

心と罪の重さを量るメジャースプーン

 あなたの友人が心ない者の行為で深く傷つけられたらどうしますか? あなたが誰にも知られない力でその者を罰することが出来るとすればどうしますか?
 小学四年生の「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎを興味本位である男がずたずたに引き裂かれ殺されてしまった。無惨なうさぎの死体を最初に見ることになってしまった幼なじみの女の子はそのショックのあまり心を完全に閉ざしてしまったまま登校しなくなった。
 うさぎを殺した男は「器物破損」としてしか罰せられず、傷つけられた女の子はその後もネットで「消費」されつくした。
 「ぼく」が男に対して力を使うまでの1週間を、同じ力を持つ先生との話で紡ぐストーリー展開、ネットやマスコミの乱暴なほどの力や享楽殺害と「正義」とは何かをテーマにした重厚さ、そしてなによりミステリーらしいどんでん返しやスリル。
 考えさせられ、楽しませてもらい、ハラハラしながら、最後にほっとする……すばらしい作品でした。今年読んだ小説の中でもピカイチです。
 タイトルが平凡という意見もあるのですが、「メジャースプーン」が悪と正義の重さを量ってバランスを見て……とこれも良いタイトルだと思うのですがいかがでしょう?
ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)より
4061824783