グローバリズム出づる処の殺人者より
評判
グローバリズム出づる処の殺人者よりの評価:
4.40/5点 レビュー 10件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1〜10 1/1ページ
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グローバリズム出づる処の殺人者よりの評価:
4.40/5点 レビュー 10件。 B ランク
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数字といえば先生、世界の4大○○○を主人公バルラムが思い出そうとして、必ず4つ目を忘れてしまうオチもなかなか意味深でした。バルラムが置かれた4つ目のカーストとなにか関係があるのでしょうか。さらにそのカーストが生業別に何千にも別れているとは驚きでした。ご主人アシュル様のピンキー奥様が起こした人身事故の迷惑料として渡された47万ルピー。こんな切羽詰まった時にもピンはねすることを決して忘れないインドという国、やはり侮れないですね。
クチバシを突っ込む?ようで申し訳ないのですが、この本が出版された時代はまさにグローバリズム勃興期、アメリカ企業がきそってインドにおいてアウトソーシングを活発化させた時期と重なりますよね。インド伝統のカースト制度が崩壊し、バラモンに代わってアメリカ人がその座に座ったといってもいいんじゃないでしょうか。そんなインドの皆さんが目指しているのが、アメリカではなく中国であるという事実がこれまたショックでした。同じアジアの我が国ではなくよりによって中国とは。法人税や営業許可、殺人罪の揉み消しまで全て賄賂でなんとでもなる国では、日本のようなきっちりしたシステムは土台合っていないのかもしれません。事故が起きても列車ごと埋めて無かったことにするダイナミズム? が必要なんですね。なんつって。
でもこの主人公バルラム、カズオイシグロの小説語り部を思わせるとぼけた口調もさることながら、白人の悪党のように冷徹になりきれないところにとってもアジア的な“情”を感じるのです。社員が引き殺した子供の家族をまるごと面倒みたり、自分が手にかけた主人の名前をビジネス・ネームに使ってみたりと、先生がよく訳していらっしゃるミステリ小説の登場人物ならそんなリスク絶対負わないですよね。中国首相に媚びを売るような悪ぶった態度も、どこか愛嬌があってにくめないキャラクターなんですよ。それもこれも、どこまでいっても惨めで貧乏な生活が骨の髄まで染みこんでいる“田舎ねずみ”だからこそ、読者の共感を呼べたのではないでしょうか。ね、先生。