(短編集)

冷たい誘惑

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冷たい誘惑の評価:

4.19/5点 レビュー 16件。 B ランク

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平均点4.19pt

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全4件 1〜4 1/1ページ
No.4
(2pt)

拳銃が1人の人生を左右する

乃南アサさんの本を手に取るのは、しゃぼん玉に続き2作目だが
短編集でも筋の通った魅力あふれるストーリーは、読者の心を掴んで放さない。

たった1丁の拳銃が、日常を非日常へと切り替えるスイッチ代わりになっており
登場人物たちは、その妖しいまでの輝きに惑わされ、大きく生活に影響を受ける。
この、物語が動き出してからの乃南ワールドは、小説という活字の海でありながら
ひとたび目を通せば、立体的な輝きはいっそう派手なものになる。
事実、自分もほんの2時間で読破してしまうほどの性急性をもつ本作に思わず唸った。

また、著者自身が女性であるため、ドロドロとした大人の関係、諦めきれない恋心
恋人の反応をうかがい適切な反応を取るなど、女性がより女性らしく描かれている。
揺れる恋心、恋人との悲劇の別れ、どれもハッピーエンドになるわけじゃないのが妙味だと思う。
人生は常に良い方向に転がるわけでなく、不幸な幕切れもあることを如実に物語っている。
そして、読み手はより内容にのめり込み、気づけば感情移入している手筈だ。

また、千恵のような思春期少女の心理の描き方が特にうまい。
思春期特有の大人に対しての哀れみとも蔑みともとれる婦警との会話のシーン。
ご機嫌とりのように愛想よく話しかける婦警と積極的に話に関わらず信頼もしない千恵との対比関係。
見事なまでにその年頃の少女の心理パターンを読み取り、文章に投影している。
なんともうまい。技術の賜物であろう。

そして、短編集全体として、はじめの3本とおわりの2本というように
それぞれの話が前後し、初めて物語の全体図が見えてくる形式をとっている。
読むたびに新たな発見を見出せる形は読んでいて、非常におもしろい。
偶然とった行動が別の話に影響をあたえ、物語を構成していると思うと、世界とは実に不思議だ。

しかし、どれをとっても1級品といいたいのに、気になる点が。
千恵の話に関わってくる2人の男女の空白の時間をぜひ書き下ろしてもらいたかった。
なぜ、○○○は死んでいたのか。
深夜に襲われた○○のその後の展開は。(予想がつかなくもないが)
後半の1本は綺麗に纏めたのにも関わらず、はじめの1本は宙ぶらりんとはどういうことか。
冷たい誘惑 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 冷たい誘惑 (文春文庫)より
4167919877
No.3
(3pt)

それなりに楽しめる作品

久しぶりの同窓会。酔って道端に座り込んでしまった織江に家出少女が渡したものは、
拳銃だった!織江は警察には届けず、自分の宝物、そして守り神として手元に置くことに
したのだが・・・。一丁の拳銃をめぐる5編の話を収録。連作短編集。

拳銃は、平凡な生活を営んでいる者には決して手に入れることのできないものだ。普通の
日常生活の中に、非日常的なものが入り込んできたら・・・?作者は独特の視線で、そういう
状況に置かれた人間の心理を巧みに描き出している。手の中にすっぽりと収まるほどの
小さい物体が、持つ人間の心を揺さぶり、価値観や人生そのものを変えてしまうこともある。
「凶器」は「狂気」を生む。理性と狂気は紙一重の差といっても過言ではない。「撃つのか?
撃たないのか?」その危うさに、読んでいてハラハラさせられた。それなりに楽しめる作品だと
思う。
冷たい誘惑 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 冷たい誘惑 (文春文庫)より
4167919877
No.2
(2pt)

拳銃が1人の人生を左右する

乃南アサさんの本を手に取るのは、しゃぼん玉に続き2作目だが
短編集でも筋の通った魅力あふれるストーリーは、読者の心を掴んで放さない。

たった1丁の拳銃が、日常を非日常へと切り替えるスイッチ代わりになっており
登場人物たちは、その妖しいまでの輝きに惑わされ、大きく生活に影響を受ける。
この、物語が動き出してからの乃南ワールドは、小説という活字の海でありながら
ひとたび目を通せば、立体的な輝きはいっそう派手なものになる。
事実、自分もほんの2時間で読破してしまうほどの性急性をもつ本作に思わず唸った。

また、著者自身が女性であるため、ドロドロとした大人の関係、諦めきれない恋心
恋人の反応をうかがい適切な反応を取るなど、女性がより女性らしく描かれている。
揺れる恋心、恋人との悲劇の別れ、どれもハッピーエンドになるわけじゃないのが妙味だと思う。
人生は常に良い方向に転がるわけでなく、不幸な幕切れもあることを如実に物語っている。
そして、読み手はより内容にのめり込み、気づけば感情移入している手筈だ。

また、千恵のような思春期少女の心理の描き方が特にうまい。
思春期特有の大人に対しての哀れみとも蔑みともとれる婦警との会話のシーン。
ご機嫌とりのように愛想よく話しかける婦警と積極的に話に関わらず信頼もしない千恵との対比関係。
見事なまでにその年頃の少女の心理パターンを読み取り、文章に投影している。
なんともうまい。技術の賜物であろう。

そして、短編集全体として、はじめの3本とおわりの2本というように
それぞれの話が前後し、初めて物語の全体図が見えてくる形式をとっている。
読むたびに新たな発見を見出せる形は読んでいて、非常におもしろい。
偶然とった行動が別の話に影響をあたえ、物語を構成していると思うと、世界とは実に不思議だ。


しかし、どれをとっても1級品といいたいのに、気になる点が。
千恵の話に関わってくる2人の男女の空白の時間をぜひ書き下ろしてもらいたかった。
なぜ、○○○は死んでいたのか。
深夜に襲われた○○のその後の展開は。(予想がつかなくもないが)
後半の1本は綺麗に纏めたのにも関わらず、はじめの1本は宙ぶらりんとはどういうことか。
冷たい誘惑 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 冷たい誘惑 (文春文庫)より
4167652021
No.1
(3pt)

それなりに楽しめる作品

久しぶりの同窓会。酔って道端に座り込んでしまった織江に家出少女が渡したものは、
拳銃だった!織江は警察には届けず、自分の宝物、そして守り神として手元に置くことに
したのだが・・・。一丁の拳銃をめぐる5編の話を収録。連作短編集。
拳銃は、平凡な生活を営んでいる者には決して手に入れることのできないものだ。普通の
日常生活の中に、非日常的なものが入り込んできたら・・・?作者は独特の視線で、そういう
状況に置かれた人間の心理を巧みに描き出している。手の中にすっぽりと収まるほどの
小さい物体が、持つ人間の心を揺さぶり、価値観や人生そのものを変えてしまうこともある。
「凶器」は「狂気」を生む。理性と狂気は紙一重の差といっても過言ではない。「撃つのか?
撃たないのか?」その危うさに、読んでいてハラハラさせられた。それなりに楽しめる作品だと
思う。
冷たい誘惑 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 冷たい誘惑 (文春文庫)より
4167652021