奇偶
評判
奇偶の評価:
3.48/5点 レビュー 27件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 21〜34 2/2ページ
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主人公の周囲で次々とありえない偶然が起きる、と言われても、そんなの小説の中なんだから不思議でもなんでもないし、存在論、量子論、宇宙論等の薀蓄が次々と展開されてゆくところは一見迫力がありそうですが、本来はマジメな議論であり理論であるはずのものを作者の都合のいいようにもてあそんでいるようで、あまり好感が持てません。眉唾な論理を振り回すのは作者の得意な方法論ではあるのですが、それはユーモアの範囲で適用されるから笑って済まされるのであって、この小説に関してはそういう風には読めないというか、突っ込み不在というか、なので、いいのかなあと思ってしまいます。
そして、どうせトンデモで終わるんだろうと思って読んでいると、その通りだし。ミステリ的な論法が次第に崩れて逸脱してゆくところは、読み応えはありましたが、破綻することを予想してしまっている読者としては、もっと論理面以外でのキャラクターの感情面での奥行きなど、欲しかった気がします。
以前から様々な作品で散見されていた作者の諸々の哲学ネタの集大成として、"いつか書かねばならなかった"作品だったのだろう、そういう意味での執念は感じました。しかし、SFや純文学としてではなく、殺人とその解決、という筋書きを持つミステリという形にしなければならなかったところに、苦いものを感じますね。私は評論家としての氏を尊敬しているし、ミステリ作家としても大好きなんですが、さてこの感想をどうしようか、というところです。