漱石と倫敦ミイラ殺人事件

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漱石と倫敦ミイラ殺人事件の評価:

4.56/5点 レビュー 25件。 B ランク

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全56件 21〜40 2/3ページ
No.36
(5pt)

漱石とホームズ夢の共演

みごとな消失トリックの『占星術殺人事件』で1981年に作家デビューした島田荘司は本格推理作家として多くの読者に歓迎された。その奇想天外でありながら誰でも分かるシンプルなロジックが島田作品の醍醐味だと思う。

出版当時、その島田荘司がホームズのパスティーシュ(作風を模倣して書かれた作品)を書いたというのだから、大いに興味を持ったものだった。
彼のデビュー作であり代表的シリーズの主人公・御手洗潔はまさにシャーロック・ホームズのような存在感を放つキャラクターだからだ。
果たして島田がホームズをどんな風に書くのか。しかも本書は同時に夏目漱石のパスティーシュでもあるのだ。

ホームズが活動していた頃の1900年に漱石は渡英していた。その史実(?)を利用して組み立てられた筋立てはまさに本格推理小説。漱石ヒストリーをなぞり、漱石の在英時のスケッチ的なものが混じる『永日小品』など漱石作品のエピソードを交えながら話は進む。
漱石の書いた文章とワトスンの書いた文章が交互に現れ、互いの目線が交差する仕組みが楽しい。だが読み出してまずはビックリすることがある。漱石のパートが激しくトバしてるのだ。

漱石パートの、ホームズへの悪意あるキャラクター造形がとにかく凄い。もはやいしいひさいちのホームズパロディの域に達するエゲツなさ。廃人同然。
そういう悪どい語りを聞いた後に、ワトスンの筆の中に登場する漱石の控え目でキチンとした感じがザワザワする!島田先生オモロイ。
「ちょっと金之助〜」と思ったけれど・・・後に本作は青少年向け図書としてルビ付本で新たに出版された。その経緯もうなずける爽快な読後感が待っていた。

そしてこの2017年2月に出た電書版は、そのルビ付本に島田荘司が寄稿した青少年へのメッセージ「夢見る時代の力」が掲載されている。(注・電書版ではルビと挿絵と年譜は除かれている)島田少年の小説家はじめの一歩が描かれていてジーンときた。青少年よ、推理小説を書け!という著者のメッセージに心が熱くなる。良いもん読ませてもらいました!
読んだら漱石とホームズと島田荘司が好きになっちゃう本。小説を読み始めたばかりの若い人にもぜひ読んで貰いたい。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334718337
No.35
(5pt)

漱石とホームズ夢の共演

みごとな消失トリックの『占星術殺人事件』で1981年に作家デビューした島田荘司は本格推理作家として多くの読者に歓迎された。その奇想天外でありながら誰でも分かるシンプルなロジックが島田作品の醍醐味だと思う。

出版当時、その島田荘司がホームズのパスティーシュ(作風を模倣して書かれた作品)を書いたというのだから、大いに興味を持ったものだった。
彼のデビュー作であり代表的シリーズの主人公・御手洗潔はまさにシャーロック・ホームズのような存在感を放つキャラクターだからだ。
果たして島田がホームズをどんな風に書くのか。しかも本書は同時に夏目漱石のパスティーシュでもあるのだ。

ホームズが活動していた頃の1900年に漱石は渡英していた。その史実(?)を利用して組み立てられた筋立てはまさに本格推理小説。漱石ヒストリーをなぞり、漱石の在英時のスケッチ的なものが混じる『永日小品』など漱石作品のエピソードを交えながら話は進む。
漱石の書いた文章とワトスンの書いた文章が交互に現れ、互いの目線が交差する仕組みが楽しい。だが読み出してまずはビックリすることがある。漱石のパートが激しくトバしてるのだ。

漱石パートの、ホームズへの悪意あるキャラクター造形がとにかく凄い。もはやいしいひさいちのホームズパロディの域に達するエゲツなさ。廃人同然。
そういう悪どい語りを聞いた後に、ワトスンの筆の中に登場する漱石の控え目でキチンとした感じがザワザワする!島田先生オモロイ。
「ちょっと金之助〜」と思ったけれど・・・後に本作は青少年向け図書としてルビ付本で新たに出版された。その経緯もうなずける爽快な読後感が待っていた。

そしてこの2017年2月に出た電書版は、そのルビ付本に島田荘司が寄稿した青少年へのメッセージ「夢見る時代の力」が掲載されている。(注・電書版ではルビと挿絵と年譜は除かれている)島田少年の小説家はじめの一歩が描かれていてジーンときた。青少年よ、推理小説を書け!という著者のメッセージに心が熱くなる。良いもん読ませてもらいました!
読んだら漱石とホームズと島田荘司が好きになっちゃう本。小説を読み始めたばかりの若い人にもぜひ読んで貰いたい。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件より
408775054X
No.34
(5pt)

これはいい小説

「占星術~」の解説でこの作品の存在を知りました。
”贋作とパロディを同時にやってのける奇想天外な作品”・・・・・それは読まねばならないな。

が、正直、事件そのものとその解決の章までは、それほど飛び抜けて面白いってもんでもない。
解決してんのに、なんでまだこんなにページ残ってんの?と思えた後日譚にこそ、この物語の肝がある。

ホームズの演奏シーンの描写は本当に感動した。
音楽の絡むシーンを書かせたら、ミステリー界で島田氏に並ぶ人はいないんじゃないだろうか?
そして終盤やたら存在感がある小動物。
最後の最後でそこに繋げるとは・・・・・。

これは叙述トリックではないけれど、「ぐはっ!そうきたか!!」度は
並みの叙述オチ以上のインパクトがありました。
読んだ者だけ得をする、そんな作品ですかね。全体の長さがそこそこなのも良い。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334745687
No.33
(5pt)

これはいい小説

「占星術~」の解説でこの作品の存在を知りました。
”贋作とパロディを同時にやってのける奇想天外な作品”・・・・・それは読まねばならないな。

が、正直、事件そのものとその解決の章までは、それほど飛び抜けて面白いってもんでもない。
解決してんのに、なんでまだこんなにページ残ってんの?と思えた後日譚にこそ、この物語の肝がある。

ホームズの演奏シーンの描写は本当に感動した。
音楽の絡むシーンを書かせたら、ミステリー界で島田氏に並ぶ人はいないんじゃないだろうか?
そして終盤やたら存在感がある小動物。
最後の最後でそこに繋げるとは・・・・・。

これは叙述トリックではないけれど、「ぐはっ!そうきたか!!」度は
並みの叙述オチ以上のインパクトがありました。
読んだ者だけ得をする、そんな作品ですかね。全体の長さがそこそこなのも良い。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334718337
No.32
(5pt)

これはいい小説

「占星術~」の解説でこの作品の存在を知りました。
”贋作とパロディを同時にやってのける奇想天外な作品”・・・・・それは読まねばならないな。

が、正直、事件そのものとその解決の章までは、それほど飛び抜けて面白いってもんでもない。
解決してんのに、なんでまだこんなにページ残ってんの?と思えた後日譚にこそ、この物語の肝がある。

ホームズの演奏シーンの描写は本当に感動した。
音楽の絡むシーンを書かせたら、ミステリー界で島田氏に並ぶ人はいないんじゃないだろうか?
そして終盤やたら存在感がある小動物。
最後の最後でそこに繋げるとは・・・・・。

これは叙述トリックではないけれど、「ぐはっ!そうきたか!!」度は
並みの叙述オチ以上のインパクトがありました。
読んだ者だけ得をする、そんな作品ですかね。全体の長さがそこそこなのも良い。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件より
408775054X
No.31
(5pt)

夏目漱石とホームズ。絶対会っていた。

夏目漱石がロンドンに留学していて、しかもあのベイカー街の近くに寄宿していた!この史実を見逃さない手はないです。シャーロック・ホームズと会っていたという浪漫たっぷりの始まりに、押さえきれない胸の高鳴り。漱石の章とワトスンの章がすごく食い違っている、そのユーモアと優しいまなざしに爆笑してしまいました。ホームズの、『一見して依頼人の素性を見破る』という伝説の推理を、あそこまで暴走させるとは!そりゃあ、あれなら、間違えるよね。いやあ、面白いです。

密室で人がミイラになって死んだ、という怪事件が起きて、漱石とホームズとワトスンが走り回りますが、「いくら何でもなにかのトリックだろう」という判断すらも、術中のうちだったのか、と感嘆しました。

ラストでホームズが漱石に贈る最高のプレゼント。そして、漱石が船の上から叫んだ言葉。この箇所を読むと、何度でもぽろぽろと泣けてきます。ああ、あの言葉が、実現していたならば!…この想像力と切なさこそが、本格ミステリの浪漫なのですね。

すべてのホームズファン、島田荘司ファンにおすすめの、傑作ホームズパスティーシュです。大好きです!
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334745687
No.30
(5pt)

夏目漱石とホームズ。絶対会っていた。

夏目漱石がロンドンに留学していて、しかもあのベイカー街の近くに寄宿していた!この史実を見逃さない手はないです。シャーロック・ホームズと会っていたという浪漫たっぷりの始まりに、押さえきれない胸の高鳴り。漱石の章とワトスンの章がすごく食い違っている、そのユーモアと優しいまなざしに爆笑してしまいました。ホームズの、『一見して依頼人の素性を見破る』という伝説の推理を、あそこまで暴走させるとは!そりゃあ、あれなら、間違えるよね。いやあ、面白いです。

密室で人がミイラになって死んだ、という怪事件が起きて、漱石とホームズとワトスンが走り回りますが、「いくら何でもなにかのトリックだろう」という判断すらも、術中のうちだったのか、と感嘆しました。

ラストでホームズが漱石に贈る最高のプレゼント。そして、漱石が船の上から叫んだ言葉。この箇所を読むと、何度でもぽろぽろと泣けてきます。ああ、あの言葉が、実現していたならば!…この想像力と切なさこそが、本格ミステリの浪漫なのですね。

すべてのホームズファン、島田荘司ファンにおすすめの、傑作ホームズパスティーシュです。大好きです!
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334718337
No.29
(5pt)

夏目漱石とホームズ。絶対会っていた。

夏目漱石がロンドンに留学していて、しかもあのベイカー街の近くに寄宿していた!この史実を見逃さない手はないです。シャーロック・ホームズと会っていたという浪漫たっぷりの始まりに、押さえきれない胸の高鳴り。漱石の章とワトスンの章がすごく食い違っている、そのユーモアと優しいまなざしに爆笑してしまいました。ホームズの、『一見して依頼人の素性を見破る』という伝説の推理を、あそこまで暴走させるとは!そりゃあ、あれなら、間違えるよね。いやあ、面白いです。

密室で人がミイラになって死んだ、という怪事件が起きて、漱石とホームズとワトスンが走り回りますが、「いくら何でもなにかのトリックだろう」という判断すらも、術中のうちだったのか、と感嘆しました。

ラストでホームズが漱石に贈る最高のプレゼント。そして、漱石が船の上から叫んだ言葉。この箇所を読むと、何度でもぽろぽろと泣けてきます。ああ、あの言葉が、実現していたならば!…この想像力と切なさこそが、本格ミステリの浪漫なのですね。

すべてのホームズファン、島田荘司ファンにおすすめの、傑作ホームズパスティーシュです。大好きです!
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件より
408775054X
No.28
(4pt)

島田氏初の直木賞候補作

島田氏の初の直木賞候補作で、翌年再び夏、19歳の肖像で直木賞候補になっている。直木賞候補作なのに島田氏の作品群の中ではあまり人気のない作品となっている。
それまでも大がかりな物理トリックとバラバラ死体などの猟奇性を全面に打ち出した作風から一転して、19世紀の倫敦を舞台に、夏目漱石とホームズが巡りあっていたらという遊び心溢れる設定で、古き良き古典的推理世界が展開する。ミイラ殺人とタイトルはセンセーショナルだが、実際読むと全くそのような事はなく、子供にも読ませられるテイストである。
夏目とワトソンの一人称の記述が交互に展開する凝った構成だが、別に叙述トリックが仕掛けられているということでもなく、ミイラ事件のトリックも想定内だが、終盤の二人の別れのシーンと最後の洒落た落ちが読んでいて実に心地よい良作である。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334745687
No.27
(4pt)

島田氏初の直木賞候補作

島田氏の初の直木賞候補作で、翌年再び夏、19歳の肖像で直木賞候補になっている。直木賞候補作なのに島田氏の作品群の中ではあまり人気のない作品となっている。
それまでも大がかりな物理トリックとバラバラ死体などの猟奇性を全面に打ち出した作風から一転して、19世紀の倫敦を舞台に、夏目漱石とホームズが巡りあっていたらという遊び心溢れる設定で、古き良き古典的推理世界が展開する。ミイラ殺人とタイトルはセンセーショナルだが、実際読むと全くそのような事はなく、子供にも読ませられるテイストである。
夏目とワトソンの一人称の記述が交互に展開する凝った構成だが、別に叙述トリックが仕掛けられているということでもなく、ミイラ事件のトリックも想定内だが、終盤の二人の別れのシーンと最後の洒落た落ちが読んでいて実に心地よい良作である。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334718337
No.26
(4pt)

島田氏初の直木賞候補作

島田氏の初の直木賞候補作で、翌年再び夏、19歳の肖像で直木賞候補になっている。直木賞候補作なのに島田氏の作品群の中ではあまり人気のない作品となっている。
それまでも大がかりな物理トリックとバラバラ死体などの猟奇性を全面に打ち出した作風から一転して、19世紀の倫敦を舞台に、夏目漱石とホームズが巡りあっていたらという遊び心溢れる設定で、古き良き古典的推理世界が展開する。ミイラ殺人とタイトルはセンセーショナルだが、実際読むと全くそのような事はなく、子供にも読ませられるテイストである。
夏目とワトソンの一人称の記述が交互に展開する凝った構成だが、別に叙述トリックが仕掛けられているということでもなく、ミイラ事件のトリックも想定内だが、終盤の二人の別れのシーンと最後の洒落た落ちが読んでいて実に心地よい良作である。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件より
408775054X
No.25
(5pt)

パスティーシュの域をこえてる。

ホームズの大ファンのため、たくさんのパロディやパスティーシュを読みました。
でも、本当に面白い物はなかなかないんです。
ファン以外にもおススメできるようなものは滅多にありません。

というわけで、あまり期待せずに読みました。
でもこれは面白いですね!
ホームズ好きを思わずニヤリとさせるネタを盛り込みつつ、文学として最高。
さすがです。

読後感がよいですね。なぜかジーンときちゃいました。
こういう温かい気持ちになったの久しぶりでした。

ホームズたちが夏目のことをずーっと「ナツミ」と呼んでるのがなぜか微笑ましい。


漱石と倫敦ミイラ殺人事件 Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件より
408775054X
No.24
(5pt)

パスティーシュの域をこえてる。

ホームズの大ファンのため、たくさんのパロディやパスティーシュを読みました。
でも、本当に面白い物はなかなかないんです。
ファン以外にもおススメできるようなものは滅多にありません。

というわけで、あまり期待せずに読みました。
でもこれは面白いですね!
ホームズ好きを思わずニヤリとさせるネタを盛り込みつつ、文学として最高。
さすがです。

読後感がよいですね。なぜかジーンときちゃいました。
こういう温かい気持ちになったの久しぶりでした。

ホームズたちが夏目のことをずーっと「ナツミ」と呼んでるのがなぜか微笑ましい。


漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334718337
No.23
(5pt)

パスティーシュの域をこえてる。

ホームズの大ファンのため、たくさんのパロディやパスティーシュを読みました。
でも、本当に面白い物はなかなかないんです。
ファン以外にもおススメできるようなものは滅多にありません。

というわけで、あまり期待せずに読みました。
でもこれは面白いですね!
ホームズ好きを思わずニヤリとさせるネタを盛り込みつつ、文学として最高。
さすがです。

読後感がよいですね。なぜかジーンときちゃいました。
こういう温かい気持ちになったの久しぶりでした。

ホームズたちが夏目のことをずーっと「ナツミ」と呼んでるのがなぜか微笑ましい。


漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334745687
No.22
(4pt)

見事なお手並み

週刊文春1984年 国内3位

英国留学中の漱石は、男が一夜にしてミイラ化する事件に遭遇する。探偵は、かのシャーロック・ホームズ。漱石はホームズの知己を得て、事件の解決に協力することになる。  ・・・

ホームズものの一種のパスティーシュ。一章毎に語り手が、漱石とワトソン交互に変わって、ものがたりが展開する。ワトソンの視点からは、正統派ホームズなのだが、漱石の視点からは、ホームズが、ぶっ壊れ気味の男で描かれていて面白い。漱石からは捜査の過程がはちゃめちゃに見えるのだが、ワトソンがきちっと結末をまとめてくれる。作者の見事なお手並みというところか。

トリックは予想がついてしまうんだけど、構成の妙が見所と思う。巻末の作者の、特別エッセイが、創作への熱い想いがあふれててこれもまたいい。

完全ルビは最初むちゃくちゃ読みにくかったんだけど、慣れてくるもんだなぁ。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件より
408775054X
No.21
(4pt)

見事なお手並み

週刊文春1984年 国内3位

英国留学中の漱石は、男が一夜にしてミイラ化する事件に遭遇する。探偵は、かのシャーロック・ホームズ。漱石はホームズの知己を得て、事件の解決に協力することになる。  ・・・

ホームズものの一種のパスティーシュ。一章毎に語り手が、漱石とワトソン交互に変わって、ものがたりが展開する。ワトソンの視点からは、正統派ホームズなのだが、漱石の視点からは、ホームズが、ぶっ壊れ気味の男で描かれていて面白い。漱石からは捜査の過程がはちゃめちゃに見えるのだが、ワトソンがきちっと結末をまとめてくれる。作者の見事なお手並みというところか。

トリックは予想がついてしまうんだけど、構成の妙が見所と思う。巻末の作者の、特別エッセイが、創作への熱い想いがあふれててこれもまたいい。

完全ルビは最初むちゃくちゃ読みにくかったんだけど、慣れてくるもんだなぁ。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334718337
No.20
(4pt)

見事なお手並み

週刊文春1984年 国内3位

英国留学中の漱石は、男が一夜にしてミイラ化する事件に遭遇する。探偵は、かのシャーロック・ホームズ。漱石はホームズの知己を得て、事件の解決に協力することになる。  ・・・

ホームズものの一種のパスティーシュ。一章毎に語り手が、漱石とワトソン交互に変わって、ものがたりが展開する。ワトソンの視点からは、正統派ホームズなのだが、漱石の視点からは、ホームズが、ぶっ壊れ気味の男で描かれていて面白い。漱石からは捜査の過程がはちゃめちゃに見えるのだが、ワトソンがきちっと結末をまとめてくれる。作者の見事なお手並みというところか。

トリックは予想がついてしまうんだけど、構成の妙が見所と思う。巻末の作者の、特別エッセイが、創作への熱い想いがあふれててこれもまたいい。

完全ルビは最初むちゃくちゃ読みにくかったんだけど、慣れてくるもんだなぁ。
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4334745687
No.19
(5pt)

まるでホームズが御手洗、漱石が石岡君のよう

オリジナルは1984年9月リリース。文庫化は1994年2月20日。デビュー作である『占星術殺人事件』が1981年のリリースで、本作のリリースは『斜め屋敷・・』の次くらいという最も初期の作品ということになる。島田荘司はこれほどの傑作を残しながらほとんど『賞』というものに縁がない。『斜め屋敷の犯罪』『死者が飲む水』も実は江戸川乱歩賞に応募していたりするのだが最終候補にも残っていない。その中で、本作は初めて直木賞の候補となった作品なのだ(ちなみに吉川英治文学新人賞にもノミネートされた)。その後の膨大な傑作群を見ると同様にほとんど日本の文学賞に縁がない村上春樹に通ずるものを感じる。はっきり言って何を見て選考しているのか、と思う。
本作は既に島田荘司の世界が完全に構築されていて、まるでホームズが御手洗、漱石が石岡君のようだ。ラストに行けば行くほど島田作品特有の『心の優しさ・暖かさ』を感じる。トリックも冴えていて、章ごとの微妙な描き方の差が実に効果的だ。
初期の傑作の一つとして是非とも読んでおきたい一冊だ。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件より
408775054X
No.18
(5pt)

まるでホームズが御手洗、漱石が石岡君のよう

オリジナルは1984年9月リリース。文庫化は1994年2月20日。デビュー作である『占星術殺人事件』が1981年のリリースで、本作のリリースは『斜め屋敷・・』の次くらいという最も初期の作品ということになる。島田荘司はこれほどの傑作を残しながらほとんど『賞』というものに縁がない。『斜め屋敷の犯罪』『死者が飲む水』も実は江戸川乱歩賞に応募していたりするのだが最終候補にも残っていない。その中で、本作は初めて直木賞の候補となった作品なのだ(ちなみに吉川英治文学新人賞にもノミネートされた)。その後の膨大な傑作群を見ると同様にほとんど日本の文学賞に縁がない村上春樹に通ずるものを感じる。はっきり言って何を見て選考しているのか、と思う。
本作は既に島田荘司の世界が完全に構築されていて、まるでホームズが御手洗、漱石が石岡君のようだ。ラストに行けば行くほど島田作品特有の『心の優しさ・暖かさ』を感じる。トリックも冴えていて、章ごとの微妙な描き方の差が実に効果的だ。
初期の傑作の一つとして是非とも読んでおきたい一冊だ。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334718337
No.17
(5pt)

まるでホームズが御手洗、漱石が石岡君のよう

オリジナルは1984年9月リリース。文庫化は1994年2月20日。デビュー作である『占星術殺人事件』が1981年のリリースで、本作のリリースは『斜め屋敷・・』の次くらいという最も初期の作品ということになる。島田荘司はこれほどの傑作を残しながらほとんど『賞』というものに縁がない。『斜め屋敷の犯罪』『死者が飲む水』も実は江戸川乱歩賞に応募していたりするのだが最終候補にも残っていない。その中で、本作は初めて直木賞の候補となった作品なのだ(ちなみに吉川英治文学新人賞にもノミネートされた)。その後の膨大な傑作群を見ると同様にほとんど日本の文学賞に縁がない村上春樹に通ずるものを感じる。はっきり言って何を見て選考しているのか、と思う。
本作は既に島田荘司の世界が完全に構築されていて、まるでホームズが御手洗、漱石が石岡君のようだ。ラストに行けば行くほど島田作品特有の『心の優しさ・暖かさ』を感じる。トリックも冴えていて、章ごとの微妙な描き方の差が実に効果的だ。
初期の傑作の一つとして是非とも読んでおきたい一冊だ。
漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫) Amazon書評・レビュー: 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 (光文社文庫)より
4334745687