アルキメデスは手を汚さない

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アルキメデスは手を汚さないの評価:

3.58/5点 レビュー 59件。 C ランク

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平均点3.58pt

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全73件 61〜73 4/4ページ
No.13
(5pt)

70年代の空気が見事にとらえられています

妊娠中絶中に少女が謎の言葉を残して死にます。その同級生の少年は
弁当に入れられた毒に倒れ、そして青年が失踪ます。
一見ばらばらな事件が、やがて一つにつながった時、意外な事実が浮かび上がります。
犯人の動機も犯行の構造も、時代の背景を色濃く反映しています。
70年代。
戦後、高度経済成長、乱開発、世代間の価値観に大きな溝が生まれた時代です。
かつてない豊かさと引き換えに、何を得、何を失ったのか。
こう書くと、何やら暗い雰囲気になりますが、作品自体はカラリと軽やかです。
作者のバランス感覚も抜群で、独りよがりの正義を振りかざす子供たちは小生意気でも
ある種の魅力にあふれ、登場人物の言葉を借りれば「かっこいい」と感じる人もいるでしょう。
大人は枠の中でしか働くことができず、「すべきこと」をしなかったり、
できなかったりですが、いやしい描かれ方はされていません。
話の終わりも、大人が子供を諭すような古臭さや、子供が大人を糾弾する青臭さもなく
意外な人物が意外な価値観を開陳し、おかしな言いまわしですが、さわやかに苦笑いをさせてくれます。
ただ、このあと時代が狂乱の80年代に向かうのかと思うと、ため息が出てしまいます。
時代を見事に撃ち抜いて見せたのでしょう。当時ヒットしたことにもうなずけます。
追記
トリックがいま一つ、といった評価があったようですが、ボクはそうは思いません。
確かに大きなトリックはないのですが、小粒なトリックがつながりあって機能し
謎を魅力的にしています。刑事の推理は論理的でじゅうぶんに楽しめました。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1)より
4061360140
No.12
(5pt)

70年代の空気が見事にとらえられています

妊娠中絶中に少女が謎の言葉を残して死にます。その同級生の少年は
弁当に入れられた毒に倒れ、そして青年が失踪ます。
一見ばらばらな事件が、やがて一つにつながった時、意外な事実が浮かび上がります。
犯人の動機も犯行の構造も、時代の背景を色濃く反映しています。
70年代。
戦後、高度経済成長、乱開発、世代間の価値観に大きな溝が生まれた時代です。
かつてない豊かさと引き換えに、何を得、何を失ったのか。
こう書くと、何やら暗い雰囲気になりますが、作品自体はカラリと軽やかです。
作者のバランス感覚も抜群で、独りよがりの正義を振りかざす子供たちは小生意気でも
ある種の魅力にあふれ、登場人物の言葉を借りれば「かっこいい」と感じる人もいるでしょう。
大人は枠の中でしか働くことができず、「すべきこと」をしなかったり、
できなかったりですが、いやしい描かれ方はされていません。
話の終わりも、大人が子供を諭すような古臭さや、子供が大人を糾弾する青臭さもなく
意外な人物が意外な価値観を開陳し、おかしな言いまわしですが、さわやかに苦笑いをさせてくれます。
ただ、このあと時代が狂乱の80年代に向かうのかと思うと、ため息が出てしまいます。
時代を見事に撃ち抜いて見せたのでしょう。当時ヒットしたことにもうなずけます。
追記
トリックがいま一つ、といった評価があったようですが、ボクはそうは思いません。
確かに大きなトリックはないのですが、小粒なトリックがつながりあって機能し
謎を魅力的にしています。刑事の推理は論理的でじゅうぶんに楽しめました。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)より
4062755033
No.11
(4pt)

正統派な青春ミステリー

東野圭吾がこの本を読んで、推理小説に嵌ったとの話を聞いて購入しました。
特別驚くほどのトリックとは言えないかもしれませんが、35年以上前の作品とは思えない、現代でも通じる青春小説と言えます。登場人物は高校生ですが、それぞれの人格はもう立派な大人で、恐らく今の本格推理小説の登場人物と変わらないどころか、更に深くまで人物像が描かれています。
単なる殺人ミステリーではなく、登場人物の心理状態を読者に深く読ませるのは、東野作品にも通じていると思います。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1)より
4061360140
No.10
(4pt)

正統派な青春ミステリー

東野圭吾がこの本を読んで、推理小説に嵌ったとの話を聞いて購入しました。
特別驚くほどのトリックとは言えないかもしれませんが、35年以上前の作品とは思えない、現代でも通じる青春小説と言えます。登場人物は高校生ですが、それぞれの人格はもう立派な大人で、恐らく今の本格推理小説の登場人物と変わらないどころか、更に深くまで人物像が描かれています。
単なる殺人ミステリーではなく、登場人物の心理状態を読者に深く読ませるのは、東野作品にも通じていると思います。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)より
4062755033
No.9
(4pt)

70年代的ビルドゥングスロマンか?

 第19回江戸川乱歩賞受賞作。『テロリストのパラソル』が登場するまで
乱歩賞受賞作品の中ではハードカバー&文庫共に一番売れていた作品とのこと。
36年前(2009年初頭時点)の本なので、その中には昭和40年代の残り香という
ものが、此処其処に漂っています。
 しかし、一度絶版になりつつも、平成の世になって復刊されたというのは
単に乱歩賞受賞作だから・・・という訳では無いでしょう。例え、東野圭吾効果
が見込まれるとしても。実際、ミステリ部分も読ませます。3つの事件を多層的に
重ね、それを中盤から終盤にかけて、一気に太い一本の糸へ編み混んで行き
疑問点が明らかになる箇所は、ページを捲るのが楽しかったのです。
 しかし、この作品の一番の読みどころはやはり、主人公たち(高校生だ)の
心情でしょう。或る意味において、この物語は少年少女から、大人への脱皮を
描いた一種のビルドゥングスロマンだと思うのです(作者や解説ではピカレスク
小説と述べている)。
 主人公たちは社会(ここでは大人と同義語)を以下の様に見ています。
・社会は汚れているものだ。
・(汚れている)現実の前に理想ほど脆いものは無い。
・それ故に、戦う為には己の手を汚さなければならない・・・という風に。
 そういう結論に至った彼ら彼女らの行動は是非作中で。
そうすれば何故にこんな哲学的なタイトルになったのかもはっきりします。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1)より
4061360140
No.8
(4pt)

70年代的ビルドゥングスロマンか?

 第19回江戸川乱歩賞受賞作。『テロリストのパラソル』が登場するまで
乱歩賞受賞作品の中ではハードカバー&文庫共に一番売れていた作品とのこと。
36年前(2009年初頭時点)の本なので、その中には昭和40年代の残り香という
ものが、此処其処に漂っています。
 しかし、一度絶版になりつつも、平成の世になって復刊されたというのは
単に乱歩賞受賞作だから・・・という訳では無いでしょう。例え、東野圭吾効果
が見込まれるとしても。実際、ミステリ部分も読ませます。3つの事件を多層的に
重ね、それを中盤から終盤にかけて、一気に太い一本の糸へ編み混んで行き
疑問点が明らかになる箇所は、ページを捲るのが楽しかったのです。
 しかし、この作品の一番の読みどころはやはり、主人公たち(高校生だ)の
心情でしょう。或る意味において、この物語は少年少女から、大人への脱皮を
描いた一種のビルドゥングスロマンだと思うのです(作者や解説ではピカレスク
小説と述べている)。
 主人公たちは社会(ここでは大人と同義語)を以下の様に見ています。
・社会は汚れているものだ。
・(汚れている)現実の前に理想ほど脆いものは無い。
・それ故に、戦う為には己の手を汚さなければならない・・・という風に。
 そういう結論に至った彼ら彼女らの行動は是非作中で。
そうすれば何故にこんな哲学的なタイトルになったのかもはっきりします。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)より
4062755033
No.7
(5pt)

懐かしいです。

昔、単行本を買った記憶がある。本屋でぜんぜん違うイメージの装丁で並んでいて、「へエー」って思って買ってみた。もうすっかり忘れていたと思っていたが、読んでいくうちに思い出してしまった。人間の記憶っていうものは不思議です。僕が大学4年の時に江戸川乱歩賞をもらった作品で、僕には全然時代の違和感がなく読めました(当然と言えば当然)。確か次の年にテレビでドラマ化された記憶が残っている。時代の変化の影響を一番受けるのは中学・高校時代だろうから今の若い方が読めば違和感があるのは当然といえば当然。しかもあの時期は今より嵐の真っ只中をくくりぬけた後だったもんね。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1)より
4061360140
No.6
(5pt)

懐かしいです。

昔、単行本を買った記憶がある。本屋でぜんぜん違うイメージの装丁で並んでいて、「へエー」って思って買ってみた。もうすっかり忘れていたと思っていたが、読んでいくうちに思い出してしまった。人間の記憶っていうものは不思議です。僕が大学4年の時に江戸川乱歩賞をもらった作品で、僕には全然時代の違和感がなく読めました(当然と言えば当然)。確か次の年にテレビでドラマ化された記憶が残っている。時代の変化の影響を一番受けるのは中学・高校時代だろうから今の若い方が読めば違和感があるのは当然といえば当然。しかもあの時期は今より嵐の真っ只中をくくりぬけた後だったもんね。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)より
4062755033
No.5
(4pt)

さすが、巨匠の代表作。

さすが、
東野圭吾をその気にさせたというだけはある。
30年位前にかかれた作品だというのに、
テーマも、
動機も、
とても現代的ともいえる。
理想主義的な部分も否めないが、
それでも、
“ドラマ”で楽しませてくれる。
推理やトリックの面白さというよりは、
登場人物たちの描き方が上手なのだ。
正統派の推理小説。
骨太な一作。
解けないままの謎。
他の作品も読んでみたい作家となりました。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1)より
4061360140
No.4
(4pt)

さすが、巨匠の代表作。

さすが、
東野圭吾をその気にさせたというだけはある。
30年位前にかかれた作品だというのに、
テーマも、
動機も、
とても現代的ともいえる。
理想主義的な部分も否めないが、
それでも、
“ドラマ”で楽しませてくれる。
推理やトリックの面白さというよりは、
登場人物たちの描き方が上手なのだ。
正統派の推理小説。
骨太な一作。
解けないままの謎。
他の作品も読んでみたい作家となりました。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)より
4062755033
No.3
(4pt)

古きよき時代の学園ミステリー

30年以上前に書かれた作品であることを考えると、青春もの、学園ものとして
今も普通に読めることに驚きを感じる。
文章はそれほど古臭くないし、テンポもいい。
学生たちのシニカルなものの考え方、性や恋愛への一見ドライでクールな割り切り方などが、事件の動機の部分を<謎>にし、刑事たちを戸惑わせるのだが、30年後の今は、別に驚くような感覚ではない。
その意味で、価値観が変わってしまった21世紀の今、この作品から物凄い驚きや感動を得られなくても、しょうがないと思う。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫 こ 1-1)より
4061360140
No.2
(4pt)

古きよき時代の学園ミステリー

30年以上前に書かれた作品であることを考えると、青春もの、学園ものとして
今も普通に読めることに驚きを感じる。
文章はそれほど古臭くないし、テンポもいい。
学生たちのシニカルなものの考え方、性や恋愛への一見ドライでクールな割り切り方などが、事件の動機の部分を<謎>にし、刑事たちを戸惑わせるのだが、30年後の今は、別に驚くような感覚ではない。
その意味で、価値観が変わってしまった21世紀の今、この作品から物凄い驚きや感動を得られなくても、しょうがないと思う。
アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)より
4062755033
No.1
(4pt)

「アルキメデス〜」はどうでもいいとして

「暗黒告知」
文句無しの傑作。評価すべきは話の展開、人間よりもその筆力の濃さ。
数年に1度は、物凄い新人が出る最近の乱歩賞だが、はっきりいって本作の筆力はずば抜けている。足尾鉱毒反対派の集団の行進と、その後の警官隊との衝突の場面などは、まるで自分がその場に居る様な錯覚を起こさせる。このシーンだけで本作は★5つだ。
が、「アルキメデスは手を汚さない」で1つ減点。
一体全体、結局、誰が主役だったんだ?
江戸川乱歩賞全集(9)アルキメデスは手を汚さない 暗黒告知 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 江戸川乱歩賞全集(9)アルキメデスは手を汚さない 暗黒告知 (講談社文庫)より
4062649624