街の灯

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評判

街の灯の評価:

4.03/5点 レビュー 36件。 B ランク

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平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全45件 1〜20 1/3ページ
No.45
(4pt)

ベッキーさんが気になって

舞台は昭和8年(1932年)の東京。

士族出身の某財閥のご令嬢 花村英子、女子学習院中等科在学中。 そして花村家のお抱え運転手 別宮みつ子が主人公だ。

別宮はベックと発音する。 名字も珍しいがこの当時女性が運転手をすること自体も珍しい。

彼女の素性については雇い主である父は知っているが、読者と英子お嬢さまには知らされていない。

きりりとした容姿、頭脳明晰、文武のどちらにも長けた謎の女性である。

このふたりが身近に(?)起きる殺人事件や、ちょっとしたなぞ解きに挑戦する。

推理小説と戦前の少女小説が合体したような、独特の雰囲気がおもしろい。

昭和8年と言えば、5.15事件(軍部将校による犬養首相暗殺)があった年で、日本が満州国を建国、

上海事変があり、白木屋デパートで火事があり、チャップリンが来日している。

世間はこんな情勢であっても、花村英子の日々の暮らしにはまだ翳りはないのである。

わたしの父は彼女と同じくらいに生まれている。 そのせいか物語の中の東京の風景は懐かしく

両親や祖父母から聞いた話しと うまい具合に混ざりあって実在感があった。

本格推理物ではないが、おっとりと楽しめる作品である。 この本には3編収録されているが、

別冊文藝春秋の連載小説のようだから、そちらを読めば先取りすることができるだろう。

なんといってもベッキーさん(別宮みつ子の渾名)の素性が気になって、そこがはっきりするまでは

読み続けるしかないではありませんか。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.44
(4pt)

映画化するときベッキーさん役は…

前にも読みました。
もし、ベッキーさんシリーズが映画化されるときはベッキーさん役は天海祐希さん、明日海りおさんなどの元宝塚トップスターがすごくぴったりです。柚香光さんが退団したらベッキーさん役をやってくれたらと思っています。
街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.43
(4pt)

映画化するときベッキーさん役は…

前にも読みました。
もし、ベッキーさんシリーズが映画化されるときはベッキーさん役は天海祐希さん、明日海りおさんなどの元宝塚トップスターがすごくぴったりです。柚香光さんが退団したらベッキーさん役をやってくれたらと思っています。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.42
(5pt)

なんと美しいお話でしょうか

北村薫氏の作品は初めてでした。どんな作風の方かも知らなかったのですが、読み始めてみれば、本当に美しいお話で。舞台が戦前の上流社会だということもあると思いますが。

まず出だしの文章からやられてしまいました。「家々の屋根のわずか上に、薄藍の雲の連山が見えていた。ちょうど空という水鉢に紺の絵の具を溶いて、それが沈んだような具合だった。雲の向こうはほのかな桜色に染まっていた」。なんと美しい風景描写でしょうか。
それから、ヒロインの花村英子と自家用車の運転手、園田、そしてお父様の会話が始まります。その言葉使いのまたはんなりしていること。当日は友人の有川伯爵令嬢から、雛の宴に招かれて行くところでした。これがまたなんとも言えない優雅さで、当時の上流階級というのはこんな暮らしをしていたのかと驚愕しました。集まってくる娘たちは、みな自家用車でお付の女性を連れて、雛祭にふさわしい柄の着物をまとっています。電気は切られて、篝火とぼんぼりの灯だけで屋敷が照らされ、大広間には歴代の何組もの雛人形が並べられ、桜の花びらを浮かせた白酒とお料理をいただく・・・。こういう催しが、公のもの、各界名士や大使夫人を招待したもの、そして今日の伯爵家姉妹の友人たちのためのものと、3,4日に渡って行われるのだそうです。
他にも、園遊会やら、銀座に運転手付の車で行く時にはお付もついてきて、買物をすればお付の女性が支払いをする、自分では財布を持ったこともないこと、夏になると最初は鎌倉の別荘で海水浴、8月になってさらに暑くなると軽井沢の別荘に避暑に行く、侯爵様の別荘は何万平米も広さがあって、ご自分の馬で軽井沢を散策される・・などなど、ため息が出そうな裕福ぶりです。まだ江戸や明治の気風も残っていたのでしょうか。使用人の側も、お殿様、お姫様と、はっきりと身分が違うという観念を持っていた様子です。

主人公、英子の家は華族ではなく、お父様が元士族で、財閥系会社の社長だということ、そのためか英子自身が言うように「うちはわりと開けているのだ」、と。当時としては画期的だった女性の運転手が英子に付くことになります。文武両道に秀でて、控えめだけれど思慮深い別宮、通称ベッキーさんと英子は、だんだんと心を通わせていきます。

一応ミステリ・ジャンルに分類されると思いますが、本格ミステリやもっとはらはらドキドキの小説を求める方には今ひとつかも。個人的には純文学に近いと感じました。三島由紀夫の「春の雪」を思い出しましたが、あちらが退廃と憂愁いう暗めの雰囲気なのに対して、こちらは明るくさわやかです。箱入り娘でお嬢様だけれど聡明なヒロインが、市中の事件や、軽井沢で避暑中に起きた不可解な出来事の真相を解明します。軽井沢の話は、身近で人が死ぬため緊迫感があります。そして、最初はおっとりのほほんと見えていたお話に、華やかな上流社会の息苦しさや冷たさなど裏面がちらりとほの見えてぎくりとさせられます。時代はこれから太平洋戦争に突入していくはず。先はどうなっていくのでしょうか。

古き良き日本の美しさに一時酔いしれることができました。2冊目、3冊目と話がどんどん展開するようですので、さらに続けて読んでいきたいと思います。
街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.41
(5pt)

なんと美しいお話でしょうか

北村薫氏の作品は初めてでした。どんな作風の方かも知らなかったのですが、読み始めてみれば、本当に美しいお話で。舞台が戦前の上流社会だということもあると思いますが。

まず出だしの文章からやられてしまいました。「家々の屋根のわずか上に、薄藍の雲の連山が見えていた。ちょうど空という水鉢に紺の絵の具を溶いて、それが沈んだような具合だった。雲の向こうはほのかな桜色に染まっていた」。なんと美しい風景描写でしょうか。
それから、ヒロインの花村英子と自家用車の運転手、園田、そしてお父様の会話が始まります。その言葉使いのまたはんなりしていること。当日は友人の有川伯爵令嬢から、雛の宴に招かれて行くところでした。これがまたなんとも言えない優雅さで、当時の上流階級というのはこんな暮らしをしていたのかと驚愕しました。集まってくる娘たちは、みな自家用車でお付の女性を連れて、雛祭にふさわしい柄の着物をまとっています。電気は切られて、篝火とぼんぼりの灯だけで屋敷が照らされ、大広間には歴代の何組もの雛人形が並べられ、桜の花びらを浮かせた白酒とお料理をいただく・・・。こういう催しが、公のもの、各界名士や大使夫人を招待したもの、そして今日の伯爵家姉妹の友人たちのためのものと、3,4日に渡って行われるのだそうです。
他にも、園遊会やら、銀座に運転手付の車で行く時にはお付もついてきて、買物をすればお付の女性が支払いをする、自分では財布を持ったこともないこと、夏になると最初は鎌倉の別荘で海水浴、8月になってさらに暑くなると軽井沢の別荘に避暑に行く、侯爵様の別荘は何万平米も広さがあって、ご自分の馬で軽井沢を散策される・・などなど、ため息が出そうな裕福ぶりです。まだ江戸や明治の気風も残っていたのでしょうか。使用人の側も、お殿様、お姫様と、はっきりと身分が違うという観念を持っていた様子です。

主人公、英子の家は華族ではなく、お父様が元士族で、財閥系会社の社長だということ、そのためか英子自身が言うように「うちはわりと開けているのだ」、と。当時としては画期的だった女性の運転手が英子に付くことになります。文武両道に秀でて、控えめだけれど思慮深い別宮、通称ベッキーさんと英子は、だんだんと心を通わせていきます。

一応ミステリ・ジャンルに分類されると思いますが、本格ミステリやもっとはらはらドキドキの小説を求める方には今ひとつかも。個人的には純文学に近いと感じました。三島由紀夫の「春の雪」を思い出しましたが、あちらが退廃と憂愁いう暗めの雰囲気なのに対して、こちらは明るくさわやかです。箱入り娘でお嬢様だけれど聡明なヒロインが、市中の事件や、軽井沢で避暑中に起きた不可解な出来事の真相を解明します。軽井沢の話は、身近で人が死ぬため緊迫感があります。そして、最初はおっとりのほほんと見えていたお話に、華やかな上流社会の息苦しさや冷たさなど裏面がちらりとほの見えてぎくりとさせられます。時代はこれから太平洋戦争に突入していくはず。先はどうなっていくのでしょうか。

古き良き日本の美しさに一時酔いしれることができました。2冊目、3冊目と話がどんどん展開するようですので、さらに続けて読んでいきたいと思います。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.40
(5pt)

面白かったです!

「中野のお父さん」があまりに短くて物足りなかったので、同じ作者の本ですがどうかなと思って読みました。
この本はそこそこの中篇が3個収められており、昭和初期を舞台にお嬢様とその運転手が謎解きをするというもの。
トリックだけでなく、人間の深い心理も描かれていて、面白かったです。
日常の謎を扱った話もあってよかったですが、人が殺されるミステリーもこの作者はなかなか上手だと思います。
街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.39
(5pt)

面白かったです!

「中野のお父さん」があまりに短くて物足りなかったので、同じ作者の本ですがどうかなと思って読みました。
この本はそこそこの中篇が3個収められており、昭和初期を舞台にお嬢様とその運転手が謎解きをするというもの。
トリックだけでなく、人間の深い心理も描かれていて、面白かったです。
日常の謎を扱った話もあってよかったですが、人が殺されるミステリーもこの作者はなかなか上手だと思います。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.38
(5pt)

英子とベッキー

旧士族・花村家の箱入り娘の英子。そんな彼女の元に別宮(べっく)
という当時珍しい女性運転手がやって来た。

その別宮が只者ではなく、剣道の経験者で、文学もこよなく愛し、
そして驚くべきことに拳銃まで扱えるという謎の人物だ。

この作品の舞台は昭和7年、英子の学校の送り迎えを任されている
別宮(ベッキー)と英子の二人が、遭遇する謎や殺人事件を見事解決
へと導いていくという物語である。

「虚栄の市」は江戸川乱歩の作品にヒントを得たもの。「銀座八丁」では
桐原麗子なる侯爵家の令嬢である女学生が登場し、なかなかに面白い
存在となる。「街の灯」はチャップリンの作品の映写会で起きた死の謎
に挑む。

二人の和製かつ女性版ともいえるホームズとワトソンの活躍がとても
楽しい内容となっています。
街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.37
(5pt)

英子とベッキー

旧士族・花村家の箱入り娘の英子。そんな彼女の元に別宮(べっく)
という当時珍しい女性運転手がやって来た。

その別宮が只者ではなく、剣道の経験者で、文学もこよなく愛し、
そして驚くべきことに拳銃まで扱えるという謎の人物だ。

この作品の舞台は昭和7年、英子の学校の送り迎えを任されている
別宮(ベッキー)と英子の二人が、遭遇する謎や殺人事件を見事解決
へと導いていくという物語である。

「虚栄の市」は江戸川乱歩の作品にヒントを得たもの。「銀座八丁」では
桐原麗子なる侯爵家の令嬢である女学生が登場し、なかなかに面白い
存在となる。「街の灯」はチャップリンの作品の映写会で起きた死の謎
に挑む。

二人の和製かつ女性版ともいえるホームズとワトソンの活躍がとても
楽しい内容となっています。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.36
(5pt)

きれいですよ

経年劣化はいたし方ありません。それ以外は 問題なく 私の後 今はカミサンさんが読んでます。
街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.35
(5pt)

きれいですよ

経年劣化はいたし方ありません。それ以外は 問題なく 私の後 今はカミサンさんが読んでます。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.34
(5pt)

いろいろ仕込んできてます。

おお、昭和7年、女子学習院は青山にあるんだ。 いま秩父宮ラグビー場になっている場所。 ブッポウソウの鳴き声が実はコノハズクのものだったと判明するのは、3年後の昭和10年。 いろいろ仕込んできてます。 主人公とベッキーさんとの間に起こり始めたケミストリーがこのあとどんなふうに進んでいくのか楽しみ。
街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.33
(5pt)

いろいろ仕込んできてます。

おお、昭和7年、女子学習院は青山にあるんだ。 いま秩父宮ラグビー場になっている場所。 ブッポウソウの鳴き声が実はコノハズクのものだったと判明するのは、3年後の昭和10年。 いろいろ仕込んできてます。 主人公とベッキーさんとの間に起こり始めたケミストリーがこのあとどんなふうに進んでいくのか楽しみ。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.32
(5pt)

面白かった!

とても面白かった。円紫さんシリーズから読んでます。すごいですね。
街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.31
(5pt)

面白かった!

とても面白かった。円紫さんシリーズから読んでます。すごいですね。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.30
(5pt)

探偵小説だけれど、歴史小説のよう。

昭和の7年からを舞台に、
上流階級のお嬢様(わたし)とその時代(今だって)異色の
女性のお抱え運転手のベッキーさんが、
さまざまな事件を解決していく探偵小説。

でもただのお嬢様の道楽探偵小説とは違う。
昭和の初め、近代化の波に華やぐ東京の様子、
そして、さらにはその後2.26事件、第二次世界対戦へと続く
不穏な世の中の空気を物語の背景にしっかりと盛り込んでいる。
また、私たちが決して見る事ができない、
上流階級の生活も、その華やかな部分そして身分があるからこそ、
自分の意思だけではどうにもできない悲哀の部分も、
主人公の私(英子)が自然に伝えてくれる。

探偵小説ではあるけれど、なんか歴史小説を読んでいるようで、
とっても読み応えがある物語。

「街の灯」はチャップリンの映画の題名から。

街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.29
(5pt)

探偵小説だけれど、歴史小説のよう。

昭和の7年からを舞台に、
上流階級のお嬢様(わたし)とその時代(今だって)異色の
女性のお抱え運転手のベッキーさんが、
さまざまな事件を解決していく探偵小説。

でもただのお嬢様の道楽探偵小説とは違う。
昭和の初め、近代化の波に華やぐ東京の様子、
そして、さらにはその後2.26事件、第二次世界対戦へと続く
不穏な世の中の空気を物語の背景にしっかりと盛り込んでいる。
また、私たちが決して見る事ができない、
上流階級の生活も、その華やかな部分そして身分があるからこそ、
自分の意思だけではどうにもできない悲哀の部分も、
主人公の私(英子)が自然に伝えてくれる。

探偵小説ではあるけれど、なんか歴史小説を読んでいるようで、
とっても読み応えがある物語。

「街の灯」はチャップリンの映画の題名から。

街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.28
(5pt)

丁寧に描かれた古き良き時代

昭和7年という微妙な時代。この年代を舞台としてどんな物語が展開されるのか、楽しみだった。ただ、主人公の英子が女学生であるし、上流階級のお嬢様なわけだから、それほど”冒険”も出来ないであろうし、どんな事件が待ち受けてるのだろうと思ったら・・・。ベッキーさんというのは、この女の子ではなくて、新しく雇われた女性の運転手さんのことだったのね。このベッキーさんが鮮やかに事件の謎を解く、といった単純な作りではなくて、ベッキーさんの一言で疑問でなかったことが疑問になったり、英子が謎を解くヒントになったりと、単なる安楽椅子探偵ものとは違い、ふたりのやりとりからどんな結論が出てくるのだろうと、読んでいる方も会話の中に入っているような気になってくるから不思議だ。

 この当時の風俗、考え方などもおもしろく、英子は素直で無垢でいいお嬢様だとは思うが、やはりそこは世間知らずのところもあり、ベッキーさんのそばでこれからどのように成長していくのか、ということも楽しみである。

 そのベッキーさんだが、謎の多い女性だ。どうやら武術に長け、ピストルの腕前も素晴らしく、教養もありそう。どんな経歴の持ち主なのか。これから徐々に垣間見えてくるのだろうが、最初からわかるのは、英子をとても大切に思っている、ということ。貧しい人々の住んでいる家並みを見て「こんなところとても住めそうにない」という英子に、やんわりと、このような家に住むものに幸福はない、と思うことは傲慢である、と諭す厳しさもある。これに、生意気だなどと反発しない英子も素晴らしいと思う。

 礼節の国、日本が丁寧に描かれていて、それも好ましい。ずっとシリーズ化して欲しいと思う。
街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700
No.27
(5pt)

丁寧に描かれた古き良き時代

昭和7年という微妙な時代。この年代を舞台としてどんな物語が展開されるのか、楽しみだった。ただ、主人公の英子が女学生であるし、上流階級のお嬢様なわけだから、それほど”冒険”も出来ないであろうし、どんな事件が待ち受けてるのだろうと思ったら・・・。ベッキーさんというのは、この女の子ではなくて、新しく雇われた女性の運転手さんのことだったのね。このベッキーさんが鮮やかに事件の謎を解く、といった単純な作りではなくて、ベッキーさんの一言で疑問でなかったことが疑問になったり、英子が謎を解くヒントになったりと、単なる安楽椅子探偵ものとは違い、ふたりのやりとりからどんな結論が出てくるのだろうと、読んでいる方も会話の中に入っているような気になってくるから不思議だ。

 この当時の風俗、考え方などもおもしろく、英子は素直で無垢でいいお嬢様だとは思うが、やはりそこは世間知らずのところもあり、ベッキーさんのそばでこれからどのように成長していくのか、ということも楽しみである。

 そのベッキーさんだが、謎の多い女性だ。どうやら武術に長け、ピストルの腕前も素晴らしく、教養もありそう。どんな経歴の持ち主なのか。これから徐々に垣間見えてくるのだろうが、最初からわかるのは、英子をとても大切に思っている、ということ。貧しい人々の住んでいる家並みを見て「こんなところとても住めそうにない」という英子に、やんわりと、このような家に住むものに幸福はない、と思うことは傲慢である、と諭す厳しさもある。これに、生意気だなどと反発しない英子も素晴らしいと思う。

 礼節の国、日本が丁寧に描かれていて、それも好ましい。ずっとシリーズ化して欲しいと思う。
街の灯 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (文春文庫)より
4167586045
No.26
(4pt)

私とベッキーさんシリーズ文庫化

ついに「私のベッキーさん」シリーズが文庫化です。時代は昭和7年、主人公は士族のお嬢様の花村英子と彼女付の女性運転手「ベッキーさん」こと別宮みつ子。謎の美女ベッキーさんも素敵ですが、典型的な北村薫のヒロイン英子もやはり鋭い感性を持っている素敵な少女です。北村薫が好きな人は間違いなく楽しめると思います。北村薫を知らない人にもお勧めしたい一冊です。

街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) Amazon書評・レビュー: 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163215700