悪党たちは千里を走る

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悪党たちは千里を走るの評価:

3.23/5点 レビュー 39件。 C ランク

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平均点3.23pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全27件 21〜27 2/2ページ
No.7
(3pt)

ユーモアとスピード感がたっぷり。貫井徳郎の“異色作”

本書は貫井徳郎としては異色作である。“誘拐”がテーマであるが、いつもの彼の作品のような重苦しい感じや大きな仕掛けはない。今回は肩の力を抜いて、楽しんで書いたのではないだろうか。私も気楽に読み進むことができた。
高杉は、経営コンサルタントを騙っていかがわしい儲け話を売り込んだり、カード詐欺で糊口をしのいだりしているケチな詐欺師だった。彼を‘アニキ’と慕う弟分の園部がいるところなど絵に描いたような設定だ。そんな彼らにカラーコピーした名画の贋物リトグラフを売りつける美人詐欺師、菜摘子が仲間となってドタバタ誘拐劇が繰り広げられる。
はじめはある豪邸の飼い犬の誘拐を計画するのだが、下見の段階でその家の10歳の息子、巧(たくみ)に逆に尾行され、自宅に乗り込まれてしまう。そこで巧はなんと「自分が誘拐されたことにして、吝嗇な親から身代金をせしめる」狂言誘拐の計画を提案、3人に協力を求めるのだ。
ところがその巧が本当に誘拐されてしまって、高杉たちは、あろうことか誘拐犯に代わって、親から身代金を取るように脅迫される。
かくして彼らの奮闘が始まる。真犯人の代理として親への脅迫・身代金の受け取りと真犯人への受け渡し、巧の救助、真犯人が何者かを突き止める推理・・・。ストーリーの展開はユーモアとスピードがたっぷりで、まるで軽妙なユーモア小説を読んでいるような印象を受けた。
惜しむらくは物語の前半部分にほとんど動きがなく、後半にプロットが凝縮されてしまっていることと、ラストが思いがけずあっけなかったことである。
しかしそこはさすがに貫井徳郎。狂言誘拐の上前をはねるというアイデアもさることながら、身代金の奪取方法は、きわめて現代的でよく考えられており、また真犯人の手掛かりも作品の冒頭部分にもう伏線を忍ばせている。
本書で読者は貫井徳郎の“いつもとは違う”一面を見ることができる。
悪党たちは千里を走る (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 悪党たちは千里を走る (集英社文庫)より
4087463486
No.6
(3pt)

ユーモアとスピード感がたっぷり。貫井徳郎の“異色作”

本書は貫井徳郎としては異色作である。“誘拐”がテーマであるが、いつもの彼の作品のような重苦しい感じや大きな仕掛けはない。今回は肩の力を抜いて、楽しんで書いたのではないだろうか。私も気楽に読み進むことができた。

高杉は、経営コンサルタントを騙っていかがわしい儲け話を売り込んだり、カード詐欺で糊口をしのいだりしているケチな詐欺師だった。彼を‘アニキ’と慕う弟分の園部がいるところなど絵に描いたような設定だ。そんな彼らにカラーコピーした名画の贋物リトグラフを売りつける美人詐欺師、菜摘子が仲間となってドタバタ誘拐劇が繰り広げられる。

はじめはある豪邸の飼い犬の誘拐を計画するのだが、下見の段階でその家の10歳の息子、巧(たくみ)に逆に尾行され、自宅に乗り込まれてしまう。そこで巧はなんと「自分が誘拐されたことにして、吝嗇な親から身代金をせしめる」狂言誘拐の計画を提案、3人に協力を求めるのだ。

ところがその巧が本当に誘拐されてしまって、高杉たちは、あろうことか誘拐犯に代わって、親から身代金を取るように脅迫される。
かくして彼らの奮闘が始まる。真犯人の代理として親への脅迫・身代金の受け取りと真犯人への受け渡し、巧の救助、真犯人が何者かを突き止める推理・・・。ストーリーの展開はユーモアとスピードがたっぷりで、まるで軽妙なユーモア小説を読んでいるような印象を受けた。

惜しむらくは物語の前半部分にほとんど動きがなく、後半にプロットが凝縮されてしまっていることと、ラストが思いがけずあっけなかったことである。

しかしそこはさすがに貫井徳郎。狂言誘拐の上前をはねるというアイデアもさることながら、身代金の奪取方法は、きわめて現代的でよく考えられており、また真犯人の手掛かりも作品の冒頭部分にもう伏線を忍ばせている。
本書で読者は貫井徳郎の“いつもとは違う”一面を見ることができる。

悪党たちは千里を走る (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 悪党たちは千里を走る (幻冬舎文庫)より
4344416856
No.5
(3pt)

ユーモアとスピード感がたっぷり。貫井徳郎の“異色作”

本書は貫井徳郎としては異色作である。“誘拐”がテーマであるが、いつもの彼の作品のような重苦しい感じや大きな仕掛けはない。今回は肩の力を抜いて、楽しんで書いたのではないだろうか。私も気楽に読み進むことができた。
高杉は、経営コンサルタントを騙っていかがわしい儲け話を売り込んだり、カード詐欺で糊口をしのいだりしているケチな詐欺師だった。彼を‘アニキ’と慕う弟分の園部がいるところなど絵に描いたような設定だ。そんな彼らにカラーコピーした名画の贋物リトグラフを売りつける美人詐欺師、菜摘子が仲間となってドタバタ誘拐劇が繰り広げられる。
はじめはある豪邸の飼い犬の誘拐を計画するのだが、下見の段階でその家の10歳の息子、巧(たくみ)に逆に尾行され、自宅に乗り込まれてしまう。そこで巧はなんと「自分が誘拐されたことにして、吝嗇な親から身代金をせしめる」狂言誘拐の計画を提案、3人に協力を求めるのだ。
ところがその巧が本当に誘拐されてしまって、高杉たちは、あろうことか誘拐犯に代わって、親から身代金を取るように脅迫される。
かくして彼らの奮闘が始まる。真犯人の代理として親への脅迫・身代金の受け取りと真犯人への受け渡し、巧の救助、真犯人が何者かを突き止める推理・・・。ストーリーの展開はユーモアとスピードがたっぷりで、まるで軽妙なユーモア小説を読んでいるような印象を受けた。
惜しむらくは物語の前半部分にほとんど動きがなく、後半にプロットが凝縮されてしまっていることと、ラストが思いがけずあっけなかったことである。
しかしそこはさすがに貫井徳郎。狂言誘拐の上前をはねるというアイデアもさることながら、身代金の奪取方法は、きわめて現代的でよく考えられており、また真犯人の手掛かりも作品の冒頭部分にもう伏線を忍ばせている。
本書で読者は貫井徳郎の“いつもとは違う”一面を見ることができる。
悪党たちは千里を走る Amazon書評・レビュー: 悪党たちは千里を走るより
4334924689
No.4
(3pt)

ラストが不満

真面目に働いても報われない。カード詐欺のようなせせこましいもの
にも嫌気がさした。どうせならドンと金が入る犯罪を!そう考えた
高杉、園部、菜摘子の3人は、誘拐を思いつく。しかしその誘拐計画は
思わぬ方向に・・・。 悪人になりきれない3人。計画だけはりっぱだったが、その誘拐計画は
思わぬ展開を見せる。テンポがよく、とても読みやすかった。3人が
予期せぬ方向に流されていき慌てふためく様子が面白おかしく描かれて
いる。身代金に関する処理もあざやかで、こういう方法もあったのかと
感心した。まさに現代ならではの方法だった。ただ、誘拐事件が解決した
後の展開に多少の不満が残った。誘拐事件後の被害者宅の様子や、張り
込んでいた警察官らの様子の描写もほしかった。それに、ラストの章は
なくてもよかったのでは?
悪党たちは千里を走る (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 悪党たちは千里を走る (幻冬舎文庫)より
4344416856
No.3
(3pt)

ラストが不満

真面目に働いても報われない。カード詐欺のようなせせこましいものにも嫌気がさした。どうせならドンと金が入る犯罪を!そう考えた高杉、園部、菜摘子の3人は、誘拐を思いつく。しかしその誘拐計画は思わぬ方向に・・・。 悪人になりきれない3人。計画だけはりっぱだったが、その誘拐計画は思わぬ展開を見せる。テンポがよく、とても読みやすかった。3人が予期せぬ方向に流されていき慌てふためく様子が面白おかしく描かれている。身代金に関する処理もあざやかで、こういう方法もあったのかと感心した。まさに現代ならではの方法だった。ただ、誘拐事件が解決した後の展開に多少の不満が残った。誘拐事件後の被害者宅の様子や、張り込んでいた警察官らの様子の描写もほしかった。それに、ラストの章はなくてもよかったのでは?
悪党たちは千里を走る Amazon書評・レビュー: 悪党たちは千里を走るより
4334924689
No.2
(3pt)

あした天気にしておくれ

貫井徳郎が破格のデビュー作『慟哭』以降、「症候群」シリーズや『プリズム』『神のふたつの貌』『追憶のかけら』などで、極めてアクチュアルな視点を臆せずに導入して、小説のサブジャンルとしての本格ミステリの可能性を切り開いた業績は十分に讃えられるべきものだ。この人がいないだけでも、このジャンルはかなりバイアスがかかった受け止め方をされていたのではないか。麻耶雄嵩の登場からいわゆる「脱格」系の作品の出現の一方で、彼が上記の作品群を発表して、一定の評価を得たのは、ジャンル全体として幸福なことだったように思う。
 さて本作はウエストレイクなどの諸作を想起させる犯罪喜劇だ。主人公の性格は『追憶のかけら』と同様のプチダメ男に設定している。ちゃちな詐欺の前歴が後の不本意な誘拐事件において事態打開のために活きてくる。冒頭から意表をつくイベントの連続で読者を翻弄して、物語の中盤では思わせぶりな展開で読み手の目を存分に眩ませてくれる。作者の新展開としてシリーズ化を期待したいところ。
悪党たちは千里を走る (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 悪党たちは千里を走る (幻冬舎文庫)より
4344416856
No.1
(3pt)

あした天気にしておくれ

 貫井徳郎が破格のデビュー作『慟哭』以降、「症候群」シリーズや『プリズム』『神のふたつの貌』『追憶のかけら』などで、極めてアクチュアルな視点を臆せずに導入して、小説のサブジャンルとしての本格ミステリの可能性を切り開いた業績は十分に讃えられるべきものだ。この人がいないだけでも、このジャンルはかなりバイアスがかかった受け止め方をされていたのではないか。麻耶雄嵩の登場からいわゆる「脱格」系の作品の出現の一方で、彼が上記の作品群を発表して、一定の評価を得たのは、ジャンル全体として幸福なことだったように思う。 さて本作はウエストレイクなどの諸作を想起させる犯罪喜劇だ。主人公の性格は『追憶のかけら』と同様のプチダメ男に設定している。ちゃちな詐欺の前歴が後の不本意な誘拐事件において事態打開のために活きてくる。冒頭から意表をつくイベントの連続で読者を翻弄して、物語の中盤では思わせぶりな展開で読み手の目を存分に眩ませてくれる。作者の新展開としてシリーズ化を期待したいところ。
悪党たちは千里を走る Amazon書評・レビュー: 悪党たちは千里を走るより
4334924689