借金取りの王子: 君たちに明日はない2

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

借金取りの王子: 君たちに明日はない2の評価:

4.19/5点 レビュー 68件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.19pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全98件 61〜80 4/5ページ
No.38
(4pt)

読みやすくて心が温まる

「君たちに明日はない」の続編。
前作を読んでこれも買ったので、面白かったし、続きも読んでみたいと思ったということだと思う。
更に続編が出ていたので、文庫がでるのが楽しみになった。

っていうような面白さでしょうか。

主人公の仕事(リストラ請負会社)を介在して、リストラ候補者の人間ドラマを書いた話。
「君たちに明日はない」を読んだ時に感じた
気取るつもりはないが、ここまで性描写を書く必要ってあるの?
っていう不満が本作では解消されていたのが嬉しい。

表題にもなっている「借金取りの王子」は、お涙ちょうだいにはもってこいのお話。
これに関しては、垣根氏(男性)が書いているけど、読者の男女共に思い入れながら
読めるのがさすがです。

「なんかちょっと感動できる話を軽く読みたい」

って方には超お勧めです。
借金取りの王子 Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子より
4104750026
No.37
(4pt)

読みやすくて心が温まる

「君たちに明日はない」の続編。
前作を読んでこれも買ったので、面白かったし、続きも読んでみたいと思ったということだと思う。
更に続編が出ていたので、文庫がでるのが楽しみになった。

っていうような面白さでしょうか。

主人公の仕事(リストラ請負会社)を介在して、リストラ候補者の人間ドラマを書いた話。
「君たちに明日はない」を読んだ時に感じた
成人君主を気取るつもりはないが、ここまで性描写を書く必要ってあるの?
っていう不満が本作では解消されていたのが嬉しい。

表題にもなっている「借金取りの王子」は、お涙ちょうだいにはもってこいのお話。
これに関しては、垣根氏(男性)が書いているけど、読者の男女共に思い入れながら
読めるのがさすがです。

「なんかちょっと感動できる話を軽く読みたい」

って方には超お勧めです。


借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)より
4101329729
No.36
(3pt)

軽やかなエンタ、案外重い読後感

シリーズの他作品は未読です。
この作者の小説自体初見でしたが、
わかりやすい人物造形とシンプルな舞台設定で
とまどいはなく読み進められました。

いわゆるリストラ請負業の主人公と
周囲のメインキャラクターを共通する短編集です。
短編ごとにキーとなるサブキャラクターの視点を挟み、
解雇勧告にまつわるドラマがテンポよく描かれています。

サブキャラクターの身の振り方が退職かどうかを問わず、
雰囲気としてはハッピーエンドで、全体的に明るい読み物です。
しかしながら、各業界の妙なリアリティが重苦しく、
軽い文体とのギャップを楽しめるかは、読者を選びそうです。

ちょうど何か悶々としているサラリーマンには、
ストレスのはけ口としてうってつけの本になりそうです。
換言すると、現実社会ですでに元気にがんばっている人にとっては、
物語のドロドロした部分が強調されて、気持ちが萎えるかもしれません。
借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)より
4101329729
No.35
(5pt)

何度読み返しても涙が・・・

表題作の『借金取りの王子』ドラマ化はされなかったが
何度読み返しても感動してしまう。
ノルマで精神的に社員を追い詰めることで利益を保ってきた消費者金融業界。
私も9年弱某消費者金融にいたので、まぁ内容のリアルさに驚きました。
とても業界のことを取材してありますね^^;
だからこそリアリティがあって感動するのかも・・・
宏明と美佐子のカップル、本当にお似合いです。
美佐子かっこいい!
借金取りの王子 Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子より
4104750026
No.34
(3pt)

あま〜い出来

家人が¥50だったので、取りあえず買ったとのこと(笑)本日、頭が痛かったので読んでみた深いだ浅いだ人生だ、等というものではない辛いのは現実で充分甘くて簡単なの欲しいんだという方用兎も角、主人公(?)2人の性格がうすい!うすすぎる!!まさかこの2人にひかれて読むなんて人は少ないだろうその分わかり易さ、リサーチに手を入れてるって按配前後の作品を読んでないが最近はこの手合で賞が貰えるのかまあ山本周五郎じたいそれ程の大作家ではないけど、、ただ家人のように世間を知らず、のほほんと学校を出て、大海に出る子には経済紙 + でちっとは役に立つ???いやあ こんなに単純で甘くないことよく識ってるか(笑)
借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)より
4101329729
No.33
(5pt)

君たちに明日はないの続編。

期待に胸を踊らせ職場からの帰り道、本作を手に取った。借金取りの王子、このタイトルは主人公・真介にクビをきられる側の人間の渾名だ。本作に登場する人間は、なぜか総じて魅力的な人間が多い。読み進めるに連れて、だんだんと笑みが溢れたり、各人の発する台詞にいちいち感動してしまう。それほど魅力的な人間が数多く出てくる作品も、なかなかないだろう。 地の文も、どうしてこんなうまい言い回しが出てくるのか。素晴らしい。 もし、迷っているのなら、迷わず購入することをすすめる。 蛇足になるが、先の方が書いているレビューの通り、本作最後チャプター、『人にやさしく』での二人のやり取り、そして陽子の台詞は、なんともすがすがしい思いがした。 なんとなく、ふと読み返したくなる、そんな作品だ。 ‥最後に、本作のNHKテレビドラマを見た方、そして、『つまらなかった』との感想を持った方に言いたい。 個人的には、あれは偽物だ。きっと番組プロデューサーは原作を読んでいないし、おそらくは理解していない。 前作『君たちに明日はない』と本作を読んで得られるすがすがしさと、ある種の興奮は、テレビドラマのそれとは一線を画すものだ。 まだ手に取っていない方は、ぜひ、ご賞味ください。きっと、素晴らしい読了感が得られるはずです。
借金取りの王子 Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子より
4104750026
No.32
(4pt)

大切なのは矜持、そして生き方

このシリーズ、なかなか良いです。
企業のリストラ請負人といういけ好かない仕事を生業にしている主人公ですが、この主人公が半端な人間ではないのだ。加えてその主人公のターゲットになる側のもう一人の主人公、つまり企業から退職勧奨される登場人物がまた味のあるひとかどの男あるいは女なのです。リストラ対象となった人間に自主退職を勧める真介によこしまな思いはないし、相手を蔑むようなことは決してしない。一方、リストラ対象となる社員もまた決して使えない人間ではない。その証拠に彼あるいは彼女たちは決して会社にぶら下がってはいないのだ。首を切られるかもしれない状況にあっても、それを他人や会社や社会のせいにしない。つまり一人の人間として自立している。そして、そのような逆境にあってなお、毅然としているのだ。垣根氏は読者に対しこう問いかけているのではないだろうか。「生き方なんて何万とおりだってあるんじゃないですか? 生き方次第で、明日はある。そう思いませんか?」
もちろん、現実の世の中はそんな甘いものじゃないだろう。現によこしまな意図を持って社員の首を切る会社があるし、ろくに仕事をせずに寄生虫のように会社にしがみついている人もある。格好良く会社を辞めても、次の仕事で能力をきちんと評価してもらえるとは限らない。下手をすれば能力を発揮するチャンスすら与えてもらえないかもしれない。そう、現実は厳しく理不尽だ。しかしそれでも垣根氏はこういっているのではないか。「矜持を持て。その会社に勤めることではなく勤め方が問題なのだ。大切なのは生きることではなく、生き方なのだ」と。
借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)より
4101329729
No.31
(3pt)

前作より更にそれぞれの人の思いが表現された作品

前作に引き続き、リストラを推進する会社に勤める主人公とその彼女の陽子の成長物語。
1作目は如何にやめさせるかに重点を置き、対岸にいようとする真介の立場がクローズ
アップされていたが、2作目はそれぞれの立場で働いてきたいろいろな人が、人生の
転機に立ち、悩み、考え選択していく模様を描いている。
1作目のステレオタイプな人の描写に比べ、人の心をを描いた本作のほうが、好感を
持った。
あっという間に読めるスピーディな表現、テンポの良さは相変わらずである。
借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)より
4101329729
No.30
(3pt)

テレビドラマにそのままできる、読者層を下げて間口を広げた作品

今回の作品は、「ワイルドソウル」、「ヒートアイランド」、「ゆりかごで眠れ」に続いて4冊目として読み始めました。これまでの作品が、ハードボイルド、ドライブ感、怒り、90年代の日本車がキーワードだったのですが、一転して今回の本はショートコラム的な軽い内容です。 といっても、さすがに垣根氏らしく最近のリストラについて、人員整理会社・人材派遣会社の裏側を取材したと思われる時事ネタが散りばめられています。 ただ、本人が意図的に読者層のレベルを下げたかったのか、セリフや言葉遣いが現代的ないしは間違っている所があり、携帯小説・ブログ小説の印象もありました。 新しい読者層を開拓したかったのか、筆者もハードボイルドから気分転換をしたかったのかも知れません。 最近のテレビドラマにできそうな内容です。昨今は、社会性が少しあり、物語が分かりやすいのが流行のようだからです。 シリーズ1冊目、3冊目があるようですが、しばらく時間をおいて読みたくなったら、購入を検討したいと思います。 p.s. 今回は珍しく、90年代の日本車ではなく、ダイハツのコペンが主人公の車でした。ロードスターもちょっと出てきます。
借金取りの王子 Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子より
4104750026
No.29
(3pt)

テレビドラマにそのままできる、読者層を下げて間口を広げた作品

今回の作品は、「ワイルドソウル」、「ヒートアイランド」、「ゆりかごで
眠れ」に続いて4冊目として読み始めました。これまでの作品が、ハードボイ
ルド、ドライブ感、怒り、90年代の日本車がキーワードだったのですが、一
転して今回の本はショートコラム的な軽い内容です。

 といっても、さすがに垣根氏らしく最近のリストラについて、人員整理会社
・人材派遣会社の裏側を取材したと思われる時事ネタが散りばめられています。

 ただ、本人が意図的に読者層のレベルを下げたかったのか、セリフや言葉遣い
が現代的ないしは間違っている所があり、携帯小説・ブログ小説の印象もありました。

 新しい読者層を開拓したかったのか、筆者もハードボイルドから気分転換をし
たかったのかも知れません。

 最近のテレビドラマにできそうな内容です。昨今は、社会性が少しあり、物
語が分かりやすいのが流行のようだからです。

 シリーズ1冊目、3冊目があるようですが、しばらく時間をおいて読みたくなっ
たら、購入を検討したいと思います。

p.s. 今回は珍しく、90年代の日本車ではなく、ダイハツのコペンが主人公の車
でした。ロードスターもちょっと出てきます。
借金取りの王子 Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子より
4104750026
No.28
(4pt)

女性の心理描写がうまい・・・

リストラ請負会社に勤める村上真介主人公の「君たちに明日はない」第二弾です。
前作は,リストラ面接で相手を追い込む場面が面白かったですが,
今回は,追い込み場面自体はちょっとまんねり。
その代わり,追い込まれる人たちに軸を置いて,それぞれの人生模様が丁寧に書き込まれており,よかったです。
まあ,浪花節的だったり,いかにもだったりするんだけど・・・でも,ほろ苦い感じがうまいですね。
しかし,一番の注目は,真介の8歳年上の恋人陽子の心理描写だな。
年の差をちょっと気にしたり,でも案外相手を頼りにしていたり,
時に別の人にちょっぴり目移りしていかんいかん!と自分を戒めたり。
文体は,独特の端的で男っぽい感じのものですが,それでこの細やかな描写ができるなんて,さすがですね。
女の私も何の違和感もなし,というか,普通にあるあるって感じで感情移入してしまいました。
そのうち,垣根氏らしいハードボイルドな作品もちょっと読んでみたいと思います。
多少苦手ジャンルでも,この人のなら読めるかも。
借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)より
4101329729
No.27
(3pt)

続編が楽しみ

これは、前に紹介した「君たちに明日はない」の続編。
主人公は、リストラする手伝いをする会社の社員。主に面接でリストラするのだが。そういえばこの主人公は、この会社に入る前はなにをしていたのだろう。
前回の1の時は、主人公とリストラされようとしていた40才頃のキャリアウーマンの恋愛がテーマになっていたような気がするが(これとて、確かな記憶ではないのだが…)、続編の2は、各章にそれぞれ主人公がでてきて、一話完結の、水戸黄門のような話になっている。
ただその各章にでてくるリストラ対象の準主人公が、とても魅力的で、思わず感情移入してしまう。みんな魅力的だった。
やはりサラリーマンが、一番遭遇したくないであろう状況は、退職とかリストラではないかと想像するが、そんな場面で繰り広げられる人間模様は、おもしろいのであろう。
たぶんこの話は次の続編がでると思う。たぶん作者はもう書いてしまっているのかもしれない。
で、私の予想では、この主人公と彼女は別れてしまい、彼女は主人公の社長と付き合うようになり、主人公はかって自分の仕事のパートナーであり、現在は自分の彼女の下で働いている派遣社員とつきあうようになる気がする。
これが当たれば、私も相当なものだと思うが…。
借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)より
4101329729
No.26
(4pt)

社員食堂で号泣してしまいました。

シリーズ1作目の「俺たちに明日はない」より
すごーくおもしろかったです!
こんなこともあるんですね。
タイトルになっている「借金取りの王子」では、
会社の食堂でひとり、号泣してしまいました。
泣きへの誘導がしっかりしていて、
わかりやすく泣けるので、スカッとします。
生命保険会社の男、消費者金融の男の会が、
心模様がよくわかって、入り込んでしまった。
旅館の会も、いち女性としてよくわかって良かったです。
各界の知られざるしくみ(?)が知れるのも面白い。
現在勤めている会社もリストラ中なのですが、
楽しく読み終えました(笑)。
会社の良いも悪いもわかってきた世代の
すべての人におすすめしたいです。
借金取りの王子 Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子より
4104750026
No.25
(4pt)

爽やか上等!ただしやや男子寄りのバイアスつきの。

垣根涼介といえば大藪春彦賞、吉川英治文学賞、日本推理作家協会賞を
トリプル受賞した一大スペクタクル:ワイルド・ソウルにとどめをさす、
ラテンの香りのフンプンたる濃ゆ〜い小説を得意とする作家である、と思っていた。
その作家が初めて?裏稼業ではなく表稼業?の爽やかなフツーの?サラリーマンの
ストーリーを書き上げ、(かなり?が入るのは若干その職業が・・である故である)
しかも、らしくない(失礼)山本周五郎賞までとったのが前作、
「君たちに明日はない」である。この「借金取りの王子」はその続編にあたる。
タイトルに惑わされずに、まず前作を読んでから入ることを推奨したいところだ。
作者の名前を読まなければ、奥田英朗の 「ガール」に並べてもおかしくない爽やかさ。
ただしよく読むとやはりそこは垣根節がちょいちょい混じる。
女子を描いているようで結局は男子寄りの視点が常に付加されるスナップショットには、
ある種爽快感さえ覚える程だ。
ちなみに文庫判の巻末の解説文というよりは感想文にも苦笑混じりににんまり。
なんとも男性目線のオンパレードだ。
ところでタイトルになっている「借金取りの王子」といい、
主人公+恋人の年齢設定といい、もしかしてアラフォーの女子狙い?
これ、このまま連ドラになりそう。それこそ小池徹平と天海祐希とかね。
借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)より
4101329729
No.24
(3pt)

微妙・・・

作品的には、面白いし、大変よくできていると思う。
垣根が書いていなければ、星5つでもいい。
でも、これ書いてるのは垣根だというところがみそ。
この本の中では、「借金取りの王子」の評判がいい。
確かに、いい話だと思う。
でも、私がこの章を読んで思ったのは、
「俺は重松清的な話を読むために、この本を買ったのではないということ。」
このテの話は、重松清で十分。
というか、悪く言うと、浅田次郎的あざとさが見え隠れする。
「ほらいい話でしょ、ここ泣くとこですよ」的な感じを受けるのである。
ただひとつ評価できるのは、要らぬ性描写がほぼなくなったこと。
これは十分評価していい。
垣根のファンは、
1「ワイルドソウル」までの初期の作品が好きだというファン
2「クレイジーヘブン」などの過激な性描写の多い作品が好きだというファン
3「君たちに明日はない」系が好きなファン
に大別されると思うが、
1や2のカテゴリーに入る方々にとっては
この作品は「微妙」以外の何者でもないだろう。
借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)より
4101329729
No.23
(4pt)

前作よりもひとまわり深みと重みを増した人間ドラマの数々

本書は、山本周五郎賞を受賞した『君たちに明日はない』の続編にあたる、リストラ請負人・村上真介のエピソード短編集である。’06年5月号から’07年1月号にかけて「小説新潮」に掲載された5編からなっている。
前作は、真介の仕事と、8才年上の恋人陽子との恋愛が主体の痛快エンターテインメントだったが、本書の各作品では最後の『人にやさしく』を除いては、ふたりは脇役にまわり、真介が面接するリストラ対象者達が主役になっている。なぜ会社から自主退職勧告の面接を受けるに至ったか、それぞれの入社以来の仕事の来歴や個人的な心情を描くことに筆がさかれているのだ。
私の心に特に響いたのは、File2の『女難の相』とFile3の表題作『借金取りの王子』だった。両編共に被面接者の過去の生き様とこれからの人生の生き方、周りの人々との関係など、個人的な人間模様が良く描かれており、前作を上回る人間ドラマが展開されているように思った。ただのエンターテインメントを超えて、ひとまわり重く深みを増した感じだ。
それと、本書では、「老舗百貨店」、「生命保険会社」「消費者金融」「温泉旅館」が相手企業になるのだが、前作同様、垣根涼介による業界リサーチもきちんとされており、充分に取材したことがうかがえて、物語が恐ろしいほど現実味を帯びている。
ともあれ、現在は、派遣切りや内定取り消し、賃金カット、希望退職者募集の拡大など、本書が初出で書かれた時期よりも不況は深刻だ。明日はわが身だ。のんびりとはしていられない。しかし、そんな時代でも、世の中とうまく渡りをつけて自分らしく、人間らしく生きるとはどういうことなのか。ふとそんなことを思いながら本書を読了した。
借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子―君たちに明日はない〈2〉 (新潮文庫)より
4101329729
No.22
(5pt)

一読の価値ある!!

一言でいえば、面白かった!
前編の「君たちには明日がない」よりすごかった!
短編でありながら、驚かせるところは驚かせ、
終わり方の余韻も素晴らしい!
とにかく是非読んでみてください!
借金取りの王子 Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子より
4104750026
No.21
(3pt)

続きです、

「君たちに明日はない」の第2弾リストラを請け負う会社の村上真介が仕事で知り合う相手とのテンポの良いビジネス小説です。リストラという非常に重たい話題を扱いながらもエンターテイメント性が高い、それでいてエンターテイメントだけではない人物観察もあってなかなか面白かったです。もちろん今回も一筋縄ではいかない仕事に、相手に首切りを勧める嫌な仕事です。

それでも村上の葛藤はあるものの、それを隠す明るさに、彼女で年上の陽子の物の考え方に共感持てました。ドライでなければならない場面と、能天気になってリフレッシュできて楽しめる時間の必要性が。オンとオフの切り替えの重要性は私も仕事をしていてつくづく感じます。

今回は中でもタイトルになっている「借金取りの王子」の話しが1番面白く、短編小説としても良かったといえる完成度だと思います。村上と陽子のような関係に近い王子と店長の関係、その後の2人の関係も含めてなかなか面白かったです。ほろっとさせる話しで、臭くないです。また、「辞めても死ぬわけじゃない」というのがまた良い言葉で、それを乗り越えてしがない男がかっこよく見える話しも個人的には大好きです。退職金がもらえるのってとても羨ましい制度です、自営業ではありえませんしね。

果たしてこのシリーズはこれで終わりなのでしょうか?私としてはもう少し続くのではないか?と思うのですが。村上の社長である高橋の切れ者加減とこれからが気になるところです。

前作「君たちに明日はない」が面白かった方にオススメ致します。
借金取りの王子 Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子より
4104750026
No.20
(5pt)

社会人でこの本を読んで泣けないやつはいない

前作「君たちに明日はない」も面白かったですが、続編である本書は最高に面白く、そして
泣けます。他の方も指摘している通り、前作は主人公である真介と陽子の関係が主軸である
のに対して、今回はリストラされる人達がメインです。
同じことばかり書くのもどうかと思うのですが、やはり「借金取りの王子」はかなりお勧め
です。個人的な話になりますけど、この池口店長、もろに自分の好きなタイプの女性だった
ので、尚更感情移入してしまいました。
唯一難点を挙げるとすれば、これは完全に「君たちに明日はない」の続編と言う位置づけ
なので、真介と陽子の関係は自明のものとして描かれているため、この本だけ読んだ方には
分かりづらい点があること。続編だから仕方ない、と言われればそれまでですが、続編とは
どこにも書いていないわけで、偶然この本を手にした人は戸惑うのではないでしょうか?
それにしても垣根涼介氏の芸域の広さにはびっくりです。
借金取りの王子 Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子より
4104750026
No.19
(4pt)

前作よりもひとまわり深みと重みを増した人間ドラマの数々

本書は、山本周五郎賞を受賞した『君たちに明日はない』の続編にあたる、リストラ請負人・村上真介のエピソード短編集である。’06年5月号から’07年1月号にかけて「小説新潮」に掲載された5編からなっている。
前作は、真介の仕事と、8才年上の恋人陽子との恋愛が主体の痛快エンターテインメントだったが、本書の各作品では最後の「人にやさしく」を除いては、ふたりは脇役にまわり、真介が面接するリストラ対象者達が主役になっている。なぜ会社から自主退職勧告の面接を受けるに至ったか、それぞれの入社以来の仕事の来歴や個人的な心情を描くことに筆がさかれているのだ。
私の心に特に響いたのは、File2の「女難の相」とFile3の表題作「借金取りの王子」だった。両編共に被面接者の過去の生き様とこれからの人生の生き方、周りの人々との関係など、個人的な人間模様が良く描かれており、前作を上回る人間ドラマが展開されているように思った。ただのエンターテインメントを超えて、ひとまわり重く深みを増した感じだ。
それと、本書では、「老舗百貨店」、「生命保険会社」「消費者金融」「温泉旅館」が相手企業になるのだが、前作同様、垣根涼介による業界リサーチもきちんとされており、充分に取材したことがうかがえて、物語が恐ろしいほど現実味を帯びている。
ともあれ、現在は、派遣切りや内定取り消し、賃金カット、希望退職者募集の拡大など、本書が初出で書かれた時期よりも不況は深刻だ。明日はわが身だ。のんびりとはしていられない。しかし、そんな時代でも、世の中とうまく渡りをつけて自分らしく、人間らしく生きるとはどういうことなのか。ふとそんなことを思いながら本書を読了した。
借金取りの王子 Amazon書評・レビュー: 借金取りの王子より
4104750026