黒猫館の殺人

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評判

黒猫館の殺人の評価:

3.48/5点 レビュー 113件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.48pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全128件 81〜100 5/7ページ
No.48
(4pt)

伏線仕掛け主体の変則館シリーズ

綾辻氏の館シリーズとしては犯人当て(読めばすぐこの人が実は・・で犯人なのだろうなと分かってしまう・・・)よりは全編に書き込まれた違和感のある記述をネタにして最後で犯人当て以上の○の○○当て趣向が炸裂するちょっと変わった一編。密室殺人のトリックなんかはもう今時このトリックかよっていう投げやり過ぎるものなんですが、殺人事件以外の仕込みネタはけっこう効果を上げていると思う。館シリーズの中ではけっこう好きな作品である。
黒猫館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社文庫)より
4062632780
No.47
(4pt)

伏線仕掛け主体の変則館シリーズ

綾辻氏の館シリーズとしては犯人当て(読めばすぐこの人が実は・・で犯人なのだろうなと分かってしまう・・・)よりは全編に書き込まれた違和感のある記述をネタにして最後で犯人当て以上の○の○○当て趣向が炸裂するちょっと変わった一編。密室殺人のトリックなんかはもう今時このトリックかよっていう投げやり過ぎるものなんですが、殺人事件以外の仕込みネタはけっこう効果を上げていると思う。館シリーズの中ではけっこう好きな作品である。
黒猫館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061816152
No.46
(4pt)

その発想はなかった

記憶喪失となった老人の正体、それは彼の手記を見ていれば分かること。

密室殺人の謎解きも、本文中に書かれたヒントを読み取って行けば分かること。

本当の肝はそこではなかった。トリックに対する謎解きではなく、黒猫館そのものの謎解きこそが、
今回読者に与えられた使命でした。
本文中、老人の手記に違和感を覚えながらも、でもそこまで考えが及ばなかった。

でも綾辻作品のもっとも尊敬すべきところは「あああああああ! 言われてみればそうでした!」

と清々しいほど鮮やかに納得させてくれるところ。今回もそれが顕著に語られていました。

「殺人事件の謎が解けたくらいでいい気になってんじゃねぇよ。問題はそこじゃねぇよ、綾辻作品はそんなに軽くねぇよ」

と、自分自身に言い聞かせて今後も綾辻作品に挑戦したいと思います。

いやぁ、ほんと。期待を裏切らない人だなぁ。
黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)より
4062777436
No.45
(4pt)

その発想はなかった

記憶喪失となった老人の正体、それは彼の手記を見ていれば分かること。

密室殺人の謎解きも、本文中に書かれたヒントを読み取って行けば分かること。

本当の肝はそこではなかった。トリックに対する謎解きではなく、黒猫館そのものの謎解きこそが、
今回読者に与えられた使命でした。
本文中、老人の手記に違和感を覚えながらも、でもそこまで考えが及ばなかった。

でも綾辻作品のもっとも尊敬すべきところは「あああああああ! 言われてみればそうでした!」

と清々しいほど鮮やかに納得させてくれるところ。今回もそれが顕著に語られていました。

「殺人事件の謎が解けたくらいでいい気になってんじゃねぇよ。問題はそこじゃねぇよ、綾辻作品はそんなに軽くねぇよ」

と、自分自身に言い聞かせて今後も綾辻作品に挑戦したいと思います。

いやぁ、ほんと。期待を裏切らない人だなぁ。
黒猫館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社文庫)より
4062632780
No.44
(4pt)

その発想はなかった

記憶喪失となった老人の正体、それは彼の手記を見ていれば分かること。

密室殺人の謎解きも、本文中に書かれたヒントを読み取って行けば分かること。

本当の肝はそこではなかった。トリックに対する謎解きではなく、黒猫館そのものの謎解きこそが、
今回読者に与えられた使命でした。
本文中、老人の手記に違和感を覚えながらも、でもそこまで考えが及ばなかった。

でも綾辻作品のもっとも尊敬すべきところは「あああああああ! 言われてみればそうでした!」

と清々しいほど鮮やかに納得させてくれるところ。今回もそれが顕著に語られていました。

「殺人事件の謎が解けたくらいでいい気になってんじゃねぇよ。問題はそこじゃねぇよ、綾辻作品はそんなに軽くねぇよ」

と、自分自身に言い聞かせて今後も綾辻作品に挑戦したいと思います。

いやぁ、ほんと。期待を裏切らない人だなぁ。
黒猫館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061816152
No.43
(5pt)

館シリーズの到達点

素行錯誤を繰り返しながら、作者が到達した館シリーズの頂点がこの作品だと思う。徹底的に張り巡らされた伏線、天地がひっくり返るほど大きなトリックを使いながらもフーダニットの形にまとまっている所など、全てを集約した感がある。何よりも、読者がイメージしていた風景が全て覆されるラストシーンは圧巻。キャッチコピーは「6つめの館への御招待」・・嘘偽りはない。
黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)より
4062777436
No.42
(5pt)

館シリーズの到達点

素行錯誤を繰り返しながら、作者が到達した館シリーズの頂点がこの作品だと思う。徹底的に張り巡らされた伏線、天地がひっくり返るほど大きなトリックを使いながらもフーダニットの形にまとまっている所など、全てを集約した感がある。何よりも、読者がイメージしていた風景が全て覆されるラストシーンは圧巻。キャッチコピーは「6つめの館への御招待」・・まさしく裏切られることはない。
黒猫館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社文庫)より
4062632780
No.41
(5pt)

館シリーズの到達点

素行錯誤を繰り返しながら、作者が到達した館シリーズの頂点がこの作品だと思う。徹底的に張り巡らされた伏線、天地がひっくり返るほど大きなトリックを使いながらもフーダニットの形にまとまっている所など、全てを集約した感がある。何よりも、読者がイメージしていた風景が全て覆されるラストシーンは圧巻。キャッチコピーは「6つめの館への御招待」・・まさしく裏切られることはない。
黒猫館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061816152
No.40
(5pt)

シリーズの中では一番好きです。

評価は分かれているようですが、私は「館」シリーズの中で一番好きな作品です。
前作、「時計館」「水車館」は途中でトリックと犯人に気付いてしまったので、ミステリー本来の「後半の楽しみ」が
半減してしまいました。(これは読者側である私の問題ですが・・・)

「黒猫館」も途中で、「真相の一つ」には気づいてしまったのですが「残り20%の真相」には全く気付きませんでした。
読んだ後に「やられた!」と心地よい感覚になったものです。
同様に「人形館」も結構好きな作品です。心理の盲点を突くようなところが良いと思いました。
黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)より
4062777436
No.39
(5pt)

シリーズの中では一番好きです。

評価は分かれているようですが、私は「館」シリーズの中で一番好きな作品です。
前作、「時計館」「水車館」は途中でトリックと犯人に気付いてしまったので、ミステリー本来の「後半の楽しみ」が
半減してしまいました。(これは読者側である私の問題ですが・・・)

「黒猫館」も途中で、「真相の一つ」には気づいてしまったのですが「残り20%の真相」には全く気付きませんでした。
読んだ後に「やられた!」と心地よい感覚になったものです。
同様に「人形館」も結構好きな作品です。心理の盲点を突くようなところが良いと思いました。
黒猫館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社文庫)より
4062632780
No.38
(5pt)

シリーズの中では一番好きです。

評価は分かれているようですが、私は「館」シリーズの中で一番好きな作品です。
前作、「時計館」「水車館」は途中でトリックと犯人に気付いてしまったので、ミステリー本来の「後半の楽しみ」が
半減してしまいました。(これは読者側である私の問題ですが・・・)

「黒猫館」も途中で、「真相の一つ」には気づいてしまったのですが「残り20%の真相」には全く気付きませんでした。
読んだ後に「やられた!」と心地よい感覚になったものです。
同様に「人形館」も結構好きな作品です。心理の盲点を突くようなところが良いと思いました。
黒猫館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061816152
No.37
(4pt)

奥行きのある時空間

評価が分かれる作品のようですが、時間的、空間的に奥行きがあり楽しめました。とくに、空間的(距離的)には、どうせやるならこれぐらいのトリックを、どーんとやってくれという感じです。
一方で、細かすぎる伏線が気になる方もいるようですが、私は謎解きに、ふんふんと素直に納得し、思わず胸に手を当ててしまいました。
ミステリーの極大と極小を、あわせて味わえる作品です。
黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)より
4062777436
No.36
(4pt)

奥行きのある時空間

評価が分かれる作品のようですが、時間的、空間的に奥行きがあり楽しめました。とくに、空間的(距離的)には、どうせやるならこれぐらいのトリックを、どーんとやってくれという感じです。
一方で、細かすぎる伏線が気になる方もいるようですが、私は謎解きに、ふんふんと素直に納得し、思わず胸に手を当ててしまいました。
ミステリーの極大と極小を、あわせて味わえる作品です。
黒猫館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061816152
No.35
(4pt)

奥行きのある時空間

評価が分かれる作品のようですが、時間的、空間的に奥行きがあり楽しめました。とくに、空間的(距離的)には、どうせやるならこれぐらいのトリックを、どーんとやってくれという感じです。
一方で、細かすぎる伏線が気になる方もいるようですが、私は謎解きに、ふんふんと素直に納得し、思わず胸に手を当ててしまいました。
ミステリーの極大と極小を、あわせて味わえる作品です。
黒猫館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社文庫)より
4062632780
No.34
(4pt)

どうもヘンだなぁと思ったんですよ。やっぱ"仕掛け"がありましたか

館シリーズの第六作は平成四年発刊。四作目の「人形館の殺人」と並んで異色作だ。
記憶喪失に陥った男の手元にあった手記の内容と、リアルタイムの出来事が交互に
展開される。手記に書かれている衝撃の殺人は事実なのか?黒猫館はどこに?男は
本当に鮎田冬馬なのか?読み進めながら、深まっていく謎。注意深い読者は手記に
流れている"違和感"を察知するはずだ。そこに推理が加われば作者の"たくらみ"を
見抜けるかも知れない。「黒猫」とくればポーだが、他にも著名な小説のオマージュが
加わっている。その辺りにもトリックのヒントが隠されているかもしれないし・・・果たして。

探偵作家にもそれぞれ作風があるが、綾辻氏の場合はいかに読者を騙すかに力点を
置いているように感じられる。別の言いかたをすれば、騙しのために筋立てを用意して
いる。その筋立てと騙しネタが噛み合ったときは名作となるが、ハズしてしまうと何とも
ピンと来ない読後感になる恐れもある。その意味でこれまでのシリーズ作品に比べると
賛否両論ありそうだ。探偵小説通の読者なら楽しめる要素は詰まっているとは思うが。
黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)より
4062777436
No.33
(4pt)

どうもヘンだなぁと思ったんですよ。やっぱ"仕掛け"がありましたか

館シリーズの第六作は平成四年発刊。四作目の「人形館の殺人」と並んで異色作だ。
記憶喪失に陥った男の手元にあった手記の内容と、リアルタイムの出来事が交互に
展開される。手記に書かれている衝撃の殺人は事実なのか?黒猫館はどこに?男は
本当に鮎田冬馬なのか?読み進めながら、深まっていく謎。注意深い読者は手記に
流れている"違和感"を察知するはずだ。そこに推理が加われば作者の"たくらみ"を
見抜けるかも知れない。「黒猫」とくればポーだが、他にも著名な小説のオマージュが
加わっている。その辺りにもトリックのヒントが隠されているかもしれないし・・・果たして。

探偵作家にもそれぞれ作風があるが、綾辻氏の場合はいかに読者を騙すかに力点を
置いているように感じられる。別の言いかたをすれば、騙しのために筋立てを用意して
いる。その筋立てと騙しネタが噛み合ったときは名作となるが、ハズしてしまうと何とも
ピンと来ない読後感になる恐れもある。その意味でこれまでのシリーズ作品に比べると
賛否両論ありそうだ。探偵小説通の読者なら楽しめる要素は詰まっているとは思うが。
黒猫館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061816152
No.32
(4pt)

どうもヘンだなぁと思ったんですよ。やっぱ"仕掛け"がありましたか

館シリーズの第六作は平成四年発刊。四作目の「人形館の殺人」と並んで異色作だ。
記憶喪失に陥った男の手元にあった手記の内容と、リアルタイムの出来事が交互に
展開される。手記に書かれている衝撃の殺人は事実なのか?黒猫館はどこに?男は
本当に鮎田冬馬なのか?読み進めながら、深まっていく謎。注意深い読者は手記に
流れている"違和感"を察知するはずだ。そこに推理が加われば作者の"たくらみ"を
見抜けるかも知れない。「黒猫」とくればポーだが、他にも著名な小説のオマージュが
加わっている。その辺りにもトリックのヒントが隠されているかもしれないし・・・果たして。

探偵作家にもそれぞれ作風があるが、綾辻氏の場合はいかに読者を騙すかに力点を
置いているように感じられる。別の言いかたをすれば、騙しのために筋立てを用意して
いる。その筋立てと騙しネタが噛み合ったときは名作となるが、ハズしてしまうと何とも
ピンと来ない読後感になる恐れもある。その意味でこれまでのシリーズ作品に比べると
賛否両論ありそうだ。探偵小説通の読者なら楽しめる要素は詰まっているとは思うが。
黒猫館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社文庫)より
4062632780
No.31
(5pt)

「手記」に秘められた、失われた記憶と〈館〉の謎

推理作家・鹿谷門実のもとに、事故に巻き込まれ記憶を失った老人から
「自分が何者なのかを調べてほしい」――という奇妙な依頼が舞い込む。

手がかりとなるのは、老人が書いたと思われる「手記」のみ。

その「手記」には、建築家・中村青司が建てたという〈黒猫館〉で管理人を
つとめる鮎田冬馬(老人だと思われる)が、館の持ち主の息子とその友人
たちを館に迎えた際に遭遇した奇怪な殺人事件の経緯が綴られていた。

鹿谷は、〈黒猫館〉の元の持ち主である天才的生物学者・天羽辰也について
調査をした後、真相を探るため、編集者の江南と共に北海道に向かうのだが……。

作中作(手記)を手がかりに過去の事件を読み
解く――という額縁小説の体裁が採られた本作。

本作では、老人(鮎田冬馬)の正体と〈館〉の秘密、そして、黒猫館で起きた
密室殺人の真相――という以上三点が、究明されるべき謎になっています。

その中で、〈館〉の秘密に関するトリックは、××の本歌取りなのですが、
日本でも本作に先駆けて○○が、さらにほぼ同時期に●●がという風に、
いくつか類例があります(ちなみに◎◎も重要なモチーフになっています)。

一方、老人の正体と密室殺人の真相に関しては、さほど意外性はありませ
んが、どちらもフェアに伏線が張られている点は高く評価されるべきでしょう。

とくに、密室殺人のハウダニットに関しては、陳腐な物理トリックが用いられては
いるものの、それを導き出すためには、まず〈館〉の秘密を究明する必要があり、
その上で、唯一の犯行手段を特定するという考え抜かれた手順となっています。
黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)より
4062777436
No.30
(5pt)

「手記」に秘められた、失われた記憶と〈館〉の謎

推理作家・鹿谷門実のもとに、事故に巻き込まれ記憶を失った老人から「自分が何者なのかを調べてほしい」――という奇妙な依頼が舞い込む。手がかりとなるのは、老人が書いたと思われる「手記」のみ。その「手記」には、建築家・中村青司が建てたという〈黒猫館〉で管理人をつとめる鮎田冬馬(老人だと思われる)が、館の持ち主の息子とその友人たちを館に迎えた際に遭遇した奇怪な殺人事件の経緯が綴られていた。鹿谷は、〈黒猫館〉の元の持ち主である天才的生物学者・天羽辰也について調査をした後、真相を探るため、編集者の江南と共に北海道に向かうのだが……。作中作(手記)を手がかりに過去の事件を読み解く――という額縁小説の体裁が採られた本作。本作では、老人(鮎田冬馬)の正体と〈館〉の秘密、そして、黒猫館で起きた密室殺人の真相――という以上三点が、究明されるべき謎になっています。その中で、〈館〉の秘密に関するトリックは、××の本歌取りなのですが、日本でも本作に先駆けて○○が、さらにほぼ同時期に●●がという風に、いくつか類例があります(ちなみに◎◎も重要なモチーフになっています)。一方、老人の正体と密室殺人の真相に関しては、さほど意外性はありませんが、どちらもフェアに伏線が張られている点は高く評価されるべきでしょう。とくに、密室殺人のハウダニットに関しては、陳腐な物理トリックが用いられてはいるものの、それを導き出すためには、まず〈館〉の秘密を究明する必要があり、その上で、唯一の犯行手段を特定するという考え抜かれた手順となっています。
黒猫館の殺人 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社ノベルス)より
4061816152
No.29
(5pt)

「手記」に秘められた、失われた記憶と〈館〉の謎

推理作家・鹿谷門実のもとに、事故に巻き込まれ記憶を失った老人から「自分が何者なのかを調べてほしい」――という奇妙な依頼が舞い込む。手がかりとなるのは、老人が書いたと思われる「手記」のみ。その「手記」には、建築家・中村青司が建てたという〈黒猫館〉で管理人をつとめる鮎田冬馬(老人だと思われる)が、館の持ち主の息子とその友人たちを館に迎えた際に遭遇した奇怪な殺人事件の経緯が綴られていた。鹿谷は、〈黒猫館〉の元の持ち主である天才的生物学者・天羽辰也について調査をした後、真相を探るため、編集者の江南と共に北海道に向かうのだが……。作中作(手記)を手がかりに過去の事件を読み解く――という額縁小説の体裁が採られた本作。本作では、老人(鮎田冬馬)の正体と〈館〉の秘密、そして、黒猫館で起きた密室殺人の真相――という以上三点が、究明されるべき謎になっています。その中で、〈館〉の秘密に関するトリックは、××の本歌取りなのですが、日本でも本作に先駆けて○○が、さらにほぼ同時期に●●がという風に、いくつか類例があります(ちなみに◎◎も重要なモチーフになっています)。一方、老人の正体と密室殺人の真相に関しては、さほど意外性はありませんが、どちらもフェアに伏線が張られている点は高く評価されるべきでしょう。とくに、密室殺人のハウダニットに関しては、陳腐な物理トリックが用いられてはいるものの、それを導き出すためには、まず〈館〉の秘密を究明する必要があり、その上で、唯一の犯行手段を特定するという考え抜かれた手順となっています。
黒猫館の殺人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒猫館の殺人 (講談社文庫)より
4062632780