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学ばない探偵たちの学園
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学ばない探偵たちの学園の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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鯉ヶ窪学園の2年に転入してきたばかりの語り手・赤坂通が、2人の先輩に嵌められて探偵部に入部することになります。およそ1ヵ月半も過ぎたころ、探偵部の2人の先輩と放課後遅くまで学校に残っていたときに、密室殺人事件に巻きこまれることになります。最初の事件が発生してから、解決にいたるまで4日間の出来事です。 東川作品の特徴をいくつか列挙すれば、例えばこんな感じでしょう。 - コミカルにデフォルメされた人物像 - 軽妙な文体と散りばめられたユーモア - 見通しのよい構成 与える印象の好悪は別として、東川作品中のデフォルメされた人物像は、しばしば強い印象を与えます。有名な『謎解きはディナーのあとで』に登場する令嬢と執事などは、その最も成功した例でしょう。ただしこういうデフォルメも行き過ぎると、個人的には子ども向けの漫画でも読まされているような不快感を感じることもあります。本作品の登場人物たちは、極端に強い印象もない代わりに、読むに堪えないほどの子どもっぽさもなく、中庸のユーモアを楽しむことができます。 本作品はユーモアミステリというよりも、おバカミステリです。 トリックは現実的に考えれば、バカらし過ぎて話になりません。しかしおバカミステリとしては、登場人物たちのおバカな行為が伏線になっていたりして、意外にフェアな作品になっています。単に読者を笑わせるためかと思われた登場人物のおバカっぷりが、実は重要な意味を持っていたというのは、微笑ましくもあり、感心もさせられます。フェアであるために必要なのは、必ずしもリアリティではないようです。 | ||||
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キャラものライトミステリーだが、売れてから連発した作品群ではなく、まだまったく売れてないころの初期にデビューしたカッパノベルズ以外の出版社から出した初の烏賊川市シリーズ以外のシリーズ作品の1作目。 文庫はカッパノベルズの光文社落ちしているが、もともと実業之日本社のジェイノベルズという比較的マイナーなノベルスから出ていたことからもまだ全く売れてなかった時期の作品という感じである。 同時期の烏賊川市シリーズと比べると本格トリックをメインにしているが、かなり薄味であり、主人公たちのドタバタ捜査に主眼が置かれている。 話自体もトリックありきでトリックのために話が都合よく構成されている感が強く、トリック自体もシリアスな作品でやれば失笑もののアイデアではあるが、それでも最後まで楽しく読ませてしまうのが、後のベストセラー作家の片りんということだろうか。 | ||||
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学園もののミステリーで背景や人物はすごくいいのだが、密室のトリックにむりがありすぎた。 | ||||
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芸能人も多い高校に通う主人公はふたりの推理小説マニアの先輩にひきずられて探偵部に入部。 保健室で変死体を発見してしまう冒頭のほか、何度か死体の発見者になってしまい、かなりショックを受けて然るべき設定なのですが、探偵部の三人は、過去の推理小説パターンの分類を参考に、ひたすら推理エチュードに走ります。 自分の通う高校での深刻な事件に対する生身の男子高校生の反応や行動としてはおかしいですが、物語ぜんたいを、「推理小説」という独特の世界を揶揄したり遊んだりする趣向の、「推理小説についての小説」とみなせばよいのかもしれず、そういう前提をとれば、あちこちが笑えます(ポーへの言及が複数?)。 三人組や刑事ふたりの名前、彼らの高校生らしい妄想、各科目の教師たちの奇人ぶりなど、この作家ならではのとぼけたディテールが楽しい。 ヴィジュアル度の高いふたつの謎解きですが、今回のはいくらなんでも荒唐無稽では、と思う気持ちと、しかしその情景が脳内に焼き付いて離れなくなる、というインプット効果の両方がありました。 ぜんたいに学校の中だけで事件が動く感じなので、ややふくらみや動きに欠けて読後感が平面的な気もします。 また高校生という、いつもより若くて感受性の強い(はずの)主人公たちが現実の犯罪に接した心の揺れを、もう少し描いてくれたら、とも。 しかしこの蘊蓄探偵部と、実験器具で無類の珈琲をいれる顧問教師は、やはりユニークなキャラクターで、続篇に期待します。 | ||||
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2004年に実業之日本社からジョイノベルスの一冊として出たものの文庫化。 とある高校の「探偵部」の面々が活躍する学園ミステリである。 著者の持ち味である、なまぬるいユーモアは健在。思わず笑ってしまう。しかし、トリックがちょっと残念。バカミスっぽさを狙ったのであろうが、空振りしている。 キャラクターものとして楽しむなら、それなりに。 | ||||
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04年01月のノベルスの文庫化で,『鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ』の1作目になります. ミステリマニアで名探偵気取りの高校生3人が事件に遭遇,解決までの数日が描かれ, いかにも学生といったグダグダなやり取りやユーモアがおかしく楽しませてくれます. ただ,トリックがちょっと非現実的過ぎにも思え,ユーモア要素の強い作品とはいえ, 学園という『現実』のイメージが強い本作では,今ひとつスッキリできずに違和感が…. その為,この後に用意された真相への印象も少し弱くなってしまったように感じられます. とはいえ,何気ない会話や学園生活などに織り込まれた伏線とその回収は気持ちがよく, 思い込みからの転換,畳まれていく多くの『なぜ』など,ロジックについてもなかなかで, それでいて最後はいわゆる『天丼』,ユーモアで締めるあたりはこの作家さんならではです. | ||||
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