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アクアリウム



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【この小説が収録されている参考書籍】
アクアリウム
アクアリウム (新潮文庫)

アクアリウムの評価: 3.71/5点 レビュー 14件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.71pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(4pt)

眼がなく、白色化した内封性クジラ。

スーパー林道が、東京と山梨の接点で開発される。
その中における「環境を守る。」ということは、
重要なことであるが、
その運動の質はいかなるものか?
環境を守るためには、シンボルがいる。

内封性クジラがいた。
目がなく、白色化し、内蔵まで見える。
「不思議な力」を持ち、人間とコミュニケートできる。
人間の持つイメージに対応する。
想像力によって、コミュニケートすることができる。
 
教育委員会に勤める、
日頃まじめだった青年のひょっとした
アクアラング仲間の洞窟での死。
そこから引き寄せられた。
そして、環境を守る運動に巻き込まれる。
「澪」のイメージ、シルクウッド、想像力としての女性。
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No.13:
(2pt)

初めっから終わりまで

自分には理解できない世界だった。 楽しめる部分もなく、「訳分からん」としか言い様がない。 煙に巻かれた感じ。
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No.12:
(3pt)

バランスがいまいち

消えた友人を追って訪れた地底湖で出会った不思議な生物との奇妙な物語と、
序盤はかなり引き込まれる作品なのだが、中盤以降そういった幻想的な雰囲気は失われ
現実的な話題に終始し、不思議な生物などどこへいったのやらといった感じで、
最終的には現実9:幻想1程度の割合のなんともいえない作品として終わる

環境保護を訴えたいのなら、あそこまで能力をもった動物は出すべきではなかったのではないだろうか
不思議生物との交流を期待した自分には、あまり満足のいく展開ではなかった

ファンタジックな展開を期待する人にはあまりお勧めできないかもしれない
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No.11:
(2pt)

中途半端にしたまま燃やしてしまった,という本

本の書き出しはさすがに上手い。作者の筆力の高さが表れている。
「男を翻弄する一見無邪気な女性」「イルカ(のような生き物)との不思議な交歓」「環境団体の実態や人間模様」など主題にすべきような好題材をふんだんに持ちながら最後は主人公の意味不明な暴走によって幕を閉じるという何とも不出来な本。ちゃんとプロットを組んでから書いたのだろうか。
本の中ほどで宇神勝臣が「君が、なぜそんなに入れ込んでいるのか、あえて聞かないことにするが、1つ忠告しておく。あれは危険な生き物だ。
」というくだりがあるが,この線で行って欲しかった。頼む,篠田節子,もう一回書いてくれ。
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No.10:
(4pt)

SFのようでもあり、ホラーのようでもあり…

SFのようでもあり、ホラーのようでもあり、自然破壊を行う人類への警鐘も感じるサスペンス。

奥多摩の地底湖で行方不明になった友人を探す長谷川正人が遭遇したのは…

未知なる生物との遭遇シーンには映画『アビス』のようなファンタジーを感じた。
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No.9:
(5pt)

反対運動の現地の伊丹という女性が著者の影なのかもしれない。

斜に構えた篠田節子らしい作品。

山の中の地中湖に生きるイルカ(?)。
開発と自然保護運動の癒着。

本当は、ああもしたい、こうもしたいという思いがありながら、
発行禁止にならないぎりぎりのところで思いとどまった感がある。

主人公が公務員というところも元公務員の篠田節子らしい。
反対運動の現地の伊丹という女性が著者の影なのかもしれない。

最初に「株式会社スコラ」というところから出ている。講談社の企画子会社的なものだろうか。

出版社はつぶれても、作品は残る。残った作品に編集部の迷いが残ったままのような気がする。
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No.8:
(1pt)

度し難いバカ女が目障りな上

メルヒェンとしても、話が進むほどにメルトダウンして行く。実直な公務員がファナティックな性格に変貌する部分も、本来なら圧倒的な説得性がなければならないのに、その肝心の部分がメルヒェン頼みでは…。その合間合間に、件の身勝手で非常識なバカ女が出て来て鼻白むこと夥しい。どうやら筆者の同性フォビアが、ストレートに出てしまったように感じる。唯一緊迫感を感じるのは潜水のシーンだが、読了後のざらついた後味の悪さは如何ともし難い。筆者の作品なら、他を選ぶに如くはないか。映像化されていないのが救い(笑)。
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No.7:
(5pt)

静かで幻想的かつ環境破壊告発書

東京都多摩区役所?に勤務する長谷川正人は、奥多摩の地底湖で、そこに棲む謎の生物を見つけ、それは人と交信出来る頭脳を持っており、洞窟内で迷っている正人を助けてくれ、正人はこの生物をイクテイと名づける。

一方、近くを観光道路が通るため、工事の影響で洞窟が危機に瀕し、反対運動に正人も加わることとなる。自然保護運動も、それを利用し有名になろうとする人々の、ある点で妥協するなあなあの闘争により、イクテイは無視されて、憤った正人は極端な行動をとる。

「・・・人さえ入り込まなければ、道路を通したりさえしなければ、森はこんな風に平和なのだ。予定調和的な静けさの中で、あるものは餌になり、あるものは種ごと滅びていくとしても。」のくだりは、作者の思いが込められているかのようだ。

八王子市役所出身であり、その山岳部員でもあったという篠田の体験が、随所に生かされており、私も長く親しんできた多摩地区や、奥多摩の山々が舞台だし、何時も林道でずたずたになったこの辺の山々に心を痛めて来ただけに、サスペンスとファンタジーの要素を持ってはいるが、環境問題告発書でもあり、考えさせられた。

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No.6:
(2pt)

盛り下がり

 亡くなった友人の死の謎、その恋人への秘めた思い、
暗く危険な地底湖とそこにいる不思議な生物で物語の
初期は楽しく読める。エアが十分ない時の脱出劇も
はらはらして面白い。
 しかし、中盤からは物語の質がガラッと変わる。
環境問題デモの説明的な文が始まることで、主人公の
細やかな心情の機微が失われ、説明的になってくるのだ。
文章のリズムが失われ、徐々に独りよがりな行動をする
主人公に共感はしづらい。
 最終的には何も解決しないし、不思議な生物が何なのか
の説明もない。友人が死んだ理由も曖昧。伏線の使い方が
雑で納得感がない。人間関係に配慮がないために、様々な
人物が物語にとって不必要に見える。ひとりひとりの心情
に対する心配りがないために、生き生きとしていない。
 導入が面白かったので残念だ。
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No.5:
(5pt)

こんな三面等価、成立たない!

ごくごく普通の公務員が、一匹の?により暴走し始めるというストーリー。主人公がイクティと呼称するナゾの生命体が登場するのですが、その生物自体イクティオザウル・・・と主張しているのに加え、主人公にも、太古の海にいた魚竜の名を言ったと言わせている。しかしこれは、その後の文章において全く無視され、主人公自身イルカはおろか哺乳類という単語を連発している。魚類のシクリッド、御水竜と書かれた石碑、についてよく描写があり、爬虫類と哺乳類、そして魚類を掛けて、収斂進化を提示したのか、と考えたが、読後すぐは、魚竜とイルカの違いも知らない著者を思い、かなり引いた。爆弾の作り方や洞窟生生物についてはきっちり書かれているのに、残念。しかし全体的には大変面白い。初盤はミステリアスなワクワク感、中盤からは大企業や国会議員の陰謀渦巻く一大運動の真っ只中に飛び込み、イクティの為なら4千万のコイもバラバラ死体にしてやる!!!!さあどうなる主人公?そして魚竜は!!??のハラハラドキドキはたまらないです。不思議も勢いもすがすがしさも思う存分詰まった一冊。ハリポタなど今まで読んだどの本よりも面白かったです。おすすめ。
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No.4:
(4pt)

不思議な雰囲気

鍾乳洞というのはそれだけでファンタジックな感じがしますが、この小説は全編にそういう雰囲気を持った物語でした。

主人公は水没鍾乳洞で遭難したという友人を捜しに、迷路のような鍾乳洞に入ります。

背負ったボンベと道しるべのザイルに命を託して進む水の中で、彼はそこに生息する不思議な生物に出会います。

全長3メートル、半透明のピンクの皮膚、頭頂には呼吸孔があるその生物を、イクティと名付け、不思議な交流を始めます。

こういう雰囲気は好きだし、古代に外界から切り離されて生き残ってきたらしい生物の最後の個体イクティとの交流は魅力的でしたが、しかし終盤の彼の過激な行動は、小市民の私にはちょっと受け入れられませんでした。

水の汚れによってイクティが弱っていくときの、長谷川の焦りは理解できるのですが。
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No.3:
(5pt)

自然環境の生と死

どこまでが現実でどこまでが幻想なのかが不明瞭な不思議な感覚が本書を支配する。その事に酔う事の出来る作品だ。しかしイクティの生命力はこの地域の自然環境の息吹を象徴している様にも思える。イクティは一度死んだが、最終局面で少し生命力を吹き返したのかも知れないと想像してしまう。正人はイクティに魅せられたと同時に、自然環境にも魅せられた。

魅せられた正人の行動はけっして正義ではない。しかし本書は道路建設に伴う環境破壊の非正義性を描き、さらにそれに対抗する環境保護団体の馴れ合い的行動を皮肉る。これが社会の仕組みだと言ってしまえば達観し過ぎだが、社会はいたる所で馴れ合って、儀式を行ってシャンシャンシャンという側面があるのは事実だ。正人はそれを逸脱する程「魅せられた」と言える。

著者の長編作品は、最終局面ではたたみ込む様な展開をみせているものが多い。本書では終盤ではサスペンス的であり手に汗握る。本書には質の高い幻想性と厳しい現実が同居する。
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No.2:
(5pt)

自然保護を叫ぶだけではない小説

 地底湖に棲む謎の水棲哺乳類。滅びるのを待つだけとなった最後の1匹イクティ。地底湖で「彼女」に遭遇した長谷川正人は、幻覚を見せることで交信してくるイクティに魅せられ、魂を抜かれたかのようにこの後の人生を狂わせて行く…。 あまりにも静かで幻想的な雰囲気が漂う地底湖シーンの描写、イクティと正人だけの空間。対照的に喧噪渦巻く地上での現実。平凡な公務員正人がイクティを想うあまりに巻き込まれて行く林道建設反対同盟。何も求めないイクティとは逆に、同盟を通して描かれるのは人間の欲のいやらしさ。 圧倒的なエネルギーをもって描かれるラストは、地底湖の静寂と全く対照的で凄い。これらをさらりと書き分ける作者の筆力と知識、懐の深さに感心した。
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No.1:
(5pt)

淡々と迫ってくる

環境破壊阻止を声高に叫んでいるわけではない。それ以前に、阻止しようとする側の味方にすらなっていない。自分で読んで、自分で感じて、自分で答を見つけろと言っている。だけど、押しつけがましくない。いい本だった。
アクアリウム (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:アクアリウム (新潮文庫)より
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