ノルウェイの森
評判
ノルウェイの森の評価:
3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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文章だけなら、どんな内容の本でも白昼堂々街中で読めるってのが凄い。カバーかけて読んだら何の本か解んないもん。人の目にオートフォーカス機能か、、双眼鏡でも常備していない限り、文章だけならすれ違っても誰も気づかないし気にしない。仮に、目に入ったとしても、著者が超有名人で、TVでも絶賛されていたら誰も悪く思わない。むしろ賞賛や共鳴する奴の方が多いだろうね。人間の心理って凄いわ。
ビートルズも、まさか自分たちの曲がエロ本のタイトルに使われるだなんて夢にも思わないだろう。
それでさ、本を読んだ人間はもっと凄い事になるだろうね。
だって、超有名な本でみんな絶賛してる「ノルウェイの森」って重厚そうなタイトルの本が、まさかエロ本だったなんて!
それを夢中になって黙々と読んでいる自分はもっと何だったんだろうって振り返るわけさ。すごいんだなぁ本て。天才だわこの作者は。
ちょっとミステリアスにして、ちょっと壮絶なシーン入れて、ちょっとお色気入れて、それ全部複雑にしてわけわかんない内容にして読ませちゃうっていう。その手法が素晴らしいわ。みんなルービックキューブを買う感覚で買うんだろうね。「謎が解けたら達成感凄いんだろうな・・・」と思わせる文章力。その多くが全面揃えられずに途中で飽きて捨てるか売るんだろうけど。
この小説もそんな感じ。
この世のありとあらゆる汚れと対面として、自分なりに答えを出そうとその中に飛び込む。それを理解しようと必死に挑戦し続ける。まるでルービックキューブだ。
好きになった奴は永遠に極め続けるし、好きになれなかった奴は永遠に理解に苦しむ。これもそういう作品の一つ。
でもルービックキューブと違うのは、答えが一つじゃないって点だ。
それも歓喜と後悔が両方くっついて来るって答えだ。
主人公は今までドライな現実の中で生きてきた。そこに天国にいるかのような気分にさせてくれる好みの女性に出会い、甘い生活を知る。今までの生活が嫌にもなるけど、彼女と過ごす理想の世界にも疑念を抱く。主人公はどちらを取るべきか苦悩する。まるで三角関係の恋愛だ。
現実が今まで付き合ってきた、理想を抱いては砕かれてきた「つまらない女」。彼女が、一瞬とも永遠ともいえない気分にさせてくれる「不倫相手の女」と言った具合。
現実と向き合うか、理想に逃げるか。そういうテーマがキッチリ描かれてるからこそこの小説は面白いし、単なるエロ本なんかでは決してないという証でもある。
後で本当に三角関係みたいになるしな。しかも選ばれなかった方は悲しい最期を遂げる。
時代設定が、戦国時代の一夫多妻が当たり前だった時代なら「みんな俺の嫁になれ!それでみんな幸せになろうぜ!」の一言で済むが、残念な事にこの時代は男と女の1対1の世界。
石田純一やタイガーウッズみたいにパンチ1発で済むようないい加減な恋愛なんてしないんだ。
一生に一度巡り会えるかどうかさえ解らないくらい真剣な恋なんだ。出会ったばっかの女といきなり合体するようなどこぞの風俗店みたいなノリを全力で押し通すんだぜ?ラノベやベタなアクション映画のアホロマンス顔負けだよ。それだけにとても悲しいんだよな・・・色々と。そんなお話なのさ。