向日葵の咲かない夏

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評判

向日葵の咲かない夏の評価:

2.98/5点 レビュー 572件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点2.98pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全997件 741〜760 38/50ページ
No.257
(1pt)

なんと未熟な作者

多くの人が「輪廻転生、扱っている事件が気持ち悪い」と述べているが、それはそれでいい。
作者が選んだテーマ、ありふれたテーマより新鮮でずっといい。

許せないのは主人公とそのまわりが小学生ではありえない発言の仕方、洞察力や思考力をするので中盤でリアル感のなさに最後まで読む気をなくします。 最高か最悪かに評価を分けるとしたら、これまで多くの小説を読んだ方にとっては最悪でしょう。ビギナーには良いかもしれません。
向日葵の咲かない夏 Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏より
4103003316
No.256
(3pt)

好き嫌いのわかれる作品。

叙述トリックはよく練られていて見事だと思います。
最初から若干の不自然さを織り交ぜ、読者にヒントを与えつつ、鮮やかに騙します。

ただ、このトリック以外の肝心のストーリーは迷走した感じ。
ストーリーが、叙述トリックと同じくらい凝ったものであれば、
ミステリーの傑作になっていたと思うのですが……。ちょっと残念。

読後感が悪いとの評価が多いですが、
最後の数ページに多少の救いがあると私は思っています。
好き嫌いがはっきりと分かれる作品だと思うので、万人にお勧めはできませんが、
何かを考えさせられる作品です。
向日葵の咲かない夏 Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏より
4103003316
No.255
(1pt)

なんと未熟な作者

多くの人が「輪廻転生、扱っている事件が気持ち悪い」と述べているが、それはそれでいい。
作者が選んだテーマ、ありふれたテーマより新鮮でずっといい。

許せないのは主人公とそのまわりが小学生ではありえない発言の仕方、洞察力や思考力をするので中盤でリアル感のなさに最後まで読む気をなくします。 最高か最悪かに評価を分けるとしたら、これまで多くの小説を読んだ方にとっては最悪でしょう。ビギナーには良いかもしれません。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)より
4101355517
No.254
(3pt)

好き嫌いのわかれる作品。

叙述トリックはよく練られていて見事だと思います。
最初から若干の不自然さを織り交ぜ、読者にヒントを与えつつ、鮮やかに騙します。

ただ、このトリック以外の肝心のストーリーは迷走した感じ。
ストーリーが、叙述トリックと同じくらい凝ったものであれば、
ミステリーの傑作になっていたと思うのですが……。ちょっと残念。

読後感が悪いとの評価が多いですが、
最後の数ページに多少の救いがあると私は思っています。
好き嫌いがはっきりと分かれる作品だと思うので、万人にお勧めはできませんが、
何かを考えさせられる作品です。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)より
4101355517
No.253
(5pt)

おもしろかった^^

この本は母から借りたもので、あまり読む気はなかったのですがミステリーとはこういうものなのかと知らされた一冊です。
最後のほうになると『んえ!?』と、まぁ分かりずらく想像できないところがいくつかありましたが、内容的にはとてもおもしろかったです。
1つ疑問なのですが、最後の終わり方が意味深で・・・
『続きあんの!?』とか思っちゃったりしますw(あくまで私がw)

まとまりがありませんが、

・内容が意外にリアル(使っている言葉など)
・lastに近づくにつれて初めの予想をはるかに超える←(私の場合ゴッチャになりました。)
・主人公ミチオの裏表?(私からすると意外にグロい子供ですw)

くらいです。

【感想】

「んえ!? 岩村先生関係ないと!?」
向日葵の咲かない夏 Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏より
4103003316
No.252
(5pt)

おもしろかった^^

この本は母から借りたもので、あまり読む気はなかったのですがミステリーとはこういうものなのかと知らされた一冊です。
最後のほうになると『んえ!?』と、まぁ分かりずらく想像できないところがいくつかありましたが、内容的にはとてもおもしろかったです。
1つ疑問なのですが、最後の終わり方が意味深で・・・
『続きあんの!?』とか思っちゃったりしますw(あくまで私がw)

まとまりがありませんが、

・内容が意外にリアル(使っている言葉など)
・lastに近づくにつれて初めの予想をはるかに超える←(私の場合ゴッチャになりました。)
・主人公ミチオの裏表?(私からすると意外にグロい子供ですw)

くらいです。

【感想】

「んえ!? 岩村先生関係ないと!?」
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)より
4101355517
No.251
(3pt)

主人公の主観

この物語の主人公を含め主要人物は、かなり特殊な性癖をしています。
そのせいか読んでる最中かまたは読後に物凄い薄気味悪さを感じたりします。
ですが、かえってその性癖が主人公をいろんな意味で引き立たせており、そこから何か感じさせられるものがあります。

問題はこの物語がミステリーとして成り立っているかどうかです。
主人公の主観で読んでいると、そんなとこはどうでも良くなるんですが、読み終わった後、「あれ、ここは?」と思わせてしまうのが非常に残念です
好き嫌いはともかく、頭に残るほど印象が強かった作品でした。
向日葵の咲かない夏 Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏より
4103003316
No.250
(3pt)

主人公の主観

この物語の主人公を含め主要人物は、かなり特殊な性癖をしています。
そのせいか読んでる最中かまたは読後に物凄い薄気味悪さを感じたりします。
ですが、かえってその性癖が主人公をいろんな意味で引き立たせており、そこから何か感じさせられるものがあります。

問題はこの物語がミステリーとして成り立っているかどうかです。
主人公の主観で読んでいると、そんなとこはどうでも良くなるんですが、読み終わった後、「あれ、ここは?」と思わせてしまうのが非常に残念です
好き嫌いはともかく、頭に残るほど印象が強かった作品でした。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)より
4101355517
No.249
(5pt)

天才だと思いましたー!

私はラットマンから入り、ソロモンの犬、からきて向日葵の咲かない夏。これが一番衝撃でした。

道尾さん天才や!と感動してしまった。


向日葵の咲かない夏 Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏より
4103003316
No.248
(5pt)

天才だと思いましたー!

私はラットマンから入り、ソロモンの犬、からきて向日葵の咲かない夏。これが一番衝撃でした。

道尾さん天才や!と感動してしまった。


向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)より
4101355517
No.247
(2pt)

いわゆるファンタジーです

アンフェアぎりぎりの叙述トリック、ですがトリックにこだわりすぎて基本的な点で「破綻」しています。
ミステリーの冒頭は特に注意深く読むものだと思いますが、この作品は、冒頭を注意深く読むと、その不自然さを感じ、運が悪ければメインのトリックまである程度の予測がついちゃいます。
冒頭のある種の違和感、これはまあ意図しているのしょう。さらっと流しておけばよかったと読後に後悔するのですが。
そのまま謎解きに向かえばまだ救いようがあったと思います。残念なことに序盤でこのトリッックに関連する非現実的な描写がいくつか出てきます。
たとえば3歳の子供が一人で留守番をしていることを先生に告げるところなどは現実ではありえませんね。
自分が先生なら児童相談所に飛んでいきますよ(笑)
作中ではもっと酷い描かれ方をしているのでさらにあきれるのですが、ネタバレになるのでこのくらいにしておきます。
ほかにもちらほらとトリックなのかなんなのか意味不明な描写が出てきます。
意図してミスリードさせているのか?意図して破壊させているわけでもないと思うのだけど。作者の意図が謎です。
いずれにしろ以降は全くのファンタジーと認識してしまって、仕掛けられたいくつかの巧妙なトリックもファンタジーに思えて途中で挫折しそうになります。
重ね重ね残念です。正直いって最後まで読むのが苦痛でした。
こういうテクニカルなミステリーは、基本的なところで破綻すると全てが台無しになりますね。
そこを突破できる自信がある方にはちょっと変わったミステリーとしてはよろしいのではないでしょうか。
評価は分かれるでしょうね。
向日葵の咲かない夏 Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏より
4103003316
No.246
(2pt)

いわゆるファンタジーです

アンフェアぎりぎりの叙述トリック、ですがトリックにこだわりすぎて基本的な点で「破綻」しています。
ミステリーの冒頭は特に注意深く読むものだと思いますが、この作品は、冒頭を注意深く読むと、その不自然さを感じ、運が悪ければメインのトリックまである程度の予測がついちゃいます。
冒頭のある種の違和感、これはまあ意図しているのしょう。さらっと流しておけばよかったと読後に後悔するのですが。
そのまま謎解きに向かえばまだ救いようがあったと思います。残念なことに序盤でこのトリッックに関連する非現実的な描写がいくつか出てきます。
たとえば3歳の子供が一人で留守番をしていることを先生に告げるところなどは現実ではありえませんね。
自分が先生なら児童相談所に飛んでいきますよ(笑)
作中ではもっと酷い描かれ方をしているのでさらにあきれるのですが、ネタバレになるのでこのくらいにしておきます。
ほかにもちらほらとトリックなのかなんなのか意味不明な描写が出てきます。
意図してミスリードさせているのか?意図して破壊させているわけでもないと思うのだけど。作者の意図が謎です。
いずれにしろ以降は全くのファンタジーと認識してしまって、仕掛けられたいくつかの巧妙なトリックもファンタジーに思えて途中で挫折しそうになります。
重ね重ね残念です。正直いって最後まで読むのが苦痛でした。
こういうテクニカルなミステリーは、基本的なところで破綻すると全てが台無しになりますね。
そこを突破できる自信がある方にはちょっと変わったミステリーとしてはよろしいのではないでしょうか。
評価は分かれるでしょうね。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)より
4101355517
No.245
(3pt)

読みやすいのに読み進められない

全部読んでから書くべきとは思いますが、半分くらい読んだところで気持ち悪くて、読み進めることができなくなりました。生まれ変わりの虫との会話、小児愛、動物殺害、ちょっとねぇ。
向日葵の咲かない夏 Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏より
4103003316
No.244
(3pt)

読みやすいのに読み進められない

全部読んでから書くべきとは思いますが、半分くらい読んだところで気持ち悪くて、読み進めることができなくなりました。生まれ変わりの虫との会話、小児愛、動物殺害、ちょっとねぇ。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)より
4101355517
No.243
(5pt)

やっぱり道尾さんには救われる

道尾秀介の本は非常に読みやすい。彼の作品に出会えてよかったと思う。暗い話が多いが、最後には救われる。 この本はたしかに読む人によって評価が分かれると思う。 明るい話では決してないので、それを求めるならオススメしない。 道尾さんの作品は数冊読んでいるけど、これはラストの印象が一番強くて、私の印象は『切なくも幸せ』。 虐待されているという子供の状況を描くことが多い作者だが、この作品のラストは変にあっさりと救われて白けるわけでもなく、悲しく感じる部分もあるけど、でも父と母の愛情を感じられたという点で、やっぱり救われている。 この切なさが深い。 ミチオが『逃避』しているわけだが、これも単純に虐待を受け止めるよりも痛くない。 そんなミチオが羨ましくも感じるくらい。 自分が虐待されていたわけでもないのに、なぜかそう思う。 読んだ直後よりもあとで『いい作品だった』と思わせる作品です。
向日葵の咲かない夏 Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏より
4103003316
No.242
(5pt)

やっぱり道尾さんには救われる

道尾秀介の本は非常に読みやすい。彼の作品に出会えてよかったと思う。暗い話が多いが、最後には救われる。 この本はたしかに読む人によって評価が分かれると思う。 明るい話では決してないので、それを求めるならオススメしない。 道尾さんの作品は数冊読んでいるけど、これはラストの印象が一番強くて、私の印象は『切なくも幸せ』。 虐待されているという子供の状況を描くことが多い作者だが、この作品のラストは変にあっさりと救われて白けるわけでもなく、悲しく感じる部分もあるけど、でも父と母の愛情を感じられたという点で、やっぱり救われている。 この切なさが深い。 ミチオが『逃避』しているわけだが、これも単純に虐待を受け止めるよりも痛くない。 そんなミチオが羨ましくも感じるくらい。 自分が虐待されていたわけでもないのに、なぜかそう思う。 読んだ直後よりもあとで『いい作品だった』と思わせる作品です。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)より
4101355517
No.241
(2pt)

子供の読み物かと思った

少年凌辱の話が出てくるまで、
これは十代半ばくらいの少年少女を対象に書かれた児童文学なのかと思った。
大人の読むものだったんだ…。

主人公の10歳の少年の一人称で書かれた小説だが、
冒頭の2ページくらいで、この少年の精神状態が普通でないのがすぐわかっちゃう。
今のエンターテイメント作家って、気軽に精神が平常でない人を描くよね。
これがハリウッド映画の登場人物なら、それなりに楽しめるけど、
小説に出てくると、急に評価が厳しくなっちゃうのです。
正常人の悪の方がずっと奥深くて読み応えがあるのに、こっちの方が書きやすいのかなって。

どんなにプロットに凝っても、普通じゃなかったのね、だと、がっかり。
こういう設定の小説に限って、
最後になにもかも辻褄の合うお開きとなるでしょ。
謎が残らないのよね。

暇つぶしに読むにしても、お勧めできない。
伏線を張り巡らせてラストにもって行く作者の力量は認めるけれど、
もっと違った方向へ物語作家の才能を使えば良いのにって、老婆心で思ってしまいます。
直木賞受賞作読んでないから、今現在の作家についてはどうなってるのか分かりません。
向日葵の咲かない夏 Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏より
4103003316
No.240
(2pt)

子供の読み物かと思った

少年凌辱の話が出てくるまで、
これは十代半ばくらいの少年少女を対象に書かれた児童文学なのかと思った。
大人の読むものだったんだ…。

主人公の10歳の少年の一人称で書かれた小説だが、
冒頭の2ページくらいで、この少年の精神状態が普通でないのがすぐわかっちゃう。
今のエンターテイメント作家って、気軽に精神が平常でない人を描くよね。
これがハリウッド映画の登場人物なら、それなりに楽しめるけど、
小説に出てくると、急に評価が厳しくなっちゃうのです。
正常人の悪の方がずっと奥深くて読み応えがあるのに、こっちの方が書きやすいのかなって。

どんなにプロットに凝っても、普通じゃなかったのね、だと、がっかり。
こういう設定の小説に限って、
最後になにもかも辻褄の合うお開きとなるでしょ。
謎が残らないのよね。

暇つぶしに読むにしても、お勧めできない。
伏線を張り巡らせてラストにもって行く作者の力量は認めるけれど、
もっと違った方向へ物語作家の才能を使えば良いのにって、老婆心で思ってしまいます。
直木賞受賞作読んでないから、今現在の作家についてはどうなってるのか分かりません。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)より
4101355517
No.239
(4pt)

レベルの高い作品だとは思うが、トリックのためのトリックのような「あざとさ」も感じてし

私は、この度の直木賞を受賞した「月と蟹」を読む前に、道尾秀介の著作歴を追うような形で、最初期のこの「向日葵の咲かない夏」から、「シャドウ」、「カラスの親指」と、ピックアップして読んでみた。いずれの作品にも見られる凝りに凝ったトリックを自在に操る手並みに実際に接してみると、彼が評判にたがわぬ一筋縄では行かない作家であると納得させられると同時に、いずれの作品にも、トリックのためのトリックを駆使しているような、ある種の「あざとさ」を感じてしまったのも事実だ。 

この「向日葵の咲かない夏」は、そうした傾向を最も顕著に感じてしまった作品だった。この作品には、リアリティのないミステリには拒否反応を示す私のような読者には付いていけないようなサブトリックが随所にちりばめられており、メイントリックと渾然一体となって、本当に最後の1ページまで、これでもか、これでもかといわんばかりに、実に凝ったトリックを仕掛けてくる。作者は、終盤、主人公のミチオに、「ここまで複雑になるなんて、思ってなかった…何がなんだか、わけがわからなくなってきちゃってさ」と語らせているのだが、私などは、冗談半分の作者自身の本音ではないかとさえ思ってしまうのだ。 

私は、この作品を読んでいると、この作者は、ゲーム感覚でトリックを作っているのではないかという気がする。もちろん、ミステリというのは、根本的に、作者と読者の頭脳勝負というゲーム的要素が強いものではあるのだが、それが必要以上に強く出過ぎてしまうと、そのトリックに感心するというよりは、「あざとさ」を感じてしまい、「何だかなぁ…」と、思ってしまうのだ。

私は、この作品のトリックを一度読みでは正確に理解できなかったので、じっくりと二度読みしてみたのだが、メイントリックは実に緻密に良く出来ており、リアリテイのないサブトリックなどがなくても、それだけで十分、レベルの高いミステリになっており、人間ドラマとしても、レベルの高いものが描かれていると思った。それだけに、特にこの作品に絶対の必要性があるとも思えないサブトリックを持ち出して、万人受けし得る作品を、わざわざ好き嫌いが分かれる作品にしてしまう必要はなかったのではないかと思ってしまうのだ。 

向日葵の咲かない夏 Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏より
4103003316
No.238
(4pt)

レベルの高い作品だとは思うが、トリックのためのトリックのような「あざとさ」も感じてし

私は、この度の直木賞を受賞した「月と蟹」を読む前に、道尾秀介の著作歴を追うような形で、最初期のこの「向日葵の咲かない夏」から、「シャドウ」、「カラスの親指」と、ピックアップして読んでみた。いずれの作品にも見られる凝りに凝ったトリックを自在に操る手並みに実際に接してみると、彼が評判にたがわぬ一筋縄では行かない作家であると納得させられると同時に、いずれの作品にも、トリックのためのトリックを駆使しているような、ある種の「あざとさ」を感じてしまったのも事実だ。 

この「向日葵の咲かない夏」は、そうした傾向を最も顕著に感じてしまった作品だった。この作品には、リアリティのないミステリには拒否反応を示す私のような読者には付いていけないようなサブトリックが随所にちりばめられており、メイントリックと渾然一体となって、本当に最後の1ページまで、これでもか、これでもかといわんばかりに、実に凝ったトリックを仕掛けてくる。作者は、終盤、主人公のミチオに、「ここまで複雑になるなんて、思ってなかった…何がなんだか、わけがわからなくなってきちゃってさ」と語らせているのだが、私などは、冗談半分の作者自身の本音ではないかとさえ思ってしまうのだ。 

私は、この作品を読んでいると、この作者は、ゲーム感覚でトリックを作っているのではないかという気がする。もちろん、ミステリというのは、根本的に、作者と読者の頭脳勝負というゲーム的要素が強いものではあるのだが、それが必要以上に強く出過ぎてしまうと、そのトリックに感心するというよりは、「あざとさ」を感じてしまい、「何だかなぁ…」と、思ってしまうのだ。

私は、この作品のトリックを一度読みでは正確に理解できなかったので、じっくりと二度読みしてみたのだが、メイントリックは実に緻密に良く出来ており、リアリテイのないサブトリックなどがなくても、それだけで十分、レベルの高いミステリになっており、人間ドラマとしても、レベルの高いものが描かれていると思った。それだけに、特にこの作品に絶対の必要性があるとも思えないサブトリックを持ち出して、万人受けし得る作品を、わざわざ好き嫌いが分かれる作品にしてしまう必要はなかったのではないかと思ってしまうのだ。 

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)より
4101355517