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棺の中の悦楽
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【この小説が収録されている参考書籍】
棺の中の悦楽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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長編としては短い部類だが、読み応えは充分。 主人公が失恋する冒頭から、次に主人公が置かれた状況を説明し、ひょんなことから預かった大金を浪費しようと決意するまでの流れが簡潔かつスピーディ。 その後、彼が出会う6人の女性はそれぞれが魅力的で、個性が多彩に描き分けられているので、テンポよく読み進められる。 そして、彼女たちとの、まるで棺に片足を突っ込んだも同然な人間ならではの自暴自棄が生み出す濃密な悦楽は迫力十分。 終盤では一転して棺の中から生還を果たした主人公だったが、それまでの自暴自棄ゆえの凄みが失われ、元の小心者の凡人に戻ってしまうという皮肉がいかにも冷徹な作者らしい。 ラストもこれ以上にないほど皮肉に満ちていて、かつ説得力がある。 解説にある「すべての人間の惨状と美しさを同時に描く」という一節は、言い得て妙。 ミステリ濃度は薄めだが、山田風太郎らしさが発揮されたサスペンス小説です。 | ||||
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3時間後に、24時間後に、3年後に死ぬことが決まってしまったら人間はどうなるか。極限状況の人間の心理、狂気、本性が、悲愴であり、どこか可笑しくもあるという「やまふー節」を堪能。人生とは計算通りに行かないもの。自分の思惑など悪い方へも良い方へも簡単に裏切られる。だから(山田風太郎の)小説も面白いし、人生も面白い、のか? | ||||
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誰かに貸して、ずっと取り戻したかった本。 やっと帰ってきました。 それぞれの短編が読みやすく、それぞれ唸らせられる作品揃い。 風太郎作品初心者にピッタリかもしれないです。 そもそも私がこの本に出会ったのも、人から勧められて頂いたのがきっかけ。 読んでいて楽しかったです。 おススメの一本。 | ||||
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忍法帖,明治もの,室町もの,キリシタンものとジャンルを問わず数多の傑作をモノにしてきた著者が昭和20〜30年代に発表した短中篇9本収録。 舞台設定は古くても,人間の心の闇,いやらしさ,哀しさ,残酷さ,聖と俗をミステリータッチで描き出した氏の作品は今読んでもまったく古びていない。表題作は「日本初のノワール」ともいうべき大傑作。恐るべき心理描写力。加えて定評のあるストーリーテラーぶりで700ページ近いボリュームを感じさせず一気に読了。 ミステリーであり宗教小説でもありノワール,文学でもある。まさに天才山田風太郎の底力,奥行きの深さを実感した。 | ||||
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