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親指の恋人
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親指の恋人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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大泣きしました。 俊雄とジュリアは、 ロミオとジュリエットですね。 あざといコピーものとさえ言えるかもしれません。 特に驚きの仕掛けがあるわけでもないと思います。 しかし、大泣き。 自分の力ではどうにもならない事がある。 自分ではコントロール出来ない自分がいる。 幸せって何? ありがたい作品です。 出会えた事に感謝します。 | ||||
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あえてこれを書く石田衣良さんの思い切りに圧倒されました。何か言われるのが怖くて書かないという選択はない。さすがです。冒頭の記事がこれは単なる事実ですと伝え、彼らの行動が是か非かということではなく、この世界に格差という壁が、ロミオとジュリエットを隔てた壁のように存在すると教えます。いろいろな切り口があるものです。 | ||||
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石田さんにしてはちょっと悲観的な内容です。 でも現代社会の歪みを描く描写力はさすが。 物語の中の2人が大きなチカラによって、悪い方向へ流されているように、世の中にはどうしようもないこともあるけれど、これを読んで逆に生きていくチカラをもって欲しいと思う。 SNSがはやる現在に問題提起を投げかける意欲的な小説でした。 | ||||
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石田衣良氏の作品はあまりにもスタイリッシュで手に取りにくかったり現実感が希薄で途中でやめてしまったりしてしまうのだが、本作は中村佑介氏の挿し絵に導かれる形で一気に読んでしまった。 『美丘』の装幀も美しいが『親指の恋人』も眺めているだけで嬉しくなる装幀だ。 六本木ヒルズの37階に住む大学生・江崎澄男と横浜山元町の公団住宅に住む三田樹里亜が出会い系で出会って、結局その境遇の違いから心中してしまうという物語。 江崎澄男の父は外資系投資銀行の社長で億単位の収入があるが、三田樹里亜の父は飲んだくれのトラック運転手で、三田樹里亜はパン工場でアルバイトをしながら出会い系のサクラをして口を糊している。 二人の境遇は決定的に違うのである。 二人は境遇が違いすぎるが、出会い系で偶然知り合ってしまうと、幼い頃に母親を失ったという体験を共有することもあり、(江崎澄男の母親は自殺し三田樹里亜の母は癌で死亡)、惹かれ合うように体を重ねるのだが、SEXの相性が異常に良いようで、肌をふれあっただけで強烈な快感が全身に走るのであった。 携帯の出会い系で知り合った男女が最後は死を選んでしまう。 冷静に考えれば、こんなこと現実にはないよなぁ、っと思ってしまうのだが、なぜか私はこの物語に魅力を感じてしまった。 若い男女が境遇の違いから恋を成就できず死を選んでしまうという悲劇的な結末が、私を引きつけてしまったのだろう。 | ||||
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この物語は本編を開くと、結末からはじまっています。 2人の男女の心中の新聞記事。 最初は2人のことなんて知らないので、そんなに衝撃的ではないんです。 ただ、本編を読んで行く内に感情移入していってしまうと、最後の結末はわかっているのに衝撃を喰らいました。 死んだことには泣けませんでしたが、主人公が死ぬ間際に言いたかったけど言えなかったことがシンプルでわかりやすく、それに泣けました。 話がごちゃごちゃしてないので、読みやすいです。 | ||||
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読みやすい文体に平易な表現、さらに最低限の登場人物のみで展開する物語。読書慣れしている人にとっては些か物足りないかもしれない。だが、普段小説は読まないけど、なにか本を読んでみたいという人にとっては良い入口になるやもしれない。 | ||||
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格差社会における 悲恋の 物語である。 一見するとロミオとジュリエットを彷彿とさせるような 結末であるが 死して なおあの世で結ばれるという考え方が 近松門左衛門の 曽根崎心中と 通じるものがあったように 感じました。 こういった 作風に仕上げた 石田氏 の筆力に 感嘆します。 作品自体も読みやすく 私は短時間で読めました。 | ||||
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良い作品だったんじゃないんでしょうか。 六本木ヒルズに住む金持ちの男子大学生と、クリームパン作りのバイトをしている少女。 現代版ロミオとジュリエット。 最後は2人に幸せになってほしかったのですが・・・心中という悲しいラスト。 援助するかわりにジュリアとは別れなければいけないというのがスミオの父親の出した条件で、それをのめば2人は離れ離れになるが、生きていく事はできる。 たしかに命が一番大事かもしれない。でも、条件をのんで生きていけばいいのにとは一切思えなかった。2人で幸せになってほしかった。 もしかしたら一番大事なものというのは人それぞれで、それを守る為にはこの死を一概に否定できないのかも。 解説にあったようにこのラストををハッピーエンドととるのかバッドエンドととるのかは皆人それぞれですね。 | ||||
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ストーリーにグイグイ引き込まれ、全く疲れる事無く読破できた。 15話完結の連続ドラマをみてるような感覚。 登場人物もドラマ風。何事にもシラケていて廃人を気取って生きてても、いつも何かに邪魔されて荒んで生きてても、根っこの部分が純粋で脆い。 もっと現代の若者らしく小狡く立ち回れば、あの結末は回避できたのになんて感じた。でも、それではドラマチックじゃないかな? 悲しい結末に向かってる直前のふたりの楽しく幸せなやりとりが心に残った。 | ||||
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石田衣良的格差社会の恋愛の解釈のひとつといったところ。 ぱらぱらって捲って、ハッピーエンドでないところに、 氏らしくないところを感じ、また、私は氏にはバッドエンドの作風は期待していないため、 暫く放っておいた。 そして読んでみた。 悲しい、主人公♀への転げ落ちるような不幸の応酬、泣けてくる。 気の休まるまもなくそのまま物語りは幕を閉じる。 正直なところ氏がこういう作品を書くのは期待していないが、 あー、現実はそんなものかも?と思わせるところにこの作品の意義があるように思える。 落ち込んでいるときに読んではいけない本。 | ||||
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豊かな家庭に生まれ、それまでの人生は苦労知らず。 人生に目的がもてないことが悩みである青年 正反対に家庭に恵まれずに、苦労ばかりをし続ける少女。 二人の出会いが携帯サイトの出会い系。 初めのやり取りはメールから始まる。 本当の気持ちを探りながら、思いを深めていく二人。 それを取り巻く人々の邪魔立て。 恋に障害はつきものというけれど、 本人の気持ちをさておき、勝手な幸せを押し付けようとする人々にもやきもきさせられる。 気持ちがどれほど伝えられるのか。 それを考えさせられた。 | ||||
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お金に不自由したことの無いお坊ちゃんと 出会い系でバイトする下級少女の恋愛 出会いもそこから発展する付き合いも すぐそばにあるリアルな恋愛 しかし互いの生きてきた道の違いが 価値観のギャップをうむ 現代版ロミオとジュリエット 文句とおりのストーリーは 違う視点から格差社会を見せてくれる | ||||
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どんなテーマでも、常に希望的な結末に向かってストーリーを紡いできた石田氏だが、本作では「格差」を中核に置いた、悲恋と認めざるを得ない物語を書いた。 格差をテーマに置いた(つまり、書きたかった)ことから推測する限り、あらかじめこのラストは初めから決まっていたのだと思われる。現代における格差の実態がどれほどひどいものか(小説なので、設定的には多少拡張している節は否めないが)、それを著者は本作で酷痛なほどに描いた。 また、まったく視点を変えてひとつの恋愛小説という観点から見れば、石田氏は恋愛小説としての前作『美丘』以降、新たな考え方を持ったように思える。恋の先にあるもののひとつに、「死」を認めるようになった。これは病気(※『美丘』のカスタマーレビューの数々を参照のこと)とか格差とかの“提起問題”的なテーマではなく、ただひとつ「恋」というもののみを追求した結果であると私には思える。そういった意味では、石田氏は恋愛小説の書き手として、間違いなく新境地へ足を踏み入れたと言えるだろう。 | ||||
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