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ワルツ



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【この小説が収録されている参考書籍】
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ワルツの評価: 4.10/5点 レビュー 10件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.10pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(5pt)

読みながら読者が欲情してしまう快作

いやはや、大したものである。
花村の作品はこれまで、『百万遍シリーズ』『風転』『たびを』と読んできたが、どれも圧倒された。
これも例にもれず、である。

舞台は終戦直後のヤクザの世界。
登場人物は特攻くずれの死に場所を求めている城山、在日韓国人で中央大学に留学していた驚くほどの美丈夫の林、そして空襲で天涯孤独となった大学教授の娘・百合子。
この3人を軸にワルツを踊るように物語は転変していく。

ヤクザを描きながら、戦中の日本軍や戦後すぐの日本政府への冷めた視線は鋭い。
そして、この人の作品の特徴でもあるが、男女の恋情とセックス、男と男の情の描き方は、読みながら読者が欲情してしまうほどの圧倒的な筆致とも言える。

読後感も悪くない。

多作な作家だけに、その作品を全部読み倒してやろうという楽しみが増えた。
ワルツ 上Amazon書評・レビュー:ワルツ 上より
4048735055
No.9:
(3pt)

最後まで残酷な物語。

数年前の作品ですが、今さら上中下読み通しました。下巻を読み終え、最後の最後まで残酷な話だったというのが素直な感想です。正直、読後が悪い。私は中巻の途中から三人の結末が読めました。だから下巻を読むのが億劫でした。ワルツの一辺があまりにも不憫に欠けてしまうので・・・。他の方も書かれている通り中盤までは、疾走感と共に突き抜ける物を感じる作品でしたが、徐々に失速し、特に一人の描写が淡々とした物にかわり、あっさりとエンディングへ向かいます。今回初めて花村作品を読みましたが、イメージと違った所もあり、他の作品も読んでみたいと思いました。
ワルツ 下Amazon書評・レビュー:ワルツ 下より
4048738712
No.8:
(5pt)

米兵の殺り方がすさまじい

この作家さんの小説は好きで、このワルツも面白かったです。細かい筋書きはほかの書評に任せて、いちばん強烈かつ興奮した場面を紹介します。強姦を繰り返していた不良米兵三人(拳銃携帯)を、主人公の1人が、手ぬぐいに包んだ石、拳、頭突きで全員殺害します。野獣の襲撃のような殺しのやり方に興奮させられました。さすが、花村さんです。
ワルツ 上Amazon書評・レビュー:ワルツ 上より
4048735055
No.7:
(5pt)

ワルツ

戦後の新宿角筈から中野界隈の猥雑で混沌とした闇市と任侠とまつりごと。百合子は映像化するならだれだろうか。ブルースにつづいて読みました。傑作です。おかしな展開もあるけれど。どことは言えないけれど。
ワルツ 中Amazon書評・レビュー:ワルツ 中より
4048738704
No.6:
(3pt)

丁寧に包装さていてきれいでした。

わざわざネットで買うほどでもなかったかな?というのが本音。図書館にいつでもあるから。
ワルツ 中Amazon書評・レビュー:ワルツ 中より
4048738704
No.5:
(4pt)

花村作品として、TOP5に入るかもしれない導入

タイトルに対し、ヘロった後半。

はじめて手に取った花村作品がコレでした。開始からグイグイ惹きこまれて「この人天才。エロ小説作家みたいな名前で損してる」と、雑食の自分は思いました。本当に面白いんです。城山が死ぬまでは。城山が死んでから、怒涛の失速をみせます。

残念なことに失速しますが、私はこの作品を読んで花村作品を網羅しようと決意し、ドップリと花村作品を読み進めました。最初に感じた手ごたえは、正解でした。素晴らしい作品がいくつもあります。

もしかすると、失速と感じるのは私の趣味のせいかもしれません。それは、わかりませんが「ブルース」「笑う山崎」「皆月」「二進法の犬」が、私にとって最高でした。本当に最高でした。「王国記シリーズ」もゆるく楽しみにしている、そんな趣味の私はこのワルツという作品が、花村との出会いという事も、失速以前がめちゃくちゃ楽しめたのも含め、★4つにしました。

本当に、この作品は勿体無かったと思います。傑作たりえたというか。作者のテンションが続かなかったのかなぁ。コレ以降の完全新作も当然全部読んでますが、それらは手癖で書いた感が半端ないので、余計この作品の最終部が勿体無い感じになります。
ワルツ 下Amazon書評・レビュー:ワルツ 下より
4048738712
No.4:
(1pt)

残念ですが、花村作品として、すすめられません。

この作者の作品はほぼ全部読んでいますので、要求水準が高すぎるのかもわかりませんが、本当に残念ながらレベルに達してはいません。時代考証がしっかりしてるのに荒唐無稽な筋立てです。この点についてはエンタメの舞台として許し評価する方もいるかもわかりませんし、私も、昭和残侠伝の花田秀二郎だって、不死身の男で20人切り殺しても逮捕されないのですからそうは思うのですが、それは気持ちがいいからです。こんなカタルシスが得られない結末ではいかがなものでしょうか。どなたかが女性に共感できると書いてましたが、触れた手から電気が走る清純な愛情より強姦されてできた腹の子の父親がいいのですか、それじゃ娯楽小説として無茶苦茶な評価以前の問題です。それに主人公を○○するのは禁じ手です。加えて最後の100ページは枚数合わせの蛇足と私は申し上げざるを得ません。
ワルツ 上Amazon書評・レビュー:ワルツ 上より
4048735055
No.3:
(5pt)

久々に大満足

「ブルース」、「笑う山崎」で花村萬月の大フアンになった私には、久しぶりに満足のいく作品でした。やはり花村萬月の小説はこうでなくっちゃ。
ワルツ 上Amazon書評・レビュー:ワルツ 上より
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No.2:
(5pt)

浪漫と暴力と虚無の一大交響詩!!

終戦直後の、東京。敗戦を終戦と言い換え、事務員募集と称して娼婦を国が集め、
戦災孤児たちはかっぱらい名人になり、進駐軍を受け入れるしかない混沌の世界。
この国は、戦争でいろいろなものを失いすぎた。
生きる気力を失った特攻崩れの城山。
プライドを失った在日の林。
そして、家族を失った美少女・百合子。
やがて、3人は、新しい場所として、それぞれ
極道の世界に歩み出すことになる…
戦後、ほんとうにどこかにいたような3人の生き方を軸に、
人の営みのいとおしさとかなしさを描ききった大作第1部。
ヤミ市やGHQの様子など、わずか60年ほど前の東京が
こんな風だったという描写にも驚きつつ、それでも
したたかに、しなやかに生きていこうとする登場人物たちが
主役の3人以外にもたくさん出てくるのだが、どの存在も
嘘っぽくなくて、息遣いが聞こえてくるようだ。暴力シーンと
性的なシーンが多い男性向けな小説のようだが、ヒロイン・百合子の
したたかさに共感できる女性読者も多いはず。
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4048735055
No.1:
(5pt)

暴力と官能、ほとばしる浪漫の薫りが充満する熱い1冊。

“昭和のスペクタクル小説”って謳い文句だけど、これって、まるでかっての東映任侠映画に日活ロマンポルノそのままじゃないか(もちろん、極上の)。読了後、そう思った。
主人公は特攻くずれ、品格なき唾棄すべき国家、卑劣で虚勢を張った上官たちを忌み嫌いながら、死に損ねたまま終戦を迎え、虚無感と無為のまま、死に場所を求めて僅かな煙草と金銭で愚連隊組織を皆殺しする事を請負、直刀片手に乗り込む男。片や、留学生として日本に来たものの、インテリの偽善さと傲慢さを疑い、差別への理不尽さ、屈辱感をバネに、任侠精神こそ信じえる唯一無二の世界と確信する美顔の朝鮮人、そして、戦争で何もかも失い路頭に迷う処を任侠やくざに拾われる健気さと清廉さを兼ね備えた美貌の女。
これは、戦後の混乱期、焼け野原となった瓦礫の無法地帯東京を舞台に、絶望と喪失の彼方に根ざす生存への希求と魂の鼓舞に命を燃やす者たちの熱い情念のドラマ。そして、自らのアイデンティティを模索する物語。激情的な彼らの生き様に引きこまれつつ、その痛烈な反国家主義の明確さに、花村萬月の思想を見る。
天皇の人間宣言、公職追放命令、婦人参政権、GHQによる戦後民主主義政策に、ヒロポン、ズルチンを始め、戦後間もない新宿の社会風俗が濃厚に書き込まれている。
戦争で焼き出され何もかも失ってしまった者たちの痛切感、愛する男たちの為に自ら楯になって死んでいくパンパンたちの愛おしさに泣ける。
暴力と官能、ほとばしる浪漫の薫り充満する3部作の序篇。彼らの顛末を見届けるのは2ヵ月後、年末に駆けての楽しみが増えた。
ワルツ 上Amazon書評・レビュー:ワルツ 上より
4048735055

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