あふれた愛

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評判

あふれた愛の評価:

4.27/5点 レビュー 33件。 B ランク

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平均点4.27pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全35件 21〜35 2/2ページ
No.15
(5pt)

登場人物に話しかけたくなる自分に気づく

 収められた四編の物語はどれも他者との交流や理解の難しさを描いている。この作家らしい作品だ。
 だれでも自分らしく生きようとしているが、社会の中では他者と関わることは避けられない。他者と自分との関係をうまく構築するには、まず自分をある程度、他者に開放しなくてはならない。お互いが少しずつ開放する事でコミュニケーションは成り立つ。しかしそれがうまくできない人にとっては、一方的な交流は命令や圧力としか感じないだろう。それは遠からずストレスとなって、事態を余計悪化させてしまう。
 それは何も作品の登場人物だけではなく、現実の自分たちでも同じなんです。日常的な行き違いを無視したり、他のことに振り替えながら何とかやっているんです。まともに受け止めているあなたの方がむしろ強いのかもしれません・・・作者や登場人物に話しかけたくなる自分に気づく。
 彼の作品の人間関係では本当の悪人が出てこず、出来すぎで理想的なのかもしれないとも思う。しかし、いくつもの自分を使い分けて生活している人達も、根元の所では悪人ではないはずだ。少なくともこの作家はそう信じているだろう。
あふれた愛 Amazon書評・レビュー: あふれた愛より
408774373X
No.14
(5pt)

人間の弱さと、著者の優しさを感じる

本作に収録された4編は、それぞれ最小限度の登場人物しか登場しない。そして、その最小限度の登場人物が、それぞれすれ違い、傷つく、という様を描き出す。
妻の言った些細な言葉から、娘を虐待しているのではないか? と疑心暗鬼に陥り、すれ違って行く武史。心の病と戦いながら、結婚への準備を進めるも、妊娠という「うれしい」はずの事態で距離を感じてしまう香苗。目の前で死んだ男とその妻の心を考え、それによって恋人とすれ違ってしまう浩之。皆、些細な事件ではある。しかし、些細な事件であるからこそ、すぐそばにこれらのことが感じられるし、また、身近な存在であるからこそ、互いに傷つけ合ってしまう人間の弱さ、愚かさ、不器用さ…なんていうものを感じずにはいられない。
ただ、本作の良さは、それだけで終わらせないところだとも思う。それぞれ人間の弱さなどを感じさせる。しかし、それで終わらず、必ず皆、何らかの形で救いの手が差し伸べられる。そんなところに、「弱いところがあったって良いんだ」というメッセージ、そして、著者の「優しさ」を感じるのは私だけだろうか?
あふれた愛 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: あふれた愛 (集英社文庫)より
4087478173
No.13
(4pt)

天童荒太の源

人は皆が上手く,賢く生ることができるわけではない.それでもみんな必死に生きている.上手く生きられないことを嘲る権利は誰にも無い.生きていることは,それだけでも美しい.むしろ,上手く生きられない人たちの人生にこそ,一際輝く瞬間が秘められているのかもしれない.天童荒太はそれを書くことの出来る作家だ.
あふれた愛 Amazon書評・レビュー: あふれた愛より
408774373X
No.12
(4pt)

天童荒太の源

 人は皆が上手く,賢く生ることができるわけではない.それでもみんな必死に生きている.上手く生きられないことを嘲る権利は誰にも無い.生きていることは,それだけでも美しい.むしろ,上手く生きられない人たちの人生にこそ,一際輝く瞬間が秘められているのかもしれない.天童荒太はそれを書くことの出来る作家だ.
あふれた愛 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: あふれた愛 (集英社文庫)より
4087478173
No.11
(4pt)

不器用だっていいじゃない

器用に生きている人を見るとうらやましくなる。
思いつめなくて楽天的で、何をやってもうまくいく、世の中そんな人ばかりではない。
この作品集の登場人物たちはそんな不器用で悩みをかかえている人ばかりである。
自信をなくした時、間違った時に「何やっているの」と責められたり「頑張って」と余計なプレッシャーをかけられたりすると、途方にくれてしまう。
元気なときは、照れ笑いをしたり、余計に傷ついた心を隠すけれど、それが出来なくなったときはどうするだろうか?
この本の登場人物達は人より傷つきやすく繊細である。
私の周りにもそういう人がいた。そんな心の闇を気付かず、言葉の暴力を振るってしまった私を今反省している。
彼らの強く生きていこうとする気持ちを応援したい。そして私ももっと人に優しくなりたい。
あふれた愛 Amazon書評・レビュー: あふれた愛より
408774373X
No.10
(5pt)

心の底にある苦しみを救ってくれる

人はいろんな悩み、苦しみを抱えて生きている。その心の底に眠るような思いを紐解いてくれる。人を傷つけ、人に傷つけられ、それでも生きていく人間としてのせつなさは、きっと誰もが持っていると思う。そんな辛い思いの中に差し込む光が暖かく、癒される気がした。辛い悩みを抱えている人は、きっと勇気をもらえるのではないかと思った。4つの短編それぞれが、異なるシチュエーションでありながら、人間の弱さにフォーカスしており、きっと自分を重ね合わせてしまうところがあると思います。
あふれた愛 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: あふれた愛 (集英社文庫)より
4087478173
No.9
(5pt)

作品の根底に流れるメッセージ

心の温まる短編集。「永遠の仔」や「家族狩り」のような「事件」があるわけではない。しかし、作品の根底に流れるメッセージはすべての作品に共通している。おすすめできる作品である。
あふれた愛 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: あふれた愛 (集英社文庫)より
4087478173
No.8
(4pt)

永遠の仔を読んで

永遠の仔を読んで天童荒太さんを知り、この本を読みました。短編ということでちょっと軽い気持ちで読み始めたのですが、申し訳なくなるくらい、心に残る4編でした。どれも、いろいろ感じたことはありましたが、全てに共通に『将来、暖かい家庭を築けたらいいなあ』と感じました。
あふれた愛 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: あふれた愛 (集英社文庫)より
4087478173
No.7
(5pt)

現代に生きる人への心の処方箋

 いろいろな意味で疲れた人にお勧めの一冊。 この本の4つの物語は心を締めつけられるような、辛く悲しい出来事があふれています。その中からすこすづづでも前に進もうとする人達の物語に、胸が熱くなる想いです。なかでも「やすらぎの香り」はとても衝撃を受けました。こういった物語を読むと、いかに自分が自分本位で世の中を見ているかが問われているような気がしました。必至に前に進もうとする二人の物語に心が洗われるようでした。 しかし、本当に天童荒太さんは人間の心理の表現がうまいですね。人間の繊細さがとても解りやすく、読みやすく、で下手な専門書よりはよほど心のケアに向いているのではないかと思います。 読み終わった後には、ほんのちょっと優しい人間になれるような心地よさが胸に広がりました。人間、別に弱くっても良い。自分なりにがんばって生きていけば良いのだから。そんな元気を与えてくれる本です。 
あふれた愛 Amazon書評・レビュー: あふれた愛より
408774373X
No.6
(5pt)

天童荒太の最高傑作か?

表題のとおり、人間への愛にあふれた短編集です。最初私は友人から借りて読みましたが、どうしてももう一度読みたくなり購入しました。とくに作者は精神障害者に対する考察にすぐれていて、この短編集でも「うつろな恋人」という傑作を書いています。
あふれた愛 Amazon書評・レビュー: あふれた愛より
408774373X
No.5
(5pt)

作品の根底に流れるメッセージ

心の温まる短編集。「永遠の仔」や「家族狩り」のような「事件」があるわけではない。しかし、作品の根底に流れるメッセージはすべての作品に共通している。おすすめできる作品である。
あふれた愛 Amazon書評・レビュー: あふれた愛より
408774373X
No.4
(5pt)

病院で読んだ。

母親の入院している病院で天童荒太氏の小説を知り、診療の待ち時間に一気に読みました。小説家の経歴などは一切知りませんし、白紙の状態ですが、仕事、仕事とあくせく働き、人間関係で板ばさみになった中間管理職の共通した悩みがあり、ふとしたきっかけで家庭が壊れてしまい、気づくのが遅くなって精神を病んでしまった人の気持ちがよくわかっている、この人はこういう経験があるんだろうか?そんな疑問が頭を過ぎりました。子供に対する目線は、文章にも表れているのですが、対等で限りなくkやさしく、心の揺れというのか、愛情を注ぎすぎてコップからその水があふれ、「覆水盆にかえらず」のことわざのごとく、タイトルもベストマッチでした。
あふれた愛 Amazon書評・レビュー: あふれた愛より
408774373X
No.3
(5pt)

哀しくて切ないけれど美しき愛のカタチ

哲学的に構えるのではなくて、素朴に考えてみる。「愛ってなんだろう・・・」本書に収録された4つの物語を読み終えて、ぼくが最初にしたことだ。自分の中では「愛」だと信じていたことが、独善的であり世俗的であり体面的なものに絡み取られて、本来の姿を失っている場合もある。相手を傷つけ、そして自分も傷つかないと、「愛」の空白に気がつかないかも知れない。また「愛」がそこある故に哀しくなったり、つらくなったりすることもあるだろう。一見理想的に見える夫婦と赤ん坊。中年男性と喫茶店でアルバイトをしている娘。繊細すぎる心根を持った男と女。未亡人と青年と彼の彼女。彼らが直面する、理不尽でもあり、至福でもある「愛」のカタチを、天童荒太は大きなやさしさを持って見事に描き出している。
あふれた愛 Amazon書評・レビュー: あふれた愛より
408774373X
No.2
(5pt)

心に染み入る言葉の数々

4つの話は、あまりにも私の感覚に近いという点で衝撃的だった。まるで自分が主人公になったかのような錯覚に陥った。と同時に、私のような生き方でもいいんだ、と少しだけ自信が持てたのが嬉しかった。『やすらぎの香り』のように、「何も言えなくても、無理に何かができなくても・・・いいんだ。なんとか、やっていける。(後略)」そう、自分に言い聞かせながら、一文字一文字かみしめるように読んでいった。天童荒太さん、心の安定剤をどうもありがとう。
あふれた愛 Amazon書評・レビュー: あふれた愛より
408774373X
No.1
(5pt)

感情移入して読める作品です。

本書に掲載されている4つの作品はいずれもどこにでもいそうな普通の人たちの日常を書いている。しかし、普通と違うのは彼らがいずれも葛藤していることだ。それは人間関係に対してであったり自分自身に対してであったりもする。誰もが一度はこれに類する葛藤を味わったことがあるであろう。人間の愛と愛することの重さについて改めて気づかせてくれる小説です。
あふれた愛 Amazon書評・レビュー: あふれた愛より
408774373X