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遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?
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遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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猟奇的なタイトルに不思議な魅力を感じて、どんな内容なのか興味がわき、中古本を注文した。読んでみて確かにこのタイトルが一番内容に合っていると納得した。稀代の連続殺人犯の唯一の不可解な犯行という設定も楽しめた。しかしいくらなんでも警察の捜査がずさんすぎるところがマイナスかと。 | ||||
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「作品タイトル」と「平凡な名前の強調」から真相は見抜きやすいと思います。 (個々のアイデアは珍しくはなく、デビュー作と比べて組み合わせ方も雑です) 残念なのは登場人物(犯人・被害者・警察官・取材者)に魅力が感じられず、 (特に前作にも登場した刑事が単なる無能悪徳警官に見えてしまうのが残念・・・・・・ 作者的には「癖はあるが有能なベテラン刑事」としたかったようですが) また「お偉いさんが介入・隠蔽しようとしたこと」の内容からすると 犯行云々とは別に佐藤誠に監視がつく(あるいは消される)可能性が高いのではないでしょうか? | ||||
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読みやすく、話の展開が良く、一気に読んでしまいました。 月島探偵の話も読みたいですね。 | ||||
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詠坂雄二氏のカッパワンからのデビュー作であるリロ・グラ・シスタに続いて光文社から出した2作目である。 綾辻氏が絶賛したデビュー作も大胆な仕掛けが施された意欲作であるが、やや小説自体としては面白みに欠けるきらいもあったが、2作目の本作では仕掛けと小説としての面白さがしっかり盛り込まれている。 デビュー作からはガラリと作風を変えて、サイコパス犯罪者のルポ形式というギミックが施された意欲作である。 80人以上を殺害したという主人公の設定がセンセーショナルだが、決して社会派とかリアル志向のミステリーではなく、あくまで本格ミステリーのWhyダニットを追求した氏らしい大胆な試みの作品となっており読み応えは満点である。 解説にもある通り、やや雑な所もあるが、それが却って歪な魅力ともなっている。 詠坂氏の作品としては真っ先に読むべき代表作と言えるだろう。 | ||||
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あまり期待せずに読んだのだが、当たりの作品だった。物語は徹底したドキュメンタリー形式で展開し、最後の最後まで面白い仕掛けに翻弄される。そして、読み進むうちに創作であるはずの物語が次第に現実味を帯びて来る。 86件の殺人を自供した元有能な書店員の佐藤誠。佐藤誠が関わった遠海市の2件の異常な殺人事件の真相は… もちろん、ミステリーとしての仕掛けも見事であり、中盤からの意表を突いた展開に驚いた。本作が詠坂雄二の第2作ということで、今後も楽しみな作家である。 | ||||
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86件の殺人を自供したシリアル・キラー、佐藤誠の物語。 死体を発見されないように、完璧な証拠隠滅を図る手口で、事件そのものが発覚しない「完全犯罪」を成し遂げてきた彼が、なぜか、首を切断し、死体を残してしまい、証拠隠滅が不十分となった「遠海事件」。 実録小説形式でその事件を綴ったのが本作品です。 2008年発表。 犯罪学者が著す書物について、事件を描写する小説部分を、著者と同名の作家、「詠坂雄二」が執筆、各章には「コラム」が挟まれ、そこは犯罪学者が記述すると言う凝った構成となっています。 このような作品自体に趣向を凝らすところは、現代ミステリらしく、好印象です。 巻末には、本実録小説の「前作」とされる作品の広告(もちろん架空)が掲載されているほか、奥付の見開きページの右ページには、巻末資料「遠海事件に伴う佐藤誠の足跡」と言う年表が載っており、作品を読みながら見ると、かなり楽しめるのではないかと思います。 作品の中心は「佐藤誠はなぜ首を切断したのか?」と言う副題のとおり、その謎の解明へ向けて、ストーリーが展開していきます。 そこには、本格ミステリ好きが望む「合理的な理由」が提示されており、満足度の高い出来になっていると思いました。 ただ、説明が不十分ではないかと思える部分があり、その点がちょっと残念。 でも、全体的には、以前からミステリには多く取り上げられている「首を切断された死体(いわゆる首無し死体)」について、新機軸を狙ったものとして、著者の姿勢は評価に値すると思います。 本作品は、文庫化されていませんが、売れ行きはそれほどではないのでしょうか。本格志向の読者には、大いにオススメ出来る作品だと強く感じました。 | ||||
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86件の殺人を自供した佐藤誠。彼の犯罪は、死体を含めた証拠隠滅が徹底していた。しかしただ一件、佐藤を書店の正社員にしてくれた上司とその上司の八歳になる娘を殺害した通称「遠海事件」だけは例外だった。佐藤は、別々の場所にいた二人を殺害した後、それぞれの首を切断し、現場に放置したという。なぜ佐藤は、その事件に限り証拠隠滅をはからなかったのか?本作は、「猟奇殺人鬼の犯罪実録もの」といった体裁が採られているのですが、その構成によって、読者に首切断の理由を勘付かせないようにミスリードしているのが秀逸です(言ってみれば、倒叙形式で事件当時のことを描きながら、思わせぶりな記述をし、肝心のところはボカすという手法です)。また、事件の際に佐藤が用いたアリバイトリックも実に印象的。トリック自体は至ってシンプルなのですが、最終的な事件の構図が提示された後に思い返すと、作者の企みが、いかに巧妙であったかを理解することができます。ところで、本作は、作家の詠坂雄二(作中人物)が、事件を小説調に再現して書いたという体裁になっていますが、「はじめに」と「おわりに」、そして、主文の合間に挿入されるコラムの執筆者が誰であるかは最後まで伏せられています。結末でその名が明かされた際には、作者の大胆な人物造形と伏線回収にきっと唸らされることでしょう。なお、本作は、前作とリンクしているので、前作を未読の方は、まずそちらから読まれることをおススメいたします。 | ||||
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☆x4.5〜5(前作『リロ・グラ・シスタ little glass sister』に対する評価も低かったようだが、前作も含めて個人的には満足出来る水準にあると思う) 本書は2007年、 リロ・グラ・シスタ―the little glass sister (カッパ・ノベルス)で、KAPPA-ONE登竜門を受賞した著者による作品。前述の作品の続編ではなく、単独の作品となっている。 本作品は、86件もの殺人を告白し死刑になった、佐藤誠という人物が起こした殺人の中で、最も際立った特徴を持った遠海(=とおみ)事件を通じて、事件の真実、或いは彼自身に迫ろう、という意図のもと書かれた作品、という体裁を取っている。また、この作品の著者は犯罪学者で、それを小説家である詠坂雄二が文章を書く、しかもこの作品より前にもう1冊、同種の意図の下に書かれた作品がある(タイトルは「昨日の殺戮儀 yesterday's killer」勿論架空の小説で、実在はしない)、という設定となっている。 この小説内でのタイトルの遠海事件そのものの扱いは必ずしも大きくはない。むしろ単なるステップという以上の意味はないと思う。本書の前半は確かに、遠海事件(遺体の首を切断した連続殺人(被害者は二人))を警察が調査する過程を書いているが、これといった証拠が挙がらずに、1年ほどで捜査本部は解散、後に、別の事件で自首してきた佐藤誠が告白する…という構成になっている。そして、そこから先に、仕掛けられた様々な仕掛けが効いてくるという感じになっている。 前作においてもそうだったが、描かれている事件以外に、文章全体に仕掛けられた、もう一回り大きな仕掛けというのが、大きな特徴になっている。本作を実際の事件の犯罪実録小説という形を取っていることについても、その一つであるし、本の後ろに架空の前作「昨日のー」の架空の広告を入れるなど、その辺りの工夫、或いはこだわりが徹底されているのは、個人的には非常に好感が持てる。仕掛けられた数々の仕掛けのバランス感覚も非常に優れていて、最後まで楽しめる作品だと思う。 | ||||
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