福家警部補の挨拶
評判
福家警部補の挨拶の評価:
3.76/5点 レビュー 83件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全161件 41〜60 3/9ページ
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いろんな推理トリックや解決方法が刑事コロンボで見たのと同じ。なので事件解決まで読み終わったときは爽快感はなくて、なんかイロイロともやもや。
犯人を疑うきっかけが「幸運にも高価なギターは壊れなかった」という「白鳥の歌」だったり、犯人を追い込む決定的証拠が犯人しか知りえないカメラを自ら手に取る「逆転の構図」だったり。罪を被せるために容疑者のマンションに殺人の決定的証拠を隠したら、そこは実は他人が使ってるマンションで墓穴を掘る所は「権力の墓穴」かな?(しかもこの話は、真犯人が「奧さん殺した警察関係者」所まで一致。)密造酒を吊していたのが見えるのは犯行現場近くの死亡推定時刻の付近。つまり密造酒を目撃したあなたが犯人だは「祝砲の挽歌」。
ワインを愛し、ワイナリーと高価なワインを所持していたけど、相続人はそこを売り払おうとしていて、貴重なワインを守るために殺人を計画するのは「別れのワイン」。エアコンの不調が事件の鍵になる所も類似している。絵についてるはずのない指紋がベタベタついてるのは「二枚のドガの絵」。稀覯本に付くはずのない指紋をベタベタ付けるシーンはトリックに関係しなかったので、一応オマージュですまされるか。
コロンボを知らない人だと新鮮に面白い推理小説と思えるんでしょうけど、コロンボを知ってる人が見ると、「あ、これコロンボで見たのと同じ」になっちゃう。
それこそ仮に作者本人でさえも、過去作で出した推理トリックと同じネタを新作の中で披露したら、やはり相当の非難を覚悟する必用はあるだろう。(新刑事コロンボ「殺人講義」のトリックは違うが、オチは「権力の墓穴」と同じでガッカリした火とは多いだろう。)ましてやTVドラマのコロンボである。パロディというよりは、もはやパクリにしか見えない。そこがギャグと推理物との大きな違いだ。
他に推理物として見た時の難点は、偶然に頼る所があまりに多すぎるということですね。長年追い求めた稀覯本を入手できたその日が、「偶然」殺人する予定の当日だった。しかもその日に「偶然」エアコンが故障する。たまたま雨が降っていたくらいなら「運が悪い」ですむけれど、本を入手する日と殺人決行が偶然重なる確率は、いったいどのくらい低いんだろう。そこにさらにエアコン故障まで重なるとか、どんだけ呪われてるんだ。
前科者を事件の共犯者にして、マンションまで用意するのも無理すぎる。身分証明やら保証人やら用意することを考えると、いくらなんでも足が付くぞ。彼との関係を考えれば、ネカフェやカプセルホテル程度で十分だ。むしろそっちの方がリアリティが出る。
病的なヘビースモーカーもいるだろうし、滅多に売ってない煙草を愛用してる人もいるだろう。しかしそういう人間だったらつねにタバコを肌身離さず持ち歩き、予備の煙草の5個や6個は、自宅と職場の双方に鍵のかかる引き出しや金庫を置いて常にストックしておくだろう。家や車の中にはにはダース単位で在庫があっても不思議はないし、外出の際は常に1箱以上持っていることを確認するのが日常になっているだろう。普段からイタズラで隠されてるならなおのこと。タバコに強く拘るのにタバコとライターの確認を怠るのは、とても「甘い」気がする。
単独の小説として見た場合も、情景や心理描写がアッサリしすぎていると思う。「刑事?この浮浪者にしか見えない小汚い親父が?」「いやあのトリックに気づくとは、見かけほどマヌケではないのかもしれない」「まさかッ!あのトリックに気づいただろ?!」みたいな犯人の内心の変化について、もっと描写しないと緊迫感が出てこない。なんかまるでTV番組のセリフだけを抜き出して肉付けしたために、影像では説明する必要のない部分を説明し忘れてるような気分だ。