(短編集)

すべてが円くなるように

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評判

すべてが円くなるようにの評価:

3.88/5点 レビュー 8件。 B ランク

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平均点3.88pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全8件 1〜8 1/1ページ
No.8
(4pt)

極上の「招待状」

一見すると、真珠をモチーフにした女性たちの温かい短編集である。しかし、読み進めるうちに、この本が単なるフィクションの枠を超えた、ある壮大な「仕掛け」を持っていることに気がつく。

冒頭から「丸い」ではなく「円い」と表現される真珠。それは物理的な宝石を指すのではなく、時代や場所を超えて女性たちの人生を繋ぐ「縁」であり、暗闇を照らす月のような象徴として機能している。各章は独立した物語のように見えるが、実はキュレーターが計算し尽くした展覧会のように、最後の部屋(最終章)に向けて見えない糸で美しく繋がっていく。

特に印象深いのは、老いや記憶の喪失といった悲劇を、「自身が一番安心できる美しい世界への没入(恩寵)」として優しく捉え直している点だ。著者の美術や人間の営みに対する圧倒的な肯定感が根底に流れている。

そして最大の仕掛けは、この本が現実世界とリンクしていることだ。作中の『フェルメールとの約束』やミキモトの真珠の文脈を追ううちに、どうしても「本物の光」を見たくなり、気づけば私は現実で開催されるフェルメール展のチケットに応募し、ホテルまで予約してしまっていた。

これは小説の形を借りた、著者からの極めて美しく、抗いがたい「美術館への招待状」だ。アートの知識は不要。ただ物語に身を委ねれば、読み終える頃には、何気ない日常の風景がフェルメールの光を帯びて見えてくるはずだ。
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4344045599
No.7
(4pt)

これはこれで

少し物足りなさを感じなくもないが、これはこれで味わい深い。真珠が愛おしくなる短編集である。
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4344045599
No.6
(3pt)

う〜む、物足りない

真珠をキーワードに連なる、グローバルで様々な年代の女性達が主役のエッセイ風短編集。失礼ながら、へぇ〜ふーんと思っているうちに読み終わってしまいました。。とはいえ、真珠がテーマなだけに幸福感のあるストーリーばかりで読後感は良いです、

因みにこれまでのマハさんの作品はアート関連の有無問わずほぼ全て読んでいます。事前情報無しだと表紙がフェルメールだけに、お得意のアート小説の新刊出た!と飛びついてしまいそう。ミキモト絡みなのですね、、角田光代さんの帝国ホテルの短編集を思い起こさせました。お伊勢参りの際に鳥羽の施設を訪れたのが懐かしいです。
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4344045599
No.5
(5pt)

勇気と元気がもらえる本!

原田マハさんの短編集。私はなれないなあ、と、思えるような、ちょっと強い、ちょっと華やかな女性が主人公。いつもそうだけど、マハさんの描く女の人は、私に勇気をくれます。
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4344045599
No.4
(5pt)

真珠の秘密、真珠の哲学

私は正直に言うと原田マハという作家があまり好きではなかった。

にもかかわらず、この本を手に取ってしまったのは新聞の書評欄での紹介になにか引っかかりを覚えたからだった。引っかかったのの一つ目は、書評を書いたのが〝芸人”という肩書きの名前も顔も浮かばないヒコロヒーなる人物だったことだ。当然どんな人なのか本来なら想像もできないはずなのだが、彼(?)は違った。
「今の自分はどんな本を読んでも説教されている気分になる。自分を愛するとか知らねえよ、こんな劇的な出会いあるわけねえだろう、前向きに生きるとかやってらんねええよ、・・・と悪態をついてしまう」という短い書評文の冒頭を読んだだけで、通常のある意味気取った書評とは違って読み手の〝生の〟声が聞こえた気がした。次いで、私が嫌いな原田マハをなんでこの生の声が称賛することになったのか、私は思わず書評の続きを読んだ。

7つの物語からなる連作短編集であるこの本は、真珠の養殖と販売で有名なミキモトの公式HPでの連載を書籍化したものだということだった。だから、物語のモチィーフが真珠であるのは当然だった。
「真珠は貝の中に入り込んだ異物を排除するのではなく、自らを守るために真珠層で包み込み、それが何層にも重なってできるのだという。つまり異物を排除するのではなく、包み込むことで円くなっているのだ」という、引用なのか評者の解釈なのかわからない一節に、私は何十年も会えていなかった旧友にばったり出くわしたような気がした。

この「真珠の秘密」とも「真珠の哲学」ともいえる考え方というか感じ方は、40年以上に渡って私の中で引っかかり続けている。

ソマリア出身の女性ボーカリストのシャデーの「Parls」を聞いたのは、まだ学生の時だった。そのなかでシャデーは、故国ソマリアで虐げられ不本意な生き方を強いられている女に、自身の心情を仮託してParls(真珠)と題した一曲で「女は身体の中に一個の硬い石を抱えている」と歌った。

ついで今から12年前、作家の村上由佳は『ありふれた愛じゃない』を、
「真珠の輝きは、貝の苦しみから生まれる」
という一言から書き始めた。この作家は私より数年年下だけれど、若かりし頃私と同じようにシャーデーの曲に胸を震わせた経験を持つのだろうと予感してその一冊を読んだが、読んでみて、随所にシャデーの曲の含意が暗喩としてちりばめられていて、私の直感は間違っていなかった。

それで、いよいよ原田マハの『すべてが円くなるように』を読んだ。タイトルからしてシャデーから始まる真珠の真髄が通底しているのは明らかだった。
冒頭の一遍、「フェルメールとの約束」を一読して鳥肌がたった。これから読む人のために詳しくは省くが、書き手としての原田マハが、「真珠の首飾りの女」が代表作のひとつである画家に向かって誓わないではいられなかった思いを「約束」というタイトルに真珠の一粒のように凝縮した短編は、見事というほかない。
原田マハのことは嫌いだ、という前言は撤回しなければならないときが来てしまった。
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4344045599
No.3
(3pt)

短編は軽やかすぎて、濃厚なアート小説が読みたい!

これまで脳をフル回転させるような学びの多い「重め」な読書が続いていました。そんな時の、ちょっとしたクールダウンとして本書を手に取りました。

正直な感想を言えば、短編集という形式は、私には少し「物足りなさ」を感じさせるものでした。
原田マハさんのアート小説の真骨頂といえば、やはり史実とフィクションが濃密に絡み合う構成でしょうか。
あの、物語に引きずり込まれる没入感と、ページをめくる手が止まらなくなる熱量を期待して読むと、どうしてもあっさりとした印象を受けてしまいます。

『楽園のカンヴァス』や『暗幕のゲルニカ』を読んだときのような、あの「濃厚さ」がどうしても恋しくなってしまいました。

とはいえ、忙しい日常から離れて、さくっと気分転換をするにはちょうどいい一冊かもしれません。
アートに深い原田さんの視点は、日常の風景を芸術で彩ってくれますね。

さて、小休止はここまで。
次はまた、どっぷりと没入できる濃厚な一冊に戻ろうと思います。
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4344045599
No.2
(2pt)

消化不足

真珠をモチーフに女性たちの物語が書かれてる。が、どの話も、取材風景が作品の後ろにはっきり見えてしまう。小説に落とし込めてないし、浅いと感じる。これなら取材した場所についてエッセイの方が好かったと思う。ボリュームのわりに高い。
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4344045599
No.1
(5pt)

マハさん作家20周年記念。心に響く真珠の物語。

マハさんらしい作品。作家20周年の記念本。真珠にまつわる話です。いくつかのストーリーがありますが、全て真珠に繋がっています。一気に読んでしまいました。心が元気になる清々しい一冊です。
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4344045599