リッチ・ウォーターズ

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リッチ・ウォーターズの評価:

4.50/5点 レビュー 6件。 C ランク

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平均点4.50pt

Amazonレビュー一覧

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全6件 1〜6 1/1ページ
No.6
(5pt)

立ち直ったジェイソン・リッチの底力を見よ!

やっぱりこの作家、ただ者じゃない! デビュー作『ザ・プロフェッサー』に始まるトム・マクマートリーの4作の後、その教え子である黒人弁護ポーセフィス・ヘインズ2作と、胸アツ作品ばかり叩き出してきたが、久々の新シリーズである看板弁護士ジェイソン・リッチの最新シリーズが1作目は少し世界が変わったかなと危惧していたところ、今年邦訳された第2作『リッチ・ウォーターズ』が半端じゃなく面白い。リーガル・サスペンスという枠の中でここまで、様々なバリエーションを連発してくれる作家はいないと思う。新シリーズ第一作で登場したアル中ヒーローの弁護士ジェイソン・リッチが、第一作で立ち直り、第二作は厚みも深みも増幅して、凄いベージターナーぶりを発揮してくれているのだ。

 明日、上京してその2日後には、初めて赤道を南側に渡る。その旅で読もうという目論見だったがあまりの面白さに、今夜中に読破してしまいそうな勢いのストーリーに、改めて震えている。読書の快感ですな。

 ☆ちなみにこの作家のシリーズは繋がりがあるので途中から読むのは禁じ手です。本書も、1作目『リッチ・ブラッド』から読まないと損です。1作目はシリーズのイントロダクション的な雰囲気だし、アル中から脱し切れていない主人公ジェイソンが社会復帰するまでのイントロ的ストーリーで、キャラクターたちの運命の凄まじい変遷を原因と結果としてちゃんと味わうには、どのシリーズも最初から読んで100%の味わいとなるもの、であることをお伝えしておきます。
リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8) Amazon書評・レビュー: リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8)より
4094073558
No.5
(4pt)

集中しろ。自分のコントロールできることに集中しろ。

交通事故訴訟の専門弁護士は町じゅうに「看板(ビルーボード)」がたっていて顔をさらしています。東京近辺でいえばさしずめ「インプラント歯科」といったところでしょうか。アメリカのなかでも特に保守的なアラバマ州で、尊敬を集める保安官補が高校の同級生に散弾銃で射殺された、というショッキングな刑事事件の弁護を引き受けざるを得なくなります。なぜか覚醒剤密売組織を牛耳る男からの依頼なのですが、当然のことながら自分や家族への脅迫は続きます。

どうして自分に依頼が来てしまったのか、そして本当に被告が犯人なのか、ようやくアルコール依存症から抜け出した主人公の葛藤は真に迫っています。さらに次々と大切な人たちを亡くした喪失感とも戦いますし、自分以外にも依存症が蔓延しているという底なし沼状態にどっぷりつからなくてはなりません。

最後はやはり法廷対決劇になってほんとうの悪をあばくことができるのか、というお話です。主人公とは同世代と思われますので途中に挿入される「WWFプロレスラー話」「80年代のメロウな曲」がちょうどいいアクセントとなっていて、文庫本650ページを堪能しました。
リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8) Amazon書評・レビュー: リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8)より
4094073558
No.4
(4pt)

正義と良心

依存症・PTSD・威嚇との戦い、リッチの成長物語でもある。最後に ‘‘ウォーターズ‘‘ に込められた意味をしみじみ味わう。
リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8) Amazon書評・レビュー: リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8)より
4094073558
No.3
(5pt)

安定の面白さ

期待通りの面白さだった。
著者がうますぎるのがちょっと鼻につくけれど。
ボーが出てきたのには驚いた。
本当に脇役で邪魔しないけど、表現力があるのでまるでボーを見ているようだった。

リッチカッコいい(笑)
次作もあるそうなので楽しみだ。
リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8) Amazon書評・レビュー: リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8)より
4094073558
No.2
(5pt)

やさぐれ弁護士の孤高の訴訟闘争

個性的な虎狼のやさぐれ弁護士の孤軍奮闘物語だが前編を読むことをお勧めする。
リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8) Amazon書評・レビュー: リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8)より
4094073558
No.1
(4pt)

悪人たちは滅びても、<依存症者たち>は残る

本作品は、「リッチ・ブラッド」(2025/1月)に続く弁護士ジェイソン・リッチ・シリーズの新しい翻訳です。
 舞台は、アラバマ州、マーシャル郡。スポーツ選手として未来を絶たれた若者、トレイ・コーワンは、地元の保安官事務所の保安官補、ケリー・フラワーズを殺害した容疑で逮捕され、ジェイソンは彼の弁護を引き受けることになります。弁護の依頼をしてきたのは、<覚醒剤王>タイソン・ケイド。ケイドの脅しによって弁護を引き受けざるを得ないジェイソンでしたが、トレイにとっては多くの不利な証拠が積み上がり、トレイ本人も事件当夜については口を噤んだままでした。
 一方、保安官事務所の捜査官、ハティ・ダニエルズがその行方をくらまします。実は、ハティは、殺害されたケリーが違法行為に加担しているのではないかとの疑いから秘密裏に調査を行っていました。
 多くの<何故>が互いに共鳴し合いながら、事件は幾多の不幸を暴発させつつ進行していきます。勿論、スリラーですからその詳細を明かすことはできません。最大の謎は、トレイはケリーを殺害したのか?もしそうでなかったら、誰がそうしたのか?に絞られますが、見事な論理を展開する後半の<法廷>までいつものようにロバート・ベイリーはその手綱を緩めることはなかったと言えるでしょう。 
 また、前作に引き続き、今回もまた<アルコール依存症>のジェイソンを筆頭に幾人かの依存症者たちが苦難を背負いながら登場します。手に負えない多くのことを手放すことができない依存症者たちにとって必要な<平安の祈り>(ニーバーの祈りとも呼ばれていますね)。
 ジェイソン同様、かつてのジェイソンの恋人、チェイスもまた薬物への欲求を止めることができません。チェイスは、「ザリガニの鳴くところ」(ディーリア・オーエンズ)の沼地の少女に似ていたというのに(p.94)。
 悪はどこにでも存在し、それらがいつかは滅んだとしても、依存症者たちの心の奥底に残る、悪しき心が滅びることはありません。それほど、<依存症者>たちの回復への道筋は険しい。このシリーズは、そのことを或る共感を抱かせながら描写し続けています。深い敬意を覚えます。
 決して<依存症>であることを認めない(12ステップ・プログラムに於けるステップ1)依存症者たち、その予備軍たちにとってもまたここで描写される不幸はフィクションの中だけに止まるものではないことが認識できるでしょう。
 今回は、リーガル・スリラーを離れて<依存症者たち>に思いを馳せることになりました。
 <ニーバーの祈り>
 「神様、私にお与えください。自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを。変えられるものは変えていく勇気を。そして、二つのものを見分ける賢さを」
 ◻︎「リッチ・ウォーターズ "Rich Waters"」(ロバート・ベイリー 小学館文庫) 2026/1/10。
リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8) Amazon書評・レビュー: リッチ・ウォーターズ (小学館文庫 へ 2-8)より
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