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(アンソロジー)
●●にいたる病
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●●にいたる病の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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| 我孫子武丸の「殺戮にいたる病」は既に読了済み。著者名、タイトル共に確実に記憶は有るが内容が一切思い出せない。 改めてレビューを見ると、2020年8月に星二つで投稿していた。星二つと言う事は大して面白くなかったと言う事だろう。 本書は、そのタイトルを使って “殺戮” 部分をそれぞれの作者に委ねた我孫子武丸を含む6人の作者による短編集。 アンソロジーと言っているが、あくまでもタイトルを「●●にいたる病」とし、●●部分をそれぞれの著者が埋めるだけなので、テーマを特定しているかどうかは読んでのお楽しみ。 ◇切断にいたる病 我孫子武丸 ★★☆☆☆ 猟奇殺人。親のネグレクトから逃げ出す為に上京しAV女優となる。ついたファンがストーカーとなり、女優と自分は相思相愛と勘違いしてしまう。 まぁ、上手くまとめたなと言う感じ。人によっては驚きの結末だし、人によっては「だから?」となるかも。 ◇欲動にいたる病 神永学 ★★★★☆ 中学校で起こった恋愛感情のもつれによる、同級生が同級生を刺し殺した事件。 担当した刑事目線だが、何故その刑事の過去の話しが出て来るのかな?と思っていたら見事に本筋に結び付く。 推理しながら読むタイプの人だと、途中で結末がわかってしまうかも。自分は「やられたっ!」感を味わいたいので、推理しないで読む。その点で「なるほどっ!」と思わせてくれたので高評価。 気になったのは現場を案内した女性教師のセリフ。中学生の男女交際なんてイマドキ普通じゃん?と思い、このセリフには違和感があった。結末でその違和感は消え去ったが、結果として結末を予感させるセリフだったので星を一つ落とした。 ◇怪談にいたる病 背筋 ★★☆☆☆ 映画好きが高じて大学の映研に入り、そこで知り合った先輩男性との同棲生活。撮る側の先輩のロケハンに同行したが、そこで吹雪に遭って5日間も閉じ込められてしまう。 最初から最後まで楽しく読めた。オチもそれなりに面白い。しかし救助まで5日間と言うのが評価を大きく下げた。雪山に閉じ込められているので、雪を溶かせば水分は補給できる。水分さえ補給していれば一週間以上は生命が維持出来る。ここのリアリティさが欠けていたので評価を下げた。 ◇コンコルドにいたる病 真梨幸子 ★★★★☆ “禁談社” から届いたメールを見て「おれは正直、困惑した」らしい。勿論、ここでの “おれ” は作中の人物。問題は何故困惑したかなのだが、この困惑した理由が本書のレビューを書く妨げになっている。要は本書全体のネタバレになってしまうからだ。だから真梨幸子のレビュー以外も「オチが」とか「結末が」と曖昧に書いて居るのも、全てはこの「困惑」に起因する。 “禁談社”の編集者からの依頼を受け “おれ” は指示に従った内容の作品を書き上げるが、ダメだしをされ書き直しとなる。結果6回も書き直しとなるのだが、その6作品全てが作中作として書かれている。 短編の中に6つもの短編を入れられるのも凄い(しかもダメ出しなので、全く違った内容の短編にしている)し、それら全てが “おれが困惑した” 内容、つまり編集者が指定したスタイルになっているのは凄いと思った。 ◇拡散にいたる病 矢樹純 ★★★★☆ この「拡散にいたる病」だけは、収録されている他の著者の作品とスタイルが異なっている。他の4作品と違ってホラーなのだ。 正直ホラー小説に興味は無いし、読みたいとも思わないのだが、本作は面白かった。 この作品だけは短編集に収録される短編では無く、一冊の本として中~長編に練り直した方が良いのでは? ◇しあわせにいたらぬ病 歌野晶午 ★☆☆☆☆ 本書は我孫子武丸の著書ありきの短編集。内容はそれぞれの作者に任せているが、全て「●●にいたる病」するのがルールのはず。それを一人だけ「いたらぬ」にしているのは駄目だと思う。本家本元の我孫子武丸がやるのなら、かえって面白いけど。 本作もまた、他の著者の作品とスタイルが異なっている。強いて言えば「良治」がどんな人物かと言う点で、 “そのスタイル” にしていると言えなくも無いが。 内容は老々介護。自身も介護のサポートをする為に結婚できない孫娘。身内内での介護だけでは無く外部の介護サポートも受けているが、その外部の介護を担当している人もまた、介護を受ける祖母と同年代。 何気に現代日本の様々な問題を象徴するかのような登場人物にしている。それ故、問題提起としては大事だが、小説としては重苦しい。エンターテインメント性は無い。 スポーツ選手などが「家族の為に頑張った」とインタビューなどで言っているが、反対に「家族の事が原因で・・・」と言う不幸も多い。 本人に問題が無くても、家族が原因で「先行きが不安になる」。だからいつまで経っても「しあわせには至ら」無い。でも、病では無い。 単独作品だったらもう少し評価は上がったが、アンソロジーとしては載せてはいけない作品だと思う。 | ||||
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| 最近よくある、テーマしばりで競作させるアンソロジー。黒猫シリーズとか、講談社は こういうの好きですね。本作では、我孫子 武丸の「殺戮にいたる病」からタイトルしばりというお題に6人の作家が挑んでいる。しかし、タイトルしばりというのはしばりとしてはかなり緩いですね。その緩いしばりさえ守ろうとしない歌野晶午は論外として、その他の作家さんたちもあまりしばりを意識することなく自由に執筆しているようです。なので同じテーマで書かれた作品集という印象はあまりなく、テーマのない普通のアンソロジーという感じがします。 一番 お題に忠実なのは、我孫子 武丸 御本人かな?まぁ、自分を主役とするアンソロジーですから手を抜くわけにはいきませんよね。「殺戮にいたる病」同様の叙述トリックで、本書の趣旨を最もよく理解していると思います。神永学、背筋も叙述トリックを意識して書いているが、背筋のは少し無理があるかな?笑いに逃げた感のある真梨幸子 以下の御三方は、お題など気にせず 自分の作品をものしただけですね。テーマにしばられて 駄作を書くよりはましかもしれないので 一概に否定はしませんが、この本を企画した編集部の意図からははずれているのではないでしょうか? | ||||
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| 神永学の欲動にいたる病は辻褄があっていない気がします。 | ||||
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| ワクワクドキドキが止まりません。 | ||||
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