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お別れの音



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【この小説が収録されている参考書籍】
お別れの音
お別れの音 (文春文庫)

お別れの音の評価: 4.50/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(5pt)

表現力の妙

某大手新聞の夕刊に青山七恵さんのエッセイが時々載っていて、失礼ながらそれまで青山さんのことを
知らなかったのですが、それで気になってこの度青山さんの作品を読んでみました。
普段何気なくやり過ごしてしまう時の流れの中に存在している、人の気持ちの機微、揺れ動きを捉え、
文字で表現し、ひとつのストーリーに仕上げています。
それぞれの作品は、共感するところあり、意外性を感じるところありで、そしてほのかな余韻を残して
静かに終わります。
映像ではなく文章であるがゆえに、読者各々がそれぞれの光景を頭の中に思い浮かべ、思い巡らすことができるという特性を存分に知り尽くし、表現の技を駆使する、その巧みさを楽しむとともに、感心しました。
本書の中で自分が好きな作品を敢えて選べば「ニカウさんの近況」と「お上手」です。
「ニカウさんの近況」は実際に自分にも同じような経験があり共感したのと、ラストの夜の光景が
美しい情景として頭の中で思い浮かんだからです。
「お上手」はラストの、主人公の心の動き(と行動(言葉))と、男の態度の対比が鮮やかな余韻を残したからです。
お別れの音Amazon書評・レビュー:お別れの音より
4163295801
No.1:
(4pt)

出逢う前から

ちゃんと「知り合って」もいない内に、「お別れ」の時が来てしまう事がある。
「お別れ」と言うよりも「出逢う事」を断ち切られた、若しくは断ち切った音がする、そんな話が多かった。
 
その人への興味を妄想の中だけに留めておけば、「お別れ」の音は聴こえない。
現実にその誰かに干渉した時に、その音が聴こえてしまうのだ。
そんな瞬間は、誰の人生にもあるだろう。
 
その時にフジクラさんみたいに(彼女が本心から言ったのかは分からないけれども)
「もっと喋っておけばよかった」と、思ったり思わなかったりしながら、日々は続いていく。
しかし気になった人との、お互いをよく知らないままの別れは、いつまでも纏わりついて離れない。
どの話もさらりと読めるけれど、最後に収録された話を抜かすと読後は印象ほど軽くはない。
お別れの音Amazon書評・レビュー:お別れの音より
4163295801

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