めぐり糸
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夏目漱石『三四郎』に、「pity is akin to love」(可哀想だった惚れたってことよ) と与次郎に云わせる場面がある。作品は、小唄のような節回しで語れるような物語 ではない。女の執念の深さを見せつけられる。なぜ、執拗に一人の男を想い、追って いくのか。いまの幸せに満足できないのか。 日常の男女にありそうな、いや、非現実的な物語だ、様々な読み方があろう。 「愛」とはなにか、「憐み」とどうちがうのか。「女の一生」を一人舞台で語る。 聞き役は、「泣いているあなた」と「読者」である。 語り手の正式な名称はない。老年を迎えた女性が「織ってきた人生」をほぐして いくお話。 東京に向かう夜汽車で、若くて泣いている「あなた」に、自分の幼年時代から現在 (おそらく還暦前くらい)までの、過去に溜めた「なみだの壜」から思い出を語りだす。 1945 年 9月、疎開先の静岡で生まれた「ちいちゃん」である。一人称の視点で語る、 彼女の姓名は明確ではない。 幼年から老年まで、五人の男、祖父、父(実の父かどうかわからない)、哲治、 英而、徹雄と、実の母に囲まれた世界で人生を歩んでいく。 九段の実家は、芸者の「置屋」で「料亭」でもある「八重」である。ちいちゃんの 運命的な「糸」は、近所の「鶴ノ屋」にいる哲治。 高校を卒業し、最初の夫、英而と幸せな結婚生活を送るが、事業の失敗から借金生活 になり、「僕たちの愛は不可能な愛なんだ」といわれ離別する。 二人目の夫、徹雄と「ただここにある、ほんのわずかな優しさ」を求めて結婚する。 雪子という娘にも恵まれ、幸せを噛みしめる。 しかし、「こんな幸せが長く続くはずがない」と不信感が絶えず浮かんでくる。 この不安の根底には、いつも哲治がいる。どうしても忘れられない。小学校のとき 海水浴場「長者ヶ崎海岸」で、哲治と死んだ蟹を埋める。「一度波にさらわれたら、 一生海の中で生きることになる」と哲治に云われる。哲治という海に引きずり込まれた 彼女。彼女自身の「運命」という様々な「糸」にまとわりつかれた人生を送っていく。 淋しく、哀しく、せつない人生行路である。母からは「あたいは忙しいのよ」と ろくに話し相手にもなってもらえず、哲治からは「あんたもう帰ってくれよ」と何回も 罵られ、英而からは「僕にはきっと君の字が読めないよ」と冷淡に突き放される。 祖父から疎まれ、父からは、英而との間に「子供を作らない」条件で金を借りる。 彼女を取り巻く人間の無関心、無感動。 それでも、幼馴染の哲治をどこまでも追う。 彼女の生きてきた証のため、自分の せつない白紙のページを埋め、落丁を補うため、「沈黙」の哲治を頼る。 哲治の「沈黙」「寡黙」な性格と、彼女の「饒舌」が作品のページを牽引する。 夜汽車で、優しさの象徴である徹雄と雪子の待つ東京へ向かう。「ちいちゃん」は どこに自分のよりどころを求めるのだろうか。「糸」はどのように織られて行くのか。 | ||||
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物語前半はとてもよい。 主人公が大人になってから途端につまらなくなる。 主人公にとって不可思議な運命の糸の相手である哲治が、 魅力的に書かれていない。 そのため、主人公の行動に全く共感出来ずイライラしどうしだった。 青山作品の中では読後感が飛びぬけて悪い気がする。 | ||||
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母に買ってと言われて購入。面白かったそうです。amazonはすぐ届くのですごい。 | ||||
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