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火天風神
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火天風神の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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今回の大型台風の最大瞬間風速を見て、真っ先に思い出したのがこの小説です。 十数年前に読んだ時には、そこまでの台風が日本に直撃することがあるのかなぁと思いながら読みましたが、このところの気象異変であり得る事がわかりました。 題名から本の装丁が風神雷神図屏風かと思い込んでいましたが、新潮文庫のこの赤い炎の装丁だったんだなと納得。 中身についてはかなり昔のことで、ほとんど忘れていますが、犯人と対峙した時の突風の描写を朧げながら思い出しました。 一気読みした記憶があります。 本の内容のレビューじゃなくてごめんなさい。 | ||||
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海辺のリゾートマンションに様々な背景を持った人たちが逗留したところに、すさまじい台風の直撃を受け、様々な出来事が起こる話です。若竹七海らしく次々とトラブルに巻き込まれ、満身創痍になるのはいつものパターンです。登場人物のそれぞれの背景についてもうまく描かれていて、興味深く話が進みます。 しかし、背景がきちんと描かれていた人物が何人も非常に早い段階でいなくなってしまいます。また、途中で死体が出てきて、ミステリーの要素も含めた話になってゆきますが、正直このエピソードは必要だったか疑問が残ります。このような長編は様々な登場人物が複雑に絡み合い、思わぬ過去のつながり等の秘密が明らかになりつつ一気にクライマックスに向かうパターンであると思いますが、無駄なエピソードが多い気がしました。 | ||||
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ハリウッドのパニック映画になりそう。 猛烈な台風に高波、火災、そして…火天風神に“鬼”も追加して欲しい。 また、暴風雨のせいでない濡れ場もあり。若竹作品では珍しい…というより私が読んだ中では初めてかも。ますます映画向き。 非常時に人の本性が出るというが、見たくない/見せたくない顔が出てしまうことがあるだろう…人間だもの。 それでも、修羅場で恐怖と闘いつつ、誰かのために動ける人ってやはりすごい。 この小説の中でそれができた人たちは、この経験が次なる飛躍に繋がったようだ。それができなかった人たちにも何らかのターニングポイントになった思う。 一気に読み終えて、死体の謎が残った。警察の説明が納得いかない。再度読み直したい。 【追記】 杉田さん画のカバーが欲しくて光文社文庫を漸く入手…高かった。我ながらマニアックぶり恥ずかしい。 さて、新潮社文庫のカバー写真、炎と思っていたが、赤い加工を施した高波。暴風雨で怒り狂った波とともにやはり燃え盛る炎のイメージ。光文社版は海辺を二人(叔父と甥か、大学生カップルか…前者だと思う)が歩いている。一見穏やかな風景だが、暗雲が立ち込め、風がかなり強くなっている。嵐の前だろう。砂浜の黄色が効いている。 解説は新潮がミステリー評論家の方、光文社は編集者の方。それぞれの視点で書かれていてどちらも興味深く読んだ。 | ||||
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ある欠陥があるマンションに、ある理由で閉じ込められてしまった人々。 台風と火災、そして迫りくるもう一つの災難。 前半からいともあっさり死人がでてしまい、誰がいつ死んでもおかしくない極限状況が延々と描かれる。 いやあ、怖かった。怖いです。 終盤にちょっとした清涼感のあるエピソードが添えられています。 「八月の降霊会」も怖かったですが、これもすばらしくおそろい。(ほめている) | ||||
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若竹氏の90年代前半の初期の作品で、台風がリゾートマンションを直撃し、その中での様々な人間模様をサスペンスタッチで描いた異色の長編作品である。 基本は台風に襲われて阿鼻叫喚のマンション内での脱出劇がメインであるが、完全にパニック小説という訳ではなく、ちょっとした叙述トリックによるサプライズ的趣向と、ホテルの一室で発見される謎の死体を巡ってのエピソードなどミステリ趣向もちょっとだけ盛り込まれており、パニックものとしてもミステリーとしても楽しめるような作りになっている。 文庫版で500ページ弱あるが一気に読ませる展開は見事である。 | ||||
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これは恐ろしい。 けっこう長い本なのに、迫力に引きずられてページを繰る手が止まらない。 途中は迫力に鷲掴みにされたままショックの連続。 読み終えて長い吐息をホーッと吐く感じ。 体や心が疲れている時の気分転換、というわけにはいかないかもしれない。 とくに感情移入しやすい人、想像力豊かな読者は止めた方がいいような気がする。 うっかりすると登場人物だけでなくこちらもやられてしまう。 物語のタイプとしては、いわゆるパニックものだから、決して珍しいわけではない。 大きな事故とか災害があって(ここでは台風)、 それに巻き込まれた人々の不安や恐怖、苦しみと戦いを描くというものだ。 私自身も『タイタニック』などのパニック映画でお馴染みである。 しかしその類を小説で読むというのは初めてだったかもしれない。 ある意味映像よりも言葉のほうが怖い。 しかもこの作者、なまなかの腕ではない。 磨きぬかれた激しい言葉の群れが、それこそ嵐の波風のように絶え間なく押し寄せるのだ。 ここでの脅威は首都圏に襲来する史上例を見ないほど凶暴な台風である。 そしてたまたま三浦半島のリゾートマンションに居合わせた人々の様子が描かれる。 もちろん嵐の猛威も凄まじいのだが、 それに絡めて描かれる人間模様の修羅場がすごい。 さらには犯罪に至るまで、これでもかとばかりに嵐が吹き荒れる。 ちょっとやり過ぎという受け止め方もありそうだ。 しかし感心するのは、これだけ詰め込みながらそれを巧みにさばく作者の手腕である。 登場人物たちの人生にしても、よくこれだけ集めたというような素材を それぞれの細部をゆるがせにせずに丁寧にしっかりと描ききる。 解説によれば、作者は人間のエゴを描くのが巧いのだとか。 これがなかなか辛いわけだが、もちろん面白い部分でもある。 また同じ解説は、それでもこの作者にすれば後味が良い終わりだとしている。 当然ながら、困難に直面した時には人間の弱さ醜さも露わになる一方、 希望や救いと思えるような人間の強さや魅力も現れてくるのだろう。 当たり前のようだが、その両面をあらためて感じさせられる。 この頃大きな災害事故が続く中で、 フィクションの中だけでこれを知ることができるのなら それは喜ぶべきことなのかもしれない。 題ではちょっと損をしているような気もしたが、 あるいはそこに込められた思いにつながるものだろうか。 ところで作者はそもそもミステリーの作家で、 いろいろ仕掛けにも凝っているようだが、 解説が指摘するちょっとしたトリック、 私は途中では気にしていたのに読み終わる頃にはすっかり失念して すっかりやられてしまった。 他の皆さんはどうなのだろう。 | ||||
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トラブルがさらなるトラブルを生むというパニック小説なのですが, 次々に起きるトラブルが無理なく繋がっていく様子は気持ちがいいほど. またパニック時における人間の醜い姿なども目に浮かぶほどリアルです. そこへトラブルの外からまったく別のミステリが仕掛けられていて, これがさらなる被害を与えるなど終わりの見えない展開に緊張の連続. 何人かは死んでしまいますし,生き残った人にもしこりが残るなど, ハッピーエンドでないラストも事件の生々しさを残していてよいです. ページ数はちょっと多めですが最後まで息の抜けない作品です. | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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スピード感があって、どんどん読めてしまいました。台風の中、ただそれだけでも大変なのに、いろんな人間関係&事件があって。先が読めなくってドキドキしてしまいました。なんだか新鮮な感じのスリルを感じました。こんな小説があったんだっていう新発見です。是非読んでみてください。 | ||||
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