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機械仕掛けの太陽
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機械仕掛けの太陽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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良くできた内容で読む価値有ですが、「コロナをめぐるストーリーは大変勉強になりましたが、 *ワクチン絶対主義には、疑問を感じました(完成されたワクチンとは思えないからです)」 | ||||
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タイトルにもある「機械仕掛けの太陽」とは新型コロナウイルスの事である。 ただ増殖することだけをプログラミングされた感情を持たぬ機械……だから機械仕掛けということらしい。 武漢でパンデミックが発生した辺りから、第6波が収束するまでの現代日本を舞台に、3人の医療従事者の視点でそれを追っていくという形式だ。 ダイヤモンドプリンセス号での感染拡大、志村けんのコロナ感染、医療従事者を応援するブルーインパルス、ワクチンの誕生……。他にも著名な人物や組織が実名で出てきたりする。 この2年間を振り返って「ああ、そんなこともあった」とおさらいが出来るだろう。 たまに知らなかった事も混じっていたので、そこは勉強になった。 作者もまた医者であるため、院内での描写は非常にリアルだ。 病棟内を戦場になぞらえ、終わりのない「戦い」に心身削る医者や看護師の姿には心打たれる。「戦友」との離脱はとても悲しそうだし、復帰するとまるで戦争映画での再会シーンみたいに凄い喜ぶ。 (今でも「戦場」で「機械」と「戦う」医療従事者の皆さんには頭が上がりません) そしてコレが今も猛威を振るっている新型コロナウイルスであることから、小説であり架空の話である筈なのだが、まるでドキュメンタリーもののようなリアリティを与えている。 まるで現実世界のどこかの病院を切り取ってそこで起きたことをそのまま本にしたような感じだ。たまに顛末の語られない患者が出てきてヤキモキすることもあるが。 ……だからこそ小説としての「架空」の部分が気になってしまう。 本来ならフィクションにはそういう部分がつきものであるが、本作の世界観はなまじ現実世界と強固にリンクしてしまっている以上、どうしても悪目立ちしてしまうのだ。 ネタバレになるので詳しく言えないが、とある登場人物の家族設定がかなり出来過ぎているし、主人公の一人が周囲の人物の一言でコロコロと考えを変えてしまうわ、その恋人があからさまにコロナ渦にふさわしくない行動をこれでもかと繰り返すわ……等々。 そして何らかの形で主人公と仇なした人物は、大半が本人または本人に近しい人がコロナに感染して後悔して主人公たちと和解しようとする……。 これでは「機械仕掛けの太陽」ではなく「機械仕掛けの神」である。血の通ってないキャラクター達は作者の意見を語らせる機械にさえ見えてしまった。 今も収束してないウイルスの話ゆえに仕方がないのだが、物語のクライマックスがどこなのか分からないのも評価を下げる。 勤務してた院内でクラスターが発生した、過激な反ワクチン集団が病院に押し掛けてきた(戦闘シーン付き)……と山場らしいものはあるのだが、恐ろしいほどに淡々と事態が解決してしまう。 この時の主人公達の長めのセリフこそが作者の心の叫びなのだろう(いつもTwitterで妙な絡まれ方してる作者の心労が心配である……)。 医療現場の逼迫具合を書きたかったら無理に主人公を3人に絞るのではなく、それこそ「この時期のこの病院で○○な事態が発生してそこに勤務する○○が……」と短編のオムニバス形式にした方がよかったのかもしれない。よりドキュメンタリー色が濃くなるだろうし。 無理に主人公を3人に絞ってしまい、空白のシーンも多いのも影響して、急に登場人物の言ってることが変わってしまう事もあるのでその辺りも不自然に思えた。結局この3人が同じ場所で共闘するシーンはまるでないし(2人ならちょいちょいある)。 人物の描写には色々と問題があったが、院内で起きてることの描写は迫真的であった。コロナ感染にまつわる様々なシチュエーションが書かれており、それをどう乗り越えていくのかは非常に丁寧に描かれている。この辺りは医師として尽力しつつも小説家としても活動する知念氏でなければ書けなかっただろう。 総じてコロナ渦での院内での情景描写に特化した作品と言える。ワクチンの是非や医療業界以外でのコロナの影響についてはほとんど語られていない分、こちらに極振りしたといったところであろう。 完全に余談だが、作中で明らかに作者自身をモチーフにした登場人物が出てきたところでクスリとした。 | ||||
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どこまで行っても医療従事者目線で描写した小説のため、パンデミックが社会全体に与えたインパクトを俯瞰する小説を期待したら肩透かしになるかなと思いました。 また、医療現場で起きた事柄を各メインキャラの境遇なりセリフに当てはめて物語が進行していく筋書きが、状況を描きたいのか?キャラを描きたいのか?の主軸が曖昧になってしまったように感じられます。 以下気になった点の雑感 ・医療従事者目線であるなら、初動対応で貢献を果たした自衛隊中央病院に関しても言及があって然るべきだったと思う ・彼らも戦っていたというありきたりな言葉で総括はされているが、地獄を見たであろう保健所職員,救急隊員目線のエピソードが無いため、彼らの貢献に関しても具体的に語られるべきであったと思う。 mRNAワクチンの早期大量確保という政治的決断を引き出した名もなき功労者が居たことに対しても同様 ・著者が最前線で対応に当たった医師である以上、Go To政策に対し終始批判的な論調で描かれているが、一方当時は観光産業とそれに付随する関連業種が壊滅的な打撃を被っていたこともまた事実であり、何のインセンティブも無ければ現状そういった産業がどうなっていたかわからない以上、一元的な論調はいかがなものかと ・メインキャラの恋人として配置された「当初は理解のないカレくん」はフィクションとはいえあまりにコテコテなキャラ付けだったと思う 未だ収束の兆しも見えないコロナ禍ではありますが、いつか社会全体へのインパクトを総括したドキュメンタリーで振り返れる日が到来することを待ち望みます。 | ||||
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それ以上でもそれ以下でもない。原作者のツイートを見れば本書と連動させた構造がわかるでしょ? | ||||
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