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梅安影法師: 仕掛人・藤枝梅安6
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梅安影法師: 仕掛人・藤枝梅安6の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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第六巻は前作の余韻が続きます。前作で親玉の白子屋を退場させたはずなのですが、そこは世の中がいつも必要とする裏の組織、白子屋の残党との戦いが継続されます。案外、著者はこの辺でもう作品の幕切れを引きたかったのかもしれません。しかし人気作家はつらい稼業です。音楽は止めるわけにはいかなかったようです。 必然的にそのような状況下では作品にも大きな変質が生じます。もはや元締めから仕掛けを依頼され、その背景が細かく描写され、仕掛けのある程度の「正当性」が呈示され、それを様々な経過を経ながら工夫を凝らして実行に移すというこのシリーズの前半の基本的なパターンはどこかに行ってしまったようです。 仕掛け人梅安が実は仕掛けられる対象になってしまっているのです。梅安の正体や生活パターンのほとんどが他の元締めにはすでに明らかになっているのです。仕掛けに至ってしまった人間関係や世の中の理不尽といった背景はこの作品の本質的な暗さを「中和」「解毒」する重要な役割を果たしていたのですが、もはや作品の中のメーンの要素としては消えてしまいました。 そこに残るのはいわばやくざの間の自己目的化した終わりなき抗争といったところでしょうか。必然的にそれはやくざの間の「仁義なき戦い」へと変質し、仕掛けがもはや必要性のかけらもなくなり自己目的化し、スパイの送り込みが日常化し、本巻でも大きな役割を果たします。今回も、最終的に梅安は生き残りますが、それは意外な助太刀のおかげでやっとといったところでしょうか。結語も含めて、今回も著者の女性観が何回か示唆されるシーンが見受けられますが、これは結構強烈な池波正太郎の個性なのかもしれません。ところで面白い役割を演じる「藤七」ですが、今後登場するのでしょうか。 | ||||
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