プロジェクト・ヘイル・メアリー
評判
プロジェクト・ヘイル・メアリーの評価:
4.56/5点 レビュー 1,013件。 S ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1,013件 781〜800 40/51ページ
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プロジェクト・ヘイル・メアリーの評価:
4.56/5点 レビュー 1,013件。 S ランク
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以下のレビュー内容は、本書を読み終えた方のみ、目を通していただけたら幸いです。
予備知識なしで本書を読まれた方が面白いです。
以下、あらすじと私の感想です。
太陽エネルギーを食べ続けるアストロファージーの究明に向け、恒星タウ・セチに向かったグレースは、同じように危機状況にあっていた惑星エリドの異星人ロッキーと遭遇し、お互いに協力して自分たちの星を救う決意をします。
面白いと思ったのは、アストロファージーという未知の生命体は、太陽エネルギーを食べてしまう、地球にとっては有害な物質である一方、人間は、それを原子力のように、ロケットエンジンに利用しているところです。
銀河系の中で、何故、惑星タウ・セチだけが、光エネルギーがアストロファージーから守られているのか?
タウ・セチを廻る第三惑星エイドリアンに繁殖していた微生物がアストロファージーを食べていたからなのです。
この微生物を、グレースはテキトーに「タウメーバ」と名付けるのですが、本当にコイツは、いい加減な奴なんです。(笑)
著者は細かいところに笑いを入れているのです。
ロッキーがどこでグレースを裏切るのだろうという疑い(もしくは期待)を持っていたのですが、命懸けでグレースを助けたシーンから、それは絶対ないという確信を持ちました。
この任務は片道十数年掛かり、燃料も食料も不十分なグレースには、地球へ帰る運命は残されていません。
冒頭で、グレースに記憶がなかったのは、ストラッドが、任務を拒否するグレースを無理やりヘイル・メアリーに搭乗させる為に、健忘症を引き起こす薬を飲ませていたからなんです。
グレースは自分の意思でミッションを引き受けたわけではないのですが、ロッキーとの友情、地球に対する正義感などの人格を以て、任務を遂行していくのです。
そこが私にはどうしてもアメリカ人らしくないなって気持ちにさせるのです。
私には、グレースが日本人のイメージ、もしくは日本人クリエイターが描くキャラクターに思えてならないのです。
どうしても、私には、グレースとライアン・ゴスリングがマッチしないんです!(笑)(笑)
タウメーバがアストロファージーを食べてくれれば、地球は救われる。
グレースはタウメーバを地球に持ち帰ることで、彼の任務は終了となります。
ロッキーの十分なアストロファージー(ロケット燃料)の提供によって、、グレースは食料を節約しながら地球へ戻る決意をするのですが、持ち帰るはずのタウメーバが燃料として使われるアストロファージーを食べてしまったため、再び窮地に立たされるのです。
この物語で面白いのは、アストロファージーもタウメーバも、自分たちにとって必要なものであり、不必要なものでもあるのです。
人間にとって都合よく扱われていることに、不条理なユーモアを感じました。
キセノナイトという金属物質が登場するのですが、果たして便利なものなのか、便利でないものなのか、よくわからなかったりするところも、とても面白かったです。
抗生物質が人間の病気に及ぼす影響をヒントに、アストロファージとタウメーバの生きられる環境を、窒素の濃度を調節することでつくることを思いつきます。
必要な分量の調達に成功したグレースたち。
地球へ戻れる……。
そう思いながら、ふと振り返ってみると、同じように、アストロファージとタウメーバを積み込んで、母性へ帰還するはずのロッキーが宇宙の遥かかなたで立ち往生している。
合成されたタウメーバと天然のタウメーバの分離に成功して、宇宙船の危機を乗り越えたグレースだったが、ロッキーは問題が解決できず、ピンチの状態。
ここでグレースにとって、究極の選択が迫られるわけです。
①ロッキーを見捨てて地球へ戻る。
②ロッキーを助けに行く。つまり地球へ戻る燃料を使ってしまうので、帰還できない。
で、結局、グレースは、タウメーバだけ地球に送り、自分はロッキーを救出に向かうんですが、面白いのは、この後を描いた最終章なんです。
ここから先、最終章は非現実的な世界が待っているんです。
例えて言うなら「2001年宇宙の世界」で、ボーマン船長が土星の彼方で訪れたモノリス、スターチャイルドの世界です。
そこには、年老いて、53歳になった(見た目はもっと老化している)グレースが、惑星エリドの地球人には重すぎる重力に耐えながら、足を引きずり、生き残ったエリディアンたちと共存しているのです。
グレースは地球で子供たちを教えていたように、エリディアンの子供たちに授業を行っているんです。
グレースは地球に帰還できませんでしたが、彼は幸福な余生を送りました。
で完結します。
久々のSF小説でしたが、ベストセラーの理由がよくわかりました。
若い頃は、新スタートレックが大好きだったんですが、そういう人にとっては、本書はきっと楽しめる作品だと思います。
ビートルズ、ロッキー、プレデター、スタートレックの名称を織り込む著者のユーモアセンスは、とても面白いです。
それに加え、巻末の謝辞に書かれた、科学的描写を描くための貢献者への感謝の言葉に、現代だから可能だったと思えるリアリティ描写に、普段SF小説は読まない私にとって、斬新さを覚えました。