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(アンソロジー)

狩りの季節 異形コレクションLII



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【この小説が収録されている参考書籍】
狩りの季節(異形コレクションLII) (光文社文庫)

狩りの季節 異形コレクションLIIの評価: 4.75/5点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(5pt)

新しい素晴らしい作家との出会い

異形コレクションの魅力の一つに、知らなかった作家と出会える――そしてその作家が好きになる――ことがあります。
思い返せば、かつて小林泰三や田中啓文を始めて読んだのも、この異形コレクションでした。
そして今回出会えた作家は空木春宵。創元から作品が出たのは知っていましたが、まだ読んだことはありませんでした。
ところが、ベテラン作家や私がすでにファンになっている作家まで様々な作品が収録されている中で、一番私の好みで凄いと思ったのが、
この、空木春宵『夜の、光の、その目見の、』だったのです。
内容としては、次々に画風を変えて前衛的な作品を発表しながら、そのすべてが「夜」と「死」を感じさせるという謎の作家を巡る、絵画幻想ものです。
絵に関わる幻想要素も、それが導く現代的な問題を抱えた主人公の物語も、とにかく素晴らしかったです。

ちょっとずつ読んでいたせい――実はこの次の『ギフト』もまだ途中で、そちらにも収録されている空木作品までたどり着いていない――で、最後に収録されているこの作品にたどり着くまでにずいぶん時間がかかってしまいましたが、これから他の作品も読んでいくのが楽しみでしかたない作家と出会えたことに感謝。
狩りの季節(異形コレクションLII) (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:狩りの季節(異形コレクションLII) (光文社文庫)より
4334792715
No.3:
(5pt)

異世界のドアをあけて、しばし異世界に滞在した気分

アンソロジーは未知の作家に会えるから好きだけど、ホラーは苦手なのでこのシリーズは敬遠していた。でも、空木春宵の新作が入っているので読んでみた。
  どの作品も「異形」という名にふさわしく、独特の世界観で描かれた世界に没入するのが楽しかった。異世界のドアをあけて、しばし異世界に滞在した気分。
  私のベストは、野生の天使の不思議な話(「天使を撃つのは」)、ゲームと現実が錯綜する世界を描いた「ゲルニカ2050」、悲しいヴァンパイアの物語(「昼と真夜中の約束」)、コリン・ウィルソンの『殺人百科』を思わせる「キングズベリー・ラン」、そしてお気に入りの空木春宵の「夜の、光の、その目見の」。
 このシリーズ、他の作品も読んでみようかと思います。
狩りの季節(異形コレクションLII) (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:狩りの季節(異形コレクションLII) (光文社文庫)より
4334792715
No.2:
(4pt)

“狩り”と云ういつになくストレートなお題が作家達をイキイキとさせるようだ。

“狩り”と云ういつになくストレートなお題が作家達をイキイキとさせるようだ。勝家・罰当たりな珠玉。あるじ・鮮烈なイメージ!早夕里・擬態、狩られる側の正義。朔・不作法な殺戮、格式の贄。雅彦・なるほど…。ケイ・キャラに魅力。伊智・自立。修・能力ある怠け者。夢明・生々しい『エンダーズゲーム』練・女番長×インベーダー=未知への挑戦。晶・吸血鬼のハードボイルド!有紀・理性的なサディストと直情的な常識人。沙織・コロナの先に…ウィズ優しいミュータント。順丈・殺人は現象?春宵・飾り過ぎな文章、案外ありふれた結末。
狩りの季節(異形コレクションLII) (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:狩りの季節(異形コレクションLII) (光文社文庫)より
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No.1:
(5pt)

【異形コレクション】シリーズ五十二冊目は、期待以上に楽しめました。なかでも、上田早夕里、伴名 練、真藤順丈氏の短篇が、マイ・お気に入り作品ベスト3 です

帯に〈全篇新作書下ろし〉と赤字で大きく打たれていますが、実際、これだけの顔ぶれの作家たちの短篇新作を一冊の文庫本で読めるっていうのは、とても贅沢(ぜいたく)で、そうそうないんじゃないかと思います。
今回の【異形コレクション】シリーズ最新刊でも、まずは監修を務めている井上雅彦氏の「編集序文」から、わくわくしながら読み始めた次第。妖しい(怪しい)世界を覗いてみたい‥‥そんな読み手の気持ちをくすぐり、掻き立てる「編集序文」の中から、ちょいと引かせていただきます。

《宵闇色(よいやみいろ)に染められた異形の小説たちを、これからも、貪欲(どんよく)なまでに追求していきたい。そんな思いを込めて、また一冊。皆様に贈ることができました。(中略)──狩るものと、狩られるもの──。(中略)怪談、幽霊物語といえば、ここにも〈狩り〉が登場します。(中略)真理を求める科学者、真相を求める名探偵も〈ハンター〉なのです。(中略)現在のキャラクター小説でも〈ハンター〉は重要な位置を占めています。(中略)秘境とも言える物語の領域から集めた異形たちが、読者(ハンター)の追跡を待っています。探求(ハント)してください。物語の森の奥へ。皆様じしんの心の奥へ。それでは、狩猟解禁です。》 p. 8、9、10、11、12

今回集結した短篇作品は、次のとおり。
◆柴田勝家「天使を撃つのは」
◆黒木あるじ「哭(な)いた青鬼」
◆上田早夕里(さゆり)「ヒトに潜むもの」
◆清水 朔(はじめ)「贄(にえ)のお作法」
◆井上雅彦「赤いシニン」
◆霜島ケイ「七人御先(しちにんみさき)」
◆澤村伊智「えれんとわたしの最後の事件」
◆牧野 修「ブリーフ提督とイカれた潮干狩り(しおひがり)」
◆平山夢明(ゆめあき)「ゲルニカ2050」
◆伴名 練(はんな れん)
  「インヴェイジョン・ゲーム1978」
◆王谷 晶(おうたに あきら)
  「昼と真夜中の約束」
◆斜線堂有紀(しゃせんどう ゆうき)
  「ドッペルイェーガー」
◆久美沙織(くみ さおり)「夜の祈り」
◆真藤順丈(しんどう じゅんじょう)
  「キングズベリー・ラン」
◆空木春宵(うつぎ しゅんしょう)
  「夜の、光の、その目見(まみ)の、」

以上、十五人の作家による十五篇。
五十二冊目の【異形コレクション】の開幕のベル、鳴り渡り
狩りの季節(異形コレクションLII) (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:狩りの季節(異形コレクションLII) (光文社文庫)より
4334792715

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