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群狼の舞 満州国演義 三



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【この小説が収録されている参考書籍】
群狼の舞―満州国演義〈3〉
群狼の舞 満州国演義三 (新潮文庫)

群狼の舞 満州国演義 三の評価: 4.59/5点 レビュー 17件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.59pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

喝采がない。台本を結末まで読んで演技してる人のような作品。

満州国建国から始まる。だが、そこに当時多くの日本人が感じたであろう喝采や熱狂、
理想などはほどんど描かれない。影の部分のみ描かれていく。
 主人公の4兄弟。太郎は、外務官僚で、関東軍のやり方を苦々しく思っていながら
結果、新国家建設を前向きに考えるようになる。次男、次郎は仲間を失い、
傍観者ではないが、その空間に漂う人となる。三男、三郎は理想に燃える憲兵隊として
描かれているが、作者が描きたいのは、対する質の悪い軍人たちであろう。
四男、四郎は、ナイーブな学生の性質のまま、その空間に流される人として
描かれる。
 また、四兄弟を通して、当時の中国や朝鮮側の国家意識の低さや、日本人同様、暴力を
行使する人の残念ぶりも描かれている。あと、ソ連、共産党の幻想、介入、日本の軍の強さ、
虐殺、強奪など。
 自らを上に置いて、指導してやる体で、日本の不況を脱するために満州国を建設したものの
こんどは、その満州国を維持するために、戦線を拡大させていたく過程の端緒がこの巻では
描かれている。
 当時の空間、事象を生きれば、当然、その瞬間、よろこび喝采した人も多かった
だろうが、そのようは人のいたよ程度の描き方だ。描く価値はなかったのだろうか。
 死ぬことがわかってる役者が、途中、ずっと死ぬ演技をしてるかのように
全編、残念な結末になります感がある。まだ、3巻目、4巻目を読むのがつらいなぁ。
群狼の舞 満州国演義三 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:群狼の舞 満州国演義三 (新潮文庫)より
4101343225
No.1:
(3pt)

黄沙、交錯、興奮、そしてちょっとだけ中弛み

軍部の横暴に立腹する外務官僚の長男は、徐々に時代の空気に絡め取られて「(満州国という)国家を創造することは男の最高の浪漫」とうい熱狂に身をおくようになり、馬賊の次男は「血は日本人でも、こころには国籍なんかどこにもない。」と言い放つ。正義感の強い三男は憲兵隊員として忠実に任務を果たしてゆく。大人になりきる前にさまざまな経験をしてしまった四男は、自分の意思とはなんら関係なく、大人たちに利用されるだけの存在となってしまった。

さてこの四兄弟がいつ、どこで運命の交差を迎えるのか、たいへん楽しみな展開となりつつある。最後の船戸文学、残りは6冊だけになりました・・・。
群狼の舞 満州国演義三 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:群狼の舞 満州国演義三 (新潮文庫)より
4101343225

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