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(短編集)
麦屋町昼下がり
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麦屋町昼下がりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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四編あるが「榎屋敷宵の春月」が良かった。黙っていれば、何も事を起こさなければ面倒なことに巻き込まれない。そんな事は誰しも理解している。しかしやはり、引くに引けない時もあるのだ。 | ||||
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「麦屋町昼下がり」 「三ノ丸広場下城どき」 「山姥橋夜五ツ」 「榎屋敷宵の春月」 たまたま出くわした上士を斬ってしまったことから、理不尽にもある騒動に巻き込まれる男 昔は剣でその名を轟かせたものの今はすっかり酒浸りの日々を送る男 幼い頃からの友人の憤死をきっかけに先代藩主の死を巡る事件を暴く男 夫の出世争いを巡って何やらきな臭い藩の政争に巻き込まれた女 其々の主人公は、藩の中枢部や出世とはやや離れたところにいて、過去に藩の政争絡みで理由もわからず家禄を減らされるなど害を被ったことがあり、剣の腕はたつものの、無敵というほどでもない、という男女 「榎屋敷~」の主人公は小太刀使いの名手で勇敢にも奉公人の敵討ちを果たしてのける女性で、平穏無事に時が流れれば良いという夫を陰から叱咤激励しつつ、藩の悪政を露見させるきっかけを作るという痛快な話です 剣術、政争、男女の仄かな色香を架空の藩を舞台に描いた秀作4編 読後の爽快感は相変わらずです | ||||
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人生に前向きになれる、爽やかな読後感。美しく優しい人情描写はさすが、藤沢周平 | ||||
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再読3度目でも、読ます、又いッき読みしたが。読後のすがすがしさがたまらなく良い。 | ||||
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藤沢氏の時代性の読み取りの細やかさ文体の美しさ人間性など、この小説にも藤沢氏の人間性が現れている。 | ||||
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久々の読書、久々の時代劇。 藤沢周平、読みやすいですよ! 睡眠前の大人の一時。 お奨めです。 | ||||
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藤沢周平の重厚な知識の世界は、いつどこで培われたものであろうか。 | ||||
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藤沢周平の筆致というのはひどく不思議で、人の日常も、心理も、感情も 血なまぐさい事件も、醜い覇権争いなども、全てをひたすら客観的に 淡々と綴っているのに、場面場面の情景が鮮やかに思い浮かべられたり かすかな人情の機微などがいつまでも心をとらえて放さなかったりする。 まるで滔々と流れる水のように物語を描き出すその視点には 人間というものへの、どこか諦めにも似た達観があって しかしその裏側に時折どうしようもなく愚かな人間たちへの 深い愛情や尊敬、そして飽くなき興味といったものが感じられる。 この本に収録されている短編は今時のドラマのように「こういうお話だったんです」という わかりやすい説明やオチなどはなく、時代劇みたいに勧善懲悪でもない。 事件があったとしても「解決」というエンドははっきりと与えられていない。 それでも読後はいつも、静かで淡々としたその世界の中から 「戻ってきた」という目の覚めるような思いと、 じわりと胸を温める「なにか」と、 「もう少しこの物語世界の続きを見たかった」という後ろ髪引かれる思いが交錯する。 この短編集は正に「味わい深い」という言葉がぴったりだと思う。 | ||||
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2010年9月に東京のラジオ局ニッポン放送「藤沢周平傑作選」で朗読されたのをきっかけに購入しました。相変わらず藤沢先生の短編は歯切れよい語り口で一気に読ませてくれます。 隠し剣シリーズと並行して読んだのですが、秋の夜長に最良の作品です。「麦屋町」の事件の発端、巻き込まれてしまったことで進んでいた縁談も白紙となり、不運な片桐敬助。 命を助けた弓削新次郎の妻女。敬助と偶然道で出会い、今回の事件の真相を糺すと答える。 「それが、もし真実だとしたらどうしますか。」 と、しゃあしゃあと答える。その後の表情がこの女の性根の悪さを描いている。とても見事な限りであるむ。ドラマとか映画になる機会もあるかも知れぬが、片桐敬介には瑛太などどうであろうか? 弓削新次郎に加瀬亮、悪女である(?)弓削の妻女に肘井美佳、弓削伝八郎に中村敦夫、片桐敬介の妹に大島優子、敬助の縁談相手、寺崎満江に仲間由起恵。 このキャスト、みなさまはいかがでしょうか? | ||||
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表題作の「麦屋町昼下がり」を含め 避けられぬ事情があっての決闘を描いた中篇4編です。 「麦屋町昼下がり」では、主人公の片桐敬助が、 私的に巻き込まれた事件で対峙する羽目になった相手は 藩随一の使い手・弓削新次郎。 片桐は家中の試合では常に二番手で、弓削に勝ったことはない。 決闘を覚悟して、稽古を重ねていたおり、弓削に出会うが 弓削は意外にも敵意を見せない。 ほっとしてしばらくした後、弓削が城下で刃傷沙汰に及んで 討手としての命が片桐に降りる。 弓削の影に脅えて一度はほっとしたところで、稽古の結果を はからずとも見せることになるところに、 片桐の剣士としての誇りと自信も感じられる。 くどくどとは書かない文章の中に、弓削家の事件の内情も 垣間見えて面白い。 ところどころに散りばめられている婚約者の話も彩りを添える 上でちょうどいい。 | ||||
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今回映画化された「山桜」を収録してある巻。全話市道小説の短編集。 若い剣士がちょっとした行き違いから、藩随一の剣鬼との決闘を余儀なくされる「麦屋町昼下がり」と、かつて剣名を謳われながら、今は酒に溺れる中年メタボ侍が、ある事件からもう一度かつての自分を取り戻そうと奮闘する「三ノ丸広場下城どき」が秀逸。 | ||||
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私の好きな「これぞ武士、これぞ時代劇!」という短編4作。 ■ 「麦屋町昼下がり」 でたー!久々に“秘剣”もの(ヨッ!寅ッ!待ってましたー!)。 ―「不敗の剣」― 天賦の剣才も、この“秘剣”さえあれば・・・・・ え?呑んじゃって大丈夫? ■ 「三ノ丸広場下城どき」 そうだ、殺っちゃえ、殺っちゃえ! いくら身分が違えども、 「お主、何たるものぞ。それがしの剣を受けてみよ!」 ■ 「山姥橋夜五ツ」 武士として、これは辛いでしょう? いくら妻が潔白でも・・。 「武士の一文」をチラッと思い出しました。 最後の3行はほんのちょっとの藤原流お色気、安心、安心。 ■「榎屋敷宵の春月」: 久々の女剣士もの、しかもお内儀。 女性で、剣が強くて、しかも人妻(350石のお偉い旦那は気弱)。 しかも刺客を遣っ付けちゃうんだから気分爽快。 旦那をにらめつけて戦いに行っちゃう所がすごい! ここまで強い内儀キャラは、藤原作品で読んだことがない。 | ||||
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「麦屋町昼下がり」――タイトルからしてそそられる。まるで西部劇だ。読み始めると、日々の偏執狂的価値観に翻弄されていた頭が、通常営業的な正常さで働きだす。脳みそがサクサクと、ごく自然な人情活動、緊張&弛緩活動を始める。心地よさの始まりだ。えぐられる快感。たちまち引き込まれていく。これだこれだ。この感覚こそが俺に藤沢周平を読ませるのだ。本格短編(?)とでも言おうか、堪能の一冊。 | ||||
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いささか逆説めいていますが、この4篇の短編集は、藤沢文学にはあまり見られない特徴があります。それは「ドライな決闘場面」といえるものです。 藤沢文学は、私なりに解釈すれば、日本人の深い情感をあますところなく描いた、いわばウェットなものだと感じています。 したがってこの4篇のドライな感覚は読んでいて驚くと同時に、今までにない小気味良さというものまで感じてしまいます。しかし最後に読み手の心をぐっと、ぐぐっとひきつけるあたりは、さすがに藤沢周平ですね。 昔、ゲーリー・クーパー主演の名作西部劇「真昼の決闘」というのがありました。決闘の様子を非情に刻々と描き、見る人の心を緊張させたものでした。私見によれば、「麦屋町昼下り」は、藤沢版「真昼の決闘」です。推薦。 | ||||
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いささか逆説めいていますが、この4篇の短編集は、藤沢文学にはあまり見られない特徴があります。それは「ドライな決闘場面」といえるものです。 藤沢文学は、私なりに解釈すれば、日本人の深い情感をあますところなく描いた、いわばウェットなものだと感じています。 したがってこの4篇のドライな感覚は読んでいて驚くと同時に、今までにない小気味良さというものまで感じてしまいます。しかし最後に読み手の心をぐっと、ぐぐっとひきつけるあたりは、さすがに藤沢周平ですね。 昔、ゲーリー・クーパー主演の名作西部劇「真昼の決闘」というのがありました。決闘の様子を非情に刻々と描き、見る人の心を緊張させたものでした。私見によれば、「麦屋町昼下り」は、藤沢版「真昼の決闘」です。推薦。 | ||||
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時代小説の旗手であった藤沢周平が没したのは平成9年だ。彼が形作っていた「時代小説」といわれるジャンルが、彼の死によって一時代が終わったとさえいえるだろうか。山本周五郎などを筆頭に、江戸時代の市井の暮らし、武家社会の人々の機微を題材にすることによって、現代にも通じる人生の哀歌を描くという手法は、なんとも日本的なものだが、読んでいても安心が出来るものだ。「オール読物」とか「小説新潮」などでは定位置を占めていたものであり、今ももちろん時代小説は盛んだが、藤沢周平ほどに独自の世界を持ったものは少ない。 本書も藤沢周平がもっとも脂の乗りきっていたころの短編4篇を集めたものだが、どの作品にも小説としての筋立ての面白さとともに、泣かせどころ、聞かせどころを備えたほろりとさせる勘所を押さえている。 武家社会というものが、現代のサラリーマンと企業の関係のように、階層社会でありあり、その中には更に、越え難い身分制度があることなどから、下級武士の生活は即ち、今の時代のサラリーマンの悲哀と通じるものもあるのが、時代小説の人気を支えている背景かとも思う。 表題の作品は、舅に追われる女性を救おうとしてその舅を切り殺してしまった剣士が主人公だ。その舅に追われていた女性には、不義密通を働いていたという噂があり、それに怒った舅がその女性を追っていた可能性が出てくる。舅の息子、即ち、追われていた女性の夫は、藩内随一の剣の使い手と名高い男で、近く江戸詰めから戻ってきたら、父の仇を討とうとしているかもしれないという噂がひろまる。こういった、背景の中に、可憐に見える女性が実は密通をしていたのかどうか、そうだとすると、殺すべきでない男を殺してしまったのではないかと煩悶する主人公、この事件の結末を好奇の目で見る藩内の人々といった状況が描写され、物語を盛り上げる。主人公は剣の腕を磨こうと必至になり、ある時、その天才剣士との対決の時がくるのだがーーーー。 それぞれの物語に、必ず女性が登場し、そこには時代小説における恋愛感情がほのかに語られる。なるほど、藤沢周平の世界には未だにファンが多いことが本書でも良く理解できる。 | ||||
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