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涼宮ハルヒの直観



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【この小説が収録されている参考書籍】
涼宮ハルヒの直観 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの直観の評価: 3.64/5点 レビュー 124件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.64pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 1~20 1/2ページ
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No.24:
(3pt)

う〜ん

最後にハルヒっぽい作品だなと思い満足しましたが、途中読み進めるのがつらいと感じる方がいるかもです。
涼宮ハルヒの直観 (角川スニーカー文庫)Amazon書評・レビュー:涼宮ハルヒの直観 (角川スニーカー文庫)より
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No.23:
(3pt)

確かに期待しすぎたかも?

3話のうち最初の2話は元々知っていましたが、2回目読んでも安定のハルヒと言ったところで良かったです
ただ3話目はうーん…。オチはともかくとして25ページも作者のミステリ自分語りを読むのは少し、いやかなり辛かった
語りが古泉なのでなんとか読めましたけど、これ別の全く知らない作者とかなら投げるレベル

しかしここまで来てる作品なのでファンとしてはどんな出来だろうと次も買うんですけどね
驚愕でこの作品の大きなテーマとハルヒの精神的成長の過程に終わりが見えて、完結っぽかったですけどこういうのでいいのでちょこちょこ出してほしい
なんだかんだ10年も待ち続けていましたが、これも全て観測で谷川さんがまだまだ続きます的なことを書いてたのが悪い!
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No.22:
(3pt)

謎解き的な話

往年からのファンで、久々の新刊で購入しました。ほかのレビューにもある通り、新しい事件やハルヒの超能力現象などは何も起こりません。内容は、謎解き的な話ですが、ミステリーというほどでもないし、ハルヒファンが求めているものとは違うかなと思いました。消失や驚愕レベルの次回作に期待したいです。
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No.21:
(3pt)

それなりに面白かったが、話を進めてほしい。

本当に久しぶりにシリーズが発刊されましたが、内容的には他の方のレビュー通り、う~ん、今一つという感じでしょうか。頑張って、このシリーズの話を綺麗に完結にしていただきたいと切に願っております。
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No.20:
(3pt)

まだ読んでない

裏表紙が旧デザインのものとなっていることに感動
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No.19:
(3pt)

待ちに待った新刊!

キョンの一人称視点がとても懐かしく感じました!
もうかれこれハルヒとは20年の付き合いなんですね。。。長い(笑)
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No.18:
(3pt)

面白かったが、外伝的でストーリーは進展しない。

前巻が一応綺麗なまとめだったので、今更のように続編が書かれた事は驚き。確かに沢山の新キャラが登場しっぱなしだったので、続編を書く意味はあるのだけど、その新キャラはもう用済みなのか、いつものキャラしか出て来ず、ストーリーも進展しないので肩透かしを食った気分。外伝的ストーリーと、読めば良いのだろうか。

 グダグダと冗長なのは、このシリーズの持ち味で構わないが、ずいぶんミステリ寄りの内容。そして、「後期クイーン問題」などの、マニア向け説明がえらく多くて、バランスが悪い。妙にマニアックな知識を、書きたかったのかと思うが、同人作品みたいで、付いていけない読者も多いのではなかろうか。個人的には「国名」シリーズをほぼ読破してるので、面白かったのだけど。
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No.17:
(3pt)

今さら感

ちょっと前巻と間が開きすぎてますね
少し読むのが辛かったです
盛り上がりも今一 話が進むわけでもなく
坦々とsos団の日常という話です
作者さんは こんな感じで上級生たちの卒業等のイベントまで話を進めるつもりなのでしょうか?
次巻が出たら多分購入します
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No.16:
(3pt)

評価が難しい

もちろん長年のファンとして待望の新作であった。もう既刊を何周読んだかも分からない。何周読んでも、キョンの絶妙なボヤキ語りは頭に残らない(笑)、だからこそ新鮮に読めるのがハルヒシリーズの良さでもある。

今刊は鶴屋さんの語りと新キャラTと古泉の話と言えるが、正直に言うと作者も時間の経過とともに変わってしまったのだな、と感じられる部分が多かった。また新しい美少女の登場、鶴屋さんのバックグラウンドなど新展開を意識しすぎて、個人的に作品の1番の魅力と思っていたキョンのボヤキ語りがほとんど無かったのでかなり物足りなかった。やはり作品の中心はいかなる話であれ、ハルヒとキョンの掛け合いであるべきだ、と長年のファンとして言いたい。彼らなくしてハルヒシリーズは成らず。次刊に期待したい。
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No.15:
(3pt)

ファンブックです

この作品の良さは「公式から出たハルヒの小説」という点。当時ハルヒに熱中していた、または最近ハルヒにハマった人たちからすると生のハルヒがまた動き出したという感覚に浸れるだろう。

しかし何年も待った挙げ句にハルヒそのものの話が進まないとなったら話は別

9年も待ってこれか、次は?という気持ちが強い。もちろん9年もずっと想っていたわけではないのだがそこまで時間が経つとどうしても美化されてしまう。

覚えている内容だって年月と共に余分なものは記憶から削ぎ落とされて今まで発刊されてきたすべてのハルヒシリーズの内容の中で印象に残っている話しか覚えていない

そんな状態の中、この作品を読んでしまうと今までのシリーズの中でもトップレベルに面白くないと満足できないハードルの高さになってしまっているように思う

実際、読んでみると喜びよりも落胆の方が強かったため過去シリーズと比べると面白さはない。次の新刊もこのレベルだと記憶にとどめておくのも煩わしいなと感じてしまうほど。

ハルヒファンにとっては今回で見切りをつけるかどうか決めることができる作品だと感じたので読む価値はあるのかもしれない。
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No.14:
(3pt)

原作者自身の手による二次創作の様な不思議な違和感。「涼宮ハルヒ」は谷川流の手を離れてしまった存在に?

思えばシリーズ第一巻となる「涼宮ハルヒの憂鬱」を手にした時はまだ2000年代の初頭、2003年だった。その後は4年程順調に巻を重ねていたのだけど、上下巻構成となる「分裂」と「驚愕」の間に4年というかなり大きなブランクが生じてひどく間延びしたシリーズとなってしまった事は否めない。

その後は完全に音沙汰が無くなり「涼宮ハルヒ」は「かつて楽しませてくれた作品」に成ったものと思い込んでいた。しかし「憂鬱」から「驚愕」までの長期ブランクを挟んだ8年を上回る9年半という月日を経て2020年代に入ってしまってから新作発表を迎えるという運びとなり本当に驚いた。

本作の構成は既に他の場所で発表された二編に書下ろしの一編から成っているのだけど、10年近いブランクを挟んで読んだ「涼宮ハルヒ」の新作は何とも奇妙な代物だった事を予め申し上げておく。

SOS団の初詣風景(おそらくは西宮戎がモデル)を描いた「あてずっぽナンバーズ」……これはまあ日常パートといった感じでそれほど違和感なく読めた。が、主人公であるキョンに向けての台詞が少しだけ気になった。

「着物が重いの!うるさいわね、あんたの耳を奥歯で噛むわよ!」

……ハルヒって確かに暴走系ヒロインだったけど、こんな狂暴な台詞を吐いたっけ?

続く短編、90頁に渡って団長不在の中、SOS団の面々が退屈を感じさせれば何を引き起こすか分からないハルヒの為に「学園の七不思議」を仕立て上げる「七不思議オーバータイム」辺りから更に違和感を強く覚えた。

まず違和感を覚えたのはマスコット的存在の朝比奈みくるだったのだけど……みくるというのは事ある毎に「未来人アピール」をするキャラクターだっただろうか?冒頭で古泉が坊主めくりを持ち掛けてくる場面があるのだけれども返す台詞がこれである。

「それはどういう……めくる?坊主……って男の子?……あ、お坊さん!僧侶の事ですね?」

過去の作品を振り返ってみくるが現代文化に疎い、遠い未来からやってきた人物という描写があれば、この場面も違和感なく読めたのだろうが、みくるがこんな反応を返していた場面がついぞ思い付かない。なんだか朝比奈みくるという名を冠した別の人物が現れた様な奇妙な違和感だけが残った。

同じ違和感は長編であり書下ろし作品でもある「鶴屋さんの挑戦」にも引き継がれ、朝比奈みくるはお茶を入れまくり、長門は部室の隅に腰掛けてひたすら本を読み続ける姿が描写される……いや、必要以上に「描写され続ける」。確かに朝比奈みくるは何故かメイド服を着込んでお茶汲みを担当するキャラクターであり、長門は本を読みふけるキャラクターというイメージが強いが、これは本当に過去の作品で谷川流が描いてきた人物像そのままなんだろうか?

頑固オヤジキャラの代名詞、星一徹は何かというとちゃぶ台をひっくり返すキャラクターというイメージが強い一方で「巨人の星」本編ではちゃぶ台をひっくり返す場面なんかほとんど無かった事もよく知られている。アニメのEDで1カットを繰り返し流された事で(しかも厳密に言えば飛雄馬を叩いた弾みでテーブルをひっくり返しただけだったりする)ファンに印象付けられ、アナクロニズムを感じさせる人物をパロディのネタとする際に繰り返し用いられ続けた事で「星一徹=ちゃぶ台返しキャラ」というイメージが染みついたというのが真相らしい。

上で書いた「必死で未来人アピールをしつつ、やたらお茶を汲みまくるみくる」、「見せ付けるかのごとく周りを無視して本を読み耽りまくる長門」……この違和感が「ちゃぶ台をひっくり返しまくる星一徹」に重なってしまうのである。確かに過去の作品を読めばそんな行動をしていた描写も出てくるのだろうけど、作者である谷川流自身がファンの手によって散々玩具にされた「涼宮ハルヒ」、「朝比奈みくる」、「長門有希」の像に引っ張られている部分を否定できないんじゃないだろうか?

京都アニメーションが制作したアニメが印象的なEDもあって爆発的にヒットした事で、2000年代の後半はコミケ会場のどこに行ってもSOS団の三人娘をはじめ鶴屋さんや朝倉涼子といったサブヒロインを目にする事が多かった。その「ハルヒ二次創作文化」の中でハルヒもみくるも長門も谷川流の描いたキャラクター像からすこしずつズレを生じ、星一徹のちゃぶ台返しの様な原作の中から印象に残る部分を誇張された「極端なキャラ」に成り果てて行ったという部分を否定できない。「ハルヒは暴言狂暴娘」「みくると言えばメイド服」「鶴屋さんは変な口調」……といった具合にである。

ここからは想像の域を出ないのだけれども10年ぶりにハルヒの新作を書こうとした谷川流が「はてハルヒは、みくるは、長門は、鶴屋さんはどんなキャラだったっけ?」とブランクの間に描き方を忘れてしまった所があるのではなかろうか?そして思い出したキャラが原作者である自身の手を離れて「ちゃぶ台をひっくり返す星一徹」と化した二次創作に強い影響を受けた、デフォルメされたキャラクターに近付いてしまった……そんな「原作者が二次創作やパロディに引っ張られる」という現象がこの違和感の正体じゃないかと。

多メディア展開され、同人誌文化の題材として大いに持て囃される様な「ヒット作」に恵まれるのは作家として幸福な事なのだろうけど、第一巻刊行から17年が経ちもはや作品が「作者だけの物」とは言えない所まで巨大化してしまった作品は原作者自身から「自分が書いてきた作品がどんなものであったか」を奪い取り、不特定多数によって共有されたイメージを「あながた産み出した作品はキャラクターはこんな風です」と押し付ける、そんな奇妙な現象を産み出してしまうのでは……そんな事を想像するに至った10年ぶりの新作であった。
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No.13:
(3pt)

休筆中の作者がミステリー小説に嵌っていたのが分かる作品

約10年振りのハルヒシリーズを首を長くして待っていましたが、素直な感想は期待外れのストーリーでした。
休筆中の作者がミステリー小説を読みふけり、自分の中でのアンサーを発表する場がハルヒだったとしか思えない内容です。
収録作品を順番に読めば違和感なく作者の仕掛けに嵌りますが、書き下ろしの「鶴屋さんの挑戦」から先に読んでしまうと、共犯者が判りやすくなってしまう点は何だかな〜って感じ。
それでも久々の谷川流先生の文体を味わえたのと、未回収伏線の1つ(オーパーツ)に触れらていた点を評価して☆3つです。
作者のやる気が今ひとつなので続編があるのか分かりませんが、気長に待つことにします。
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No.12:
(3pt)

〈終らない日常〉という深い欲望

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本巻は、『いとうのいぢ画集 ハルヒ百花』用に書き下ろされた短編「あてずっぽナンバーズ」、書き下ろしアンソロジー『ザ・スニーカーLEGEND』に掲載された中編「七不思議オーバータイム」、そして本集のための書き下ろし長編「鶴屋さんの挑戦」の3編を収めているが、いずれにしろ、シリーズとしての物語を先に進めるものではなく、「ハルヒ的な日常」を描いたエピソード集だと言えるだろう。
そうした点で、「物語」の先が知りたいと思っていた読者には肩すかしである一方、「ハルヒ的日常」が永遠に続くことを望んでいる読者の願望を満たすことのできる作品集だったとも言えるだろう。

私の場合は、「物語」の先が知りたい、ハルヒがどう変わっていくのかが知りたいという読者なので、全体としては期待はずれだったが、それを前提とし、個々の作品を娯楽小説として割り切って読むならば、それはそれなりに楽しむこともできた。

短編「あてずっぽナンバーズ」と中編「七不思議オーバータイム」は、「ハルヒ的日常」を描くものとして、手堅くまとまっている。
一方、書き下ろし長編である「鶴谷さんの挑戦」は、著者の「本格ミステリ」趣味が横溢した、とても凝った力作であり、やはり本集の眼目となる作品だと言えるだろう。

しかし、凝った作品ではあるものの、「鶴谷さんの挑戦」が、よく出来た「本悪ミステリ」と呼べるかといえば、そこはいささか疑わしい。
というのも、本作は「本格ミステリ」に徹しきっているわけではなく、「涼宮ハルヒのシリーズ」が本質的に抱えている「メタ・フィクション」性に「二股」をかけた作品となっているからだ。だからこそ、本作では、かつて「新本格」ミステリ界で話題になった「後期クイーン問題」が取り上げられることにもなる。

「本格ミステリ」という小説形式は、簡単に言えば「ゲーム小説」であり、「ゲームのルール」に沿って作られた「小説世界」であると言ってよい。
つまり、そこには「リアルな人間」への配慮はいらないし、「リアルな世界」である必要もない。ただ「ゲーム」を滞りなく進行させるために必要なものが配置され、余計なものは排除されるのである。そして、それは「暗黙の了解」であり、普通の読者は、その「暗黙の了解」を意識しなかったけれど、「後期クイーン問題」とは、その「隠されたフィクション的制約」の存在を明るみに出し、問題提起したものだと言えるだろう。

しかしまた、「小説」作品が「現実世界そのもの」を描くものではないというのは、当たり前の話でもあり、それはなにも「本格ミステリ」に限ったことではないとも言えよう。
だからこそ、「鶴屋さんの挑戦」の中でも紹介されているとおり、「本格ミステリ」作家の中でも、有栖川有栖や二階堂黎人といった人たち(リアリスト)は、そうした問題意識を重視せず、むしろ「疑似問題」ではないか、とみなしているようにも見える。平たく言えば、「後期クイーン問題」とは、「本格ミステリ」作家の自意識過剰による「自己特権化」なのではないかということだ。
そんな問題は、なにも「本格ミステリ」に始まった話ではないからで、さもそれが「本格ミステリ」特有の「難問」であるかのように騒ぐのは、結局ところ、「初期法月綸太郎」に見られた、ナルシスティックな「悩んでますポーズ」と同種のものなのではないか、ということである。

そして、こうした「ナルシスティックな問題意識=自分のために世界を意味付けようとする、主観性の暴走」というのは、そのまま「涼宮ハルヒシリーズ」の特質にもつながってくる、というのは明白だろう。「涼宮ハルヒシリーズ」でつねに問われるのは「この世界は、ハルヒの願望によって、改変された後の世界なのではないか?」という疑問である。

しかし、そんなものを「作中人物」が正しく問い得ないのは、自明であろう。だからこそ「物語の外部」が問題となるわけだが、実際に「物語の外部」にいるのは、作者と読者であって、ハルヒたちではない。
ハルヒたちの存在を信じたいのであれば、読者は「物語の外部」に出るのではなく、「物語の内部に設定された、擬似的な物語の外部、という欺瞞」に安住しなければならない。そしてそれは、決して間違いではないし、卑怯な行ないだとも言えないだろう。もともと「小説」とは、そういう「フィクション」であり、「現実そのものではない」という意味においては「嘘話」であってかまわないものだからである。

しかしながら、「涼宮ハルヒシリーズ」においては、そうした「フィクション」としての割り切りが、困難にもなっている。なぜならば、主人公である涼宮ハルヒという少女が、その「嘘」のなかで生きる存在であることを、常に意識させられるからだ。

彼女は幼い頃、「現実らしい現実世界」に違和感を感じ、やがて、それを否定して「自分の望む世界」を手に入れる力を手にした存在である。だが、そんな彼女を描く小説は、おのずとその「嘘」を際立たせなければならない。「この物語はフィクションですよ」と言うに止まらず、同時に「作中の涼宮ハルヒの生きる世界も嘘」である可能性を、殊更に示唆せずにはいられないのだ。
そして、そのことは、多くの読者に「不快感」を与えてしまう。なぜ「永遠につづくハルヒ的日常」を、註釈抜きでそのまま肯定できないのかと(また、だからこそ「エンドレスエイト」は、決定的に嫌われた)。

だが、それもまた、不可能なのだ。「涼宮ハルヒシリーズ」の「ハルヒ的日常」が面白いのは、その背後に、いつもその「ハルヒ的日常」が偽物なのではないかという緊張感があるからで、それを失ってしまえば、「ハルヒ的日常」の物語は、単なる「ご都合主義の能天気な物語」にしかならないからである。

つまり、「涼宮ハルヒシリーズ」とは、「虚構」にも「現実」にも徹しきれない「宙吊り」の緊張感によって支えたれた物語であり、だからこそ、物語の結末は先送りにされざるを得ないのではないだろうか。

実際のところ、涼宮ハルヒという夢みがちな少女が、より現実的な世界に救い出されることを、ファンは誰も望んではいないはずだ。だからこそ、作者もファンの多くも、「ゲーデルの不完全性定理」にも見られる、「決定不可能性」的な議論に惹き寄せられるのではないだろうか。

しかし、「本格ミステリ」の魅力とは、そこをあえて断ち切る「虚構的蛮勇」にある、とも言えるだろう。
その意味で「鶴屋さんの挑戦」は、「本格ミステリ」として不徹底であり、「涼宮ハルヒシリーズ」のひとつとしては、その「決定不可能性」に忠実な作品になっていた、とも言えるのではないだろうか。

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No.11:
(3pt)

続編というか・・・

時系列的には雪山症候群から佐々木一派登場前までのSOS団日常系の話で、
話が先に進んでいる訳でも、ハルヒの能力やキョンとの関係に変化はありません
SOS団に絡んでくる、カタコト日本語の金髪碧眼美少女が出てきますが、
ルックスは可愛いとはいえ、重要キャラでは(今の所)無いです
なので、続編だと期待すると相当肩透かしで、話もやや冗長気味で読みづらいです
今後定期的な新作投下を期待して星3にしましたが本当は星1.5という所かな
あとがきでは作者とイラストレーターの京アニ事件への追悼文が寄せられています
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No.10:
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「ハルヒ」シリーズという目線で見ない方がいいかも

「待ちに待った」という感慨は分裂・驚愕で終わってしまった。
アニメ化から14年、前作から9年6ヶ月というスパンは、当時の中高生がいい歳のおっさんになっているになっているわけで、
ライトノベル業界でさえ「ハルヒ」を前提にした作品はほとんどなくなってしまった。

読んでみると、涼宮ハルヒというキャラクターやSOS団というグループの素晴らしさを再認識し、最初の短編ではハルヒ・キョンの絡みに青春の甘酸っぱさを思い出す一方で、七不思議と今回書き下ろしのミステリーは「ハルヒ」印がついていたとしてもかなり出来が悪い。
文章が不必要にこわばっていて、内容も冗長だった。
全盛期ならボツになってそうな原稿だが、せっかくあの谷川流が書いてきたものを読者の目にさらす前に無下にできるわけでもない。
読書中、編集者がこれを渡されて「うーん」と腕組みをする映像が脳裏に浮かんでしまった。

今作の内容やあとがきを見るかぎり、「ああ、この人はもう本編の続きを書けない(or書く気がない)んだな」という薄々感づいていたことをもう一度突きつけられてしまった。それでも、続きはどうするんだというネットの議論に作者本人が引導を渡したのはせめてもの救いだと自分は感じた。
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No.9:
(3pt)

物語が全く進んでない

新刊に喜んだ私だったが、面白いと感じたのは、あてずっぽナンバーズのみ
正直、他二つは読みにくい上に、長年読んできたミステリー小説の知識を活かそうとして失敗している感が否めない
僕らは、ハルヒとそれに巻き込まれてアタフタしている3人が好きなのだ
昔、編集に言われた言葉を思い出した
美少女物には賞味期限がある、と
当時、高校生だった私が、おっさんになり、そう感じてしまっていると言う事は、新規の顧客は見込めないだろう
早く完結してほしい
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No.8:
(3pt)

もう出ないと思っていた新刊だったが

自分が大人になってしまったのかあまり面白く感じられなかった。
ただしノスタルジーに浸るにはいいかも。既刊を読み返すきっかけにはなるかな?
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No.7:
(3pt)

9年振りという期待感は捨てて読んだほうがいい

どんな不思議が起こるのだろう?
そう期待に胸を弾ませる人も多いと思う。なんせ9年ぶりの新刊。
しかしその勝手な期待感は捨てたほうがいい。きっとこの新刊をよりつまらなくするだろう。

今回、不思議らしい不思議は起こりません。
とりあえず作者が書きたかったものを、ハルヒの名を借りて書いた、そんな感じです。
読者としては本編にかかわる内容を少しでもいいから進めてくれよと思いでしょうが、そうは問屋が卸しません。
進みません。
強いて言えば、鶴屋さん情報が少し補間された程度です。

この残念な思いも、すべては9年という月日のせいでしょう。
これが通常通りのサイクルで発売されていれば「ふーん、前回はがっつりSFだったし、まあこういうのもいいよね」と思えたかもしれません。
すべては「9年」。これにつきます。

でも、楽しみにしてるのは変わらないので、次の巻が早く発売されることを祈ります。
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No.6:
(3pt)

ハルヒ達の冒険譚を求めてた自分には、少し物足りなかった。

自分が歳を取ってしまっただけかもしれないが、こんなに読みづらかったかな?
作者が、推理小説にはまっていて、大好きなのはすごい分かった。
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No.5:
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終わらない物語

あの続きをどう書くのか、とおもって買ったが、書かない。なるほど、それで済ますのね。このシリーズ、完結しない。
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