なめらかな世界と、その敵
評判
なめらかな世界と、その敵の評価:
4.16/5点 レビュー 49件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全79件 21〜40 2/4ページ
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なめらかな世界と、その敵の評価:
4.16/5点 レビュー 49件。 A ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
表題作は「あり得たかも知れないもしもの世界=可能世界に、人間が自由に乗り入れ可能で、しかも同時にい複数の人生を生きることができる」という設定の話です。
しかし、ちょっとでも「可能世界意味論」をかじったことのある人なら、この設定が無謀なことは自明です。
可能世界とは、「この現実世界とは異なる事実」が成り立っている世界の総称です。
だとすると、可能世界の中には「主人公と同じ固有名で呼ばれるが、内実は全くの別人が存在する世界」も成り立ちます。
たとえば、Aさんが現実では次のように定義されるとします。
Aさんは女性である。
Aさんは黒髪である。
Aさんは中肉中背である。
(…以下略)
これを確定記述と言います。
すると、ある可能世界nには、こんなAさんがあり得ます。
Aさんは女性ではない(男性である)。
Aさんは黒髪ではない(金髪である)。
Aさんは中肉中背ではない(巨大な体躯である)。
…(以下、全ての定義において現実のAさんとは異なる)
あくまでも可能な世界なので、こうしたAさんも論理的には可能なのです。
しかしこうなると、現実世界と可能世界nにおけるAさんは、少なくとも我々の感覚では「全くの別人」と言うほかありません。
だとすると、本作のように可能世界の乗り入れ=乗覚が可能な場合、Aさんの自己同一性は深刻な危機に見舞われることでしょう。
全く自分とは異なる特徴を持つ「別人」を、自分自身としなければならないのですから。
こんな世界で登場人物が人格をちゃんと保っている事に、驚きを禁じ得ません。
改筆する機会があるなら、その辺の問題を回避する仕掛けを盛り込んでいただきたい。
なお、表題作の次に収められている「ゼロ年代の臨界点」は恐ろしくワクワクしました。
まる一冊の長編で読みたいです。
その次の、「美亜羽に贈る拳銃」も素晴らしい。
…掲載順どうなっとんねん。
危うく読まずに放り出すところでした。
表題作を読んで即、星一つでケチ付けようと思ったのですが、後続があまりに面白かったのでやめときます。