錦繍

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評判

錦繍の評価:

4.38/5点 レビュー 191件。 B ランク

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Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全377件 141〜160 8/19ページ
No.237
(4pt)

混濁した世界を混濁した自分を抱えて生きる

愛と憎悪、生と死、過去と未来。そういった一見対極にあるように思われるもの同士が肉薄し反転し混ざりあう。
そういった混濁した世界を混濁した自分を抱えて生きていくことを往復書簡により反芻し決心していく二人の物語。

重要な部分は、モーツァルトを聞いた亜紀がもらした言葉「生きていることと死んでいることは同じかもしれない」を聞いた店主が言った「世界、宇宙のからくり」という言葉だろう。
由加子との出会いも、亜紀との結婚も、無理心中も、発達障害の子供も、猫が鼠を食すのも、そしてゴンドラでの邂逅も、すべて偶然である、けれども人は時としてそこに、必然を、物語を、宇宙のからくりを読み取ってしまう。そしてそれは亡霊となり心に坐りこむ。
「生きていることと死んでいることは同じかもしれない」だから、生きてみようということではない。それならば死んでみようということにもなるだろう。
けれども二人は、いや、宮本輝は、由加子の死を引き受けた二人が、亡霊に取りつかれながらも、最終的にはささやかな希望を抱いて生きていくという物語の結末においてそれを否定している。
店主が「モーツァルトが分かれば音楽が分かったということです」と言ったにも関わらず、亜紀の言葉によって全く別のモーツァルトが立ち上がったという場面。これは、宇宙は不可思議なからくりを秘めているが、それは決して解き明かすことができないということを暗示している。別の言い方をすれば、人には亡霊が見えないがゆえ、逃れることができないということだろう。
彼の生死観、倫理観、宗教観が散りばめられたこの小説のどこで、それでも死を否定するだけの理由が書いてあるのか。最後の手紙で亜紀は、久しぶりにモーツァルトに耳を傾けます。と書いて筆を置く。ここに彼がこの小説で書きたかった骨子を読み解くことができる。この小説におけるモーツァルトとは世界のからくりそのものであり、逃れられない亡霊である。それに耳を傾けるというのは、決して解けない謎を解こうとすることである。それは苦しく絶望的だが、時として美しく悦びに満ちたものである。それがまさにモーツァルトという音楽であり、この小説のささやかな希望の理由なのだろう。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.236
(4pt)

混濁した世界を混濁した自分を抱えて生きる

愛と憎悪、生と死、過去と未来。そういった一見対極にあるように思われるもの同士が肉薄し反転し混ざりあう。
そういった混濁した世界を混濁した自分を抱えて生きていくことを往復書簡により反芻し決心していく二人の物語。

重要な部分は、モーツァルトを聞いた亜紀がもらした言葉「生きていることと死んでいることは同じかもしれない」を聞いた店主が言った「世界、宇宙のからくり」という言葉だろう。
由加子との出会いも、亜紀との結婚も、無理心中も、発達障害の子供も、猫が鼠を食すのも、そしてゴンドラでの邂逅も、すべて偶然である、けれども人は時としてそこに、必然を、物語を、宇宙のからくりを読み取ってしまう。そしてそれは亡霊となり心に坐りこむ。
「生きていることと死んでいることは同じかもしれない」だから、生きてみようということではない。それならば死んでみようということにもなるだろう。
けれども二人は、いや、宮本輝は、由加子の死を引き受けた二人が、亡霊に取りつかれながらも、最終的にはささやかな希望を抱いて生きていくという物語の結末においてそれを否定している。
店主が「モーツァルトが分かれば音楽が分かったということです」と言ったにも関わらず、亜紀の言葉によって全く別のモーツァルトが立ち上がったという場面。これは、宇宙は不可思議なからくりを秘めているが、それは決して解き明かすことができないということを暗示している。別の言い方をすれば、人には亡霊が見えないがゆえ、逃れることができないということだろう。
彼の生死観、倫理観、宗教観が散りばめられたこの小説のどこで、それでも死を否定するだけの理由が書いてあるのか。最後の手紙で亜紀は、久しぶりにモーツァルトに耳を傾けます。と書いて筆を置く。ここに彼がこの小説で書きたかった骨子を読み解くことができる。この小説におけるモーツァルトとは世界のからくりそのものであり、逃れられない亡霊である。それに耳を傾けるというのは、決して解けない謎を解こうとすることである。それは苦しく絶望的だが、時として美しく悦びに満ちたものである。それがまさにモーツァルトという音楽であり、この小説のささやかな希望の理由なのだろう。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.235
(5pt)

良い本に出会えました!

石田ゆりこさんがこの本を何度も読み返しては泣くと自書で書いてあったので、読んでみました。久しぶりに良い本に出会えました。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.234
(5pt)

良い本に出会えました!

石田ゆりこさんがこの本を何度も読み返しては泣くと自書で書いてあったので、読んでみました。久しぶりに良い本に出会えました。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.233
(4pt)

石田ゆり子さん推薦!

石田ゆり子さんの『Lilly』に中学生時代に出会い今も読み返している愛読書とあり興味を持ちました。往復書簡で綴られ相手を思いやりながら美しい日本語で進む物語は、新感覚であっという間に読むことができました。思いやりながら言いたいこと伝える、人との距離感も学べた気がします。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.232
(4pt)

石田ゆり子さん推薦!

石田ゆり子さんの『Lilly』に中学生時代に出会い今も読み返している愛読書とあり興味を持ちました。往復書簡で綴られ相手を思いやりながら美しい日本語で進む物語は、新感覚であっという間に読むことができました。思いやりながら言いたいこと伝える、人との距離感も学べた気がします。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.231
(5pt)

手紙でのやり取りのお話

数年前に、文庫本で購入し、また読みたくなり、捨てずに、無くさなくて済むkindleで購入。何度読んでも切ないです
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.230
(5pt)

手紙でのやり取りのお話

数年前に、文庫本で購入し、また読みたくなり、捨てずに、無くさなくて済むkindleで購入。何度読んでも切ないです
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.229
(5pt)

淡々としているのに

全編、男女の手紙だけのやりとりですが、最初から最後まで
読んでいて楽しかった。宮本輝さんの本は一時期ハマり、し
ばらく子育てで読書が出来ない日々が続いて久しぶりに手に
取りました。やはり爽やかな気持ちになれて好きです。最後
の終わり方、普通なのにとても印象に残りました。またいつ
か読み返してみたいです。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.228
(5pt)

淡々としているのに

全編、男女の手紙だけのやりとりですが、最初から最後まで
読んでいて楽しかった。宮本輝さんの本は一時期ハマり、し
ばらく子育てで読書が出来ない日々が続いて久しぶりに手に
取りました。やはり爽やかな気持ちになれて好きです。最後
の終わり方、普通なのにとても印象に残りました。またいつ
か読み返してみたいです。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.227
(2pt)

過大評価されていますね。

純文学として優れている、ということで過大評価されていると思います。
たしかに、往復書簡で語り合う形式は、当時としては少し新鮮味のある試み
だったかも知れません。ただ、それで語られる内容は、特に大きな抑揚があ
るわけでもなく、ぐいぐいと引き込む魅力があるわけでもありません。
 その淡々としたのが良いのだ、という人もいるかも知れませんが、宮本輝
ファンとか一切の先入観なしに読んだら、退屈なだけです。しかも、後半に
なると急に新規の仕事の話とかが始まって、せっかく作り上げてきた雰囲気
をぶちこわしています。
 はっきり言います。「過大評価されているだけです」と。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.226
(2pt)

過大評価されていますね。

純文学として優れている、ということで過大評価されていると思います。
たしかに、往復書簡で語り合う形式は、当時としては少し新鮮味のある試み
だったかも知れません。ただ、それで語られる内容は、特に大きな抑揚があ
るわけでもなく、ぐいぐいと引き込む魅力があるわけでもありません。
 その淡々としたのが良いのだ、という人もいるかも知れませんが、宮本輝
ファンとか一切の先入観なしに読んだら、退屈なだけです。しかも、後半に
なると急に新規の仕事の話とかが始まって、せっかく作り上げてきた雰囲気
をぶちこわしています。
 はっきり言います。「過大評価されているだけです」と。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.225
(5pt)

最も好きな作家

人知れぬ闘い。誇りなど抱きようもない人生。間に合わなかった良心。誰かの為の祈り。誰かによる許し。
「生きる」ということを、何と言い表せばいいだろう。「生きる」ことに対する宮本輝氏の眼差しにいつも共感している。
肯定と祈りが美しい文体によりエンターテイメントに仕立てられている。
大好きな作品である。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.224
(5pt)

最も好きな作家

人知れぬ闘い。誇りなど抱きようもない人生。間に合わなかった良心。誰かの為の祈り。誰かによる許し。
「生きる」ということを、何と言い表せばいいだろう。「生きる」ことに対する宮本輝氏の眼差しにいつも共感している。
肯定と祈りが美しい文体によりエンターテイメントに仕立てられている。
大好きな作品である。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.223
(3pt)

作家の手がみえる

先日、本書を久しぶりに手にした。
前回の読書のときは読後、どうかなと感じたが、今回の読書で、作品のどの部分に”どうかな”と感じたのかがわかったような気がする。

始まりは良かったのだが、途中から登場人物たちが、恣意的に動かされているのを強く感じるのだ。
残念ながら、僕は、こういうのに強く反発してしまう。。。

でも、この作家の日本語は美しく、他に素晴らしい作品がいくつもあるので、僕と同じようにこの作品がだめだった人も、自分の好きな作品を探してみてください。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.222
(3pt)

作家の手がみえる

先日、本書を久しぶりに手にした。
前回の読書のときは読後、どうかなと感じたが、今回の読書で、作品のどの部分に”どうかな”と感じたのかがわかったような気がする。

始まりは良かったのだが、途中から登場人物たちが、恣意的に動かされているのを強く感じるのだ。
残念ながら、僕は、こういうのに強く反発してしまう。。。

でも、この作家の日本語は美しく、他に素晴らしい作品がいくつもあるので、僕と同じようにこの作品がだめだった人も、自分の好きな作品を探してみてください。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.221
(5pt)

「命そのもの」に絶望しない

本作のテーマは、「命そのもの」である。
離別した夫婦の往復書簡を通して、過去現在未来とつながっていく命の不思議
と逃れられない人間の運命を軸に物語は展開していく。
離別後の二人の人生は暗転する。
靖明は臨死体験を経て、永遠に生き続ける自らの命に触れたことで、
生死の曖昧な境界を歩むような、諦めと絶望の時間を生きる。
一方、亜紀は漠然とした不幸の予感に怯えながら、目の前にあらわれる不幸の数々に
うちひしがれる。 再婚後に授かった清高は障害をもって生まれて、本作では
亜紀の不幸の象徴として描かれている。
二人は10年を経て、書簡のやり取りを通じ、お互いの過去を昇華していく過程で
生命の不思議なからくり、人間の生まれ持った業といった抗がえない力の存在に辿りつく。
二人は立ちはだかる運命の前に無力感を感じながらも、絶望するのではなく、
ささやかな希望で未来を見据え、現在を生きることを選択する。
靖明には令子が命の光となり、亜紀には清高が命の理由となる。
そうして、二人は再生される。
宮本氏は本作で、命という不思議なからくりに支配される我々の生き方を問うたのではなかろうか。
人間は無力であるが、その無力に絶望することなく、ささやかでも希望をもって現在を生きていくことに価値があるのではなかろうか。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.220
(5pt)

「命そのもの」に絶望しない

本作のテーマは、「命そのもの」である。
離別した夫婦の往復書簡を通して、過去現在未来とつながっていく命の不思議
と逃れられない人間の運命を軸に物語は展開していく。
離別後の二人の人生は暗転する。
靖明は臨死体験を経て、永遠に生き続ける自らの命に触れたことで、
生死の曖昧な境界を歩むような、諦めと絶望の時間を生きる。
一方、亜紀は漠然とした不幸の予感に怯えながら、目の前にあらわれる不幸の数々に
うちひしがれる。 再婚後に授かった清高は障害をもって生まれて、本作では
亜紀の不幸の象徴として描かれている。
二人は10年を経て、書簡のやり取りを通じ、お互いの過去を昇華していく過程で
生命の不思議なからくり、人間の生まれ持った業といった抗がえない力の存在に辿りつく。
二人は立ちはだかる運命の前に無力感を感じながらも、絶望するのではなく、
ささやかな希望で未来を見据え、現在を生きることを選択する。
靖明には令子が命の光となり、亜紀には清高が命の理由となる。
そうして、二人は再生される。
宮本氏は本作で、命という不思議なからくりに支配される我々の生き方を問うたのではなかろうか。
人間は無力であるが、その無力に絶望することなく、ささやかでも希望をもって現在を生きていくことに価値があるのではなかろうか。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024
No.219
(4pt)

なんだかよく分からないけど、とってもよかった

15年ぶりに高校の国語の先生にお会いした際に、ご自宅の本棚の中で「俺、これ好きなんだわ、オススメだよ」と紹介してもらったのがきっかけで初めて読みました、宮本輝(さん)。

最初はいきなり始まる女性からのお手紙が、なんだかじれったいような、遠慮がちというか、はっきりしてないようなものの言い方が気になって「なんだかなぁ、まさかこれ、このお手紙がずっと続くわけ?この先おもしろくなるの?」という心境でだらっと読んでましたが、さらりと私のしょーもない予想を裏切り、あっという間に読んでしまいました。

14通のお手紙に、いろんなことが書いてありました。
男女のこと、命のこと、仕事のこと、音楽のこと、夫婦のこと、親子のこと、とにかくたくさんいろんなことがあって、わーっとまとまらないように見えるんだけども、なんだか全部まとまってる。

人生の底と思えるような経験から、希望に溢れたこれからの未来まで、濃密で素直な普通のふたりの人生をしっかり受け取ったような気持ちになりました。

「錦繍、どうだった?」と先生に聞かれたら、「なんだかよく分からないけど、とってもよかった。面白かった。」と答えよう。さわやかであたたかな読了感が、まだ残っています。
錦繍 Amazon書評・レビュー: 錦繍より
410332502X
No.218
(4pt)

なんだかよく分からないけど、とってもよかった

15年ぶりに高校の国語の先生にお会いした際に、ご自宅の本棚の中で「俺、これ好きなんだわ、オススメだよ」と紹介してもらったのがきっかけで初めて読みました、宮本輝(さん)。

最初はいきなり始まる女性からのお手紙が、なんだかじれったいような、遠慮がちというか、はっきりしてないようなものの言い方が気になって「なんだかなぁ、まさかこれ、このお手紙がずっと続くわけ?この先おもしろくなるの?」という心境でだらっと読んでましたが、さらりと私のしょーもない予想を裏切り、あっという間に読んでしまいました。

14通のお手紙に、いろんなことが書いてありました。
男女のこと、命のこと、仕事のこと、音楽のこと、夫婦のこと、親子のこと、とにかくたくさんいろんなことがあって、わーっとまとまらないように見えるんだけども、なんだか全部まとまってる。

人生の底と思えるような経験から、希望に溢れたこれからの未来まで、濃密で素直な普通のふたりの人生をしっかり受け取ったような気持ちになりました。

「錦繍、どうだった?」と先生に聞かれたら、「なんだかよく分からないけど、とってもよかった。面白かった。」と答えよう。さわやかであたたかな読了感が、まだ残っています。
錦繍(きんしゅう) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 錦繍(きんしゅう) (新潮文庫)より
4101307024